第4回春日井市食育推進計画策定委員会議事録
1 開催日時
平成20年11月6日(木曜日)午後2時~午後3時45分
2 開催場所
春日井市役所3階 303会議室
3 出席者
- 委員
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野口忠(中部大学教授)
鈴木例(春日井市医師会理事)
丹羽一仁(春日井市歯科医師会副会長)
中島せと(春日井市保育連盟会長)
稲垣康江(春日井市小中学校PTA連絡協議会顧問)
宮崎いつ子(春日井市健康づくり食生活改善協議会会長)
鵜飼みね子(公募委員)
瀧澤睦美(公募委員) - 事務局
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市民経済部参事 西尾義和
農政課長 加藤久佳
同課長補佐 坂井勝己
同主査 寺尾泰英
同主任 渡辺誠
欠席者
- 委員
-
下村典子(中京短期大学准教授)
波多野悦朗(尾張中央農業協同組合常勤監事)
4 傍聴人
1人
5 議題
- 食育推進計画(中間案)について
6 会議資料
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資料1 春日井市食育推進計画(中間案) (PDF 989.6KB)
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資料2 施策別主な事業一覧(案) (PDF 173.5KB)
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資料3 施策別の数値目標一覧(案) (PDF 187.2KB)
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資料4 アンケート調査の結果 (PDF 255.2KB)
7 議事内容
- 食育推進計画(中間案)について
【事務局】
資料1及び資料4について説明。
【野口会長】
ご意見をいただきますが、今回のパブリックコメントには本日の資料で出させていただきます。
いままでの会議での意見や専門部会での意見も取り入れられている。どこからでも結構なので意見をお願いしたい。
【丹羽委員】
歯を大事にすることを基本施策に入れていただいていることはありがたい。29ページに「歯磨きの習慣を身につける」とあるが、実際に歯みがきをしない人はほとんどいない。治療効果や予防効果を高める健診を有効に活用する必要があり、「歯科健診を受け、正しい予防習慣を身につけましょう」としたほうが具体的で良いのではないかと思う。また、歯磨きだけで予防ができるものではない。
28ページの節目健診は、40歳、50歳、60歳、70歳で、春日井市では無料健診が行われており、すこやか健診(節目健診)とした方が良いと思う。
「検診」という言葉が出てくるが、ほとんどの場合、健康診断になり、病気の検診ではないので、健康の「健」にしたほうが良い。
【野口会長】
40歳、50歳、60歳、70歳と4つ並ぶのはどうかと思うので、記載の方法を工夫するとよい。80歳はないのですか。
【丹羽委員】
80歳は春日井市から予算がついていないので行っていない。今、65歳を要望として出している。
44ページ(1)「規則正しい食生活をしよう」の主な取組の中に、「自分にあった口の手入れの習慣」と記載されているが、今は、生活習慣の中でむし歯を予防していく考え方になっており、歯磨きだけで予防するわけでないため、「自分にあった予防習慣を身につける」とした方が意味が広くなり良いと思う。
【野口会長】
今は、磨くという感覚はないのですか。
【丹羽委員】
もちろん磨くことは必要であるが、最近は、よく噛んで食べるとか、ジュースを飲む間隔や甘いものを食べる間隔をどうしたらよいか、寝る前に食べた時はどうするかなど、単に歯を磨くだけで予防するのではなく、もう少し幅を広げて生活習慣の中で予防するという考え方になってきている。
【野口会長】
歯の磨き方に、もっと気をつけることも必要ですか。
【丹羽委員】
もちろんそれも大事だが、歯磨きだけではむし歯を防げないというのが最近の考え方で、基本的には食習慣、例えば、一日に何度も甘いものを摂取するとか、だらだら摂取することは確実にむし歯になる。予防のために歯にフッ素剤を塗るなど、トータルで口の中の予防を考えていくというのが今の予防スタイルである。今は、歯磨きだけで予防するという考え方はあまりない。
【野口会長】
42、43ページの年齢区分は、基になる資料はあるのですか。区分ごとの内容に問題はないですか。
【事務局】
年齢区分は「かすがい健康プラン21」と整合を図っている。
【鈴木委員】
43ページの「壮年期」から上の世代の内容が食に関することだけなので、「運動」に関する言葉を一言入れた方が良い。
運動しないと様々な機能が落ちるので運動が必要になる。
【野口会長】
例えば、カルシウム代謝には運動が必要である。
【鈴木委員】
10ページに基本健康診査の結果の表と各診査項目の説明があるが、記載の仕方に工夫が必要かと思う。高血圧、高脂血症、肥満のそれぞれの数値は要指導と要医療が混在しているので、高血圧については「中等度以上が該当」とした方が良い。
【野口会長】
現状と課題では、極力、春日井のデータを使ってあり、分かりやすくなったと思う。
【鈴木委員】
