平成15年度第3回春日井市商工業振興審議会議事録

ページID 1007359 更新日 平成29年12月27日

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1 開催日時

平成16年3月18日(水曜日)午後2時~3時30分

2 開催場所

春日井市文芸館 AB会議室

3 出席者

【会長】
中部大学工学部教授 渡辺 純
【委員】

春日井市商店街連合会会長 伊藤 幹夫
春日井青年会議所理事長 大原 泰昭
愛知実業協会理事長 長村 教治
株式会社共立総合研究所調査部
副部長兼主任研究員 古田 千尋
名古屋造形芸術大学講師 白鳥 洋子
中部大学経営情報学部講師 寺澤 朝子
春日井市建設部長 伊藤 保和

【事務局】

市民経済部長 大矢 孝彦
経済振興課長 横井 秀徳
経済振興課長補佐 長谷川 章
経済振興課主査 長江 徹
経済振興課主事補 鈴木 章仁

4 欠席者

【委員】
春日井商工会議所製造業第2部会長  松尾 隆徳
春日井市企画調整部長 藤田 康幸

5 議題  

 春日井市における商工業振興施策について 
 答申案について

6 会議資料

 商工業振興施策の提言
 第2回審議会で提案された商工業振興施策案

7 会議内容 

  1. 部長あいさつ
    本日の出席委員は8名であり、施行規則第42条により半数以上の出席を得ており、会議の成立を報告。また、傍聴希望者が2名あったので報告した。
    本日は平成15年度の最終にあたり、これまでの審議のまとめを中間報告として市長に報告する旨を伝えた。
  2. 会長あいさつ
    中間答申をまとめることが、今日の一番の課題。第2回が11月26日にあり、そのときにかなり内容のある話がなされた。
    それを元に事務局がまとめたので、確認を今日ここで行なうという流れでいきたい。
  3. 議事
    議題1議事録署名人の選任について
    署名人には議長及び長村委員を選任し、出席委員全員の承認を得る。
    議題2春日井市における商工業振興施策について
    短期的商工業振興施策について、前回までに出た意見に基づいて各委員から発言を求めた。
    【事務局】資料に基づき説明。
    以下概要
    ・商工業振興施策の提言について、過去2回の審議会において68の提案があった。
    ・9つのジャンルに分類した。1の工業振興は14項目。2の商業振興は13項目。3の融資は2項目。4の補助・助成・支援は14項目。5の人材育成は2項目。6の啓発は3項目。7の労働力(女性・高齢者の確保)は10項目。8の施設整備は9項目。9のその他は1項目。
    ・その内経済振興課に属するもの58項目。短期的な施策24項目。実施済み7項目。早期に取り組むことにより効果が見込まれるもの8項目。
    【会長】今回はまとめではあるが、前回の続きということでもあるので、どのような発言でもお願いしたい。
    【古田委員】前回の提案がすべて整理されており、特に意見はない。
    【伊藤幹夫委員】
    2の商業の4だが、誤解があるといけないので少し説明をお願いしたい。
    【事務局】市内全域に商店街はあるが、選別をする必要があるのではないかということで、勝川と鳥居松は市として中心的市街地というような位置付けがある。
    そのような所に集中的な投資をすることが必要ではないかという内容です。他は無視するということではなく、集中するという意味での提言として理解しています。
    【長村委員】この提言で、振興策の方向というものは大体示されている。しかし、実行できる可能性がどの程度あるのか、財源等を考え可能か。役所の意見を聞きたい。
    【会長】申し訳ないのですが、今回は中間答申ということで、次年度の6月から、短期的・長期的施策の検証、まとめ、最終的な答申ということで進めていきます。
    【事務局】今回は、今年度のまとめということで、取捨選択はまだ行なわず、全体としてのジャンル別の提案をまとめたものです。
    今回は短期的なものとして提案ができるものについて、答申の集約をお願いするものです。長期的にもっと踏み込んで検討しなければいけないものもあり、来年度検討をお願いしたい。
    今の意見のように資金的に対応できるかどうかは考えなくてもいいと思う。実際に市の施策として打ち出そうとする時に、そういった制約も当然出てくるので、その時点で行政として判断することはある。
    【寺澤委員】今回の中間答申については、本当に分りやすくまとめられている。質問だが、ベンチャービジネス等への支援で、1番のベンチャービジネスに対する支援は、内容としてあまりにも広い範囲を意味する言葉になっている。
    下の二つは分りやすいのだが、1番は、具体性があまりにもなさすぎる。これが一番最初にくることがいいことなのか。
    又、沢山答申を出せばいいというものではなく、市の財政を考えた上で出すことだと思います。これまでにある融資や補助制度をもう一度見直すことも審議会の役割と思う。
