第2章 計画の目標
1 基本的理念
計画の策定に当たり、障害者等の自立と社会参加を基本とする「障害者基本法」の理念を踏まえつつ、次に掲げる点に配慮しました。
(1) 障害者等の自己決定と自己選択の尊重
ノーマライゼーションの理念の下、障害の種別や程度にかかわらず、障害者等が自分で住みたい場所を選び、必要な障害福祉サービスやその他の支援を受けつつ、障害者等の自立と社会参加の実現を図ることができるよう、障害福祉サービスの提供体制の確保を図ります。
(2) 市を主体とする仕組みと三障害の制度の一元化
障害福祉サービスの実施主体が市となり、身体障害、知的障害、精神障害と障害種別ごとに分かれていた制度が一元化されたことを踏まえ、精神障害者等に対し、立ち後れているサービスの充実を図るとともに、県の支援などを通じて、市町村間で障害福祉サービスの充実に努めます。
(3) 地域生活移行や就労支援等のサービス提供体制の整備
障害者等の自立支援の点から、地域生活への移行や就労支援に関するサービス提供体制を整えるとともに、障害者等の生活を地域全体で支えるシステムを実現するための提供体制の確保を図ります。
2 基本目標
(1) 障害福祉サービスに関する基本的考え方
障害福祉サービスの提供体制を確保するため、基本的理念を踏まえ、次に掲げる点に配慮して、数値目標を設定し、計画的な整備を図ります。
ア 訪問系サービスの充実
精神障害者等に対し、立ち後れている訪問系サービスの利用を促進するとともに、障害者等が必要な訪問系サービス※1を受けることができるよう、その充実を図ります。
イ 日中活動系サービスの充実
いわゆる小規模作業所の利用者が、法に基づくサービスへの移行等ができるよう推進するとともに、希望する障害者等に日中活動系サービス※2の充実を図ります。
ウ グループホーム・ケアホームの充実と地域生活への移行
地域における居住の場としてのグループホーム(共同生活援助)やケアホーム(共同生活介護)の充実を図るとともに、自立訓練事業等の推進により、福祉施設への入所や病院への入院から地域生活への移行を図ります。
エ 福祉施設から一般就労への移行等
就労移行を支援する事業等を充実することにより、障害者の福祉施設から一般就労への移行や、福祉施設において働く場の拡大を図ります。
- 訪問系サービスとは、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、重度障害者等包括支援をいいます。
- 日中活動系サービスとは、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、療養介護、児童デイサービス、地域活動支援センターで提供されるサービスなどをいいます。
(2) 相談支援に関する基本的な考え方
障害者等が地域において自立した日常生活又は社会生活を営むためには、障害福祉サービスの提供体制の確保とともに、これらのサービスの適切な利用を支える相談支援体制の構築が不可欠です。
このため、地域の実情に応じ、中立かつ公平な立場で適切な相談支援が実施できる体制の整備を図ります。
さらに、相談支援事業を効果的に実施するため、事業者、雇用、教育、医療等の関連する分野の関係者からなる「地域自立支援協議会」を設け、ネットワークを構築します。
3 平成23年度の数値目標の設定
障害者等の自立支援に向け、地域生活移行や就労支援などの新たな課題に対応するため、現行の福祉施設が新しいサービス体系への移行を完了する平成23年度を目標年度として、次に掲げる事項について、それぞれの数値目標を設定します。
区分 | 人数 | 備考 |
---|---|---|
現在の施設入所者(ア) | 193人 | 平成17年10月1日現在 |
平成23年度の施設入所者(イ) | 179人 | 平成23年度末の見込数 |
目標値 削減見込(ア-イ) | 14人 | 7%以上 |
目標値 地域生活移行数 | 29人 | 15%以上 |
- 身体障害者療護施設(入所)、身体障害者授産施設(入所)、知的障害者更生施設(入所)、知的障害者授産施設(入所)、及び旧体系から新体系へ移行した障害者支援施設(訓練入所を除く)です。
(2) 入院中の精神障害者の地域生活への移行
平成24年度までに受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者が退院することを目指し、平成23年度末までの退院可能精神障害者数の減少すべき目標値を次のとおり設定します。
区分 | 人数 | 備考 |
---|---|---|
現在の退院可能精神障害者数 |
25人※2 |
愛知県全体1,000人 |
平成23年度末までの減少目標値 |
19人 |
- 愛知県の調査結果に基づく本市分の数値です。
(3) 福祉施設から一般就労への移行等
福祉施設の利用者のうち、就労移行支援事業等を通じて、平成23年度中に一般就労に移行する者の数値目標を次のとおり設定します。
区分 | 人数 | 備考 |
---|---|---|
現在の一般就労への移行実績 ※3 |
7人 |
平成17年度実績 |
平成23年度の一般就労への移行目標値 |
28人 |
4倍以上 |
- 愛知県が実施した一般就労調査結果に基づく本市分の数値です。