令和3年度第2回春日井市文化振興審議会議事要旨

ページID 1027014 更新日 令和4年1月29日

印刷大きな文字で印刷

1 開催日時

令和3年8月10日(火曜日)午後2時から

2 開催場所

文化フォーラム春日井・2階会議室

3 出席者

[会長]

名古屋芸術大学学長 竹本 義明

[副会長]

春日井市美術協会会長 中村 立強

[委員]

中部大学人文学部教授 篠宮 雄二

春日井市文化財保護審議会会長 長縄 秀孝
春日井市文化協会会長 山本 博
春日井市民音楽連盟副会長 保田井 善圀
中日新聞春日井支局長 井上 喜博
春日井商工会議所常務理事 山田 眞平
公募委員 可徳 亮介
公募委員 白木 智久

[事務局]

文化スポーツ部長 上田 敦
文化・生涯学習課長 内藤 純子
文化・生涯学習課長補佐 伊藤 英彦
文化・生涯学習課文化振興担当主査 横谷 朋子
文化・生涯学習課文化振興担当主事 山村 一貴

[傍聴者]

0名

4 議題

  1. 第2次かすがい市民文化振興プラン 令和2年度進捗状況報告書について
  2. 文化振興および生涯学習に関するアンケート調査について
  3. その他

5 会議資料

6 議事内容

(1) 議題 (1)第2次かすがい市民文化振興プランの改訂ついて

 資料1に沿って、第2次かすがい市民文化振興プラン 令和2年度の進捗状況報告書について文化・生涯学習課文化振興担当主査が説明し、意見等を求めた。
 各委員からの意見や質問が出され、事務局案を一部修正した上で承認された。
 主な意見等については、次のとおり。
 
ア 基本目標1、施策1.「幅広い鑑賞機会・文化活動機会の提供」について
【竹本会長】
 とても良い企画を立てていたが、感染症の影響で中止になってしまった事業も多い年となってしまった。
 
イ 基本目標1、施策2.「次世代の文化活動を担う人材の育成」について
【可徳委員】
 自己評価がされているが、それぞれの事業の目標についての記載はないのか。
【文化・生涯学習課主査】
 本審議会では、個々の事業内容の評価ではなく、施策として捉えたときにどういった進捗状況にあるかを点検・評価していただいている。個々の事業の評価については、例えば文化財団であれば財団の理事会や評議委員会など、それぞれの実施主体に関する会議で点検・評価いただいており、ここでは個々の事業の目標や予算など、細かい表記はしていない。
【井上委員】
 令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で近年にない年となった。壊滅的な状況の中で、施策全体としての評価がCで良いのか。もう少し踏み込んだ表現はできないか。
【文化・生涯学習主査】
 個々の事業について、全く実施できなかった事業については、自己評価の対象としていない。中止となってしまった事業もあるが、年間計画を見直して、何とかできる形はないかと検討し、関係者と調整のうえ、当初とは異なる形にはなったが、市民の皆さんに機会を提供している。そういった状況を含め、施策全体として考えたらどのような評価が適切かと考え、「C:成果が得られた事業が多かった」としている。
 
ウ 基本目標1、施策3.「知りたい人に届く文化情報の発信」について
【竹本会長】
 情報発信の柱の一つである文化財団の広報誌は大変良質で、県内の他市と比較しても高いレベルにある。
 
エ 基本目標1、施策4.「市民による文化活動支援の推進」について
【山本委員】
 我々文化協会は、市から財政的な支援を受けており大変有り難いが、近年は人的な支援もお願いしたい状況である。文化ボランティアはどういった活動を行っているのか、教えて欲しい。
【文化・生涯学習課主査】
 文化ボランティアは、市民による市民の文化活動の支援が活動の中心で、60代から70代の女性が会員の大半を占めている。例えば、市民音楽連盟の合同発表会(ミュージックフェスティバル)の受付を毎年行っている。市の行事に携わることも時にはあるが、大半は市民の文化活動のサポートである。

