平成27年度第1回春日井市地域包括支援センター運営等協議会議事録
1 開催日時
平成27年7月10日(金曜日)午後2時から午後3時30分まで
2 開催場所
春日井市役所南館4階 第3委員会室
3 出席者
- 委員
会長
倉地 一美(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会)
委員
岩尾 聡士(藤田保健衛生大学医学部地域老年科教授)
服部 敦(中部大学工学部都市建設工学科教授)
大野 貴也(春日井市医師会)
川口 剛(春日井市歯科医師会)
牛田 誠(春日井市薬剤師会)
加藤 鉱明(春日井市社会福祉協議会)
三好 順子(愛知県春日井保健所)
大村 義一(春日井市老人クラブ連合会)
稲垣 高志(愛知県弁護士会)
臼井 留美子(春日井市民生委員児童委員協議会連絡会)- 事務局
健康福祉部 部長 宮澤 勝弘
介護保険課 課長 波多野 正人
課長補佐 長縄 岳康
主査 清水 聡
主査 吉村 典子
主事 伊藤 和代地域包括支援センターあさひが丘 飯田 由佳
地域包括支援センター春緑苑 水野 雄也
地域包括支援センターじゃがいも友愛 廣野 誠
春日井市社会福祉協議会地域包括支援センター 北畠 真紀
春日井市医師会地域包括支援センター 服部 由枝
地域包括支援センターグレイスフル春日井 松田 京子
地域包括支援センター第2グレイスフル春日井 南谷 梓
地域包括支援センター勝川 佐藤 智香子
地域包括支援センター第2春緑苑 田中 靖久
春日井市社会福祉協議会地域包括支援センター中切 城内 弘子
4 議題
- 地域包括支援センターの運営について
- 地域密着型サービス事業所の指定について
5 会議資料
1.地域包括支援センターの運営について
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資料1-1 地域包括支援センター運営状況について (PDF 100.7KB)
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資料1-2 地域包括支援センター相当地域図 (PDF 101.6KB)
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資料1-3 平成26年度地域包括支援センター運営実績 (PDF 274.3KB)
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資料2 地域包括ケアシステムの構築を実現するための地域包括支援センターの役割 (PDF 828.5KB)
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資料3 介護予防・日常生活支援総合事業の利用者等について (PDF 82.7KB)
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参考資料4 第6次春日井市高齢者総合福祉計画 (PDF 607.3KB)
2.地域密着型サービス事業所の指定について
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資料4-1 地域密着型サービス事業者の指定状況 (PDF 95.5KB)
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資料4-2 地域密着型サービス事業所位置図 (PDF 110.5KB)
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資料4-3 地域密着型サービス利用状況 (PDF 143.8KB)
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資料5 平成28年度整備地域密着型サービス事業者公募について (PDF 94.0KB)
6 議事内容
1.地域包括支援センターの運営について
- 長縄課長補佐
- 資料1~3に基づき説明
- 加藤委員
- 運営実績ですが、課題のところで二次予防対象者に対する資源が限られている中でプランの作成件数があがっていかないが、H28年度から介護予防・日常生活支援総合事業の開始により、介護予防ケアマネジメント力の強化を図るとありますが、具体的に提供できる資源が増えていかない中で、どのようにケアマネジメント力を評価していくのでしょうか。
また、総合相談・支援業務での高齢者の実態把握調査で把握されている件数は全体の3.5パーセントであるが、実際ひとり暮らしや高齢者のみ世帯を分母にするとどれぐらいの割合を把握できているのでしょうか。
さらに、各地域包括支援センターで行われている介護予防教室は、開催回数のばらつきがあるが、地域特性という事で考えてよいのでしょうか。 - 長縄課長補佐
- 介護予防ケアプラン評価ですが、年間321件となっているが、介護予防支援事業では22,748件となっており、これに準ずる形となります。介護予防支援事業は主に介護保険の適応サービスだが、今後は地域におけるNPO、ボランティア、法律や制度ではないインフォーマルサービスなどの地域のあらゆる資源を含めたプランの作成となっていきます。今は、提供できる資源が少ないかもしれないが、地域包括支援センターは地域の実状を地域ケア会議などで把握しているので、ケアマネジメント力の強化を図っていきたいと思います。
2 点目は、市としてひとり暮らしの高齢者数を把握するのは難しく、住民票でわかる数が必ずしも実状と限りません。今まで、ひとり暮らしの高齢者及び高齢者夫婦を重点的におこなってきましたが、今年度は、2次予防対象者の状況の確認も含めて調査していきます。
