近衛家熈和歌懐紙
近衛家熈和歌懐紙
このえいえひろわかかいし
江戸時代 32.8×43.7センチメートル
近衛家熈(1667~1736)は江戸時代中期の貴族で関白・摂政太政大臣になったが、のちに出家して予楽院(よらくいん)と号した。家熈は多くの古筆を収集・模写し、自らも優れた書を書いた。懐紙とは、貴族が懐に入れている紙のことで、手紙を書いたり、和歌を書いて贈るなどいろいろな用途に使われた。鎌倉時代以降、懐紙に和歌を書くきまりが次第に作られ、1首を3行3字に書くことなどが定められた。この懐紙は家熈が歌会に参加したときに自作の和歌を自筆したものである。
春日同詠寄若菜
祝言倭歌
内大臣藤原家熈
おさまれる代はのど
かなる春の野にうち
出て見ればわかな
摘なり