第3回春日井市食育推進計画策定委員会議事録
1 開催日時
平成20年7月10日(木曜日)午後2時~午後3時45分
2 開催場所
春日井市役所3階 303会議室
3 出席者
- 委員
- 野口忠(中部大学教授)
下村典子(中京短期大学准教授)
鈴木例(春日井市医師会理事)
丹羽一仁(春日井市歯科医師会副会長)
波多野悦朗(尾張中央農業協同組合常勤監事)
中島せと(春日井市保育連盟会長)
稲垣康江(春日井市小中学校PTA連絡協議会顧問)
鵜飼みね子(公募委員)
瀧澤睦美(公募委員) - 事務局
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市民経済部参事 西尾義和
農政課長 加藤久佳
同課長補佐 坂井勝己
同主査 寺尾泰英
同主任 渡辺誠
欠席者
- 委員
-
宮崎いつ子(春日井市健康づくり食生活改善協議会会長)
4 傍聴人
3人
5 議題
- 食育推進計画の具体的な事業、基本理念及び施策の体系について
- アンケート調査について
6 会議資料
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資料1 食育に関する事業一覧 (PDF 37.2KB)
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資料2 基本理念及び施策の体系(案) (PDF 90.8KB)
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資料3 食育推進計画に掲載されている事業一覧 (PDF 188.7KB)
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資料4 春日井市の重点取組みについて (PDF 186.3KB)
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資料5 春日井市食育推進計画策定に関するアンケート(事業者・団体用) (PDF 205.6KB)
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資料5-1 春日井市食育推進計画策定に関するアンケート(事業者・団体用)送付件数内訳表 (PDF 39.0KB)
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資料6 春日井市食育推進計画策定に関するアンケート(保護者用) (PDF 309.6KB)
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資料7 春日井市食育推進計画策定に関するアンケート(児童・生徒用) (PDF 198.6KB)
7 議事内容
- 食育推進計画の具体的な事業、基本理念及び施策の体系について
【事務局】
議題1「食育推進計画の具体的な事業、基本理念及び施策の体系について」、資料1~4に基づき説明。
【野口会長】
資料1から3をみると、春日井市では多くの事業が継続実施しており、さらに新規事業を加えて食育を活発にしていけることが伺われる。
【瀧澤委員】
資料1の継続事業の5番「高齢者学級」は、19年度に新規事業として年2回開催されているが、20年度は0回である。そして、21年度以降はまた継続事業となっているが、今年度についてはどうして実施されないのか。また、新規事業の108番「食育指導」の、「お味見当番」とは具体的に何をするのか。
【事務局】
「高齢者学級」については、平成20年度は健康及び食育に関するテーマを設けていないので0回となっているが、継続して事業を実施していく。
「お味見当番」というのは、保育園の園児が3人1組で、園長先生と一緒に給食の食材、味、感想を話し合いながら検食するものである。また、味の感想などを調理員に伝えることで、調理員とのふれあいにもなるという事業である。
【野口会長】
資料2は前回までに出していただいたものと同じものである。最後には、基本理念を絞り込んでいくということで、そこが空欄となっている。候補として6つの案が挙げられているが、もちろんこれ以外の案でも結構である。
【野口会長】
資料4「重点取組み」については、これが決まるとわかりやすい形で市民に提示し、詳細を基本方向や主な事業のところで提示する。基本方向にある長い文章は市民に公開する場合は、短くわかりやすくなると思うが、この資料は、各委員に検討していただくということで詳しく書いてある。
