平成30年度第2回地域包括ケア推進協議会
開催日時
平成31年3月26日(火曜日)午後2時から午後3時30分まで
開催場所
文化フォーラム 2階会議室AB
出席者
会長
三浦 久幸(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 在宅連携医療部長)
委員
白石 知子(中部大学 教授)
福井 雅子(春日井市医師会 会長)
德丸 啓二(春日井市歯科医師会 会長)
塚本 知男(春日井市薬剤師会 代表理事)
渡邊 有三(春日井市民病院 院長)
柴山 漠人(愛知県認知症疾患医療センター センター長)
若月 剛治(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 会長)
下田 伸司(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 副会長)
南部 哲男(春日井市第1層生活支援コーディネーター)
今村 勝芳(春日井市民生委員児童委員協議会 会長)
関係者
川合 直充(愛知県春日井保健所)
事務局
健康福祉部 部長 山口 剛典
地域福祉課 課長 神戸 洋史
地域包括ケア推進室 室長 吉村 典子
主査 上野 陽介
主事 佐口 早紀
在宅医療・介護サポートセンター
管理者 佐藤 和子
傍聴者
1名
議題
1.平成30年度地域包括ケア推進事業報告
2.平成31年度地域包括ケア推進事業(案)について
資料
-
(資料1)春日井市地域包括ケア推進状況報告 (PDF 527.9KB)
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(資料2)平成31年度地域包括ケア推進室 重点取組事項 (PDF 131.2KB)
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(資料3)平成31年度 春日井市の地域包括ケア推進に関する事業予算 (PDF 673.0KB)
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(資料4)平成31年度 春日井市地域包括ケア推進事業の主なスケジュール(案) (PDF 193.4KB)
議事内容
1.平成30年度地域包括ケア推進事業報告
- 上野主査
- 議題1について説明
- 三浦会長
- 議題1について、意見を求める。
- 塚本委員
- 認知症初期集中支援チームの医師は専門の医師であるか。
- 上野主査
- 認知症初期集中支援チームの医師は、認知症サポート医の研修を受講した医師としており、医師会より推薦を受けた医師2名が担当している。
- 德丸委員
- 調査に回答し医療情報のリストに歯科として登録されている施設数は何箇所か。また、リストには歯科医師会の会員外の歯科医療機関も掲載されるのか。
- 上野主査
- 105箇所の歯科医療機関が掲載されている。医療情報のリストは市内の資源を掲載することとしており、所属団体等で掲載の区別は行っていない。
- 福井委員
- ICTを活用した情報共有ツールである「かすがいねっと連絡帳」については医師会でも全ての会員の登録には至っていないが、他の職種の施設においても登録が十分には進んでいないと聞いている。医療と介護の連携以外にも医療従事者間の連携等にも活用できるものとなっている。協議会委員の皆様の所属団体においても登録を推進していただくようお願いしたい。
- 德丸委員
- かすがいねっと連絡帳の歯科医師の登録状況はどのようか。
- 上野主査
- 歯科医師は22名が登録している。
- 白石委員
- 医療情報や地域にある社会資源のリスト、在宅医療・介護連携の手引きを作成し配布しているが、インターネット上で公表しているか。
- 上野主査
- 医療情報のリストは関係機関で活用することを想定して作成しており、調査内容もその用途に合わせたものとなっている。問い合わせ方法等も関係者からを想定して回答をいただいており、インターネット上での公表は予定していない。
生活支援体制整備の社会資源シートは、掲載の承諾を得た団体については厚生労働省の運営する介護サービス情報公表システムにも掲載しており、このシステムでインターネットにより検索することが可能となっている。
在宅医療・介護連携の手引きについては、完成して間がないため現時点ではインターネット上での公表はしていないが、関係者に広く理解していただきたい内容となっており、今後公表していきたい。 - 南部委員
- アドバンス・ケア・プランニングの市民講演会の参加者にハッピーエンディングノートを配布したとあるが、講演会以後はどのように配布したか。また、アドバンス・ケア・プランニングの相談を受けられる地域の医療従事者が不足しているとあるが、今後対策を予定しているか。
