令和4年度第1回春日井市いじめ問題対策委員会議事録

ページID 1030469 更新日 令和5年1月16日

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1 開催日時

令和4年11月10日(木曜日)午後3時~午後4時30分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 出席者

委員

  • 中部大学 花井 忠征
  • 愛知県弁護士会 植村 元雄
  • 春日井市医師会 牧野 景子
  • 愛知県臨床心理士会 堀 英太郎
  • 愛知県社会福祉士会 吉田 朋美 

事務局

  • 春日井市教育委員会 教育長 水田 博和
  • 教育部長 西野 正康
  • 学校教育課 課長 大城 達也
  • 指導主事 石川 和男
  • 指導主事 津谷 英子
  • 課長補佐 山口 千夏
  • 主査 上野 陽介

4 議題

(1)春日井市のいじめの現状及び対策について

(2)事例報告

5 会議資料

事例報告の資料は、個人情報保護のため非公開としています。

6 議事内容

1 会議の公開について
 議題1は個人情報を取り扱わないため公開とし、議題2はいじめの概要、経過の報告及び質疑応答においていじめに関わる児童を識別する恐れがあり、個人情報保護条例第7条第2項に規定する個人の権利利益を害する恐れがあるため非公開とすることについて諮り、承認された。
2 議事録について
 事務局から、議事録は要点筆記で委員全員の確認、議事録署名人は、委員長と委員長が指名する委員の2人とすることについて諮り、承認された。
3 傍聴者について
 事務局から、傍聴者は1名と報告を行った。
4 議事進行について
 事務局から、規則に基づき議事進行は委員長が議長として行うことを報告した。
5 議事録の署名について
 議事録署名人として、花井委員長が植村委員を指名した。

議題1 春日井市のいじめの現状及び対策について

【事務局】
 資料1に基づき説明

【吉田委員】
 昨年度にこの場でアンケートに有用とした意見について、早速に各学校に通知しており、しっかりと対応されている。通知後に学校から何か反応はあったか。

【石川指導主事】
 通知の内容を踏まえているか確認していないが、学校ではアンケートを重要に捉えており、最近のいじめ報告でもアンケートから把握したとする報告が増えている。質問項目をいじめられたか問うものから嫌な思いをしたかと問うよう変更したり、通知の内容と同様の工夫がされ、子どもの気持ちがより把握できるようになったと学校現場から聞いている。

【堀委員】
 資料1の4ページ及び5ページに全国、愛知県及び春日井市の実績があり、児童生徒1,000人当たりのいじめ認知件数を比較すると、春日井市の件数が低い状況が続いているが、どのようなことが考えられるか。
 また、資料12ページのスクールサインについて、令和2年度と比較して3年度の相談件数が大幅に減少しているが、どのようなことが考えらえれるか。

【石川指導主事】
 1,000人当たり認知件数の差は、学校間でいじめと認知するものに差があることも要因となっている。いじめ報告の内容を確認していると、鬼ごっこでタッチの際に強く押された、登下校で傘が当たったなど学校生活で日常的に起こる出来事の中で嫌な思いをしたとして報告されているものがあり、同様の事態をいじめと捉えるか児童間のトラブルと捉えるかにより、認知件数に差が生じると考えられる。資料7ページ、学年毎のいじめ認知件数をみると、春日井市は小学校低学年の認知件数が少ないことは、低学年であればより日常の学校生活の中でそのような場面を見ることが多くあり、学校によってはいじめと捉えることが少ないことも要因となる。
 市内全小中学校の生徒指導担当者が集まる場で、指導主事がいじめの定義を改めて周知し、学校間の差が生じないよう取り組んでいる。担任がいじめと捉えないことで把握されないことがないよう、各校の生徒指導の担当者から校内に周知してもらうことが必要。

【津谷指導主事】
 スクールサインについて、令和3年度の投稿内容は自分のこと、級友のことどちらも、心配な事態が起こってすぐに投稿せず、帰宅後など落ち着いた状況で投稿していることが多い。令和2年度は導入初年度でまずは投稿してみるというものも多かったが、導入2年目になり生徒側で教員への相談やアンケートなどと合わせ、スクールサインの利用の仕方を理解している。

【堀委員】
 投稿内容が深刻化していることはあるか。

【津谷指導主事】
 深刻化とは言えないが、より具体的な内容が多くなっており、学校全体で共有し見守る必要があるものの割合は増えている。

【堀委員】
 事務局の説明中、令和4年度は対象を拡充して小学生も対象としたとあったが、小学生の利用状況はどのようなものか。

【津谷指導主事】
 小学校では7月から順次導入しており、9月末の速報値で小学生から144件の投稿があった。小学校では各児童が使うタブレット端末から投稿できるよう設定しており、登校内容を見ると、登校間もない時間は登校時のトラブル、昼放課後は昼放課のトラブルなどその場ですぐに投稿したものが多くあった。投稿内容を学校に伝えると、すでに把握し対応していることも多くあり、その場に教員が不在だったのでとりあえず投稿したようなものも見受けられた。
 下校後の投稿内容は、下校時のトラブルもあるが、その日の学校内での出来事に対して気持ちの整理できないことや心配なことが投稿されており、学校対応の依頼の連絡をすることが多くある。投稿時間により投稿内容の性質が異なっている。

