令和5年度第1回春日井市いじめ・不登校対策協議会議事要旨

ページID 1033412 更新日 令和6年1月15日

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1 開催日時

令和5年6月13日(火曜日)  午後3時から午後4時20分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 参加者

委員

願興寺礼子

伊藤治彦

山口 力

窪野明子

横井隆一

神戸研人

野見山日向

𠮷田 眞

安藤 透

杉浦 誠

今井裕次

𠮷田勝俊

酒井はるみ

教育長
水田博和
事務局

大城達也

加藤喜英

石川和男

山崎俊介

三浦敬一朗

4 欠席者

委員

稲垣拓馬

5 議題

(1)令和4年度いじめ・不登校対策協議会事業報告

   令和5年度いじめ・不登校対策協議会事業計画

(2)いじめ・不登校についての状況報告及び意見交換

6 会議資料

7 議事内容及び決定事項

(1)令和4年度いじめ・不登校対策協議会事業報告及び令和5年度いじめ・不登校対策協議会事業計画

(1)    令和4年度いじめ・不登校対策協議会事業報告
        令和5年度いじめ・不登校対策協議会事業計画
【事務局】 
 資料に基づき説明

(2)いじめ・不登校についての状況報告及び意見交換

【事務局】
   資料に基づき説明

【会長】
   いじめの指導について見守る期間及び解消と判断する基準について教えて欲しい。

【事務局】
  いじめがあった段階で学校から教育委員会に報告書が提出される。学校がいじめを把握した後3か月は被害者、加害者両者の様子を見守り、3か月経過後に被害者本人と保護者に対していじめが解消されたか確認を行い、解消の判断を行う。解消であれば学校から教育委員会に解消報告が提出される。解消していなければ学年を跨いだり、小学校から中学校へ進学した後も見守りや指導を継続する。

【会長】
  他に質問はあるか。

【委員】
  いじめについて、子ども自身が声を上げなければ初期段階で発見することは難しい。
 そこで学校に導入されたスクールサインの子どもへの周知について教えて欲しい。

【事務局】
  スクールサインについては現在全小中学校に導入されている。小学校は昨年の7月から導入を開始している。小学校ではまず5~6年生に周知し、1~4年生については各小学校の判断で児童の状況に応じて周知をしている。中学校はチラシを全生徒に配付している。

【会長】
  不登校について、相談や指導を受けていない子どもがいるが、その理由は何か。

【事務局】
  不登校児童の保護者には学校からあすなろやスクールカウンセラー等の提案はしているものの、保護者や本人が望まないことがある。

【会長】
  いじめ不登校相談室が受ける相談内容について最近の傾向を教えて欲しい。

【委員】
   令和4年度の春日井市いじめ不登校相談室では不登校相談の総件数が183件となっている。令和3年度と比較し30件減少し、令和2年度は更に少ない件数だった。コロナ禍の影響もあり保護者の中で、子どもが家にいることへの抵抗が減ったことに起因すると考えられる。
  その他の特徴として中学校の相談件数の減少、小学校の相談件数の増加が挙げられる。中学校は全中学校に登校支援室が整備されたことで、相談件数が下がったと考える。相談内容としては発達障害に関わるものが多い。また、不登校について親族から責められ追い詰められた母親からの相談も増えている。
  いじめ相談では被害者の保護者から再発を心配する相談が多い。学校から加害者への指導内容や進捗状況について連絡がなく、被害者の不安が大きくなっている。学校としては指導内容について説明が難しい場面もあるが、被害者は学校に隠ぺいされたと感じてしまい、学校不信に繋がると感じる。

【会長】
  家庭教育コーディネーターの取組について具体的に教えて欲しい。

【委員】
  今年度は継続と新規を含めて7件のケースに関わっている。直接的な登校刺激は避け、コミュニケーションに重点を置いて楽しい空間や時間を共有することを主眼に取り組んでいる。今年度の県のまとめでは県下全体でホームフレンド活動の約8割強のケースで好意的な意見を貰っており、子どもたちの社会性の発達や人間関係の練習、自我の発達に貢献していると感じる。
  また、市内53の小中学校に学期に1回ずつ訪問し、不登校について情報交換を行っている。更に各機関との連携を図るため、不登校対策ネットワーク会議を開催している。教育支援センター、スクールソーシャルワーカー、登校支援室指導員、指導主事と2か月に1回定期的に情報交換を行っている。

【会長】
  登校支援室の1年間の活用状況について教えて欲しい。

【委員】
  登校支援室は新たな不登校者を作らないことを目標に市内の15中学校に設置している。心のエネルギーを消耗してしまった生徒が安心できる場所を目指している。どの学校も目的は同じだが、全ての学校で同じことをしている訳ではなく、各学校の状況に沿った形で運営している。
  5月の段階で利用している生徒は15校で176名。その中で毎日利用している生徒が約31%、週2~3日の利用が約21%、週1日が約16%となっている。利用方法は生徒によって様々で登校時間、下校時間もそれぞれが決めており、教科によって教室に行く生徒もいる。
  支援員は15校で48名いる。

【会長】
  教育支援センター「あすなろ」での支援や児童の状況を教えて欲しい。

【副会長】
  市内15中学校に登校支援室ができたことで昨年度は中学校の相談件数が40%減少し、入級生は30%減少した。一方小学校の相談件数は増加しており入級生は30%増加している。学習支援についてはタブレット端末を使用する子どもが増えている。学校の授業を受けられないので、オンラインで授業を受けられることは子どもにとってプラスとなっている。また、学校の先生とのメールなど、タブレットの活用は学校と繋がれる新たな手段となっている。明確な理由はなく、漠然と学校に行けない子どもが多いが、あすなろでも学校でも背中を押してあげれば登校できる可能性がある。

