令和3年度第4回春日井市文化振興審議会議事要旨

ページID 1027104 更新日 令和4年7月19日

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1 開催日時

令和4年3月8日(火曜日)午後2時から

2 開催場所

文化フォーラム春日井・2階文化活動室

3 出席者

[会長]

名古屋芸術大学学長 竹本 義明

[副会長]

春日井市美術協会会長 中村 立強

[委員]

中部大学人文学部教授 篠宮 雄二
春日井市文化財保護審議会会長 長縄 秀孝
春日井市文化協会会長 山本 博
春日井市民音楽連盟副会長 保田井 善圀
春日井商工会議所常務理事 山田 眞平
公募委員 可徳 亮介
公募委員 白木 智久

[事務局]

文化スポーツ部長 上田 敦
文化・生涯学習課長 内藤 純子
文化・生涯学習課長補佐 伊藤 英彦
文化・生涯学習課文化振興担当主査 横谷 朋子
文化・生涯学習課文化振興担当主事 山村  一貴

[関係者]

公益財団法人かすがい市民文化財団
チーフマネジャー 米本 一成

[傍聴者]

0名

4 議題

  1. 文化振興に関するアンケート調査 調査結果報告書について
  2. 文化振興に関する現状と課題について
  3. その他

5 会議資料

7 議事内容

(1) 議題 (1)文化振興に関するアンケート調査 調査結果報告書について

 資料1に沿って、文化振興に関するアンケート調査調査結果報告書について文化・生涯学習課文化振興担当主査が説明し、意見等を求めた。

主な意見等については、次のとおり。

【篠宮委員】
 様々な自由意見が寄せられていて非常に興味深かった。なかでも、障がい者の文化振興にもっと力を入れて欲しいという意見に目がいった。この後の議題で取り上げられるかと思うが平成30年に「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」も施行されているので、注力していく必要があると思う。障がい者の文化振興について、春日井市の現状と今後の取組を教えて欲しい。
【文化・生涯学習課主査】
 障がい者に対する取組として、文化財団主催の「日曜シネマ」で視覚障がいのある方にも鑑賞していただけるよう、シーンボイスガイドを行ってきている。
【篠宮委員】
 法律では、障がいのある方の主体的な活動を幅広く促進していくという考えに感動を覚えた。そういった取組は春日井市ではまだないのか。
【文化・生涯学習課長】
 プランの見直しの中で、障がい者の文化芸術活動についても取り上げていきたい。その点については、この後議題(2)で説明する。
【竹本会長】
 「しょうがい」の表記は、「障害」ではなく、「障がい」の方が良いのではないか。
【文化・生涯学習課主査】
 平成30年に施行された法律は、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」と漢字表記になっている。春日井市ではこれまで「障がい」の表記を用いているため、表記にばらつきがでている。
(事務局追記:国では、内閣府で「しょうがい」の表記について「障害」「障がい」「障碍」のいずれが適切か検討された経緯があるが、統一的な見解は示されていない。ただし、法律や政府が発行する文書では「障害」が使われている。一方、地方自治体では、「障がい」の表記に改めるところが増えている現状がある。)
【竹本会長】
 様々な場面で、アール・ブリュットが取り上げられるようになってきている。春日井市でも取組みがあったと思うが、説明を求めたい。
(事務局追記:アール・ブリュットとは、「生の芸術」を意味するフランス語。正規の美術教育を受けていない人による芸術、既存の美術潮流に影響されない表現の意。日本ではその一部である「障害者の表現」が推進されている。)
【文化財団チーフマネジャー】
 令和3年12月に文化財団の自主企画として「やまなみ工房展」を開催した。これは、滋賀県甲賀市にある、知的障がいのある方が通う福祉施設の利用者の作品展で、彼らの個性あふれるアート作品は国内外から高い評価を受けている。この展覧会では作品展示だけではなく、施設長の山下氏のギャラリートークや講演会を数多く行うことで、施設運営方針や障がいのある方との接し方など、春日井の人々にも知っていただけるよう事業を行った。素晴らしい作品を鑑賞する機会の提供だけではなく、どうすればそういった作品が生まれる環境を作れるか、障がいのある方と共に歩んでいけるか、といった視点に主眼をおいた企画であった。
 文化財団では、この事業をひとつの契機として、今後も障がい者の文化振興に努めていきたいと考えている。
【文化・生涯学習課長】
 その他、今年度から春日井市では、障がい者の生涯学習についてNPO法人と連携して取り組んでいる。令和3年度はバドミントンなどスポーツに関する取組が多かったが、次年度は書道や美術など文化に関する取組を実施したいと考えている。
【中村副会長】
 今回のアンケート調査結果をみて、市民に対してもっと鑑賞するための手助けや助言、啓発などが必要ではないかと感じた。市の関係部署は、アンケート調査結果を受けて、鑑賞方法をレクチャーする機会を設けるなど、それぞれの部門で前進的な取組はできないか。
【文化・生涯学習課長】
 今回のアンケートを受けて、今後市が取り組むべき課題などについては、次の議題で検討いただきたい。
【文化・生涯学習課主査】
 今回のアンケート結果については、一般への公表に先駆けて、市役所の関係部署や文化財団には速報的に情報提供をしている。これは、アンケート調査結果を次年度以降の事業計画策定に活かして欲しいという考えからである。
【竹本会長】
 ここまで、委員から様々な意見があったが、特に報告書の記載内容を変更する必要があるというものではなかった。この後は事務局で再度確認してもらい、必要に応じて細かい修正を加えた上で、公表して欲しい。