- 上野主査
- ハッピーエンディングノートについては、市役所や出張所等の窓口で希望する市民に配布した。新聞にも取り上げられ配布開始から1週間程度で作成部数の大半が配布され関心の高さが伺えた。
アドバンス・ケア・プランニングの相談を受けられる地域の医療従事者の不足については、今後アドバンス・ケア・プランニングが広く市民に理解されていく中では不足することが予想される。対策については検討しており、具体的な内容については議題2で説明します。 - 柴山委員
- 介護予防では、フレイルの予防として運動の機会が重要であるが、介護予防事業の実施状況はどのようか。
- 上野主査
- 介護予防の一般介護予防として掲載の事業は、市が実施する事業を掲載している。運動の機会は、介護予防・生活支援サービスにおける通所型サービスの住民主体のサービスとして地域で実施されており、63団体の多くが体操などの運動が実施内容となっている。
- 下田委員
- かすがいねっと連絡帳の登録については、介護サービス事業所は説明会には多数参加したが登録施設数は少ない状況となっている。介護保険居宅・施設事業者連絡会でも5月に会員向けの説明会を予定しており、活用を推進していきたい。
- 三浦会長
- かすがいねっと連絡帳の活用の進捗を関係機関が把握する協議会などは設置しているか。
- 上野主査
- 他市では近隣市と共同して協議会を設置している例もあるが、本市では協議会などは設置していない。今後、多職種が利用する中で共有や検討の場が必要と判断したときは話し合いの場を作っていく。
- 渡邊委員
- 情報共有ツールについては同様のシステムを春日井市民病院で運用していたが、患者の個人情報を扱うため患者に関わっていない者が情報を把握することはできない。件数等の集計は市が行うことはできるが、患者に関する情報まで市が管理することはできないのではないか。
- 上野主査
- システムの仕様として市が患者に関する情報を見ることはできず、不必要に個人情報を閲覧することも禁じられている。話し合いの場での共有や検討する内容は、情報共有ツールの活用として多職種が連携する課題となり、患者個人の内容は扱わない。
2.平成31年度春日井市地域包括ケア推進事業(案)について
- 上野主査
- 議題2について説明
- 三浦会長
- 柴山委員より認知症総合支援について事前に検討事項の意見があった。
- 柴山委員
- 大都市における認知症の人と家族を支えるモデル事業として名古屋市千種区で医師会、歯科医師会、薬剤師会、区役所、社会福祉協議会、民生委員、介護事業者、弁護士、家族の会など多職種が参加して世話人会を発足した。医療、介護、福祉、行政など多職種の連携と啓発活動を目的としており、講演会や市民シンポジウム、専門職向け研修会を実施していた。
モデル事業は3年間で終了したが、世話人会への参加や講演会の講師は有志のボランティア活動として継続しており、外部講師や消耗品等についてのみ市の事業として実施している。千種区で開催する講演会では毎回150人程度の参加があり、参加者アンケートでは半数の方が初めて参加したと回答しており啓発活動として効果を得ている。
現在は、千種区と同様の取組みを名古屋市全域で実施しており、地域包括ケアの専門部会として位置付けられている。
春日井市でも過去に認知症地域連携の会として有志で話し合いの場があり、社会福祉協議会が場所の確保等で協力していた。今後、社会福祉協議会がコーディネートを担い、再度同様の取組みを実施していければよい。 - 吉村室長
- 本日、黒田委員が業務の都合により欠席することと事前に連絡をいただいており、柴山委員から検討事項として意見があったことは事務局より説明している。本市では、認知症地域支援推進員を春日井市社会福祉協議会に委託し配置している。黒田委員から認知症地域支援推進員が中心となって認知症支援の地域づくりを進めていけるとよいと意見があった。
千種区のように講座を毎月実施することを来年度から実施することは難しいが、市民講演会、啓発イベントや認知症高齢者捜索訓練等の事業を実施する予定としており、認知症の市民啓発を推進するための話し合いの場を作ることを検討していきたい。柴山委員を始めとする認知症に関する知識をお持ちの方にご参加いただき、話し合いの場としていきたい。 - 三浦会長
- 当協議会の委員の皆様の所属団体が協力することで実効性のある話し合いの場ができるのではないか。
- 神戸課長
- 民生委員や老人会等でも講演会を開催する機会があり、認知症の啓発に活用することも検討していく。
