令和7年度第1回住生活基本計画推進協議会議事録
日時
令和7年8月7日(木曜日)午後2時から午後4時まで
場所
文化フォーラム春日井 会議室AB
出席者
【1号委員】
日本福祉大学社会福祉学部 教授 児玉 善郎
名城大学都市情報学部 教授 福島 茂
中部大学工学部 非常勤講師 松山 明
【2号委員】
社会福祉法人春日井市社会福祉協議会総合支援課 課長 松田 強志
中部中学校区第2民生委員児童委員協議会 副会長 西瀬古 初子
トヨタホーム株式会社くらし建築デザイン部 部長 星子 直樹
愛知県建築局公共建築部住宅計画課 課長 武田 博幸
【3号委員】
公募委員 塩谷 みき
公募委員 田中 穣
【事務局】
春日井市まちづくり推進部
部長 森 浩之
春日井市まちづくり推進部住宅政策課
課長 岡副 栄司
課長補佐 山口 千夏
課長補佐 鈴木 章仁
主査 伊藤 康佑
主査 鈴木 康弘
主査 安藤 健斗
春日井市まちづくり推進部建築指導課
課長 小林 健
春日井市まちづくり推進部ニュータウン創生課
課長 竹内 寛之
課長補佐 梅村 知弘
主査 水野 貴大
【計画策定支援業務受託事業者】
株式会社市浦ハウジング&プランニング
傍聴人
なし
議題
1 今年度のスケジュール
2 昨年度の振り返り
3 春日井市住生活基本計画(素案)について
会議配付資料
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次第 (PDF 227.0KB)
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委員一覧 (PDF 94.4KB)
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配席表 (PDF 79.9KB)
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資料10 春日井市住生活基本計画骨子案(イメージ図) (PDF 1.1MB)
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資料11 春日井市住生活基本計画施策体系図 (PDF 1.2MB)
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資料12 計画策定までの大まかなスケジュール(令和7年度の工程) (PDF 250.7KB)
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資料13 春日井市住生活基本計画(素案)第1章から第4章まで (PDF 10.4MB)
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資料13 春日井市住生活基本計画(素案)第5章から第9章まで (PDF 19.3MB)
議事要旨
(1) 今年度のスケジュール
【事務局(伊藤)】(資料12に基づき、説明)
【塩谷委員】
パブリックコメントの手法は、どのようにされるのでしょうか。ホームページで素案を提示して、それに対して市民から意見を募る形ですか。期間は1か月ですか。
【事務局(伊藤)】
そのとおりです。その他、市の公式ラインでも周知し、意見を募集します。
(2) 昨年度の振り返り
【事務局(伊藤)】(資料10、資料11、資料13に基づき、説明)
(3) 春日井市住生活基本計画(素案)について
【事務局(伊藤)】(資料13に基づき、説明)
【会長】
事務局のほうから素案を説明していただきました。
第5章から第8章までの耐震改修促進計画、空き家等対策計画、マンション管理適正化促進計画、市営住宅等マネジメント計画については、これまで庁内で並行して議論されてきたものを、この住生活基本計画に盛り込むということなので、この中身について議論するというのはなかなか難しいと思います。むしろ住生活基本計画にこれらを盛り込んだときに、住生活基本計画としての一貫性みたいなところで、何か指摘する点があれば御意見を賜りたいと思います。
どこからでも結構でございますので、何か御意見等ございましたら賜りたいと思います。
【児玉委員】
39ページに記載の基本施策の一番下に、入居募集を停止した市営住宅の目的外使用による対応の活用というのを挙げています。
他市の事例を見ると、群馬県の安中市では、市営住宅を障がい者グループホームのサテライト型住宅施設として活用しています。障がい者は自立生活をしようと思っても、どうしても民間賃貸住宅では入居拒否にあってしまう。受け入れてもらえないとなると、市営住宅で、福祉事業者の支援を受けながら、安心して暮らせるようにしてほしいと思います。
募集停止した住宅だけでなく、単なる空き住戸についても、障がい者のグループホームに活用するなど、福祉的活用を基本施策に入れてほしいと思います。
【事務局(伊藤)】
本市において、今年度から、生活困窮者自立支援制度の住居確保支援事業と連携し、目的外使用を開始しています。
国の通知においても、居住支援法人や社会福祉法人への貸し出しを、目的外使用として認めていますので、そういった部分についても、施策としての記載を検討したいと思います。
【松山委員】
99ページ、100ページに書かれている、管理を委託しているということについて、説明をお願いします。
【事務局(伊藤)】
コミュニティ住宅の入居者が退去された部屋について、一般財産化し、事業者に貸し出しているものです。
【松山委員】
児玉委員の意見と同じ個所についてですが、39ページはコミュニティ住宅について書かれていない。コミュニティ住宅は、密集市街地整備事業に関連し、住宅を失い困窮する方のために建てられた住宅であり、今後は退去していくだけになっている。
