令和2年度第1回地域包括ケア推進協議会

ページID 1023012 更新日 令和3年5月21日

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開催日時

令和2年10月6日(火曜日)午後2時から午後3時30分まで

開催場所

市役所南館4階 第3委員会室

出席者

出席者
会長 三浦 久幸(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 在宅医療・地域医療連携推進部長)
委員 白石 知子(中部大学 教授)
  齋藤 隆司(春日井市医師会 会長)
  川口 剛(春日井市歯科医師会 会長)
  林 きよみ(春日井市薬剤師会 会長)
  成瀬 友彦(春日井市民病院 院長)
 

柴山 漠人(愛知県認知症疾患医療センター センター長)

  若月 剛治(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 会長)
  下田 伸司(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 副会長)
  南部 哲男(春日井市第1層生活支援コーディネーター)
 

落合 逸男(春日井市民生委員児童委員協議会 監事)

  大塚 淳弘(春日井市社会福祉協議会 事務局長)
事務局 健康福祉部長 山口 剛典
  地域福祉課長 神戸 洋史
  健康増進課長 平尾 博美
  地域福祉課地域包括ケア推進室室長 山崎 俊介
                主査 上野 陽介
                主任 川島 美保香
  春日井市在宅医療・介護サポートセンター 管理者 佐藤 和子

 

傍聴者

1名

議題

令和2年度地域包括ケア推進状況報告

1 在宅医療と介護の連携について

2 生活支援体制整備について

3 認知症総合支援について

4 介護予防について

会議資料

議事内容

上野主査
議題1について説明
三浦会長
資料1-2認知症総合支援について、事務局から早期発見・早期治療に関する取組みによる予防は推進されているが、新型コロナウイルスの影響により共生の推進が難しいと説明があった。
白石委員

共生の推進について、認知症対策に拘り施策の視野が狭くなっているように感じる。認知症の人を含めた誰にとっても優しいまちづくりと考え、取組みを検討してはいかがか。地域の互助や助け合いのある環境を作っていくことが認知症の対策にも繋がっていくと考える。そのように考えることで検討できる取組みも増えるのではないか。

小中学生、高校生への認知症サポーター養成講座でも、認知症の理解を深めるだけでなく、助け合いの手が差し伸べられるような教育の機会となることを期待する。そのような学びの機会となることで、高齢者のみならず全ての市民にとっての優しいまちづくりとなる。

