救急隊員の行う応急処置について
救急救命士の行う救急救命処置
国家試験に合格し登録された救急救命士は、医師の具体的な指示により、次の特定行為(救命処置)を行うことができる。
- AED(自動体外式除細動器)を用いて心臓に電気ショックを与え、心臓の動きを元にもどす。
- 器具を用いて食道を閉鎖し気道を確保する。(ラリンゲアルマスク、食道閉鎖式エアウェイ等)
- 乳酸化リンゲル液による静脈路を確保する。
薬剤投与認定救命士
静脈路が確保できた傷病者に対して強心剤(アドレナリン)を投与する。
気管挿管認定救命士
気管に直接チューブを挿入する。
処置範囲拡大認定救命士
- 心肺停止前の傷病者に対して静脈路確保と輸液を行う。(血圧が低下して、心臓が停止する危険性のあるショック状態の傷病者や、長時間にわたり狭い場所や機械等に挟まれていた傷病者に限る。)
- 血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖投与を行う。(低血糖状態が疑われる傷病者に対して血糖測定を行い、低血糖が確認された傷病者にブドウ糖を投与する。)
救急科修了者の行う応急処置
一定の教育を修了した救急科修了者は、次の応急処置を行うことができる。
- 血圧計を使った血圧測定(血圧計)
- 血液中の酸素を含んでいる量を電気的に測定する
(血中酸素飽和度測定器) - 心電計を用いて心電図の波形を観察する(心電図)
- 心電図の波形及び血圧等の患者情報を病院に伝送する
(心電図等伝送装置) - 聴診器を使って心臓や呼吸の音を聴く(聴診器)
- 鼻にチューブを挿入して空気の通り道を確保する(経鼻エアウェイ)
- 特殊な器具を使って口の中にある異物を取り出す
(喉頭鏡とマギール鉗子) - ショックパンツにより血圧低下の防止や下半身の骨折の固定を行う
(ショックパンツ) - 心臓の停止した患者に機械的に心臓マッサージを行う
(自動式心マッサージ器) - 自宅医療用器具をつけている患者に対し病院まで運ぶ間、その治療を継続する(在宅療法処置用資器材)