市営住宅と違い公営住宅法に縛られず、より使いやすい住宅としてこの資産も活用することを考えていただくといいのではと思います。
【事務局(山口)】
本計画を通して、本市の住宅政策として何か活用ができないかと検討しているところです。
【松田委員】
基本目標3.に関係する生活困窮者の自立支援についてですが、住まいに関する相談を多くいただいています。今後も、契約するための同行支援や契約後の生活支援など福祉的な部分に対応することや、不動産業者との連携が重要と考えています。
【田中委員】
この計画はいろんな計画と紐づいているため、あまり詳しくない人にとっては、並べ直しているだけのように見えてしまいます。
何か新しい施策が組み込まれているのであれば、それをもう少しアピールしてもいいかなと思います。
また、以前環境審議会で委員をしていましたが、どの計画もコンパクトシティの考えを基軸としていて、それがベースにあって計画が成り立っているんだということを見せてもらうと、市民としてすごく分かりやすいと思います。そもそも、コンパクトシティは基本的な考え方のベースになっていますか。
成果指標については、例えば空き家率の設定について、現状維持の目標を掲げていますが、今後5年後、10年後にどれだけ上がっていくことが想定されるから、ここまでに抑えますといった見せ方のほうがいいのではないかと思います。
【事務局(鈴木)】
人口が減少し、住宅数は年々増えてきているため、本市の空き家率は上昇しています。88ページに具体的取り組みを記載していますが、空き家は地域に非常に影響を与えるため、今後は地域と連携した空き家対策の取組みを行っていきたいと考えています。
空き家率の推計については、現在行っておりません。
【事務局(山口)】
コンパクトシティについては、ベースにはございますが、全体像に記載のとおり、立地適正化計画を含む関連計画を暮らしや住環境を支える土台とし、その上に、ハードとソフトの連携を主眼に置いて、本計画を策定しています。
【会長】
田中委員の御意見のポイントは、市として直接的にできることは非常に限られていて、市は旗振り役として、事業者や市民と連携・協働によって進めていくというスタンスですので、そういった方々が理解できる計画書を作ることは結構重要ということです。
2ページの計画の位置付けの図については、私たちから見ると総括的でわかりますが、市民にとっては、政策が列記されているだけなので、具体的にどのように関わるのかというのがイメージできないだろうと思います。わかるように示していく工夫が必要かなと思います。
コンパクトシティの話も、B-6やB-7で、生活利便性や交通利便性の話の中で、立地適正化計画による居住誘導や、都市機能の誘導によって、高齢者も子育て世帯も暮らしやすいまちを作っていくような話を計画とあわせて説明していくと、イメージがわきやすいと思います。
【塩谷】
この計画は製本せず、PDFで最終形が公表されて終わりという話でしたが、概要版は作られますか。
【事務局(岡副)】
市全体としては作らないという方向性ですが、職員が大まかにまとめたものを作ることを検討いたします。
【塩谷】
印刷してみるときれいに読めますが、パソコンで計画書をみると、文字がグレーに見えて、読めない人もいると思います。カラーユニバーサルデザインは確認していますか。
また、24ページから27ページの住まいの窓口と居住支援協議会について、取組み内容(案)と書いてありますが、いつの時点で形になるのか、もうあるものなのかわからないので、表現を検討し直してほしいと思います。
A-4に高齢者の対応について書いていますが、地域包括支援センター等とのリンケージの表現が薄いと思います。特に、見守りや住宅改修については、センターに入っていただかないと難しいこともあるので、加筆したほうがいいと思います。
B-1とB-5について、内容が近いと思います。基本施策が多い気もするので、整理したほうが良いと思います。
88ページの空き家施策について、新規とする施策が多いですが、実施するということでよろしいですか。
【事務局(伊藤)】
カラーユニバーサルデザインについては、策定支援事業者と調整しておりますが、改めて確認させていただきます。
また、A-1とA-4の取組みや、B-1とB-5の関連性について、計画書の書き方について検討させていただきます。
【事務局(鈴木)】
空き家対策については、強化事業と新しく実施する新規事業と表現していますが、あわせて今後実施していきます。
【松山委員】
成果指標13.について、これは構いませんが、逆に居住誘導区域外の市民が切り捨てられてしまうのかと取られてしまう。まちづくり支援制度や狭あい道路拡幅整備要綱など、いろいろな対策をしているということを書いておくべきと思います。
【会長】
住生活基本計画に書くよりも立地適正化計画に記載していただきたい内容かなと思います。
この御意見については担当課に伝えていただいて、こちらはそれを前提としてまたつなげていく施策を考えていただければと思います。
【星子委員】
住生活基本計画は非常に重要な計画だと思いますので、今後10年間の実施計画として実行性が非常に大事かと思います。実効性があるためには、きちんと数値目標があり、うまく回っているか確認することが大切です。
44ページの成果指標についてですが、1.の住み続けたいと思う市民の割合は、高いからといって、住み続けているのかわかりません。例えば転出超過であれば、その数字を食い止めるとか、そういった実効性のある数字に目標値をおいてはどうかと思います。
そして、計画に掲載するかは別として、そのために図る指標として、KPIも検討いただきたいなと思います。
【事務局(伊藤)】
