平成19年度東海学セミナーの様子
「山と川と海の食 古代からの食の文化」
6月30日、7月14日、7月28日の3回にわたりに平成19年度東海学セミナーが行われました。約160名の申し込みがあり、多くの方のご参加をいただきました。
ここでは、講演の概要を紹介します。
- 今回の講演内容については、「東海学セミナー(4)」として発刊しております。
| 月日 | 演題 | 講師 | |
| 第1回 | 6月30日(土曜日) | 伝えておきたい 岐阜県山間部の食 | 脇田雅彦氏(日本民具学会) |
| 第2回 | 7月14日(土曜日) | 伊勢湾周辺における古代漁労活動について | 久保禎子氏(一宮市博物館) |
| 第3回 | 7月28日(土曜日) | 篠島の古代と漁業 | 山下勝年氏(知多古文化研究会代表) |
第1回「伝えておきたい 岐阜県山間部の食」脇田雅彦氏(日本民具学会)
6月30日、第1回目の東海学セミナーが開催されました。初回であるこの日は、「伝えておきたい岐阜県山間部の食」と題して、日本民具学会の脇田雅彦氏を講師に迎え、先生がこれまで実際に歩いて調査してこられた岐阜県の西美濃から飛騨地域を中心にむかしからの食の伝統についてご講演をいただきました。
明治の行政文書や文献資料に見られる庶民の食生活や、明治20~40年代生まれの方から実際に調査し教えていただいた伝承、民俗事例から庶民の苦しい生活の様子や、苦しい中でも自然から得られる豊かな「食」についてお話されました。また、実際に食べられていたアワやヒエ、トチなどの木の実の実物をみせていただきました。
第2回「伊勢湾周辺における古代漁労活動について」久保禎子氏(一宮市博物館)

7月14日、第2回目の東海学セミナーが開催されました。この日は台風4号が接近する悪天候でしたが、それにもかかわらず多くの方にご参加いただきました。
朝日遺跡や一色青海遺跡などから出土した土錘や骨角器、骨などの生物遺体から当時食されていた魚について、また、民俗学的立場から各地の漁師さんから聞いた事例を交えながら、土錘の形や分布状況の違いから浮き網用、定置網用など漁の特定や流通・交易などについてお話されました。
第3回「篠島の古代と漁業」山下勝年氏(知多古文化研究会代表)
7月28日、今年度最後の東海学セミナーが開催されました。「篠島の古代と漁業」と題して、知多古文化研究会代表の山下勝年氏を講師に迎え、万葉集や木簡資料に見られる古代の篠島について興味深いご講演をいただきました。
神明社貝塚の出土資料から、篠島では外洋型の漁業形態が縄文時代後期末に確立し、その漁業技術は東北地方から海上ルートをたどってもたらされたとされ、また、篠島における古墳の分布や出土資料などから三河湾海人文化についてお話されました。また、万葉集や木簡資料から律令制の下で中央政府が篠島の海人の優れた技術に注目していた点についてもお話されました。
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