    中間答申に対しては特に問題はないと思います。これからの方向性として、春日井市全体がどこに向かって行くかを決めたうえで、どれをなくし、どれを加えるかという形で、新しい組み替えができるといい。
    【会長】1番が、「ベンチャービジネス」に対する支援ということで簡潔にまとめられていますが、提言された時のニュアンスについて説明をお願いします。
    【事務局】実際にどれを取捨選択するかということになりますと、2番3番のような具体性を持ったものになると思う。
    今回は言葉として大きくとったが、実際に行なう場合は、チャレンジショップのような商業が中心になると思う。又、工業系でもインキュベイダーという企業に向けて手助けになるものと考えています。商業・工業共に整備をするといった意味で、大きくとらえた面でのチャレンジと考えている。
    【会長】もう一つは、どのような方向かというと、言ってみれば戦略的なところでの話がこういう形で整理ができたか、もう一度確認してみようということである。
    【白鳥委員】短期的施策の答申ということで、いいところに落ち着いたと思います。ただ、これ以外の部分はすべて長期的施策であるのか。来年度は長期的・短期的施策の検討とまとめとして、色々メニューがあるようですが、この枠組みで、議論・整理がしきれるのだろうか。
    【事務局】今回事務局で整理して、これは短期的なほうがいいとして区分した。それ以外のものがすべて長期的ということではない。早く提言したほうがいいものもあり、又新しいものも出てくるので、それらを合わせて柔軟に対応していきたい。
    【伊藤保和委員】この68項目をこのまま整理していくということではなく、さらに検討を加えて整理しなおすということなのか。10番の商店街の活性化も、あまり具体的ではないので整理をお願いしたい。
    それと、1ページの9番の、地場産業にとらわれない創造的な施策の展開の意味の説明をお願いしたい。
    【事務局】春日井市には、これといった企業城下町といえるほど特化したものはない。よって、色々なことをフリーに考えやすいという話があった。パルプ関係など少しはあるが、工業振興につながるものは、もっと自由な立場でということです。
    【伊藤保和委員】地場産業といわれるものはないのではないか。もともと、地場産業に捉われていないような気がするのだが。
    【事務局】あえて言えば電機とパルプがあると思う。企業城下町とは全然違いますから、もっとフリーでいいと思う。
    地場産業がないことをプラスに生かしていきたい。
    【会長】もし、本日議題3まで審議が終了して、時間がありましたら、先ほどの話の、戦略的な話をしたいと思う。
    それでは、議題2の「短期的商工業の振興施策について」を、原案どおり承認することとしてよろしいか。
    ・意義がなく出席委員全員の承認を得た
    議題3答申案について
    答申案について15年度のまとめということで中間答申をする。これまで審議し、提案のあった施策の中から、比較的早期に実施ができ、さらに効果が高いと思われるものを、8項目について、3つの柱として諮問する。
    【会長】この件について意見はありますか。
    【寺澤委員】この答申ですが、その他の資料も一緒にということですか。ベンチャービジネス等への支援という言葉だけで、これを答申することでよいのか確認したい。
    【事務局】この委員会が終わったら、会長から市長に答申をと思っている。資料を含め、会長から補足で、今までの委員会の審議の経緯も含めて話していただきます。
    【会長】どんな議論があったかについて話をするが、その時にこの部分を強調してほしいというような意見がありましたら知らせてほしい。
    【古田委員】ベンチャービジネス等への支援などは、言葉としてはそのとおりだが、答申の段階では特に中身を具体的に言う必要はないのか。もう少し具体的な柱のようなものがあってもいいと思う。
    今時間があるので、もう少し詰めておいてもいいかと思う。
    【事務局】大きなくくりとして、3ページの1番から3番までをベンチャービジネスという言葉としてまとめた。具体的には、中部大学で行なわれているベンチャービジネスの受講講座で、このような講座の受講に対する助成、又は、チャレンジショップなどです。
    それは、補足の中で会長に説明していただければと思う。
    【会長】他の市でも、おそらくベンチャービジネスという枠組みから出てくると考える。春日井市だからこそという観点から、皆さんと話をしたいと思う。
    【古田委員】ベンチャービジネスに係わっている方との接触が非常に多いので、話をしたい。
    支援についてはいろんな方法がある。ベンチャービジネスを起業するのに、一番欲しいものは資金です。一番望ましいのは、銀行からの融資ではなく、投資、いわゆる資本を出資するという形だ。
    しかし、公的機関としてそれは難しい。なぜ、プライベートな会社に出資するのかということがある。第3セクターでもうまくいっていない。そして、役所から出資を受けるとなると、書類が多く実際のところ企業もなかなか動かない。このあたりが簡単にクリアできればと思う。