(2) 議題 (2) 文化振興に関する現状と課題について

 資料2~4に沿って、文化振興に関する現状と課題について文化・生涯学習課文化振興担当主査が説明し、意見等を求めた。

主な意見等については、次のとおり。

【中村委員】
 学校教育の中では、生涯にわたって文化芸術的な関心を高めるといった観点で指導にあたっている。アンケート調査結果を見ると、高齢になると文化芸術への関心が薄くなっているようである。一方、10代など若い世代の関心は高いという結果になっている。これからは、生涯にわたって継続的に文化芸術への関心を高めていけるよう考えて欲しい。
【山本委員】
 資料2にある現状値をみると、特に施策2の指標など、コロナ禍で文化を取り巻く状況が厳しい中、よく健闘しているように感じた。気になったのは施策4の文化ボランティアについてである。以前の審議会でも質問したかと思うが、現状について教えて欲しい。
【文化・生涯学習課主査】
 中心となる世代は60歳代、70歳代の方である。文化ボランティアの発足当時からのメンバーもあり、15年以上加入している方も少なくない。そういった方も、80歳代になって「健康に自信がなくなった」と言って退会されたり、家族の健康問題などの理由で、毎年2~3人ずつ退会者がいる。一方で、「自由な時間ができたからボランティア活動をしたい」、「他のボランティアの方に聞いて自分も参加したい」と新たに加入される方も毎年数人ある。差し引きすると、毎年少しずつ人数が減ってしまっているのが現状である。
【山本委員】
 他市も同じような状況か。文化ボランティアという仕組みを他市でも活用されているのか。分かる範囲で教えて欲しい。
【文化・生涯学習課主査】
 春日井市の文化ボランティアは市民メセナ活動の一環で、「市民の文化活動を市民が支援する」という春日井市独特の取組である。一般的には、美術館・博物館や文化会館など施設に伴うボランティアが多い。春日井市でも文化財団サポーター (フロントスタッフ)といって、市民会館や文化フォーラム春日井などでの事業に携わるボランティアがある。
【山本委員】
 自由意見に、事業の年間計画の情報が欲しいという意見があったが、いかがか。
 また、将来の問題として外国人との文化交流を考えてはどうか。
【文化財団チーフマネジャー】
 令和4年4月号広報に、文化財団の年間ラインナップを折り込んで配布する予定である。ここには、年間の催事だけではなく、文化施設の紹介や学生向けの鑑賞支援の取組などについても掲載する予定である。また、広報が届かない世帯にどういった方法で届けていくか検討している。是非多くの市民に活用いただきたい。
【山田委員】
 この議題(2)では、現状と課題について、様々意見が出されている。ひとつ提案だが、現状と課題に加えて、対応策についても一覧表にするなど資料として提示してもらえると分かりやすいのではないか。
【文化・生涯学習課長】
 次回、令和4年度第1回の審議会で骨子案を提案する際には、委員の提案を採り入れた形で資料を提示したい。
【可徳委員】
 資料2の施策1の指標は文化芸術の活動している人の割合だが、このプラン策定時に14.5%だったものを、5年後には20%を目標値とし、5年間で5.5%上げていく計画となっているが、その目標を達成するために、どのような具体策が考えられていたのか。また、5年間でその具体的な取組が実施できたのか、実施したが見込んだ成果が得られなかったのかどちらか。
【文化・生涯学習課長】
 プラン策定に先立って行ったアンケート調査では、10歳代の文化活動をしている人の割合が25%であり、最も割合の高い世代だったため、10年後にはこの最も割合が高い世代の状況を他の年齢層でも目指そうという考えで、2026年度の目標値を25%とし、その中間年次にあたる2021年度にはその半分の20%を目標値としたという経緯がある。
【文化・生涯学習課主査】
 プランの26~28ページに記載があるが、「施策1 幅広い鑑賞機会・文化活動機会の提供」として、例えば託児付きの鑑賞事業の充実や、文化活動を行う市民に対し引き続き市民美術展覧会や短詩型文学祭など発表の場を提供していくことなどをうたっている。ただし、この目標を達成するために、関係する部署に具体的な指示を出すようなことはなかった。
【可徳委員】
 5.5%上げるために具体的な対策を考えていたとして、その取組が実施できたのか、それともコロナ禍ということもあって実施したが見込んだ成果が得られなかったのかどちらか。
【文化・生涯学習課長】
 主査が説明したように、それなりに取組は実施されてきたが、なかなか思うような成果が上がらなかったのが実情である。