3点目、介護予防教室の開催回数のばらつきは、事業ができる場所の確保や希望が原因の1つと考えられます。詳しい分析はできていませんが、一番の理由は場所ではないかと考えます。 - 大野委員
- 相談者別相談件数でその他が多いが、その他の中には何が含まれてくるのでしょうか。
- 長縄課長補佐
- 傾向として多いのは、居宅介護支援事業所やサービス事業所がその他の中の半分を占めています。
- 大野委員
- 近隣の方からの相談はいかがでしょうか。
- 長縄課長補佐
- そんなに多くはなく、事業所の10分の1くらいです。
- 南部委員
- 権利擁護業務の虐待における連携の報告件数で60件となっているが、緊急性を要するケースなのか、まだ余裕があるケースなのでしょうか。
- 長縄課長補佐
- 虐待におけるコア会議までいったケースではなく、虐待があったという初期段階のデータです。
- 倉地会長
- それでは、次、地域包括ケアシステムの構築を実現するための地域包括支援センターの役割について説明をお願いします。
- 長縄課長補佐
- 資料2、3に基づき説明
- 倉地会長
- 市の報告で何か質問ありますか。なければ地域包括ケアシステムの構築に向けて、それぞれのお立場からご意見をお願いします。NPOの活動から南部委員お願いします。
- 南部委員
- NPOをたち上げて4年経つが、生活支援の部分で草取りや木の剪定を行ってきました。その中で感じた事は、生活支援を必要としている人は同時に淋しい、人に話しを聞いてほしいということです。そのため、傾聴の講座を開催しスタッフを養成してきました。現在、勉強した人が実践の場として2つのグループホームで話し相手サービスを行っています。また、施設だけでなく、各家庭における訪問傾聴ヘルパーが必要と考えていますが、訪問傾聴はボランティアで行われているので、交通費も出ない現状です。ゆくゆくは仕事として成り立っていくとよいと感じています。
- 倉地会長
- 各家庭に訪問されている民生委員の立場から、活動を通して何かご意見はありますか。
- 臼井委員
- 一番関わるのは、ひとり暮らしの調査、実態把握になるが、実際のひとり暮らしはもらった名簿の3分の1ぐらいであり、調査をすると半分以上は終末期の心配事の相談になります。特に女性では80歳をすぎた頃から心配の種がふえてくるようです。
また、65歳以上が対象となるのでまだ働いている方も多く調査を拒否される方もいらっしゃいます。
75歳以上のおふたり暮らしの名簿もありますが、何か問題があれば訪問をしているという状況です。 - 稲垣委員
- 弁護士会から来ていますが、弁護士会全体の取り組みとして、地域包括支援センターの相談を受ける立場にあるので、その関わりの中でお話しします。
弁護士の仕事は、法律事務、法律問題を取り扱い、当事者の代理人や成年後見人になるという関わりが中心となりますが、もう少し手軽に情報を得たい、簡単に法的なアドバイスを受けたいのではないかと感じます。実際、弁護士会もそのような取り組みをしているが、周知されていない状態です。
また、私自身が地域包括支援センターと関わり、様々な相談を受けていますが、弁護士と話をする事は敷居が高いと感じられている部分があると感じます。相談の中には、法律問題が関わっている事があるのではと思いますが、弁護士には伝わってこないこともあります。なるべく顔を出し話がしやすいようにしていきたいと思います。 - 服部委員
- 専門は街づくりですが、最終的には地域が元気になっていくような空間作りとなります。特に地域包括支援センターの関わりという点でいえば、市にあるさまざま社会資源を今後、総合事業に移行する中で、資源をうまく結びつけて活用していく為には不足している状況や情報を把握してどういう仕組み作りをしていくのかを考えていかなければなりません。
また、現在高蔵寺ニュータウンの未来プランの統括責任者を担っています。ニュータウンで取り組むことが春日井市全体の先導的モデルになっていき、全体に広がっていくようになればよいと思います。さらに、高蔵寺ニュータウンの中で愛知県が、地域包括ケアの団地モデルを作る事となったので、連携を高めてやっていきたいと思います。 - 倉地会長
- 参考資料6があるので後ほど説明をしてもらいます。
岩尾委員におかれましては、事業構想大学大学院にも席をおかれております。地域域包括支援センターの役割を考えるというお立場でお願いします。 - 岩尾委員
- 責任の所在をどこにするかという事が一番重要なのではないでしょうか。高齢社会全体で、男性は82歳、女性は88歳までガンか事故にならなければ生きるという状態です。年をとるにつれ、介護認定は増え、認知症患者も増加します。また、保険料の引き上げや報酬の改定もされています。
また、人生の終わりに病院に入る人が増えて、本来病院に入らなくてはいけない人が入れないという現状もある。町でその人を診ていかなくてはいけなくなり、その為にも、施設を中心して、医療と看護を提供できる介護体制を早急に整えなくてはいけません。
介護予防について、データからこのような運動プログラムを行うとどう変化があったということや、このような食事療法を行うとこんなに糖尿病の患者が減ったなど、効果を検証しながらやっていかないと結果に繋がらないと感じます。 - 倉地会長
- 生活支援について、社協福祉協議会の加藤委員、お願いします。
- 加藤委員
- 市社会福祉協議会は住民参加型のホームヘルプであるにこにこヘルプサービス事業を平成2年から23年間行っています。つまり、在宅におけるサービスの現場に関わった人が数多くいることとなります。