    簡単な仕組みで、なおかつ出資できるシステムがうまくできれば一番いいと思う。どこの銀行でも8割は失敗して、残りの2割にキャピタルゲインを得るために賭けるのですが、公的機関になるとなかなか厳しい。どの企業に出資の支援するかということが第1のポイントです。その次が、マーケットをどうやって拡げていくかということ。あっと驚く大発明を私も目にすることがあるが、それをどうやっていくかというノウハウがなかなかない。これも商社などが目をつけてくれればいいが、なかなかそうもいかない、これが2つ目の障害。3つ目に営業マンとして、あるいは研究開発者としての能力は高いけれども、企業を継続するという能力に欠けている人が多いということ。資金繰りとか人的管理には総務関係の仕事ができるような人がいるといいと思う。
    【伊藤保和委員】答申書のスタイルだが、多くは審議会に諮問し、審議会で慎重審議した結果として市長が答申を受けることになる、それをそのまま行くかどうかは、市長の判断にはなる。大方は答申を尊重してという形になろうかと思う。
    そのときに、先ほど話がありましたが、68の施策項目が実際市にできるかどうかということ。あまり詳細に具体的なものを答申の中に表現することがいいのか悪いのか。大きな表現の中で、それをどう生かしていくかは市長の裁量でということでどうか。
    【長村委員】今の財源的な話だが、国や県の中小企業対策費の8割は金融である。資金をあげるからこういうことをしなさいという制度になっている。資金の裏づけがなければ、どんな提言をしても絵に描いた餅になってしまう。
    提言するのであれば、むしろ中小企業対策費の増額くらいのことを提言したほうがよいのではないか。市長が、これなら少し予算を増やしてでも実行させるといいなと思ってもらえるような具体的な提案をしてはどうか。
    【会長】中間答申だから大まかにという話もあった、もう一押し盛り込むということですか。
    【長村委員】そういうことです。
    審議会の立場としての提言となると難しい。理想を掲げることと、実現性のバランスである、担当している商工業担当部課のやりたいことがあると思うが、財政が苦しいので、実現性が乏しい。それらが少しでも前に進めることができるように、審議会としてもあと押しできるような提言をしたほうがよい。
    もう少し具体的に、実現性のある提言が望ましい。市長の参考になるような具体的な内容の提言です。
    【古田委員】私も賛成です。このまま行けば、今までとそんなに変わらないような気がします。この企業再生とかベンチャービジネスの支援は、この3月の審議会と同時に終わるものではなく、まだ続くものですから、もう少し時間をかけて具体的に話し合ってもいい。
    【伊藤保和委員】今回は実効性のあるものということで3項目に整理し、中間答申ということでまとめられたのですが、概に16年度の予算は議会の議決も経ている。その中で早く行なったほうがいいと中間答申でまとめたとすると、これが16年度の当初予算に含まれているのか分からないが、補正予算を組んででも答申の内容を受けてやっていこうという考えか。
    今後、16年度においては2月までに最終的なまとめとし、長期的なもの、短期的なもの全部をまとめていこうということになっているが、今回の中間答申と最終的な総まとめとの関係はどのようになっているか。
    【事務局】中間答申については、16年度の予算は決定しているが、助成制度の推進についてはホームぺージなどを通じてできる。
    他は、まだ漠然としているので、細かく考えていきたい。実施計画などを立てていき、17年度くらいになるかも知れない。
    【会長】先ほど話があったが、事務局から審議会へざっくばらんな話があるのでしたらお願いしたい。
    【事務局】現実には、商工業振興条例の行政メニューは金融の話というか、助成措置がほとんどです。ただ助成するだけでは、本来の振興策になり得るのか大きな疑問がある。
    今までは、ある部分ハードを中心としたような整備であったが、時代が動いて、ITを中心として動きが早くなってきている。そんな中からもっとソフト面を充実しながら、いろんなアイデアを提供することによって、自分たちから乗り出していただけるような提言を出していきたいと思っています。
    【古田委員】ソフトの面を主体に行うということで心強く思いました。中小企業やベンチャー企業でホームページを持たない会社が結構あります。この時代にホームページを持たない企業は、商社などが相手にしてくれない。
    そういった面からもソフト面は非常に重要かと思います。市のほうでもソフト面を重視しているということですからよろしくお願いします。
    【会長】ホームページ以外には、他にどんなソフトがありますか。
    【古田委員】経営者の基礎的なビジネス講座。企業としての法的、総務的、営業、人事管理、財務等についての講座です。
