P・PARK 注:現在この建物はありません。(第1回都市景観賞)

ページID 1008660 更新日 平成29年12月8日

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P・PARK

主要用途 遊技場
構造 鉄骨造
規模 地上2階
建築面積 1,291.89平方メートル
延床面積 1,460.21平方メートル
完成時期 平成9年6月

 庄内川は松川橋の北、国道302号に沿ってこのP・PARKはある。東名阪自動車道の高架や、ランプウェイなどの交錯する新しい、どちらかといえば無機質で人工的な風景の中の、これまた無愛想な外観のこの建物は、意外なことにパチンコ屋さんなのであった。
 広大な駐車場に車を置いて冷暖房完備の広々とした店内に入る。老若男女が楽しんでいるパチンコの機械は最新のデジタル式で、こちらはアッというまに投了。休憩するロビーはギャラリーよろしくモダンでカラフルな家具が配置され、壁にはしゃれた絵画や時代順にパチンコ台がさりげなく飾られている。建物も子細に見ると工業製品の部材を用いて、新しい工場といった趣であるが、形態・素材・色彩などの巧みなデザインにより簡素なうちにも品がよい。パチンコ屋に品がよいなんてと、大方の人が苦笑交じりに、これまでの日本中の風景にはびこったその手の建物を思い浮かべることであろう。そして我々の無関心と冷笑こそが野放しの状況を助長してきたともいえよう。気がついてみると昨今のパチンコ屋は実は巨大なハイテク産業に育っていたというのに。
 P・PARKにはパチンコ屋に対する従来の認識を吹き飛ばすインパクトと、そして施主と設計者の心意気を感じる。新しい酒には新しい器をという言葉にふさわしく、進化する娯楽産業とその利用者の未来を予感させる作品である。
(品川 誠)

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