【堀委員】
 小学校と中学校それぞれの導入時からは、導入初年度は投稿が多くなる傾向があると考えられる。

【牧野委員】    
 事務局の説明中、いじめ認知件数の学校差は、学校規模に相関関係は見られないとあった。全国と比較した件数の差もさることながら、市内の学校間でいじめの認知に差があれば平準化することが必要である。
スクールサインについては、導入初年度は興味関心で投稿件数が増えることはあろうが、その中に利用したけど望んだ対応がなかったことで利用を止める児童がいないようフォローがあるとよい。

【植村委員】
 事務局の説明中、いじめ認知件数が顕著に多い学校があるとあったが、それは学校規模が大きな学校なのか。

【石川指導主事】
 いじめ認知件数顕著に多い学校は2校あり、1校は市内でもかなり規模の大きな学校だが、1校は平均より規模の小さな学校であった。
 どちらの学校も低学年のいじめの認知件数が多くあり、嫌なことを言われたと認知する学校は多くあるが、認知件数が多い学校は叩かれたというケンカをいじめと認知するものも多くあった。
 小学校では、いじめ報告書を作成する教員は生徒指導担当者や管理職ではなく、担任がそれぞれ作成していることが多く、取りまとめる教員が判断するのではなく、各担任の判断でいじめの認知を判断していることと思われる。

【堀委員】
 認知件数の多い学校に地域性はあるのか。

【大城課長】
 地域性は見られない。認知件数の多い学校は例年同じ学校となっており、いじめを認知する仕組みや意識があるのかと思われる。

【石川指導主事】
 いじめを認知することを目的とせず、いじめと捉えた後の学校生活を見守る体制づくりを進めていきたい。

【植村委員】
 資料12ページのスクールサインの相談は、その後にいじめとして認知されているのか。

【石川指導主事】
 資料8ページ(4)学校でのいじめ発見のきっかけは、スクールサインを限定して調査しておらず、スクールサインによるいじめ発見を集計していない。いじめの報告書ではスクールサインにより把握したとの報告はあるが、スクールサインをきっかけとし、本人から教員が直接聞き取った場合に本人から訴えがあったと報告がある場合もある。
 報告書の様式にある発見のきっかけをチェックボックスにするなど、今後は把握しやすいよう検討したい。

【花井委員長】
 資料12ページ、スクールサインの相談内容に暴力を振るわれるとの内容が2件とあるが、いじめと認知されたものか。

【石川指導主事】
 いじめ認知の有無は確認していないが、投稿内容は学校に伝え、必要に応じてその後の対応も指導主事から学校に問い合わせており、きちんと対応していることを確認している。
 暴力や自傷行為は緊急性のある投稿と分類され、特に緊急性が高い内容であれば休日であっても即日に、それ以外でも翌日には学校に連絡して対応するよう指示している。

【花井委員長】
 資料4、5ページ、令和3年度における認知学校数の割合が春日井市においては100パーセントとなっており、認知件数も増加している。いじめの認知件数が増加することを一様に高評価とすることはできないが、いじめに対する取り組みが進んでいると評価してよいと思う。
 資料8ページ(4)学校でのいじめ発見のきっかけでは、アンケート調査など学校の取組によって発見の回答構成比が全国と比較して低い状況となっているが、要因と考えられることはあるか。

【石川指導主事】
 アンケートは教育相談前に行うことが大半であり、アンケートに嫌なことをされたとの記載があった場合は原則いじめと認知するものが、教育相談で担任が話しをする中で本人も嫌な気持ちを消化し、その後の学校生活でも影響は見られない場合はいじめと認知、報告をしていないこともあるかと思われる。
報告書の様式にある項目を全て記載するために本人や加害とされた児童生徒に話しを聞く中で、被害を訴えた児童生徒の気持ちが整理できたなどいじめと認知する機会を逃すこともあり、国の調査項目に準じた内容や状況を共有する目的もあるため調整を必要とするが、今後は遅滞なく報告しやすいよう報告内容の見直しも検討していきたい。
 生徒指導担当者の集まる場等で、アンケートに記載があった時点でいじめと認知し、その後の教育相談はいじめの事後指導と位置付けることを改めて周知していく。

【花井委員長】
 アンケートは自宅に持ち帰って記載するのか。

【石川指導主事】
 多くの学校では持ち帰らず学校で記載し回収している。

【花井委員長】    
 私が関わった中で、アンケートを持ち帰って記載する市があった。特に小学校低学年で保護者が回答に関与することがあり、これは子どもの気持ちを把握するによくないことだった。一方、学校内でアンケートを記載すると、誰かに見られるかもしれないと思う子どもが答えにくくなることもあり、実施方法にも難しさがある。
 子どもの気持ちを把握するにはアンケートは一つの効果的な方法であり、アンケートに気持ちを書きやすい環境を整えるよう配慮していけるとよい。

 議題2 事例報告については非公開。

 上記のとおり第1回春日井市いじめ問題対策委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、委員長及び植村委員が署名する。

令和5年1月13日

委員長 花井 忠征
署名人 植村 元雄

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