    【寺澤委員】自分の技術等に自信を持っている人が多いが、販売網やどこに売るのかも分かっていない人がいる。本当に市場を自分たちで開拓していけるのかアドバイスを必要としている人が非常に多い。
    融資を申し込んでくる企業を調べると、ホームページを持っているのは5社に対して1社ぐらいです。ホームページ持たない企業が多い。支援のあり方として、一つは、マーケットを拡げ販売網を確保する手伝いをする。安定的な経営をするための経営管理能力以外のものを応援する、あるいはそれに適した人を紹介するものがある。
    こうしたマッチングが非常に重要になってくる。販売網も、その商品が良い物だから売らせてくれという所とマッチングさせることが非常に重要になる。中部大学でベンチャービジネスへのソーシャルキャピタル作りというか人的なネットワーク作りというものも積極的にやっているが、そういった側面で春日井市が何らかできる可能性が十分にあると思う。
    ただ、これは、商工業の振興に関する市の部門だけではなく、商工会議所とか、その他の機関との連携した動きが重要になってくる。他の市はそこまでやっていないが、春日井市はそこまでやってくれるというような再生化をさせて、いい形になっていくのではないかと思う。
    【会長】今の意見に賛成です。マッチングの話や、ベンチャービジネスへ経営的なセンス、長期的に会社を持ちこたえさせるのに何が欠けているかというようなことを、提案できる仕組み作りをすることができるよう、この審議会としても考える必要がある。
    これらは、今日のまとめのあとに出てきたものだが、重要なポイントかと思う。
    例えば融資についても、インセンティブとして何かしらのものがあって、そのインセンティブを示すとともに、今みたいな欠けがちな部分とか、そういうものに対しての自覚を促すということで、緩急入り混ぜてうまく話を持っていくということが重要なことだと思う。
    【寺澤委員】ホームページの件ですが、中部大学とか名古屋造形大とかの学生が非常に優れたホームページを作る力を持っています。そのような所と連携をとっていけば、学生も春日井市の経済に対する理解を深めることができると思う。
    中部大学の中に、無料で研究室のホームページの作成を請け負っている研究室もあるので、一般の会社に委託するよりはるかに安く作ることができる。
    【事務局】「どこに行っていいのか分からない」という気持ちを企業の方も持っている。それらの情報提供をすることも行政の一つのあり方である。これも、お金を使わずに効果があるものとしては有効なものかと思うので、今後検討していきたい。
    企業の人材の部分で、春日井の商工会議所も人材バンクというものも取り組んでいるので、そういったものがソフトとしての一つのあり方ではないか。そのような部分もこの提言の中に盛り込んでいただければよい。
    【会長】それでは、答申の1番目のベンチャービジネスへの支援についてですが、今までの話の中で、ソフト部分の支援が大切であるというところを補足したいと思います。そして自主グループの話やホームページの話、経営能力を磨く、マッチングの話の提案を含めて補足説明することで、これをより具体的なところで像が見えるように努力したいと思う。
    2番3番は文面から見て、さほどあいまいさはないので、補足はあまり必要ではないと思うが、これまでの討論の内容を踏まえて私が言葉で補足する。
    ・意義なく出席委員全員の了承を得た。
    【会長】全体的な商工業振興施策のあり方についての答申については、次回以降にまとめていく。
    【事務局】来年度も3回審議会の開催を予定。6月は長期的なものを主に、短期的なものも含め全体について検討、9月についてはそれをまとめる方向で論議をし、来年の2月には提言としてまとめていただく。早目に日程等の案内をして進めていきたい。
    【部長】ご審議ありがとうございました。商工業振興について行政がどこまで資金をつぎ込むかということで、一つは事業対効果の問題。こういった不況な時だからこそ資金援助なりの手を差し伸べるという意見と、こういう時はもう少しアイデアを使って頭で勝負するとか、様々な意見があるので、今年度68項目出ているが、これ以外にもまだいろんな考えが出てくると思う新年度につきましては皆さま方の英知をいただき、より効果のある、活性化が図れ、そして商工業の皆さまには希望が持てるような、そういったものができないものかということで、非常に難しい問題ですが、今後の審議について皆さんの指導と協力をいただき勧めてまいりますのでよろしくお願いします。
    先ほど決定をいただきました答申書につきましては、この後会長から市長に答申していただく予定にしています。
    これをもちまして、本日の審議会を終了する。

上記のとおり春日井市商工振興審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、議長及び出席者1名が署名及び押印する。

平成16年6月23日
議長渡辺純
署名人長村教治

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