伝えよう、あなたの「思い」

ページID 1014923 更新日 平成30年9月28日

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あなたは人生のエンディングを、誰と、どこで過ごしたいですか。家族と住み慣れた家で、専門のスタッフがいる病院で。どんなエンディングを迎えたいかは人それぞれ。だからこそ、あなたの「思い」を伝えることはとても大切です。ここでは、人生のエンディングのための話し合い「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」について紹介します。

その「思い」、伝えていますか

厚生労働省「平成29年度人生の最終段階における医療に関する意識調査結果」のグラフ

 国の調査によると、人生の最終段階における医療・ケアについて、これまでに詳しく話し合ったことがある人はほとんどいませんでした。もしそのまま自分で意思表示ができなくなってしまったら、家族は、あなたが望むエンディングをかなえてくれるでしょうか。元気なうちから、あなたの「思い」を周りの人に伝えておくことは、とても大切なことです。

「ACP(アドバンス・ケア・プランニング」で「思い」を伝える

 ACPとは、「意思表示ができなくなる前に、今後の医療・ケアに関する意向について、自分の『思い』を家族や医療関係者とあらかじめ話し合っておくこと」。人生のエンディングに備え、家族や医療関係者にあなたの「思い」を伝えることで、あなたが望むエンディングを迎えることができます。

ACPで大事な一歩を踏み出してください

市民病院がん相談支援センター部長・會津恵司
市民病院がん相談支援センター部長 會津恵司

 市民病院のACPの取り組みは、厚生労働省の「平成27年度人生の最終段階における医療体制整備事業」の実施医療機関に県内で唯一選定され、今もモデルケースとして取り上げられるなど広がりをみせています。會津部長は、市民病院内のACPの先導役として活躍しています。
 「私たちは患者さんがどんなエンディングを迎えたいか、その『思い』を聞き取り、家族の皆さんや医療関係者と共有しながら、医療やケアに反映させています。『思い』はきっと誰の中にもあります。ACPには日頃からの会話も大切です。例えば医療や介護についてのテレビ番組が流れたとき、『私ならこうしたい、こうしてほしい』と思ったら、『なぜそう思うか』とともに家族に伝えてください。他にも、あなたがどんな人生を歩んできてどんな考えを持っているのかを話してください。まずは家族に自分の価値観を伝えることが、あなたの希望をかなえるACPにつながります。
 あなたの望むエンディングに近づくため、大事な一歩を踏み出してください」

ACPで自分の望む治療が家族に伝わりました

ACPを実践した人

 ACPの大切さに気付き、自ら実践している人がいます。
 「私は10年前に舌がん、3年前に食道がんと大腸がんを患い、市民病院に通院しています。以前から今後の治療やケアなどについて考え、家族にはどのように伝えていくか考えていました。その中で今年6月に参加した市民病院の會津先生の講演会でACPを知りました。これは良い取り組みだと思い、自分でもACPを学び自分の『思い』をまとめて記述し、盆に帰省した息子や娘に伝えました。すると、『それが父さんの性に合っているね』と理解してくれました。自分がどんな考えを持ち、どんなエンディングを迎えたいかを家族に伝えることはとても大切だと思います。病気の治療を受けながら『思い』を自分の中だけで抱えている人がいたら、ぜひACPを知ってもらい、ACPをきっかけにぜひその『思い』をオープンにしてほしいと思います」

夫の希望をかなえられて本当に良かった

西澤富士乃 さん
西澤富士乃さん

 「家に帰って、家で最期まで暮らしたい」。市内で新聞店を営む西澤さんの夫・剛夫さんは、入院中の病院でそう話しました。「夫は3年前に末期の肝臓がんと診断され、闘病生活を続けていました。そして昨年10月に入院した時、『家に帰りたい。チラシの折り込み作業の音や配達に出て行くバイクの音を聞いて過ごしたい』と話したんです」
 富士乃さんは剛夫さんの「思い」を聞き入れ、剛夫さんは同年12月に退院。今年3月に亡くなるまで介護サービスなどを利用しながら、新聞店の音と、親しい人に囲まれて過ごしました。「入院中は寂しそうにぼんやりしていたり、記憶があいまいになったりすることが多かったのですが、家に帰ってくるとたちまち元気になりました。元々社交的な性格で、いつも従業員や近所の人と楽しそうに話していました。みんながいる場所に帰ってこられて、本当にうれしかったんだと思います」
 そして剛夫さんは、自身が望んだエンディングを迎えることができました。「過去を振り返った時、後悔が全くないとは言えません。でも、夫の『思い』を聞き、希望をかなえられたことは、夫にとっても、私にとっても本当に良かったと思います」



西澤剛夫さん

退院後の剛夫さん。家では4匹いる愛猫に寄り添われながら過ごしました。

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健康福祉部 地域福祉課 地域包括ケア推進室

電話:0568-85-6187
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