【丹羽委員】
重点施策5の「春日井産品を食べよう」は、地元食材の提供と地産地消の推進ということになっている。その中で、農業祭における地元産の直売会とあるが、お祭りの時だけではなくて、普段から地元産のものを産直販売することを事業としてはどうか。
【波多野委員】
産直販売は市内に4か所あり、味美、西山、松本の3か所は毎日、高蔵寺では週1日実施している。西山が一番大きく年間1億円くらいの売上げがあるが、他は規模が小さい。
【丹羽委員】
買い物をされる方々へ周知はされているのか。
【波多野委員】
10年位実施しているので、それなりに認知していただいていると思う。
【丹羽委員】
もっと周知され、一般化されて売り上げが増えれば、もっと拡大することができるのか。
【野口会長】
全体の生産からいうと、もっと増やせるだけの能力はあるのか。2倍くらい市民から要望があれば、もっと出せる状況なのか。
【鵜飼委員】
産直販売は10年程経ち、後継者がおらず、また高齢化により、農家はだんだん規模を縮小している。私は産直販売に野菜を出しており、朝、新鮮な野菜を1年間出荷している。
農業を始める人は定年退職後の方が多いので、近所の農家は貸し農園にしている方もいる。農業の好きな方に空いた畑を使ってもらい、畑が荒れるのを防いだらどうか。
【波多野委員】
産直販売をやられる方の平均年齢はかなり高いと思われる。
【野口会長】
産直販売への取組みは5番目の「主な事業」のところに盛り込めばいいと思う。
【瀧澤委員】
荒れた畑を使っていただきたいとのことだが、荒れた畑がここにあるという情報はどこにあるのか。農業をやりたいという方はいると思うが、そういう人に情報が周知されるようなことを行えないのか。
【事務局】
市としては2つの柱を立てて、市内の遊休農地の活用を行っている。1つはもっと農業をやりたい人、経営を拡大したい人に活用していただくこと。もう1つは、営農の難しい農地を整備し、農協を通して市民の方に利用していただく市民農園を実施している。
【瀧澤委員】
使われなくなった畑の持ち主が、やれないから何とかしてという相談はあるのか。
【波多野委員】
相談に対しては、管理自体が大変で70、80坪くらいならなんとか面倒をみられるが、それ以上となると難しい。また、生産した農作物の出荷先はどうするかという問題や、農薬検査の講習を受講しないといけないという農薬の問題等もある。
「農業祭」では去年から、市民農園の出品物も審査しており、皆さんに関心を持っていただき、市民農園の方がやる気を出す発表の場を作っている。
【瀧澤委員】
自分たちで作った物を収穫して給食で食べるとか、小学校の授業、総合学習の中で、畑で農作業することはできないのか。
【事務局】
平成19年度、市内では牛山小学校が、指定校として田植えや稲刈りなどの農業体験を総合学習の時間で行っている。授業の中で農業に親しむ、土に親しむことに取組む学校もこれから増えると思う。
【鈴木委員】
遊休農地を家庭菜園くらいに小さくして親しんでもらうことは可能ではないか。1坪くらいに小さく区切って、自分たちが食べる分を作るという形でできないか。必要とする人との間に農協が介在してくれれば良いと思う。
【瀧澤委員】
地域ボランティアの方に教えていただいたりすれば、そういう人たちとの交流にもなるし良いと思う。
【野口会長】
そういうシステムを作らないといけないと思う。
【事務局】
農政課の平成20年度からの新規事業の「学習農園」は、農家のボランティア的な人や、農業の担い手を育成するものである。1年間かけて土の作り方、耕運機の使い方など技術を習得し、その後は学校で農作業を教えたり、農作業で困った人の手助けを行えるような人達を育てる。
【野口会長】
新規事業で保育園関係が多いが、どうですか。
【中島委員】
108番「食育指導」については、調理員は配膳後も各教室に分かれて子どもの食べる姿を見ることにしており、園長も園児達と食事をしている。
新設の柏原西保育園を視察させていただいた。調理室は、釜や側溝の位置に配慮した施設配置であった。今はドライワークが強調されており、スニーカーで調理できる調理室が整えられている。このような施設でも保健所の監査で指導を受けている。材料を受ける所、下処理をする所、火を使う所、配膳する所、エリア毎に仕切りがあって、人が行き来できないので、多くの人員が必要になる。少し圧迫感があったが、ガラス張りになっており、調理している所を園児が見て、また、匂いを感じることで、調理員の大変さを伝えられるようになっている。