オ 基本目標1、施策5.「文化が育つ拠点施設の充実」について
【可徳委員】
 それぞれの項目の自己評価がBなのに、施策全体の評価がCとなっているのはなぜか。
【文化・生涯学習課主査】
 年間を通じて施設の貸出が休止となっていた期間が長かった。そのため、個々の施設ではやるべきことを実施していたが、市民に施設利用の機会を提供できていなかった期間を考慮して、施策全体としての評価はCとしている。
 
カ 基本目標2、施策6.「特色ある文化の推進」及び施策7.「文化財・伝統文化の保存・継承・活用」について
  特に意見等なし

キ 基本目標3、施策8.「分野を超えた連携の推進」及び施策9.「文化による地域の活性化」について
【可徳委員】
 施策8.の評価がCとなっているが、評価指標が大幅に下がっているし、実施できなかった事業が半数を超えている。この状況ならば施策全体としての評価はDとすべきではないか。
【文化・生涯学習課主査】
 例えば、第九演奏会では、事務局の中部大学、合唱団及び交響楽団のメンバーと協議を重ねた結果、演奏会は中止とした。発表や鑑賞の機会提供という観点では評価はできなかったが、市と市民、大学との連携という観点では成果があった点などから自己評価はBとなっている。また、それ以外の事業の実績を総合的に判断し、施策ごとの評価はCとしている。
【山田委員】
 自己評価が甘いのではないかと感じる。民間で考えると数値目標が達成できたかできなかったで、評価すべきところが、数値によらない形で評価されているが、これは行政特有のものなのか。
【文化・生涯学習課主査】
 施策ごとの成果指標では、人数であったり回数であったり、数値で評価している項目と、アンケート調査によって評価する項目とがある。行政だから民間とは評価の仕方が違うのではなく、文化の性質上、数値ではない判断をしている部分がある。自己評価は各実施主体が行ったものであるが、施策ごとの評価については、審議会でご検討いただきたい。
【山田委員】
 春日井市の他の審議会でも、今回と同じように、自己評価を取りまとめたうえで、全体的な評価をしていた。そこから考えると、行政では一般的な評価の仕方ではないか。
 今回の資料の4ページに、「令和3年8月10日開催の…(中略)…文化振興審議会の点検・評価を受けたものです。」とあるが、今日話し合われた内容は、この審議会の議論の結果として残るということで、記載内容に違和感を覚える部分がある。
【竹本会長】
 今回の審議会は全体的に評価に関する意見が多かった。文化振興に関する計画として、この文化振興プランがあり、それぞれの事業を各部署で実行していった結果を、それぞれの部署で自己評価し、さらにそれらを取りまとめた形で事務局により施策としての評価(案)が作成されている。その部分が難しいのであろうと思う。特に文化芸術では数字だけでは表せない部分がある。例えば、観客が1,000人集まった演奏会があり、一方観客は100人だったが内容的に大変素晴らしい演奏会もある。文化は「心」の部分も含めて評価すべきで、単純に人数だけでは判断できないものである。
 この文化振興プランに係る進捗状況報告は、各部署の事業とその自己評価に基づいて、施策ごとの相対評価を行っている。その間には、ずれが生じる部分があるが、許容範囲内だと思う。文化芸術には、曖昧な部分がついてまわり、数字だけでは判断できない部分がある。事務局で今回出された意見を受け取って、再度検討し、修正すべき点は修正して欲しい。
【文化・生涯学習課長】
 事務局で検討する。
 春日井市の施策点検で、自己評価に基づいて判断しているものは、まだ多くはない状況である。自己評価は甘くなってしまう部分もあるかと思うが、自己評価をしていくことは大切なことだと思う。
【竹本会長】
 私は、愛知県の文化振興計画にかかる2022年度の報告作成にも携わっている。愛知県の進捗状況報告も曖昧な部分があって、文化芸術という性質上、致し方ないことであると思う。愛知県内の自治体で文化振興計画を策定し、進捗状況報告を行っている自治体は少ない。その中で春日井市は先頭を走っている。他に手本とするものあれば参考にできる部分もあるが、そういった状況にはない。繰り返しになるが、今回の春日井市の進捗状況報告書については、事務局で再度検討して、まとめて欲しい。
