特色ある授業で学ぶ
市教育委員会は、「学習規律の徹底」と「ICTの有効活用」を中心とした、分かりやすい授業を展開できる環境づくりに取り組んでいます。これを「かすがいスタンダード」と定義して、市内の全ての小中学校に普及させていこうと動き始めています。また、「書のまち春日井」独自の取り組みとして、子どもたちの表現力を向上させ、豊かな人間性を育むため、書に触れる機会を増やしています。
出川小学校の取り組み
出川小学校では、平成23年度より、「学習指導」の研究がスタート。そして、平成26年度からは、公益財団法人パナソニック教育財団との共同研究「ワンダースクール応援プロジェクト」により、タブレットPCの授業での活用についても実践研究に取り組んできました。
学校中で学習規律を整える
挙手の仕方、学習用具の整理の仕方、ノートの書き方など授業に必要な最低限のルールを定め、学校中で統一しています。ルールが定着していれば、学習の本質に時間を費やすことが可能となり、児童はいつも同じ環境で集中して学ぶことができます。
ICT(情報通信技術)を活用する
「分かりやすい授業」を実現するため、学習規律の徹底に加えICTを授業に取り入れています。教材などを大きく映し出すことができる実物投影機やタブレットPCを日常的に使い、子どもたちの意見発表などでも活用しています。
実践発表会が開かれました
昨年11月13日(金曜日)には、平成23年度より取り組んできた研究の成果を県内外の教育関係者に向けて発表するとともに、授業実践の様子を公開しました。この研究の成果が、市内にそして全国へ広まり始めています。
出川小学校から広がる成果
東北大学大学院情報科学研究科教授 堀田龍也
市では、出川小の実践成果を「かすがいスタ ンダード」として広く普及を目指しています。日常的にICTを活用して確実に学び、その習得したことを使って考え、伝え合う授業が学力向上につながっています。教室は落ち着き、児童は前向きに学習するようになり、保護者や地域からの信頼につながっています。この様子を学校教育の中核である教務主任をはじめ、さまざまな教員が継続的に出川小で学ぶことで、この成果がさらに広がることを期待しています。
書のまち春日井をもっと身近に
子どもたちに「書」に親しんでもらえるよう、市内の小学校では書の時間(書道科)の授業を導入しています。この授業は、平成23年度に小野小学校、西尾小学校の2校で始まりました。低学年の児童も筆に触れる機会を増やし、今年度から全ての小学校で実施されています。
低学年にもやさしい工夫した授業
字を書くときの姿勢、筆の持ち方、用具の置き方などを身に付けます。また、墨の代わりに水で字を書く水書板を使用することで、低学年の児童も安心して筆に親しむことができています。
こんな場面でも書道が
(左)西藤山台小学校の閉校式では、みんな大好きな校歌の歌詞の一部を書いた作品が飾られました。
(右)北城小学校の入学式では、在校生が新1年生のために大きく校歌を書きました。
誰もが楽しめる「書」の授業を
書道科講師 野田晴義
5年前から書道科の講師を務めています。1年生から6年生の各学年に応じて教材を工夫し、分かりやすく、楽しい授業ができるよう心掛けています。低学年から書に触れることは、美しい字が書けるようになるだけではなく、何事にも落ち着いて取り組む姿勢が身に付き素晴らしいことだと思います。地域に根差した書道文化を感じるとともに、多くの児童が書を好きになってくれることを期待しています。