柴山委員
イギリスでは認知症の人と表現せず、認知症と共に生きている人と表現し、認知症があってもなくても同じ社会で共に生きるという考えが浸透している。日本でも、昨年制定された「認知症施策推進大綱」や現在国会で審議されている「認知症基本法(案)」では「予防」と「共生」が強調されており、認知症バリアフリーのまちづくりや認知症カフェ、本人の発信支援など「共生」の概念を取り入れた地域づくりが重要と考える。また、認知症バリアフリーの取り組みをしている企業に対し、認証や表彰することも有効な取り組みとなる。
三浦会長
本人の意見、視点を取り入れることが重要である。本人を中心とした認知症施策に取組んでいただきたい。
南部委員
資料1-2の2ページに春日井警察署との連携とある。地域で互助により見守り活動は増えているが、先日、実際に地域で行方不明者が発生した際に、警察とどのように連携するとよいか分からなかった。その事例は、近所の人から家の電気が点いているが、本人の姿を見ていないとの相談の事例であった。行方不明や自宅内で倒れている可能性もあったが、警察署に相談してから対応まで時間がかかってしまった。認知症の人が行方不明となった時の捜索とは対応が異なるかもしれないが、安否不明や行方不明のような状況では、どのように対応したらよいか。
神戸課長
市では地域見守りホットラインを設置しており、夜間休日は守衛室で受付して担当に繋がるようにして24時間365日の対応としている。警察とも連携して対応しており、そのような緊急時はホットラインを活用いただくとよい。
林委員
地域で安心して生活できるまちづくりとして、現在は在宅医療従事者や介護保険関係者が訪問時に利用するハートフルパーキングを、通所施設の送迎車の乗降時にも活用できるよう拡充するとよい。認知症を含む高齢者への理解の輪がさらに広がることを期待しており、企業の認知症サポーター養成講座開催も増えるとよい。
神戸課長
ハートフルパーキングは、高蔵寺ニュータウン内で開始した時は駐車場所は240か所であったが、地域の需要等を把握するアンケートを実施し、現在は市内に約480か所の駐車場所を確保している。市内の駐車場所がスマートフォンなど携帯端末で検索できるシステムを導入している。この事業は、全国でも先進的な取組であり今後も更なる発展を目指したい。
柴山委員
新型コロナウイルス感染症対策下での講演会や研修会等では、当院ではハイブリッド方式、即ち、認知症家族会では、少数の方との対面式とオンライン参加の2通りの参加方法により実施予定であり、今後の講演会や研修会等も感染対策を考慮しつつ実施を進めていくことが望ましい。
三浦会長
資料1-2の1在宅医療及び介護連携の説明で、かすがいねっと連絡帳の積極的活用とあった。診療所の登録数が多くあり、ICTを活用した多職種連携が推進されているようだが、いかがか。
齋藤委員
診療所や居宅介護支援事業所などの登録は、かすがいねっと連絡帳が稼働して以降、順調に増えている。しかし、医師、薬剤師、歯科医師、居宅支援事業所等の多職種間で患者を中心とする情報提供では、活用しきれていないのではないか。
三浦会長
先日、歯周病が認知症の増悪因子となっていると報道があった。市民啓発が必要な内容であるが、新型コロナウイルス感染症等の影響もあり困難な背景もある。フレイル対策として重要な課題でもあり、現在どのような取組みをなされているか。
川口委員
市と連携し、健康マイスターの講座や歯周病教室など歯周病予防の啓発する機会は増えている。近年、認知症への影響等明らかな研究結果も発表されてきているので、今後も更なる啓発や指導を進めていきたい。
南部委員
人が臨終を迎える時に後悔する5つの事項という話を聞いたことがある。傾聴活動を行う者として、このような話を本人が話すことができるようにすることが重要であると感じた。アドバンス・ケア・プランニングでは、医療やケアの選択だけでなく、本人の人生目標や達成感に対する確認も行われているのか。
成瀬委員
当院で行われているアドバンス・ケア・プランニングは、病気の進行などが予見されている患者を対象として実施しており、面談では人生目標なども聞き取っているが、意向については治療に関する内容が多くなる。アドバンス・ケア・プランニングの取組みとしては、人生の達成感なども踏まえたものとなることが望ましい。
三浦会長
生活支援体制整備や介護予防に関して意見はあるか。
若月委員
生活支援体制整備に関し、新型コロナウイルス感染予防のため、介護サービスでも自主的に営業を中止した事業所や、要介護度が軽度の方は利用の自粛をお願いしたところもあった。その期間中の家族からは、家庭で過ごす時間が増えたことによる介護負担が感じられ、6月頃に利用を再開した利用者からは自粛期間中の精神面等での不安定さ見聞きした。要介護者においても日常的な支援の必要性を痛感した。また、医療と介護の連携では、最近は退院時における病院との連携も増えてきており、かかりつけ医との連携も含め、医療と介護の連携をさらに進めていきたい。
下田委員
介護予防に関し、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛期間中は、介護サービスの利用を休止していた方も多くあり、フレイルの状態にある利用者の増加やADLの低下による要介護状態の悪化を心配していた。私の管理する事業所全体では約400人の利用者があるが、現在までで大きくADLが低下した利用者はおらず、大半の方が介護サービスの利用も再開している。
三浦会長
新しい生活様式など感染予防対策が取られ、他地域でネット配信による研修受講に関して申し込み等に事業所のメールアドレスを登録し、職員の個人的なアドレスを登録できないことで研修参加ができないことも報告されているが、いかがか。
下田委員
病院等が動画配信で研修を実施しており、そのような研修は受講できている。市介護保険居宅・施設事業者連絡会が開催する研修は、9月から対面により開始したところである。在宅医療及び介護連携の説明にあった、かすがいねっと連絡帳について、私も利用者の情報共有で活用しているが、バージョンアップにより使いやすさが向上している。
神戸課長
外出自粛期間中は、民生委員による一人暮らし高齢者等への訪問調査の実施を延期したが、外出自粛により困りごとの相談先をまとめた便利帳や、地域福祉コーディネーターが臨時で作成した情報誌「vivid」等を民生委員が個別に配付し、安否確認や情報提供を実施した。
大塚委員
外出自粛期間においても生活支援コーディネーターへの相談は減少してはいなかった。地域活動は、新型コロナウイルス感染症の影響により以前と同様とまでは戻っていないが、通常の地域活動に戻りつつあり落ち着いてきている。アドバンス・ケア・プランニングに関連し、社会福祉協議会では、市の委託を受け終活サポート事業を開始した。これまでは要介護状態や意思疎通が困難な状態となり相談を受けていたが、この事業では十分な意思決定の能力と時間があるうちから今後を考え、実際に手続きを行うものであり、アドバンス・ケア・プランニングも含めて地域での各方面から積極的な周知を進めていただきたい。
白石委員
資料1ー2の4介護予防の中で、一般介護予防として説明のあるまちの保健室モデル事業は、以前に検討事項としていた高齢者サロンを活用した健康寿命の延伸の具体的な取組みとなっている。南部委員の発言にあった臨終時の後悔の話も含め、介護予防に取り組む元気なうちからアドバンス・ケア・プランニングを知るために、まちの保健室モデル事業の中でアドバンス・ケア・プランニングに関する講座等もメニューとしておくとよいのではないか。
三浦会長

資料4の説明において、アドバンス・ケア・プランニングの認知が広がっていないとの説明があった。講演会などに参加していない人へも周知していただきたい。中でも要介護者の子世代は積極的に広めていきたい層である。

 

柴山委員
当院では入院時にアドバンス・ケア・プランニングを実施しており、在宅や施設への退院支援に活かされるほか、入院中の急変時等でも本人の意向による治療に繋がっている。市でも熱心に取り組んでおり、今後も積極的に進めていきたい。
三浦会長
議題は以上であり、これで会議を終了する。

上記のとおり、令和2年度第1回春日井市地域包括ケア推進協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び会長が指名する者が署名する。

令和2年11月24日

会長 三浦 久幸

委員 白石 知子

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