【保田井委員】
 文化の評価は大変難しいと思うが、審議会の議論が点検・評価結果として公表されるものなので、慎重にならざるを得ない。他分野でみると、例えば、オリンピックでは、それまで血のにじむような努力を重ねた結果、メダルに繋がることも、残念な結果に終わることもある。身近で見てきた人は、それまでの過程を知っているので、よく頑張ったという評価になる。この報告書に記載がない部分についても、事務局では具体的なデータや事実を把握している部分もあると思う。文化もスポーツと同様に努力評価の側面がある。報告書のボリュームを考えると、全ての数字を報告書に載せることは難しいとは思うが、できるだけ数字を載せてもらえると良いのではないかと思う。最終的には、努力の過程も考慮して判断するしかないのではないかと思う。
【井上委員】
 先ほど話にあったが、第九演奏会の評価については腑に落ちない。演奏会が中止になったのに、連携はできた。自己評価がB:計画程度の成果が得られたというのはおかしいのではないか。
【文化・生涯学習課主査】
 資料85ページにあるとおり、第九演奏会では、中止という結果になったが、「地元大学と市、文化財団の連携の強化」という側面では、それなりの成果があり、自己評価はBとしている。井上委員は、この自己評価がおかしいというご意見か。
【井上委員】
 演奏会が中止ならば、成果はなかったすべきではないか。
【文化・生涯学習課主査】
 資料8ページにあるとおり、「幅広い分野の芸術文化を鑑賞・体験する機会の提供」という項目では、第九演奏会では、中止という結果になったため評価はできなかったが、85ページの「地元大学と市、文化財団の連携の強化」という側面では、それなりの成果があり、自己評価はBとしている。他の委員のご意見もいただきたい。
【竹本会長】
 この感染症の影響下で、美術に関わる催しは何とか開催できるが、音楽関係の催しでは、開催ができなくなったものも多くある。一般論として、本番がなければ成果はなかったという考えもあるが、本番に向けて練習をしたり、調整を行ったりという過程もあり、どう評価するかは難しい問題だと思う。
【可徳委員】
 自己評価は、計画に基づいてされているものであり、計画についての記述がなければ、なぜこういった自己評価になるのか当事者以外は分からず、ブラックボックスになってしまう。次年度以降、達成度(自己評価)の欄になぜそのような評価になったかを記載するか、あるいは実績だけではなく計画についての記載欄を設けてはどうか。
【文化・生涯学習課長補佐】
 ご指摘のあった第九演奏会についてだが、資料85ページ、第九演奏会の令和2年度の実績の欄に「12月6日に演奏会開催を計画していたが、市と実行委員会(中部大学)、合唱団と協議した結果、中止することとした。」といった記載があれば、委員のご指摘に応えることになるか。
【可徳委員】
 どういう状況で、何を行ったのかが分かると良い。数の問題になってしまうかもしてないが、頻度であるとか、〇回協議の場を設けたなど、連携に関わる記載が欲しい。最後が「中止となった」となっていると、自己評価Bはしっくりこないのではないか。
【竹本会長】
 それでは、様々な意見が委員からあったので、今回の進捗状況報告書については、事務局で再度検討して、まとめて欲しい。
 
ク (2)プラン全体(計画期間3年目)の評価について
【篠宮委員】
 97ページの本文2行目「芸術家からは、文化は「不要不急」ではない…」という記載があるが、芸術家にかぎらずそういった意見はあるので、文化は「不要不急」ではない。と明言してはどうか。主語を芸術家に限定する必要はないと思う。また、私自身は芸術家ではないが、文化は人の営みであって、「不要不急」ではないと考えている。
【文化・生涯学習課長】
 篠宮委員の指摘の通り、修正するということで、他の委員のご意見はどうか。
【竹本会長】
 他の委員からは意見はないようなので、篠宮委員の指摘の通り修正して欲しい。
 
