認知症について

ページID 1030158 更新日 令和6年4月8日

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 団塊の世代が75歳以上になる2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になるといわれています。
 春日井市では、認知症について正しく理解して認知症の人やその家族を見守る人を増やし、認知症の人やその家族が安心して暮らせるまちづくりを目指しています。

認知症とは

 認知症は、脳の病気や障がいなどのさまざまな原因により、記憶力や判断力が衰え、日常生活に支障が出てくる状態をいいます。

認知症の原因

 主な原因となる病気には、アルツハイマー病、レビー小体型認知症などの変性疾患や、脳梗塞、脳出血などの脳血管性認知症などがあります。

脳の違い

「もの忘れ」と「認知症のもの忘れ」の違い

「物忘れ」と「認知症の物忘れ」の違い

 献立を忘れても食べたことを覚えていれば普通のもの忘れで、ヒントがあれば思い出すこともできます。
 夕食を食べたこと自体を忘れてしまう状態が認知症のもの忘れです。図のように、ぽっかりと空いた「夕食の時間」部分を忘れてしまったことで、ヒントがあっても思い出せません。

もの忘れと認知症のもの忘れの違い

もの忘れ

 

認知症のもの忘れ

体験の「一部」を忘れる

体験の「全部」を忘れる

何を食べたか」思い出せない

食べたこと自体」を忘れる

約束をうっかり」忘れてしまった

約束したこと自体」を忘れる

目の前の「人の名前」が思い出せない

目の前の人が「誰なのか」分からない

物を置いた場所を「しばしば」思い出せない

置き忘れ、紛失が「頻繁」になる

ヒントがある」と思い出せる

ヒントがあっても」思い出せない

※これらはあくまでも目安であり、当てはまらない人もいます。

認知症の症状

認知症の症状には、多くの人に共通して現れる「中核症状」と、本人の性格や人間関係などの影響が加わって起こる「行動・心理症状」があります。

認知症の症状
【出典】認知症サポーター養成講座標準教材
(NPO法人地域ケア政策ネットワーク 全国キャラバンメイト連絡協議会作成)

認知症の症状

中核症状【治すことが難しい】

記憶障がい

覚えられない、すぐ忘れてしまう

見当識障がい

時間や月日が分からない、場所が分からない、人が分からない

理解・判断の障がい

考える速さが遅くなる(例:計算できない)、2つ以上のことが重なると理解できなくなる、目に見えないしくみや道具、新しい機械を使えない(例:IH調理器、自動改札、銀行のATM)

実行機能障がい

日常生活に必要な作業がこなせなくなる(計画を立てて、段取りをすることができなくなる)

その他

感情表現の変化(例:その場の状況が読めなくなる)

行動・心理症状(BPSD)【改善することができる】

中核症状がもとになり、本人性格や素質、周囲の環境や人間関係などが影響して日常生活の中の行動や態度にあらわれる様々な症状のこと。家族の接し方や適切な薬物治療により改善が可能です。

原因(中核症状)

本人の性格や周囲の環境など

行動・心理症状
BPSD

対応

できていたことができなくなる(実行機能障がい)

「味が違う」などといわれることで自信を失う 無気力になる それとなく手助けをして成功体験に結びつける
1.トイレの場所がわからない(場所の見当識障がい)
2.衣服を下ろすのに手間取る(脳血管性認知症による運動障がいなど)
3.尿意や便意を感じにくくなる

1.トイレのドアの見た目が、他のドアと同じデザイン

2.ズボンにベルトをつけている

身の回りの動作に支障が出てくる(トイレの失敗をくり返す)

1.トイレの場所をわかりやすくする

2.脱ぎ着に時間がかからない着慣れたものにする

3.定期的なトイレへの誘導を行う

大事なものをしまい忘れる(記憶障がい)

自立心が強く、「自分が忘れるわけがない」と思う もの盗られ妄想

深刻にならず、一緒に探し、なくしものを探す

→なくしものが見つかれば落ち着く場合もあります

今いる場所が自宅だとわからない(場所の見当識障がい)

家に帰りたいという本人の気持ち 徘徊(自宅から一人で出て行ってしまう)

否定するのではなく、本人の気持ちを受け入れ、一緒に家の周りを散歩する

→気分が落ち着くこともあります

※表に記載の原因、症状、解決法は、例示でありすべてのものが当てはまるわけではありません。

早期発見と早期治療

 認知症の早期発見、早期の受診・診断、早期治療がとても大切です。
 認知症の初期の段階から治療を行えば、進行を止めたり遅らせたりすることができます。
 また、病気が理解できる段階で受診し、理解を深めることで生活上のトラブルを減らしたり、今後の準備をしておけば、自分が願う生き方をすることができます。

認知症への理解

 認知症は誰もがなりえる病気です。認知症となったときに、最も苦しく、不安なのは本人です。
 本人が言うことを否定せず、ゆっくりと話を聞き、どうすればよいのかを一緒に考えてみてください。
 認知症の人の気持ちを理解して接することが、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続ける”共生”の第一歩となります。

市の取り組み

 市では、認知症に対する様々な取り組みを行っています。
 詳細は各ページでご確認ください。

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このページに関するお問い合わせ

健康福祉部 地域共生推進課

電話:0568-85-6364  ファクス:0568-84-5764
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