止血法
止血法
一般市民の救命手当のもうひとつの柱が「止血法」で、主に外傷による外出血があった場合に行う手技です。
外傷などで体内の血液を急速に大量に失うと全身の血液の循環が悪くなり、「出血性ショック」という重い状態になって、生命に危険が及びます。
出血性ショックとは、
- 手足が冷たく、湿っている
- 顔色が真っ青
- 冷汗をかく
- 脈が速く弱くなる
- 目がうつろになる
- 表情がぼんやりしている
- 無気力、無関心になる
- うわごとのようなことをいっている
などの症状が現れる状態です。
このようなショック症状が現れたらもちろん、現れなくても出血をしたら、ただちに止血しなければなりません。
なお、大きな事故などで出血と意識障害の両方があり、血が傷口からピューピューと噴出している場合は止血を優先し、それ以外では心肺蘇生法を優先します。
止血法には、直接圧迫止血法や止血帯法などがあります
直接圧迫止血法
一般市民に最もすすめられている止血法です。
- 傷口に清潔なガーゼやハンカチ、布などをあて、その上から手で、あるいは包帯や三角巾などを巻いて、通常4分以上圧迫する
- 片手で止まらない場合は、両手で体重をのせながら圧迫する
※注意点
- 感染予防のため、血液に直接触れないこと。できれば、ビニールやゴムの手袋をする
- 傷口は心臓より高く上げておく
- ガーゼなどに血液がにじんできた時は、元のガーゼを取らずに、その上から新しいガーゼをのせて圧迫する
止血帯法
これは、手足の太い血管からの出血で、直接圧迫止血法では止血が難しい場合にのみ行う方法です。
- 傷口より心臓に近い肘から肩までの腕と、膝から太ももの付け根までの脚を、幅が3cm以上の布などでしばる
- なかなか止血できない時は止血帯の間に棒などを入れ、回転させて止血する。
- 止血時間を忘れないようにするため、止血帯や額などに開始した時刻を書き込んでおく
- 30分以上続ける時は、30分に1回、止血帯を緩めてしばらく血流の再開を図り、出血が続いていれば再びしばって止血する
そのほか、出血部位よりも心臓に近いところの動脈にある止血点を、手や指で圧迫して止血する間接圧迫止血法がありますが、これは止血点を覚えるのがなかなか難しく、一般市民にはすすめられていません。