【会長】
  スクールカウンセラーが対応したケースから見える、子どもや保護者からの相談について教えて欲しい。

【委員】
  小学校1年生の不登校が増えている。小学校1年になることで先生を含め、環境が激変し変化に馴染めない児童もいる。幼保小の連携については幼稚園・保育園と小学校で小学校に進学することで起きる環境の変化について捉え方にギャップを感じる。
  県のスクールカウンセラーの調査では令和4年度は子ども、保護者ともに教員との関係についての相談が増えている。また、学級編成について、不登校やいじめを受けている子どもに寄り添い、配慮した学級編成をするかで不登校の復帰率が変わると感じる。他市の学校では校長、教頭、教務主任、校務主任が不登校傾向の子どもの学級編成について担任や学級の相性を考慮している。そこにスクールカウンセラー等の意見も取り入れていければ良いと感じる。

【会長】
  少年の非行状況について教えて欲しい。

【委員】
  春日井警察署においては令和4年5月末現在の少年の刑法犯検挙補導人員は21名。前年比ではマイナス2名で8.7%の減少となっているものの、学生数が減っている中、全体の割合としては増加している。原因としてはスマートフォンの普及やその使用の低年齢化が挙げられる。インターネットやSNSの在り方が大きな社会問題になっており、特にSNSに起因した児童買春や児童ポルノ等、児童を対象とした性的搾取が全国的に増加傾向にある。そのため、警察としてはサイバーパトロールの強化やSNSの書き込みに対する注意喚起を行い、少年が被害者になる前に救う活動に力を入れている。

【会長】
  名古屋法務局の取り組みについて教えて欲しい。

【委員】
  法務局では人権擁護機関として子どもの人権を重点課題として取り組んでいる。その内容として、小中学校を対象にした人権教室等の啓発活動、電話による相談、子どもの人権110番がある。最近はLINEを使った人権相談やSOSミニレターを実施している。SOSミニレターについて令和4年度は春日井市局管内の春日井市、瀬戸市、小牧市、尾張旭市の小中学校から61通のミニレターが届き、人権擁護委員が返答している。令和5年度は愛知県内全ての小中学校にミニレターを配布している。毎年、一定数の相談があるため、引き続き啓発活動や相談活動に注力していく。

【会長】
  市内の小中学校のいじめ不登校対応について教えて欲しい。

【委員】
  市内の小学校では、小さないじめも逃さず把握するよう努めている。それにより大きないじめの発見に繋がることがあるため、いじめの認知件数が多いことは悪いことだけではないと捉えている。小さないじめも教員が丁寧に対応するよう指導している。小学校では5~6年生の女子によるSNS上のトラブルが見られるようになってきた。トラブルが起きていることも問題ではあるが、例えばLINEで既読したままにならないよう画面から目が離せないことで、帰宅後も学校の顔が外せないことが子どもたちにとって心理的な問題になっていると感じる。不登校についてはコロナ禍が明け、何となく学校に行きたくない児童が多くなっている。家庭との繋がりを切らさぬよう注意しているが、家庭の方から切れてしまうこともある。校内でケース会議を行い、支援の方向性を決めて対応している。

【委員】
  市内の中学校ではいじめや不登校の対策として学期に1回教職員が集まり話し合いを行っている。しかし、実際は報告のみになることが多く、対策を協議するまでに至っていなかった。そのため、本校では現在、週に1回養護教諭、生徒指導主事、校務主任、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーが集まり複数の視点からアセスメントを行い、具体的な支援について個別に協議をしている。
  登校支援室については教員が多忙で登校支援室を利用している生徒への対応が十分とは言えない状況にある。今後は支援員と共に密に連携を図り、学校全体でよりよい方向を探っていきたい。

【会長】
  保健室を訪れる生徒について養護教諭の視点から最近の傾向について教えて欲しい。

【委員】
  小学校の段階ですでに不登校となり中学校に入学する生徒が増えている。不登校の要因については、無気力で頑張ることができない、不安が強いといった本人に起因するもの、友人関係のつまずき、いじめ、SNSトラブルといった友人に起因するもの、家庭の貧困、ヤングケアラー、養育能力に疑問がある保護者といった家庭に起因するもの等、事案により多種多様である。
  次に保健室を訪れる生徒の傾向について、今まではコロナ禍の影響で保健室の利用に制限があったが、コロナ禍の収束に伴い制限を緩和したことで徐々に来室が増えている。来室する生徒を見ていると、話を聞いて欲しい生徒や集団の中にいることが辛く、教室に行きたがらない生徒が多いと感じる。そのため、話を聞きながら生徒に寄り添う姿勢で対応している。

【会長】
  いじめ問題は日本のみならず、世界中で問題になっている。不登校については、コロナ禍を経て増加している。今後も学校や関係機関それぞれが協力し合い取り組む必要がある。

上記のとおり、令和5年度第1回春日井市いじめ・不登校対策協議会議事の経過及びその結果
を明確にするために、この議事録を作成し、会長及び会長が指名する者が署名する。

令和5年7月11日

春日井市いじめ・不登校対策協議会
会長  願興寺 礼子
副会長 伊藤 治彦

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