【野口会長】
保健所の方が講習会をやるのか。また、ドライの方がウェットより使いやすいのか。
【中島委員】
年2回研修があり、6月中旬の衛生監査前の研修と、秋の新しいメニューを作って試食し、それを園児に提供する調理研修がある。
水のはねが汚染に繋がることがあり、食料に入らないようにドライとしている。掃除は水を流せないので消毒液で実施している。
【野口会長】
重点施策5の「春日井産品を食べよう」は大事なことと思うが、1~4とでは市民に広報していく時にジャンルが違うように感じるがどうか。
【下村委員】
重点施策4の「食を楽しもう」の中の1つの項目に入れてはどうか。
【野口会長】
だんだん「自然の恵み」という感覚が少なくなってきているので、強調することは大事なことかもしれない。
【鈴木委員】
給食での地産地消は賛成で、普段出している給食が、具体的にどれがどこから来たということを生徒に示して比較すると、どうすればどれくらい自給率が上がるのか具体的に分かると思う。市や県のものがどれくらい使われているかを比較するような形をとると、地産地消の程度が具体的に分かる給食になるのではないか。
【野口会長】
最近はフードマイレージもあるので、生徒がよく通る所に、産地を示した模型を置いてはどうか。A学校で一か月置いたらB学校に移すようにすれば費用も抑えられる。
【瀧澤委員】
今回のキャッチフレーズは考えないのか。
【野口会長】
それは、今決めても良いが、資料2の「基本理念」に入れることになる。これは具体的に分かりやすくしなくてはいけない。
【丹羽委員】
基本理念を決める時がくると思うが、春日井らしい言葉や市が好んで使う言葉はあるか。それをうまく入れられたらと思う。
【野口会長】
この会で出てくればと思う。今日、重点取組の素案が出たので、今後アイデアがあれば思いついた時点で事務局へ連絡してもらいたい。印象深いものができればと思う。
【事務局】
議題1については、委員の方からの提案を受けて、今後、庁内の会議などで再度検討して進めていく。
【野口会長】
今後、基本方向など文章の内容については詳しく調べて作成していくことになる。 - アンケート調査について
【事務局】
議題2「アンケート調査について」、資料5・6・7に基づき説明。
【稲垣委員】
小・中学校の配付方法は、学校経由でお子さんに渡し、子どもが親に渡すという方法なのか。
【事務局】
小・中学校のアンケート用紙は、保護者用と生徒用、返信用封筒を一緒にし、学校を通してお子さんに渡し、郵便で返信して頂く。
【稲垣委員】
中学生になるとなかなか書類を親に渡さないということがあり、回収率が下がるという懸念がある。幼稚園・保育園用はどうか。
【事務局】
保育園、幼稚園は保護者のみであり、保育園2園、幼稚園1園を対象とし、園から配付していただく。
【稲垣委員】
春日井市には小・中学校が54校あるが、各5校とはどのように選ぶのか。
【事務局】
市内を東部、中部、西部、ニュータウンと高蔵寺・坂下の5つの地区に分け、それぞれから1校ずつ選ぶ。
【下村委員】
「食育とは」という説明文だが、知・徳・体といっており、知育・体育・徳育の順では言わない。文言の書き方のルールがあるようなので、順番を訂正してほしい。
【事務局】
訂正させていただく。
【丹羽委員】
資料7の問13で、食文化について、地元の郷土料理にちまき、押寿司、箱寿司とあるが、春日井の郷土料理が、ちまき、押寿司、箱寿司なのか。「地元の郷土料理」でなく、「春日井の郷土料理」として書いた方がわかりやすいのではないか。
【鵜飼委員】
農協に料理教室があり、産直部会からの依頼で地元の料理作り体験として、五平餅やちまき、おはぎ作りを実施した。秋には、家庭ではやらなくなった箱寿司を作った。地元の料理作りは、親から子ども達に伝えてもらえるよい機会になると思う。
【瀧澤委員】
ちまき、押寿司、箱寿司自体を知らない場合、「興味がありますか」と聞かれても答えようがないのではないか。
【鵜飼委員】
最初は、ちまき作りと言っても、ちまきが分からないから、やりたい人がいなかったが、みんなでやっていくうちに少しずつ知られるようになってきていると思う。
【野口会長】
郷土料理については機会があったら、写真を撮って、レシピも一緒に閲覧できるようにしてはどうか。そうしたら若い方も作ってみようかということになるかもしれない。