- 渡邊委員
- 9月15日に日本ACP研究会の年次大会が春日井市で開催を予定しており、年次大会の前日には市民公開講座も開催される。認知症もアドバンス・ケア・プランニングも市民の方が理解し自分で判断することが重要である。医療従事者はその知識を患者に提供し、患者自らが判断して決定することを助けることが役割となる。
- 南部委員
- アドバンス・ケア・プランニングには非常に期待している。最近、医師から患者の気持ちを分かろうと思うが、限られた診療時間で多くの患者を診察する必要があり、話を聞く時間がとれないとの声を聞いた。
傾聴ボランティアの集まりで話題にしたところ、パソコンや診療録ではなく、患者の顔を見て話をすることが大切ではないかとの結論に至った。 - 渡邊委員
- 医師も教育課程で患者とのコミュニケーションを学んでいる。医師は患者を治すことを学ぶため、死を前提とするような説明は経験が少ない。医師の経験等によりアドバンス・ケア・プランニングの実施は差が生じてしまう。
- 上野主査
- アドバンス・ケア・プランニングの研修の対象は医療従事者としており、医師以外にも看護師なども想定されている。
- 白石委員
- 保健師及び看護師の教育では、傾聴の姿勢は看護の基礎技術として学んでいる。医師が忙しい中で患者の気持ちを聞き医師に伝えることも看護師の役割となる。保健所で勤務する保健師もケアの重症度の高い患者と接する機会があるが、訪問看護師と比べて面談する機会が少ないため、多職種のサポートを得られるように繋げていくことが役割として大きくなる。
- 若月委員
- 施設を対象とする看取りに関する出前講座が予定されている。死をタブー視する傾向はまだあり、介護事業所としても取り組みにくいことはある。また、施設で看取りについてご家族と話をすると、急に決断しなければならない状況となり死の受容や結論が揺れ動くことがある。介護保険居宅・施設事業者連絡会としても介護従事者の理解を深めるとともにアドバンス・ケア・プランニングの普及に協力していきたい。
- 柴山委員
- 病院では終末期の胃瘻造設などをご家族と話をするときは、院内の多職種がチームとなってご家族と話をすることで混乱することなくご家族は決断できている。医師が外来で患者一人ひとりにかける時間を多くすると対応できる患者数が限定されてしまう。電子カルテなど作業効率を上げることで少しでも患者と話をする時間が確保できることとなる。
- 德丸委員
- 歯科医師会では訪問歯科診療に力を入れている。歯科医師会員のうち77名の歯科医師が訪問歯科診療を実施しており、平成29年度は延べ747回の訪問歯科診療を実施した。訪問歯科診療の依頼は半数が関係機関からとなっており、多職種との連携も進んでいる。
予防では、愛知県の8020運動の達成者は平成1年に241人であったものが平成30年には8,102人となっており、非常に多くの方が達成している。
歯科医師会では、平成31年度は日本老年歯科医師学会の専門医である松尾氏を講師に招いて講演会の開催を予定している。 - 三浦会長
- 8020運動の達成者には記念品等があったが、春日井市で実施していることはあるか。
- 德丸委員
- 春日井市歯科医師会から記念品を授与している。
- 白石委員
- 資料2では地域包括ケア推進室の取組みが記載されているが、介護予防では健康寿命の延伸やヘルスプロモーションが深く関連しており、地域共生は多世代を対象とするため子どもや子育て世代が関連している。春日井市全体として健康増進課や子ども政策課との連携はどのようにしていくのか。
- 神戸課長
-
地域包括ケアの対象は幅広いテーマを扱っている。東海北陸厚生局が主催したフォーラムでも地域包括ケア、地域共生、ヘルスケア産業がテーマとなっていた。健康寿命の延伸など健康増進課とは特に連携を図っていきたい。
- 福井委員
- 最期を迎える患者に対して医師は苦痛を取り除き、本人と家族がゆっくりと過ごす時間を提供することは積極的に行うことができる。患者一人に多くの時間を確保することで次の患者を待たせることにもなってしまうため、本人や家族の気持ちを傾聴することは医師を含む多職種がチームとなって行うことが重要である。
- 三浦会長
- 議題は以上であり、これで会議を終了する。
上記のとおり、平成30年度第2回春日井市地域包括ケア推進協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び会長が指名する者が署名する。
平成31年4月26日
会 長 三浦 久幸
委 員 白石 知子
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