宅地の耐震化(大規模盛土造成地分布図)

ページID 1008905 更新日 令和5年11月28日

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はじめに

 平成7年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)において、大規模に谷などを埋めた造成地で地盤の滑動崩落現象による災害が多発したため、宅地の安全性を確保することを目的として平成18年4月に宅地造成等規制法の一部改正が行われました。これに伴い、今後想定されている南海トラフ巨大地震による地盤災害を未然に防止または軽減し、宅地の安全性を確保することを目的として、当市では平成20年度から宅地造成工事規制区域(注1)において、宅地の耐震対策のために大規模盛土造成地の調査を実施してきました。


(注1)宅地造成工事規制区域とは、宅地造成等規制法により、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地又は市街地となろうとする土地の区域であって、宅地造成に関する工事について規制を行う必要があるものとして指定された区域です。

当市の大規模盛土造成地分布図

 市内の丘陵地の宅地開発が行われる以前である昭和34年の地形図と近年(平成14年)の地形図を重ねあわせ、その標高差から基準に合致する大規模盛土造成地(谷を埋めて宅地等のために平坦地を確保した盛土造成地であって、その造成面積が3,000平方メートル以上、または谷地形ではない場所を埋めて宅地等のために平坦地を確保した盛土造成地であって、旧地形の地盤面の勾配が20度以上かつ盛土高が5メートル以上 )を抽出し、大規模盛土造成地分布図を作成しました。
 本分布図の公表は、市内の大規模盛土造成地のおおよその分布を示し、盛土造成地は身近に存在するものであることを市民の方々に知っていただく目的です。

 なお、詳細な分布については、ページ下部の重ねるハザードマップ(国土交通省)をご覧ください。

春日井市大規模盛土造成地分布図

滑動崩落の仕組み

滑動崩落の仕組み

 滑動崩落とは、盛土が地震時に盛土前の地山と盛土との境界に沿って、流動、変動又は崩落する現象をいいます。

 兵庫県南部地震において少なくとも65箇所で滑動崩落と考えられる被害がありました。滑動崩落した箇所付近の震度は概ね6弱から6強と推定されています。

 南海トラフ巨大地震が発生した場合の当市東部地域の予測震度は5強から6弱であり、全ての大規模盛土造成地において必ず起きる現象というものではありません。

当市の取り組み

 平成20年度より国の大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)にしたがって第一次スクリーニング(注2)を行い、大規模盛土造成地の抽出を行いました。
 平成21年度には、大規模盛土造成地分布図を作成、公表しました。
 平成22年度以降は、現地踏査や有識者の意見を参考に滑動崩落の危険度や想定被害規模などから調査の優先度を決定し、第二次スクリーニング(注3)を計画的に進める準備を行いました。
 平成25年度はこの計画に基づき、特に優先度の高い大規模盛土造成地2箇所の第二次スクリーニングを実施しました。これによりこの2箇所については、地震時においても地盤の安全性が確保されていることが確認されました。
 

 (注2)第一次スクリーニングとは、過去の地形図と最近の地形図を比較し、盛土造成地の位置および規模を把握し、大規模盛土造成地を抽出することです。当市では昭和34年と平成14年の都市計画基本図を参考にしました。
(注3)第二次スクリーニングとは、現地測量、表面波探査、調査ボーリングや地下水位観測などにより土質等のデータを収集し、これをもとに安定計算により盛土の安全性を確認することです。

まとめ

 ガイドラインに基づく調査の結果、危険度の高い大規模盛土造成地において所定の安全性が確認されたことから、その他の大規模盛土造成地においても同様であると判断されます。
 ガイドラインによる一連の調査はこれで終了しますが、盛土造成地は身近に存在することを今一度認識していただき、日頃から周囲の地盤の変化などに注意を払っていただくことをお願いいたします。

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