令和2年度第2回地域包括ケア推進協議会
開催日時
令和3年3月30日(火曜日)午後2時から午後3時30分まで
開催場所
市役所南館4階 第3委員会室
出席者
会長 | 三浦 久幸(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 在宅医療・地域医療連携推進部長) |
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委員 | 白石 知子(中部大学 教授) |
川口 剛(春日井市歯科医師会 会長) | |
林 きよみ(春日井市薬剤師会 会長) | |
成瀬 友彦(春日井市民病院 院長) | |
柴山 漠人(愛知県認知症疾患医療センター センター長) |
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若月 剛治(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 会長) | |
下田 伸司(春日井市介護保険居宅・施設事業者連絡会 副会長) | |
南部 哲男(春日井市第1層生活支援コーディネーター) | |
落合 逸男(春日井市民生委員児童委員協議会 監事) |
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大塚 淳弘(春日井市社会福祉協議会 事務局長) | |
事務局 | 健康福祉部長 山口 剛典 |
地域福祉課長 神戸 洋史 | |
健康増進課長 平尾 博美 | |
地域福祉課地域包括ケア推進室室長 山崎 俊介 | |
主査 上野 陽介 | |
主任 川島 美保香 | |
春日井市在宅医療・介護サポートセンター 管理者 佐藤 和子 |
傍聴者
3名
議題
令和2年度地域包括ケア推進状況報告
1 在宅医療と介護の連携について
2 認知症総合支援について
3 生活支援体制整備について
4 介護予防について
会議資料
- 資料1 春日井市地域包括ケア推進状況報告 (PDF 370.0KB)
- 資料1-2 令和3年度 春日井市地域包括ケア推進事業の主なスケジュール(案) (PDF 151.3KB)
- 資料2 令和2年度 地域ケア会議報告書 (PDF 3.5MB)
議事内容
- 上野主査
- 議題1について説明
- 三浦会長
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新型コロナウイルスの影響がある中で、多くの地域包括ケア推進事業を進めており良い状況と思われる。その中で地域の見守りや状況把握等で困っていることややってみたことなど、どのような声が挙がっているか。また、かすがいねっと連絡帳の診療所の登録者数が伸びているが、影響と思われるものはあったのか。
- 上野主査
- 地域包括ケアにおけるICTの普及は医師の参加が不可欠であることから、 医師会に全面的な協力をいただき、医師会員の連絡などもかすがいねっと連絡帳を使っていただくなど機会が増えた。
- 三浦会長
- コロナ禍という環境のなかで、サロン活動や地域の人々の見守りでどのようなニーズがあったか。
- 落合委員
- 民生委員の地域の実情把握活動において、令和2年度はコロナウイルス感染対策も考慮し取り組んできた。高齢者世帯だけでなく、8050問題にも積極的に取り組み、把握した世帯の状況から地域包括支援センターに繋ぐような動きもあった。令和3年度は、世帯の問題が発生する前から関われるよう、7040世帯へ対象者を広げる活動を検討している。
- 三浦会長
- 高齢者サロンの活動はどのような動きであったか。
- 南部委員
- 感染対策のとれる場所への変更や活動日や時間を分散して開催するなど工夫して再開したサロンもあったが、参加者がコロナウイルスに感染した場合の責任の所在など不明確な部分もあり再開の判断には苦労していた。その中でも、個別で見守りや情報提供などの家庭訪問に活動を切り替えるなど工夫され、新たな取り組みをされたことは、良い部分もあったかと思われる。
- 柴山委員
-
認知症施策について、予防という観点から2019年にWHOは「認知機能低下および認知症のリスク低減」のためのガイドラインを出し、運動習慣や栄養バランスなど生活習慣に関連した危険因子が認知症の発症と関連していること、また高血圧や糖尿病などの生活習慣病が認知症発症リスクの増大と関連していることを提言した。FINGER研究では生活習慣への介入により認知機能に有意差があったとの結果が出ており、2017年ランセット委員会の報告に基づいてガイドラインが出された。日本においても、認知症を抑制できるかを検証するJ-MINT研究を行っており、最新の血液バイオマーカーや脳画像の技術を用いて認知症予防の機序の研究をすすめている。
