平成29年度第1回春日井市商工業振興審議会議事録

ページID 1011932 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

平成29年10月26日(木曜日)午前10時から午前11時30分

2 開催場所

春日井市役所3階 301・302会議室

3 出席者

【会長】

中部大学 工学部教授 産官学連携推進室長 行本正雄

【委員】

名古屋工業大学 大学院教授 藤岡伸子
春日井商工会議所 副会頭 木野瀬吉孝
春日井市工業団地協同組合 理事長 福島成元
中小企業基盤整備機構中部本部 企画調整部長 柴田修司
春日井市商店街連合会 会長 稲田孝史
大垣共立銀行春日井支店 支店長 塩谷昌樹
一般社団法人春日井市観光コンベンション協会 専務理事 林越宏治
春日井商工会議所 専務理事 山田真平

【事務局】

産業部長 石黒直樹
経済振興課 課長 中井基之
経済振興課 課長補佐 石原旨規
経済振興課 労政資金担当 担当主査 中村一巳
経済振興課 商工観光担当 主事 松山晴貴
企業活動支援課 課長 足立憲昭

企業活動支援課 課長補佐 松浦武幸
企業活動支援課 支援担当 担当主査 鈴木章仁

企業活動支援課 支援担当 主事 安藤里紗

株式会社ジャパンインターナショナル総合研究所 宮内卓也

株式会社ジャパンインターナショナル総合研究所 江口陽子

4 議題

  1. 春日井市商工業振興審議会について
  2. 産業振興アクションプラン策定方針について
  3. 産業振興アクションプラン改定について

5 議事内容

議事に先立ち、委嘱状の交付、市長挨拶、会長の選出、諮問、会長職務代理の指名、会議公開及び議事録方法の確認を行った。

1.春日井市商工業振興審議会について
<事務局より資料1について説明>

2.産業振興アクションプラン策定方針について
<事務局より資料2、資料3について説明>

【会長】
ただいま事務局より説明があった。質問はあるか。

【林越委員】
資料2の2ページの策定体制図で、産業振興アクションプラン策定事務局の中に商工会議所が入っているが、これはどのような位置づけか。

【事務局】
以前の策定事務局は経済振興課と企業活動支援課だったが、春日井市では、かなり前から春日井商工会議所と一緒に検討を進めている。今回は経済振興課、企業活動支援課、春日井商工会議所の3者で事務局をやっていくことにした。

【林越委員】
春日井商工会議所の各担当も事務局として、検討会議などにも参加するということか。

【事務局】
この審議会の前にも、資料の素案をつくる段階で一緒に内容を詰めている。

【稲田委員】
資料3の4ページの商業の状況のグラフが非常に興味深いが、もっと新しいデータはないか。春日井市はここ3年で非常に環境が変わってきている。3年前だとあまりあてにならない数値ではないのかと思う。

【事務局】
統計調査の関係で、今日示せる直近の数値は2014年である。

【林越委員】
それぞれの検討会議を分けるということだが、いまの説明にもあった通り、市内の経済循環を良くするとなると、2つの検討会議をつなぐ施策も必要になると思うが、そこの調整は事務局がやるのか。

【事務局】
2つの検討会に分けるが、当然共通事項もあるので、そこは事務局で調整する。2つの審議内容以外のことも両方の検討会議で発言していただき、事務局が集約する形になる。

【柴田委員】
資料2の2ページの事業所数の推移で、ピークが1996年に11,833か所となり、2014年には10,771か所となっているが、県全体をみるともっと下がっている。春日井市では廃業が増えても創業が増えているのか、もしくは外からの企業誘致が盛んでダメージがなかったのだろうか。

【事務局】
今日は資料が手元にないが、原因については分かる範囲で調べさせていただき、また後日回答させていただく。

【会長】
他によろしいか。では次の議題に進む。

3.産業振興アクションプラン改訂について

【木野瀬委員】
春日井市は色々なことが充実している。ただ、時代とともに商工業者も求めるものが違い、労働生産性をいかに高めるかがポイントになってきている。
先程あったように働く人たちの確保が難しく、どこの地域・企業も少子高齢化の中でどう労働生産性を高めるかが問題である。今までのアクションプランの中の支援策というのは、設備投資や、土地・工場などへの補助金が主なものだった。資料2の3ページの検討会議の検討テーマイメージにICT導入とあるが、中小零細区別なく、そういうものを導入していかないと、労働生産性を高めることはできなくなっている。労働生産性の高いまちにするための市の明確な方針がアクションプランの中で打ち出せればよいのではないかと思う。
また、春日井市は「子はかすがい、子育ては春日井」を打ち出している。女性活躍が当たり前となるなか、ネックとなる子育て支援は、残念ながらここに直接結びついてないところで行われている。直結しなければいけないのではないかと思う。ママインターンを昨年度と今年度、春日井市で取り組んでおり、他市から見学に来るぐらい充実した制度にはなっているが広がりがない。うちでも2人がママインターンを目指しているが、その制度はあっても充実度が足りないので、それに対する助成なども行うことで、ダイバーシティにおける考え方のしっかりした市の施策が打てるのではないかと思う。その2点をとりあげて協議できればと思う。