(2) 議題(2) 文化および生涯学習に関するアンケート調査について

 資料2・3に沿って、文化および生涯学習に関するアンケート調査のうち、文化振興に関する部分について、文化・生涯学習課文化振興担当主査が説明し、意見等を求めた。
 各委員からの意見や質問が出され、事務局案を一部修正した上で承認された。
 主な意見等については、次のとおり。

【中村委員】
 9ページの「書のまち春日井」についての記載だが、2行目で「その真偽は定かではありませんが」という記述があるが、南北朝時代の『麒麟抄』などの文献資料にも記述がある。市が行うアンケート調査に、道風が春日井で生まれたかどうかは不確かだと殊更に強調するような記述はしなくても良いのではないか。
【文化・生涯学習課主査】
 小野道風の誕生地については、県の指定史跡になっている。指定当初は「誕生地」であったが、様々な指摘や検討の結果、現在は「小野道風公誕生伝説地」が指定史跡の名称であり、そこに基づいた表現としている。その点を踏まえて、ご理解いただきたい。
【中村委員】
 秦鼎の『小野朝臣遺跡碑』にあるとおり、確かな真実とは言い切れないのかもしれないが、「真偽は定かではありませんが」との記述は、まるっきり嘘を言っているかのように受け取られかねない。このような表現はいかがなものか。
【篠宮委員】
 歴史学の立場で言うと、ある文献に書かれていることイコール事実ではない。「真偽は定かでない」という表現はともかく、伝説・伝承であるということであろう。
【竹本会長】
 今のような意見があったので、事務局は行政としてどのような表現が適切か考えて掲載して欲しい。
【篠宮委員】
 1ページ目、文化芸術の説明の部分がやや分かりにくいように感じた。例えば「芸術」;文学、音楽、美術などといった記載の方が分かりやすいと思う。
【長縄委員】
 1ページ目、文化芸術の説明や、問1の選択肢などで、書は美術の中に含まれ、生活文化の書道としては捉えないということか。
【文化・生涯学習課主査】
 前回のアンケート調査では、書は美術の項目にも、書道として生活文化の項目にも記載があって分かりにくい部分があった。春日井市は書が盛んな土地柄で、美術として書に取り組む方が多い。そのため、今回のアンケート調査では、生活文化の書道ではなく、書として美術の一環として捉えている。
【長縄委員】
 文化芸術基本法の中で、書道は生活文化の項目に記載がある。国の法律と齟齬があるように感じるが問題はないのか。
【文化・生涯学習課主査】
 春日井市では、書に手習い又はお習字として取り組むことよりも、芸術として取り組むことを重視している。文化庁も、生活文化は、その地域の特性を考慮して捉えれば良いとしており、問題ないものと考えている。
【中村委員】
 学校教育でも中学校までの書写書道は、国語科の領域になっているが、高校生以上の書は、美術・音楽と同じく芸術の範疇に含まれている。そういったことから、書を芸術の一環として捉えてアンケート調査を行うことは、春日井市の実情から考えて問題はないものと考える。
【竹本会長】
 いくつか意見があったので、事務局はその点を踏まえて、アンケート調査を進めて欲しい。
 
(3) 議題(3) その他
 今後の予定について、12月に今年度第3回の審議会開催を予定しており、日程については、調整の上決定する旨、文化・生涯学習課長から発言があった。

 上記のとおり、春日井市文化振興審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び委員が署名する。

令和3年12月27日

           春日井市文化振興審議会 会長 竹本 義明

           春日井市文化振興審議会 委員 保田井 善圀

第2次かすがい市民文化振興プラン 令和2年度進捗状況報告書

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

文化スポーツ部 文化・生涯学習課

電話:0568-85-6079
文化スポーツ部 文化・生涯学習課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。