実際に、自身が高齢のため登録を解除した方もいますが、自分はまだ元気だから、住んでいる地域ぐらいだったらやれるという言葉を残されたので、地域の方にはそのような財産があるのだと思います。
地域包括ケアを行っていくにあたって、マンパワーや地域の福祉力の活用がいわれていますが、直接的に地域住民や地区社協で活動されている人に働きかけていった方がいいのかと思います。
現在、地域には42の地区社会福祉協議という地域で活動する母体がありますが、その方達には地域包括ケアを担う一員として参加する、期待されているという事が当事者として認識されていないのが現状です。これらの活動している人に働きかけていかないと、地域資源として、人が足らないのではないかと思っています。 - 三好委員
- 地域包括支援センターとは、こころの健康推進グループの関わりが多く、後継者である人が精神疾患の方だとその対応に困るという事でよく相談にみえます。
核家族が増えて、地域の力が弱くなり、家族でも問題解決する能力がなくなっています。その為、公的機関に相談に来るケースがとても増えていますが、地域住民で問題が解決できると良いと思います。
資料において各地域包括支援センターへの相談がとても多く、この相談の傾向を分析することが必要になります。今は、平均寿命が延びていますが、健康寿命が延びているかどうかは疑問です。健康寿命を延ばすには、一次予防、二次予防が大切です。まずは自助、互助、共助で地域の住民や大学生の力を借りて、地域包括ケアが展開できればよいと思います。 - 牛田委員
- 3、4年前より介護と医療の溝は、なくなったように感じています。薬局の業務で感じる事は、まだまだ多くの高齢者が、介護に困ったら地域包括支援センターに相談する事すら知らない実状があるということです。
昨日、薬局に来た高齢者の方が、訪問看護に来ている看護師さんから往診をしてくれる先生がいることを聞いたと言っていました。キーパーソンは看護師なのかケアマネジャーであるのかを疑問に思ったケースでしたので、もっと宣伝をしていく事も必要であると感じました。 - 川口委員
- 二次予防対象者に対して、地域包括支援センターのアセスメントにより歯科医師会では「いきいき健口教室」を行っています。ADLを上げるために歯科では、「いきいき健口」以外に何ができるのか、往診をするにしてもどういう形でどこまで求められているのか知る必要があります。その手段として、質問状があると聞いたので歯科に対する要望などを把握し、対処していきたいと思います。
- 大野委員
- 岩尾先生の話でありましたように、病院のベッドが足りなくなるといわれています。今までは通院治療でしたが、病院に来られない人が地域にいますので、これからは医師の方から動いていかなければなりません。ただし、合理的にやらないとマンパワーも限りがあるので、ネットワークを医療関係者の中で作る必要があります。春日井市医師会のネットワークシステム、また市民病院も在宅がからんだネットワークシステムを作り、いかに具体的に有効的に活用していくかが重要です。
また、春日井市医師会でも在宅医療サポートセンターが立ち上がっています。尾張北部医療圏の中核センターも、春日井市でサポートセンターと連携していきます。今月には、実務者担当者会議を開いて具体的な方策を練っています。しかし、地域の家庭にどれだけ知れ渡るかが問題で、広報力が問われますが、医師会としてなるべく現場に入り込んでいきたいと思います。
先程、民生委員の臼井委員が言われましたが、80歳を越えた女性の不安はとても多いです。ひとり暮らしの不安もありますが、2人暮らしではあるけれど1人は健常ではない不安もあります。自分も健常ではなく、家族を頼る事ができないけれどカウントとしてはふたり暮らしです。そのような心配の話を聞けるという事が、とても大事ですので、傾聴として聞いてあげるだけでも大分違ってくると思います。 - 倉地会長
- 本日、地域包括支援センターの職員の方がいらっしゃいます。大村副会長より、職員の方に向けてお言葉をお願いします。
- 大村委員
- 介護予防の機会を老人クラブに多く与えていただきたいと思う。地域包括支援センターには、お世話になり高齢者の立場から感謝しています。しかし、何かあったら地域包括支援センターに相談に行くことを知らない人もまだいるので、地域包括支援センターの方からも訪問してほしいと思います。
愛知県の健康寿命は、男性は全国1位、女性は3位と聞きます。最後まで自宅で居られるには、どうしたらよいか考えていくことは大事な事であると思います。 - 長縄課長補佐
- 生活支援・介護予防では、互助、共助の部分がこれから大事な部分となります。公的機関だけではなく、近くの人に相談できる環境やちょっとしたお手伝いができる雰囲気が必要です。今まではサービスの事業者を中心としたイメージがありましたが、地域包括支援センターは、そうではない所も視野にいれて活用していかなければならないと思っております。
2.地域密着型サービス事業所の指定について
- 清水主査
- 議題2 資料4-1~3、資料5に基づき説明
- 倉地会長
- ただ今事務局から説明がありました。御質問や御意見のある方は御発言をお願いします。
- 倉地会長
- 特に質問がないようですので、議題2を終了いたします。
議題は以上ですので、これで会議を終了します。
上記のとおり、 平成27年度第1回春日井市地域包括支援センター運営等協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長が署名及び押印する。
平成27年10月1日
会長 倉地 一美
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