御意見を踏まえて再度検討したいと思います。
【会長】
星子委員の御意見は、すごく重要な指摘だと思います。同時に、今の担当部局の体制からすると、ハードルが高いと思います。計画には成果指標を作りなさい、となりますが、それを実現していくための手段みたいなものに、自分たちでハンドリングするものがない。その中でどう実践していくのかは読みづらいところがあると思います。
だから、成果指標の考え方も大切ですが、計画策定を契機に、春日井市の住宅政策の在り様を考えると、組織体制の強化や協議会の設立等やらなければならないことが見えてきたということですので、住生活基本計画でうたった方向性を実現できる体制をどう作っていくのかのロードマップを示すことのほうが、いきなり成果指標が出てくるよりいいかもしれません。
ただ、当然部門別の計画については、それぞれの中で成果指標がうたわれていますので、それを引用するのはいいと思いますので、何か工夫するのもありなのではと思います。
【武田委員】
22ページの図について、一番右の空き家の絵が戸建ての絵になっていますが、空き家の問題は、全国的に共同住宅、マンションに関することが大きな問題となっているので、気になりましたのでお伝えします。
23ページの相談窓口の充実と居住支援協議会の設立について、いつを目指していくのか明記できるとよいかと思います。
39ページについて、児玉先生と同じ意見ですが、入居募集を停止したというと、老朽化した住宅のことを指してますので、個別計画と整合させながら、新しい住宅の空き住戸も積極的に活用されるといいと思います。
43ページについて、住生活基本計画では非常に重要なページですが、内容が都市マスや立適で整理すべきことが盛り込まれているので、住生活基本計画で何を整理するかをもう少し強調するか、内容を掘り下げるかしたほうが良いと思います。
最後に、44ページの成果指標9.について、入居サポートがある住宅としてサ高住と居住サポート住宅の2項目を記載されていますが、セーフティネット住宅等もあると思いますので、整理されるとよいかと思います。
【事務局(伊藤)】
いただいた御意見について、計画の書き方、表現の部分と思いますので、参考にさせていただきます。
【児玉委員】
空き家対策について、今徐々に増えつつあるのが、相続人不存在の空き家です。接道条件が良ければ相続財産清算の申し立てをして活用できますが、建て替え困難や既存不適格だと放置されて、対応に非常に苦慮することが、今後10年間でさらに増えていくと考えています。
都市計画の話になりますが、未接道の市街地整備等近接した土地の所有者と、一体的な開発を息長く取り組む必要がある現状を踏まえて、そういう課題についても、計画に書いておく必要があると思います。
【事務局(鈴木)】
相続人不存在の空き家についての対応は、本市は先進的に取り組んでおり、清算人制度を利用して、5年間で10件程度解消しました。ただ、それは売れる家が前提なので、課題の一つとして記載できるように検討いたします。
【会長】
居住継続や、高齢者に安心して住んでもらうための近居支援は、市として考えるのは難しいでしょうか。高齢者の方が安心して暮らすためには、お子さんがいらっしゃれば、近くに住んでいることが一番だと思います。特に在宅でずっと住みたいというような方にとっては、近くにお子さんがいるということを支援していくことは、春日井市にとって大切なことではないかと思います。
これまでベッドタウンとして発展してきて、今後住み継がれて行くためにも、1つのターゲットとして、子ども世代が名古屋圏で就職するという機会が十分あるので、いきなり両親の家を相続して住むのではなく、まずは近居で戻ってきてもらう。春日井市が住み継がれる基盤を作るという意味で重要な施策だと思います。
22ページについて、シンプルにするのは問題ありませんが、最近はライフステージの流れが多様化していますので、それに対応する視点を注釈でも入れていただけるといいかなと思います。
また、43ページについて、地域性を考慮した取組みのところに高蔵寺ニュータウンの話を書いていますが、これを東部地域のものとしてとらえるのか、春日井市全体の1つの住宅ストックとしてとらえるかという見方があると思います。春日井市の住宅政策の当局としては限定された職務をやっているので、これから他と連携していかなければならないときに、URや県の公社が非常に重要なパートナーだと思います。そういったことを示すことで、成果指標にどうアプローチして、成果を達成していくのか内実が見えてくる気がします。
【児玉委員】
30ページの子育て世帯の施策は、特に共働き子育て世帯が多い中で、今後10年に向けても重要な取組課題だと思います。子育てと仕事の両立をしていて30%の人が不安を感じるというのは、おそらく就学前は保育園に預けて両立できるけれど、小学校に上がってから、学童保育に受け入れてもらえるかどうかというところにあると思います。どこの学童保育もいっぱいで、希望しても入れてもらえない。そうすると入れてもらえるところに引っ越してしまう事例もあるわけです。
ですから、取組2の子育て世帯の暮らしを支える施設の充実で、病児保育や遊具広場も大事だけれども、学童保育の充実は、非常に重要だと思います。住宅施策としてできるものではなく、関連施策との連携だと思いますが、書いておいたほうが良いと思います。
上記のとおり、令和7年度第1回春日井市住生活基本計画推進協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席委員1名が署名する。
令和7年9月5日
会 長 福島 茂
署名人 松山 明
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