また、長谷川式で点数が取れていても認知症を発症しているというケースがあり、症状が出る前からの取組みが重要であることから、予防的に働くワクチンなどの研究や血液検査による早期発見なども今後期待されるが、まだ実証研究の段階であり普及は先になると思われる。人間ドックなどでの簡易検査の実施など症状のないときから予防的な介入の必要性は、日本においても認知症施策推進大綱や認知症基本法にも盛り込まれており重要なことと考える。
共生の問題においても、認知症に対する偏見があるので、市は認知症疾患センターと協力して積極的に取り組みを進めてほしい。
- 南部委員
- 動画配信を多く取り組んだとのことだが、動画以外の資料などは配信したのか。また、動画配信は有効な手段と思うが、事業ごとに動画配信を取り入れるか等の判断や基準は決まっているのか。
- 上野主査
- 今回、動画配信した研修や講演は元来の計画に資料がないものであったため配布はなかった。今年度当初新型コロナウイルス感染症予防対策として急遽、動画配信が可能なものを優先的に行った。次年度は計画的に動画配信の企画運営ができる初年度となるため、より積極的な活用ができると考えている。
- 林委員
- 高齢者の中には、インターネット配信などで情報を得ることが難しい人もいる。情報の配信方法においては、市内高齢者の単身世帯は11,000世帯あり、ラジオは災害時にも活用されるなど普及率も高いことが予想され、容易に利用できる手段と思われるが、そういった配信方法は検討されているのか。
- 上野主査
- インターネットによる動画配信については、多くの高齢者が取り入れることが難しいと聞いている。今年度の取り組みでは、希望した高齢者へDVDを配布し好評を得た。また、高齢者に限らず広く市民に周知したいものについては動画配信という形で実施した。
- 神戸課長
- ラジオについては、市でもシティプロモーションや地域包括ケアなどの情報配信に利用したことがあり、有効性は評価しているため、今後動画も含め、情報の配信方法については引き続き検討していく。
- 林委員
-
薬剤師会員においても、かすがいねっと連絡帳の普及や多職種連携の強化に努めていきたいと考えている。また、高齢者の認知症を含む介護予防と健康づくりを一体的に提供する取り組みは積極的に進めていく必要を強く感じている。
また、高齢者がひとり暮らしとなったとき、男性のなかには家事の経験も少ない場合もあり「健康的な食事が作れない」「会話をしない」など、生活力が落ち、その結果認知症や介護度を進めてしまうことも懸念される。今後、増加が見込まれている高齢者の「一人暮らし力」を身につけるという取組も検討いただきたい。
- 神戸課長
- 現在、大人の一人暮らし情報雑誌「はるのひ」を市が監修し、高齢者サロンや相談先などひとり暮らしに役立つ情報を掲載している。地域の実情把握に関する調査等で把握した一人暮らしや老々介護世帯等へ民生委員より直接届けている。こちらについても活用していただけるよう積極的に進めていきたい。
- 白石委員
- 配信した動画や公式YouTube等は、視聴者の年齢層や性別等、時間帯の分析はしているか。
- 上野主査
- 現状、視聴回数は把握できるが、公式YouTube等広く配信されているものはその他の情報を得ることができない。今後については、動画配信時にアンケートフォームを作成するなど把握に努めたいと思う。
- 白石委員
- 認知症サポーター養成講座について、小中高校生の関心を育むという面で進んでいるが、一般の人は家族等身近に認知症の人がおらず日常で関わりの少ない人たちは、予防や共生の意識を広めることが難しいと感じる。しかし、なかには認知症対策に何か協力したいと関心をもっている人が、潜在的に地域にいるのではないかと思う。今後は、支援を求める人と提供できる資源をどのように発信し、地域に活用していけるかを考えることが課題となると思う。大学生などはキャリアデザインの一環として地域で経験を積むことはメリットでもあり、地域ケアの視点からも地域の力を活用できる仕組みづくりができるといい。
- 柴山委員
