第3回春日井市立小中学校適正規模等検討委員会議事録
1 開催日時
平成20年7月30日(水曜日)午後1時30分~午後2時30分
2 開催場所
春日井市役所9階 教育委員会室
3 出席者
- 【会長】
愛知教育大学教授 中野靖彦
- 【副会長】
小中学校PTA連絡協議会顧問 稲垣康江
- 【委員】
柏原中学校長 飯塚悦雄
高森台小学校長 井村茂則
篠木小学校教諭 今井常喜
春日井保育園理事長 中島せと
小中学校PTA連絡協議会会長 志村美和
小中学校PTA連絡協議会監査 臼田千秋
味美連合区長 山田文雄
月見町区長 佐藤義弘
公募委員 太田幸司
公募委員 野田芳雄- 【事務局】
教育委員会 教育部長 伊藤滋
総務課長 足立喜比古
総務課課長補佐 入谷哲夫
学校教育課長 森乙平
学校教育課主幹 原田義昭
学校教育課課長補佐 内藤純子
学校教育課主査 小澤暢明
4 欠席者
中部大学教授 吉田直子
勝川幼稚園理事長 伊藤聡
5 傍聴者
1名
6 議題
- 小中学校の適正規模の基本的な考え方について
- その他
7 会議資料
参考資料(各市ホームページ等より調査)
8 議事内容
(1) 小中学校の適正規模の基本的な考え方について
参考資料「他都市における適正な学校規模の方針」について事務局より説明。
【中野会長】 ご意見をいただきたいと思います。
【稲垣委員】 小学校、中学校、大規模校の問題、小規模校の問題、それぞれ分けたほうがいいのではないでしょうか。
【中野会長】 小学校、中学校で要件が違います。それと大規模校と小規模校は、問題点が違います。ここで小規模、大規模と分けて議論するとなると、いろいろな条件が出てきますので、大きな枠の中で考えながら、全体の意見をいただいて、あとで条件を加えていきたいと思います。
【山田委員】 クラスは、1クラスの生徒数が違いますので、先生の目が行き届く1クラスの適正数も考えた方がいいのではないですか。
【中野会長】 実際、40人で1学級ですが、1クラス何人が適正かというのは、まだ分からないです。減ってくれば先生の目が行き届く可能性は高くなるということは、国立教育政策研究所のデータで出ていますが、それ以上のことは分かっておりません。
【山田委員】 先日、中学校の地域懇談会に出ましたが、そのとき紹介されたのが、各クラスの担任、副担任、学年主任でした。担任のほかに指導的な先生が一人いるというのは、自分が学生の頃には考えられなかったことです。小学校でも、そのぐらいの体制が必要なのですか。
【中野会長】 小学校と中学校では、教員の人数が違います。本来的には、担任の先生とか、指導の教員が増えれば増えるほど、目が行き届くことは確かです。ただ、基本的には、生徒何人に先生何人というのは決まっているわけです。1クラスの人数については、まず、全体の意見だけいただいたあとで検討する要素として挙げてもらうとよいと思います。
【山田委員】 1クラスは40人でしょうか、30人でしょうか。
【中野会長】 国は基本的に40人学級を堅持しています。春日井市が率先して少人数学級をやっていくという意見であれば、考えていく要素として加えることは、検討の余地があると思いますが、校長先生の立場からどうでしょうか。
【飯塚委員】 教員の定数の問題は別にして、やはり先生の数は多いに越したことはないと思います。参考資料によると、適正規模として出ている数字は、大体12か、18か、24ということで、これは小学校だと、2クラス、3クラス、4クラス。中学校だと、4クラス、6クラス、8クラスとなりますが、学級の人数として40人か、35人かということは、国はまだ変えていないので、40人と考えてよいと思います。
【中野会長】 1学年1学級が6年間続くのは、子どもにはつらい面があると思います。そういう意味で、複数のクラスがあるほうがいいのではないでしょうか。そういうレベルが適正ということになると思います。
【稲垣委員】 適正規模ということで資料をいただきましたが、これを見ると全部クラス数で示されています。今回の会議の結果として、適正規模ということでは、最終的には、どれぐらいのクラス数が春日井市の適正規模なのかということでしょうか。