地産地消について大まかな数値は分かるが、具体的に食事の何%が地元産なのかを食べている本人が分かるようにできると良い。一年を通じて国全体としては40%と統計上出ているが、個人で国産、愛知県産を食べた割合、今日食べたもののうちの県内産の割合を知ることができる良い方法はないだろうか。簡単ではないと思うが。
【野口会長】
春日井市での食材の消費量と生産量を正確に把握できれば、ある意味では地産地消の割合を推定できると思う。これができて、モデル的料理の献立や春日井産を取り入れた一般的な料理を、市役所であればガラスケースに入れて市民に見せることができると、フードマイレージの計算もでき、啓発になると思う。
【事務局】
農産物を市の一か所で集約して取り扱うことができれば、春日井産がどれだけ取れたかという数値は把握できる。今、農協での出荷量はある程度把握できるが、生産物が他のルートへ運ばれてしまうと全体を把握することが難しくなる。県レベルではそれぞれの野菜についてはある程度の数値で掴めるが、春日井産となると具体的な数値を出すのは難しいのが現状である。
【稲垣委員】
30ページの郷土料理に関して、私も詳しくないので、春日井の郷土料理は何があるのかと思った。年配の方は皆さんご存知かもしれないが、若い方の多くは知らないと思う。
愛知の郷土料理はあると思うが、愛知では広範囲になるので尾張くらいの範囲で、郷土料理に関する資料が本文にあると良い。
【事務局】
春日井・尾張地方の郷土料理・行事食の内容についての資料はある。行事食については、1月はおせち料理、3月の桃の節句ではちらし寿し、5月の端午の節句はかしわ餅・ちまき、7月の七夕ではそうめん・ひやむぎ、9月の十五夜ではお月見だんご、12月の大晦日は年越しそばがある。郷土料理では、尾張地域では、いなまんじゅう、きしめん、鮒味噌、もろ雑炊があり、愛知県全域では、おこしの鬼饅頭、かりもりの糟漬け、とりめし、菜めし、味噌おでんがある。
【稲垣委員】
具体的に書かれれば、そこに興味が出て、やってみたいという気持ちになるのではないかと思う。
【野口会長】
実際に地元に伝わる郷土料理をつくろうと思っても知識がないと作れないので、レシピの作成などを運動のひとつとして実行していくことが考えられる。料理教室を開催する時などに活かせると思うので、最終案の時にどこまで載せるか検討していただきたい。
20ページの基本理念に春日井の言葉を入れる案もあったが、今は、仮案として、パブリックコメントでの意見を踏まえて決めていくことになる。
【事務局】
基本理念は、「食を通じて、生きる力を育むまち(案)」としている。今後、具体的な事業等とともに最終的に決定したい。
【野口会長】
次に、資料2、3の説明をお願いしたい。
【事務局】
資料2、資料3について説明。
【野口会長】
事業や数値目標は十分に審議していないので、中間案には掲載しないが最終的には計画書に入るので、今回審議していきたい。
【瀧澤委員】
資料3(3)「歯を大切にする」にある「DMF歯数」とは何ですか。
【丹羽委員】
資料1の12ページの注1に記載してあるが、付け加えて説明すると、むし歯は治しても抜いても、むし歯になったということは変わらないので、むし歯として数え、外傷でなくなった時だけは除外する。Dはむし歯の歯、Mはむし歯で抜けた歯、Fは詰めた歯で人口歯冠も含む。これらの歯を合計したものをDMF歯数と言い、むし歯経験歯数とも言う。歯は自然治癒しないので、治した歯も数に入れて、今までに何本むし歯になったかを数えるものである。
平均値をとって本数であらわすので、1.0や1.1となり、ここに書いてある1.0はWHOや厚生労働省の「健康日本21」の目標値である。
【野口会長】
個人については整数しかでてこない。
【瀧澤委員】
誰にでも分かりやすい表現にしたほうが浸透しやすいと思う。DMF歯数と言われても分からないと思う。
【丹羽委員】
「むし歯経験歯数(DMF歯数)」とした方が分かりやすいかもしれない。歯科用語で、治したということが経験という言葉に含まれていて、日本語ではそのように訳されている。
【野口会長】
事務局と相談して理解しやすい言葉に直すようにお願いする。
【鈴木委員】
資料3の1ページ「規則正しい食生活を営む」の目標事項「肥満者の割合」の「指標設定の考え方」における基本健康診査は平成19年度までとなっており、平成20年4月からは特定健診に変わっている。
【中島委員】
資料3の目標3(2)の「市内のエコファーマーの認定者数」の現状は4人、目標は6人とのことだが、エコファーマーとはどのような人のことですか。
【事務局】
エコファーマーとは、県が認定するもので、環境にやさしい農業に取り組む農業者を認定し、その活動を支援している。春日井市内においては4名で、いずれもブドウやモモなど果樹の生産者で、県下では2,344名である。
【丹羽委員】
現状値はいつのものか記載がないが、全て今年のものと考えて良いですか。
【事務局】
現在把握できているデータの最新のものを示している。
【野口会長】
健診が基本健診から特定健診に変わったことで、肥満についての定義や目標値は変わったのですか。
【鈴木委員】
掲載は昨年までの結果であり、基本健診結果が掲載されている。特定健診は今年度からなのでデータはまだない。定義も目標値も変更ないが、掲載の仕方は変わるかもしれない。肥満は、腹囲だけでなくBMIからも判定される。