【文化財団チーフマネジャー】
 文化財団では、市民美術展覧会や短詩型文学祭の事務局を担当している。この1~2年、市民美術展覧会では、若い年代の方を中心に新規の出品者が増えているという嬉しい状況がある。しかし、それ以上に高齢の方が出品をやめてしまう数が非常に多く、結果的に出品数が減ってしまっている実情がある。高齢の方の出品取り止めは新型コロナの影響もあるかと思うが、減少のスピードを少しでも遅らせることができれば、新規の増加と合わせて、何とか現状維持、あるいは出品の増加にもつなげることができると考えている。
【可徳委員】
 2026年度の目標値については、審議会で検討した上で変更も可能とのことなので、この施策1の目標値は変更した方が良いと思う。その上で、もっとターゲットを絞って、対策を考えた方が良いのではないか。アンケート調査の問7-4で活動していない理由を、「仕事や家事が忙しく時間がないから」と答えた30~40歳代を動かすのは難しいのではないか。また、資料に記載されている対策は、全方位的な取組のように感じられるので、もっとターゲットを絞って動かしやすい世代に働きかける方が、効果は上がるように思うがいかがか。行政としては、ターゲットを絞ることは難しいのか。
【文化・生涯学習課長】
 例えば対象とする年齢層に合わせて、事業の開催曜日や時間帯を工夫するなどの対策を考えていきたい。
【保田井委員】
 課題をどうやって解決していくかという手法は、今後の宿題なのか。現在課題とされたものは、文化振興当局だけで解決することは難しいのではないか。例えば、高齢者のオンラインに対する苦手意識であるが、現状は非常に憂慮すべき状況のように思う。ICTの発達と、その高齢者への普及啓発は、文化の面でも影響はあるが、新型コロナワクチン接種の予約など健康福祉部門にも影響すると思う。例えば、他市の話だが、常設でパソコンやスマートフォンの講座を実施している町がある。その講座は企業の協力があって実施されていると聞いた。受講料は春日井市の市民講座と比較するととても高いが、常設でいつでも学ぶことができる体制は大切だと思う。このように、ひとつの部署のみに関わる課題ではなくて、市全体でどう取り組むか、トップの姿勢として考え、部署を横断的に取り組む必要があると思う。今回、文化振興プランの見直しを行う訳だが、他の部署との連携が取れないと、効果も上がらないし、市民に広く伝わっていかないと思う。
【白木委員】
 基本目標3の「文化を通じた連携のまちづくり」で、施策9として「文化による地域の活性化」があり、施策の方向として「市民の文化交流の推進」が挙げられている。また、施策8で「分野を超えた連携の推進」があるが、文化をツールとした町内会での連携のような取組は現在されているのか。例えば、保田井委員から御指摘のあったオンラインに関する教室などもひとつであろうと思う。スポーツ分野では体育振興会などの活動があって成果が上がっているが、文化の分野ではそのような成果を実感できる機会がない。
【文化・生涯学習課長】
 オンラインの活用や幅広い普及については、令和4年度に公民館やふれあいセンターの1室にWi-Fi環境を整備し、パソコンやスマートフォンの基本的な使い方に関する講座を実施するなど、高齢者を含め市民の皆さんに学んでいただく機会を提供したいと考えている。あわせて、町内会などが施設を利用する際にも、Wi-Fiの設備を活用していただきたいと考えている。また、出前公民館講座など、地域に講師を派遣する取組を実施している。そういった制度を活用して、地域で文化を軸に交流を深めていただきたいと考えている。 
 その他、令和4年度のプラン改定の際に事務局でも検討して、御提案させていただきたい。
【竹本会長】    
 各委員から多くの意見が出されているので、次回の審議会には事務局で検討した改定骨子案を提案して欲しい。

(3) 議題(3)その他

 今後の予定について、令和4年度第1回の審議会は令和4年5月下旬から6月上旬に開催を予定していること、令和4年度は5回の審議会開催を予定していること、いずれも日程については調整の上決定する旨、文化・生涯学習課長から発言があった。

上記のとおり、春日井市文化振興審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び委員が署名する。

令和4年3月25日

           春日井市文化振興審議会 会長 竹本 義明

           春日井市文化振興審議会 副会長 中村 立強

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