【鵜飼委員】
今、米の消費拡大が話題になっているが、お米をあまり食べないので、米粉を使った団子やおはぎなどで米を食べてもらいたい。
【瀧澤委員】
アンケートの主旨としては「興味がありますか」でなく、「知っていますか」の方が良いのではないか。団地などで暮らしている方は多分知らないと思う。
【野口会長】
確かに名古屋から越してこられた方が多く、また、ニュータウンにお住まいの方は他所から来た方ばかりと思う。 「知っていますか」というと、ちまきや押し寿司、箱寿司のどれかは知っているということになり難しい問題になる。
【丹羽委員】
「知っていますか」と「興味がありますか」では、質問の内容が変わってくる。
【野口会長】
「昔からの料理」として、ちまきやおはぎも入れて「興味がある」としてはどうか。
【中島委員】
行事料理と書くと彼岸だんごも入ると思う。
【瀧澤委員】
どういう観点から、何を聞き出したいか。何をアンケートしたいのかが問題だと思う。
【野口会長】
食育に郷土料理を取り込もうという時に興味がない方が多かったら、取り込めないことになる。料理名の整理をして「興味がありますか」でどうか。興味のある方が多いなら、それを作る講習会や試食会といった事業に繋げられると思う。
【稲垣委員】
事業者団体用が144件ということだが、回答が144人ということか。学校ごとに件数があるが分野はどこに入るのか。
【事務局】
大学は、中部大学と名城大学である。中部大学の食堂での表示や、学生の栄養面を考えた取組みをしている等の話があったため、現在の食に対する取組みや今後の取組み、行政に対する意見を併せてお尋ねしたいと考えている。
【稲垣委員】
外食栄養成分表示店というのはどういった所なのか。外食栄養成分表示がどこか店内にあるのか。
【事務局】
カロリーなど栄養成分表示をしているお店で、春日井市役所の 12階の展望レストランや中部大学の学生ホールなどでも表示されている。
【瀧澤委員】
「いいともあいち推進店」とは何か。
【事務局】
県が指定するものであり、県内で生産された農産物を積極的に取り入れて販売する店舗や飲食店で、現在、愛知県に約550店が登録されている。
【稲垣委員】
このアンケートは孤食をしている子供たちを数値で把握できると思う。計画策定後に再度アンケートを実施することで、今後の数値目標管理はできると思うが、アンケートは同じ人ではなく、別の所で実施して目標の達成率を見ていくのか。データとして確実に出てくるので、追跡調査を実施して成果を見る計画はあるのか。
【野口会長】
長期間同じ人を調査することは社会的状況の変化からも難しいと思う。5年後に無作為で同じ年齢構成を調査することになる。
【稲垣委員】
5年後に達成率を見るという計画ではなく、目標を立て、アンケートで目標に対してどれぐらいであるかということを把握してプランを立てることになるのか。
【瀧澤委員】
長期ビジョンは必要と思う。
【事務局】
この計画は数値目標を出し、今後5年間でどのように推移するか進行管理を行っていく中で、必要に応じ計画や目標を見直しするものと考えている。
【野口会長】
成果を全体的に上げていくことが重要で、その成果を、時間を追って監視していく、お金がかからないなら必要に応じて2年後くらいに調査することを考えてもよいと思う。
このアンケートは、若干修正はあるが、大きな問題点はないと思われる。
資料5のアンケートを見て、事業者の立場で書きにくいということはあるか。
【波多野委員】
書く内容が多いので、もらった方は少し困るかもしれない。
【野口会長】
数字統計が出てくるというよりも、状況を把握することになるので、他のアンケートとニュアンスが違うかもしれない。保育園、小学校の保護者はこのアンケートをもらって書けそうか。
【稲垣委員】
書けると思う。
【中島委員】
食事バランスなどの重要性を家族の方が改めて認識し、さらに、アンケート実施によって意識を高めていただければと思う。
【野口会長】
それではこれをもって会議を終了する。
上記のとおり春日井市食育推進計画策定委員会の議事及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、議長及び出席者1名が署名する。
平成20年8月21日
議長 野口忠
署名人 波多野悦朗
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