内々神社(社殿、庭園、すみれ塚)
内々神社(うつつじんじゃ)は、旧下街道(県道内津勝川線)沿いに位置し、旧県社であり、「延喜式神名帳(えううぎしきしんめいちょう)」(法典927)にその名がみえる古い神社で、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征伝説と深い関係があります。
社殿は、本殿と拝殿が平行に並び、その間を幣殿という別棟でつなぐ「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれる構造をしています。本殿は前面に庇をもつ三間社流れ造り(さんげんしゃながれづくり)」、拝殿は正面中央に向背(こうはい)がある入母屋造りとなっています。
庭園は、南北朝時代の名僧・夢窓国師(むそうこくし)(1275年~1351年)の作と伝えられ、社殿の裏側にあって少しの平地と急斜面を利用して作られており、神社裏山の自然の岩が巧に取り入れられ、その下には丸池が掘られています。
すみれ塚は、庭園を右手に折れて山腹の台地に登ったところにあり、内津の俳人・長谷川三止により建てられました。6基の句碑の一番上にあるものに、「山路来て何やらゆかしすみれ草」の句が刻まれています。
これらは、全体として往時の姿を残しており、地域の歴史を表す貴重な建物、庭園、句碑となっています。
物件の主な内容
- 種別
- 建築物、庭園、塚
- 物件名
- 内々神社
- 所在地
- 内津町地内
- 所有者
- 内々神社
- 指定年月日
- 平成17年9月5日
敷地の概要
- 規模
- 約5,000坪(約16,528平方メートル)
- 配置
- 敷地東側の下街道に面して鳥居があり、西に参道が伸び、その奥に社殿が配されてる。社殿の西側には斜面を利用した庭園があり、社殿の北側の高台にはすみれ塚(句碑)が建立されている。
指定建築物等の概要
- 社殿3棟
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種類 本殿、拝殿、幣殿
面積 約234平方メートル
構造 権現造り
屋根 銅板葺き(旧檜皮葺き)
建築年代 江戸時代後期(1804年~1818年)
- 庭園
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形式 廻遊式林泉型
面積 約5,300平方メートル(5,316.54平方メートル)
作庭年代 南北朝時代
- すみれ塚
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句碑 6基
年代 江戸時代中期(明和6年:1769年)