【福島委員】
海外から来て長期にわたって勤務する方は、たいてい名古屋市に住むという。春日井市に、ちゃんと通えるような施設があってほしい。大手の企業は人事異動が激しいので、春日井市内での住まいとしてきちんとした場所があるといいと思う。
また、多治見市から見ると、春日井市は憧れのまちと聞いている。岐阜からも働きたいという方が多くいるので、もっと働く場所を提供してほしい。今後、インターチェンジの企業用地を春日井市が開発していくが、どんどんやっていただき、あとは交通網がしっかりすれば、もっと外からの就業人口が増えていくのではないかと思っている。

【柴田委員】
私どもは中小企業の安定成長を願って様々な活動をしている。全国に支援拠点が設置されていて、もちろん愛知県にも設置されている。やはり中小企業の一番の課題は売り上げ拡大であり、私どもの機構でも緊急的なアンケートを行った。景気が良くなっていると言われているが、一年前と売り上げがどうかということをたずねると、だいたい7割が横ばい、もしくは下がったという結果である。その要因は、やはりお客様の数が減ったというのが3割。あとは人手不足で需要に対応できない、というものであり人手不足の問題もかなりある。
しかし、実際に中小企業は人手不足への対応ができていないのが実態で、そこへの支援が必要である。ICTの導入や、女性や外国人、高齢者の雇用などである。雇用の面でいくと、人材育成ももちろん大事で、春日井市では助成金もつくっていただいているが、今後も必要だと思う。
さらに、事業承継というのも大きな課題なので、そこにも触れる必要がある。

【山田委員】
私も事業承継に関しては、産業振興という形の中で企業が次の段階に持って行くためのひとつの課題として考える必要があると思う。また、雇用人材に関しては、当然人材確保は重要な課題なので、中部大学との連携も含めて、人材確保を図っていかなければいけない。
商工会議所の大きな基本理念の中に、地域ブランドの創出がある。会議所が取り組んでいるものも、市の産業振興アクションプランに組み込んでいかないと連携がとれないと思うので、地域ブランドの育成も考えなければならない。

【林越委員】
私は商工会議所時代、ずっと商店街活性化を担当し、観光協会で移動販売を走らせたり、サボテンブランドを立ち上げたりしていた。市役所との付き合いは長く、企業活動支援課は動いているイメージだが、経済振興課は補助メニューをつくったので使って、という形が多い。実際は、公民連携があった方が動きやすいと思う。宇都宮餃子や喜多方ラーメン、商店街活性化の三種の神器と言われているバルや100円商店街にしても、すべて爆発させたのは市の職員である。補助金をつくったからやる気のある所で参加してと言っても、やり方が分からない。市が一緒になって考えるような形になるとありがたいと思う。

【藤岡委員】
私は名古屋工業大学のダイバーシティ推進センターでセンター長をしているので、ライフイベントをどうやって女性が乗り切るかということや子育て支援というのは非常に近いテーマである。ダイバーシティにおける課題は、ただ人が足りなくなるからということではなく、特に工学分野は女性の比率が各分野で最低であるなど、質的な問題の方が大きい。これは社会全体に言えることで、ダイバーシティというのは質・量の両面から考えなければならない。特に工学の場合、イノベーションの鍵になるのが、ダイバーシティが高まることである。これは他の領域でも同じことであり、新しい異なる視点や多様なものが混ざっているところから全く違う見方が出てくるということを実感している。
また、以前、高蔵寺ニュータウンを造られた津端修一さんと一緒にお仕事させていただいた。津端さんは、春日井市は地勢的に非常に優れているが、そこになかなか目がいかないということを常におっしゃっていた。非常に安定して住みやすく、自分の生活を展開できるような可能性を持っている、ということが非常に印象的だった。そここそが春日井の大きなポイントだと思う。そこに女性の活躍の場、ダイバーシティで様々な人が活躍できる場があることにより、当初の計画にある「ベッドタウンからライフタウンへ」の具体的な方策が見えてくる。ライフタウンには一体何が必要なのかということを具体的に落とし込んでいくとよいと思う。

【塩谷委員】
最近特に経営者の方の悩みが深くなってきていると実感している。先程から話に出ている人手不足や後継者不足もあるが、事業モデルの転換に悩んでいる経営者が非常に多い。金融業界では最近、仮想通貨などが出てきて、決済手段も変わってきた。海外送金や国内送金もスマホ同士で簡単にできるようになると、金融機関、銀行が必要なくなる。銀行の中でも世の中の決済機能の変化に対応するための仕組みづくりを考えている。自動車産業においても、ヨーロッパではガソリンからEVに移行していくため、数年後に突然仕事がなくなることが起こりうる。大手企業はモデル転換する術があるが、中小企業では答えが出ない。相談の中では、自主廃業するところや、逆に売り上げを伸ばさずに事業をスマート化していくような方向性も見られる。これまでとは全く違う思考の中で経営者が悩んでいる。
岐阜で和紙の提灯をつくっている会社に対し、「イサムノグチ」のブランドをつけて付加価値を高めた照明器具をつくるなどしてクラウドファンディング型で支援している。春日井市の中でも、元気な企業、良いものを持っている企業がたくさんあるので、コラボレーションして付加価値を付けていくことも伝えていかなければならないと思う。

