絹本着色十二天画像(12幅) 高蔵寺町北・高蔵寺
(市指定文化財 絵画 昭和33年5月30日指定)
燈明山高蔵寺は平安時代中頃、承平3年(933)に創建された天台宗の寺院です。十二天とは帝釈天(たいしゃくてん)、火天、閻魔天(えんまてん)、羅刹天(らせつてん)、水天、風天、毘沙門天(びしゃもんてん)、伊舎那天(いしゃなてん)、梵天(ぼんてん)、地天、日天、月天の12神で、インドのバラモン教やヒンドゥ教の神が仏教に取り入れられたもので、平安時代に真言宗・天台宗とともに中国から伝えられました。この画像はあらい絹地に金泥(きんでい)、緑青(ろくしょう)、群青(ぐんじょう)、朱(しゅ)などの絵の具で描かれ、繧繝(うんげん)というぼかしの手法が用いられています。天正2年(1574)に寄進されたという銘文から、室町時代後期の作品と推定されます。ただし宋風の画風であることから、鎌倉時代に制作された教王護国寺の十二天屏風の影響を受けていると考えられます。