勝川遺跡発掘調査
- 所在地
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春日井市勝川町6丁目地内
- 遺跡の種別
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集落跡
- 調査に至る経緯
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共同住宅建設
- 調査期間
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確認調査:令和2年12月22日から25日
発掘調査:令和3年2月10日から25日
- 調査面積
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238.9平方メートル
勝川遺跡は、地蔵川に臨む標高約14.8mの低位段丘に位置する弥生時代から江戸時代の集落遺跡です。勝川遺跡は弥生時代以降断続的に集落が営まれ、遺跡内には南東山古墳や勝川廃寺が所在するなど内容に富み、市内を代表する遺跡の一つです。
今回の調査区は遺跡の北東端に相当し、勝川廃寺から北東へ約75mに位置します。周辺の調査では遺構は未確認でしたが、今回の調査では竪穴住居4棟・土坑12基・Pit79基・溝1条を検出し、古代の集落域が広がっていたことがわかりました。竪穴住居からは煮炊きに使用した土師器の甕や食器として使用した須恵器の坏や皿が出土し、石製支脚(=カマド内で甕を支える石)を検出するなど、当時の生活の痕跡が残されていました。竪穴住居は複雑に重なり合い、数世代にわたって集落が営まれましたことがわかります。集落の時期としては7世紀後半から8世紀後半の間続いたものと考えられます。勝川廃寺の東側では雑舎域(使用人等の居住域)が形成されており、調査地点も同様の性格を有するものと考えられます。溝は北西と南東に延び、上面には石が敷かれていました。既往の調査でも同様の遺構が検出されていますが、その性格は不明です。時期は8世紀前半と考えられます。