【野口会長】
BMIだと良いが、腹囲では誤差が大きい。受ける側からすると、腹囲というのは測り方で大きく変わる気がする。
【鈴木委員】
腹筋の状態で変わってしまう。特定健診では、腹囲は自己申告でも認めて良いことになっている。
【丹羽委員】
資料2の3ページ「歯を大切にする」で、事業は具体名と総称が混在しているがどちらにするのですか。
【事務局】
担当課から事業、取組を出してもらっており、事業として実施しているものは正式名がついているが、事業名がついていないものもある。
【稲垣委員】
対象者が誰かということを明確に記載すると、取組がどこを焦点にしているのか分かり、事業内容がより分かりやすくなるのではないのかと思う。
【野口会長】
この表を1列増やし、3列にして対象を入れることを検討して欲しい。
【丹羽委員】
分かりやすくなるので、対象を入れるのは良いと思う。
資料2の3ページの2行目、3行目で、乳幼児健診・教室と歯磨き指導に「フッ素塗布」の言葉を入れて欲しい。「歯の健診・フッ素塗布」、「歯磨き指導・フッ素塗布」の方が良いと思う。
【瀧澤委員】
資料2にある「新規」とは、予算がついて行われるものですか。
【事務局】
これから実施すると良いとの意見を貰っているものである。
【瀧澤委員】
食育サポーターとヘルスメイトは違うのか。
【事務局】
単独で活動されている栄養士さんなどにも食育サポーターとして加わっていただき、食に関するPRや、学校等から講演など依頼があったときに講師として行っていただくことなどを考えている。
【瀧澤委員】
食育だよりはどのようなものか。
【事務局】
今は、給食だよりが毎月出されているが、スペースに限りがあると聞いている。食育に関する全般の内容として、年4回の発行を考えている。料理教室やイベント開催などの情報発信をすることも考えている。
【稲垣委員】
ホームページによる情報提供で、新規としているが、市のホームページを見てきたがまだない。今後、愛知県が開設している「食育ネット」のようなものを作るという計画で記載しているのですか。
地元で取れる食材の情報などをホームページに載せるとなれば、情報提供できるようになる。春日井市のホームページの中にリンクさせて、別のものを立ち上げるものとして理解してよいですか。
【事務局】
春日井市のホームページのトップページの中に食育のページを作り、地元で取れる食材やイベントの情報提供や、食に関する情報のページとリンクできるようなものを考えている。
【稲垣委員】
食育に関するホームページを作ったということを広報や学校などで、皆さんに浸透させる必要があるし、学校のサイトとリンクすることをお願いしていくことになると思うが、是非実施してもらいたい。
【野口会長】
食育だよりにホームページのアドレスを入れPRを図るのも良いと思う。
【稲垣委員】
食育カルタの作成は、小学校の生徒からの公募なのか、農政課で作成するのか。
【事務局】
食育カルタは市販でも売っているものもあるが、多くの方に絵などを描いてもらうなど、皆さんに作ってもらい広めていきたい。
【瀧澤委員】
公募にしたほうが、食育に興味を持ってもらえると思う。
【野口会長】
フードバランスをトランプにして、トランプをしている間に理解できるようなものも良いと思う。
日本では、コーンフレークなどのモーニングシリアルはどのくらい普及しているだろうか。成分としてはバランスが取れていて悪くないが、食文化としては全くつまらないと思うが。
【丹羽委員】
私は和食を食べると塩分を多く取ってしまうため、塩分を取るのを控えることと、普段は果物をあまり食べないことから、朝は果物の入ったビスケットと野菜ジュースを食べている。
【中島委員】
保育園では10時に、栄養士さんが立ててくれた献立に基づいておやつを食べるが、ときどきコーンフレークが出る。コーンと牛乳は一緒の皿ではなく別の皿で出している。
【野口会長】
シリアルは栄養のバランスは考えてあり、歴史もあるし、一日の3分の1のビタミンやカルシウムは補えるから栄養的に悪いわけではないが、日本人としての食文化の問題はある。日本食については、食塩を取りすぎないようにする必要がある。
【稲垣委員】
数値的な栄養バランスだけではなくて、食べ物を噛むことはとても重要である。そしゃくは脳や身体にも良いので、牛乳と混ぜたシリアルよりはご飯が良いと思う。
【丹羽委員】
噛んで唾液を出すことが重要なので、お茶漬けのようなさらさらしたものよりも、パサパサしたものを食べて唾液が出るように噛むことがよい。これはむし歯の予防、歯周病の予防、頭、全身の健康にもつながる。
【野口会長】
そろそろまとめたいと思う。まだまだ今後議論をしていただく時間はある。また、専門部会でも検討し、次回は最終案が出てくる。
【事務局】
いただいた意見を踏まえ、事務局で最終案を検討していく。
【野口会長】
本日の資料など気付いた点があれば、事務局までどんどん意見を出していただきたい。
以上で本日の議事を終了する。
上記のとおり春日井市食育推進計画策定委員会の議事及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、議長及び出席者1名が署名する。
平成20年12月24日
議長 野口忠
署名人 宮崎いつ子
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