- 他市で認知症の市民シンポジウムをオンラインで開催したが、家族会はオンラインで行うことが難しかったため人数制限等配慮しながら認知症の基礎知識、人生会議及び口腔との関連等について講話と併せ開催をした。RUN伴の取り組みは、認知症の共生の面からも良いと考えている。
- 三浦会長
- 介護職の人への研修等はどのように行っているか。
- 下田委員
- 参加する研修の受講はオンライン参加が増えている。介護事業所もICTなどの普及も進んで環境が整ってきたように思う。介護関係者への研修会開催については動画等のオンラインで配信している。実際、受講者からは、感染のリスクもなく安心に受講でき、移動時間等も短縮できると評価は高く、メリットは大きいと感じる。
- 若月委員
- すでに関係ができている場合は、オンラインでもスムーズに会議を進めることができるが、関係性を築くという点においては対面の方が向いていると感じた。入院された方と病院内で面会することが難しくなり、状況把握等苦労したが、春日井市民病院の医療連携室やがん緩和ケアセンターとの連携が多くなりいい機会でもあった。在宅での看取りを希望される方も増加しており、今後介護支援を進めていく中で病院との連携がますます必要となると考える。
- 大塚委員
- コロナ禍では地域福祉コーディネーターや市内42か所ある地区社会福祉協議会などコロナ禍で活動が制限された部分が多かったが、新しい取り組みも多くできた。地区社協などの活動費でもある共同募金の決算が前年比で1割近く減少しているため、財政運営も厳しさがあるが、地域活動に影響がないよう調整していきたいと考えている。
- 成瀬委員
- 春日井市民病院では入院患者と家族の面会制限があるが、ネット等を使い家族と交流が取れるよう取り組んでいる。コロナ禍において高齢者の転倒骨折による患者数が激減している。おそらく高齢者が感染予防対策として外出等活動を控えていると思われるが、生活不活発によるフレイルの悪化等が心配される。当院でも新型コロナウイルスワクチン接種が希望者へ早く行き渡るよう力を注ぎたいと思っている。
- 川口委員
現状、在宅医療に関わっている歯科医師が少ないということもあり、かすがいねっと連絡帳で連携する機会が少ないが、今後も普及には努めていきたいと思っている。近年、口腔機能の低下と認知症や要介護との関連について研究が進んでいる。今後も注目して情報を取り入れていきたい。今年度、口腔機能向上を目的とした誤嚥予防セミナーをDVD収録した。よって、今後は少人数の集いや講師の派遣が難しいときでも、高齢者サロン等DVDの視聴により口腔機能向上にむけた取り組みが普及できると期待している。- 南部委員
- 地域ケア会議で、外出等が困難で他者との交流など望む支援を受けることができないという話をよく耳にする。外出や集いの場に出向くことが困難な場合でも、近所の人が頻繁に顔を出すなど関係が希薄にならないような地域での関わりが必要と感じている。「一人暮らし力」を付けることはそういった関係を築きながら町内単位でも取り組めると考える。
- 川口委員
- 人間ドックにおける認知症検査全数のうち、75歳以上がどれだけ占めてており、認知症の疑いがある人はどの程度いるのか。また、認知症サポーター養成講座について、小中学校向けのDVDは大人も視聴できるものなのか。
- 上野主査
- 認知症サポーター養成講座の動画は小中学生向けの講座をもとに作成している。大学生には対面で実施する機会しかなく、小中学生に対しては対面が厳しくなったため急遽作成した。今後、要望によっては他の世代も動画作成することも検討する。
- 平尾課長
- 人間ドックにおける認知症検査は全体の6割ほどが後期高齢者となっている。しかし、認知症検査を受診する方は結果に自信がある人が多く、認知症の疑いがある人は統計割合と比較すると少ないと思われる。今後は検査結果の指導や分析も含め検討していきたい。
- 三浦会長
- 議題は以上であり、これで会議を終了する。
上記のとおり、令和2年度第2回春日井市地域包括ケア推進協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び会長が指名する者が署名する。
令和3年8月12日
会長 三浦 久幸
委員 白石 知子
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電話:0568-85-6364 ファクス:0568-84-5764
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