【稲田委員】
昔は名古屋市へ出かけるのは1日がかりで観光に行くような感じだったが、今は高蔵寺から名古屋駅まで40分かからず行けるようになり、日常の買い物でも名古屋駅のタカシマヤへ行くようになった。春日井市の昔からの問題点は、名古屋市に隣接していることで消費が名古屋市へ行ってしまうことである。高蔵寺駅は愛知県では4、5番目の乗降客がありながら、ほとんど地元にお金を落とさない。まさしくベッドタウン化してしまった。高蔵寺駅の商店街も高齢化してどんどん閉店している。大型店についても、スーパーでは働く人材が確保できず日曜日を休みにしているという話を聞いた。地元での採用が非常に難しくなっている。
3年程前に中部大学が高蔵寺ニュータウンの空き家を利用したシェアハウスをつくった。しかし、今の学生はニュータウンより神領付近に住みたがるそうだ。神領から名古屋市にアルバイトへ行った方がお金もいいし、働き口も多い。春日井市は名古屋市に隣接しているから、消費、働き口が名古屋市になっている。
春日井市でも商店街の活性化に悩んでおり、地域通貨をつくったり、後継者養成塾を開校したりしているが、昨年から補助金がカットされてしまい、資金不足で悩んでいる。行政としても空き店舗の助成をしていただいているが、補助金をもらい開店しても、だいたい3、4年で閉店してしまう。補助金ありきで開店すると資金繰りが上手くいかなくなることを事前に説明して契約するわけだが、商業者から言わせると、あとのサポートが全くないと感じるという。商売を続けられるようサポートをしていかないと難しい。
ここ3年で春日井市の状況は劇的に変わってきている。春日井市は立地的にすごく住みやすいが、商売はますます厳しくなるのではないかと思っている。
商店街のネットワーク化に向け、グーグルマップを使った検索・表示の機能を採用しようか検討しているが、写真の掲載にお金がかかるので、その費用を補助してもらえないかと思う。グーグルマップで商店街のネットワークができればと考えている。
さらに、以前あったプレミアム商品券は商店街が非常に活性化したので、ぜひアクションプランに入れてほしい。

【会長】
大学の活用というリクエストがあった。今は、文部科学省から予算をいただき、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」を進めている。高蔵寺ニュータウン活性化のため、シニア大学を開催している。学生のシェアハウスや高齢者の介護サポートなどにも取り組んでいる。学生に聞くと、高蔵寺ニュータウンと大学の間のバスは名鉄バスが1本しかないため、行きにくいということだった。そこを改善する施策が必要だと思う。
また、清水建設と大学とが連携し、グリーンパートナーシップという省エネルギーを進める取組を行っている。新しい産業を産むためにも、バイオマスの利活用や廃棄物の利用などを含めて、エネルギー産業の創出をサポートしていきたい。
最後に防災についてである。ごみ減量化推進委員会の委員長をしているが、防災時の取組が決して進んでいるとは言えないと思う。その中に新しい要素を加えていくことで、新しい産業、あるいは人材育成も可能だと思う。

【木野瀬委員】
UR住宅で空いているところが多く、一棟まるまる中部大学の学生のために対応できないかという話もしている。そういった連携を強めて、推し進めるといいのではないか。そこに住む学生をバスでアルバイト先まで運ぶくらいのこともやっていけるのではないか。そういうダイナミックな考え方をしていくのが一番アクションプランらしいと思う。結果として学生が働きやすいまちになることも必要だと思う。勝川では空き店舗ができると、まちづくり会社が買ったり借りたりして、新しく動かしていく。事業計画を出させて、いくらで貸すということではなく、いくら払えるかというところでやっている。そういう取組で成功しているところがあるので、行政も単なる助成ではなく、そのやり方を学んだり盗んだりしてほしい。まちづくり会社を立ち上げてそこが担うようになればできることなので、ぜひやってほしい。映画「人生フルーツ」の中で津端先生の奥さんは、おいしい物は名古屋に買いに行くと言っていた。それはやはり商業者の責任でもあると思う。おいしい物を提供する体制づくりというのは、そんなにハードルの高いことではないと思う。

【会長】
では今後、みなさんからいただいた貴重なご意見を踏まえ、事務局で作業を進め、次回の審議にあたることとなるので、よろしくお願いしたい。
以上をもち、本日の全ての議題を終了する。

6 閉会

  上記のとおり春日井市商工業振興審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席者1人が署名(及び押印)する。

      平成29年11月27日

                      会長  行本正雄

                      署名人    山田真平

7 会議資料

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電話:0568-85-6246
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