【中野会長】 クラスの人数の適正が何人かではなく、適正なクラス数を決めてはどうかと思います。
【山田委員】 参考資料に各都市の適正規模が何学級と書いてありますが、実際に、国の1学級40人を基準にしているのですか。
【事務局】 各市、すべてとは言えませんが、国の1学級40人がベースです。都道府県によって若干の制度の違いがあります。愛知県の場合は、小学校は1、2年が35人学級、来年度から、中学校1年生も35人になります。例えば40人学級ですと、小学校3年生に50人児童がおりますと、2学級になり、1学級当たり25人になります。一概に1クラスに何人かというのは、その学年の人数によってさまざまになります。
【中野会長】 例えば、小学校の1、2年で考えると、その学年の児童数が71人であれば、1学級の定数が35人の場合と40人の場合とでは、全然違ってしまいます。35人では3クラスになってしまいます。基準は国のものに則っていると思います。
【井村委員】 やはり最低2クラスあるのがいいと思います。1クラスのままで子どものクラス替えがない、交流がないというのは寂しいと感じます。だから最低12クラスは必要だと思います。また、プールや体育館、運動場などを使いながら教育活動を進めていますので、クラスが多すぎると、施設の取り合いということにつながると思いますので、少し余裕をもって使える24クラスとか、18クラスがよいと考えます。
【野田委員】 通学区域の審議会にも出席したことがありますが、通学の安全などの範囲の中で通学区域は決まってくるので、その中の数を、こっちは多いから、あっちは少ないからといって簡単に変えられない。通学区域を考えた上で、クラスの適正化に努めるべきかと思います。
【中野会長】 通学区域の問題は、安全の問題を含めかなり大きな問題です。
【臼田委員】 母親の立場から言いますと、子どもたちにとって好ましい活動ができる人数の複数クラスが必要だと思います。運営する経費の問題があると思いますが、やはり子どもを中心に考えた適正規模が大切だと思います。
【中野会長】 基本は子どもの教育ということは当然のことだと思います。
【志村委員】 春日井市の適正規模が、大体12クラスから18クラスと考えると、今現在の春日井市内では、それに満たない学校とそれよりも多い学校が半数以上を占めています。通学区域の問題もあり、合併したり、分離したりというわけにはいかないとなった場合、小規模校、大規模校の子どもたちのデメリットを改善するための手立ては何かあるのでしょうか。小規模校のデメリットの部分、例えば競い合いの心が育つのが難しいということでは、大規模校に行って、体験授業をしてみるとか、隣接の学校と一緒に運動会を開催するなどしてはどうでしょうか。適正規模に満たないところは、そのつど適正にそろえるのではなくて、私たちがどういう対処をするべきなのかという議論も必要なのではないですか。
【中野会長】 手元の資料では、かなりのところが、基準を外れてしまいます。そこの中に全部納めるのは無理です。そうすると、問題になるのは、両極端なケースです。先ほどの意見の、隣の学校と連携して運動会を実施するということも考えられると思います。地域でつながって、できるだけいろんな人と連携をとる方法もあります。
【佐藤委員】 小学校をみると、適正規模をはずれているのはかなり多いと思います。それも、市の東部に多いと思います。教育委員会の現行の指針では、小学校は通学距離が1,500メートルですが、小規模校を解消するため、そこを変更したらどうかと思います。大規模校については、施設面のこともありますが、教育の質についてはどうですか。先生の目が行き届かないというようなことなどはありませんか。
【今井委員】 私は大規模校に勤務していますが、先生方は子どもの日記を読んだり、朝の教室で子どもたちの様子をみたり、いろんな形で情報を集めてどの子にも心配りをしています。
【太田委員】 小規模校の場合は、校区を変更できるのであれば、校区を広げたり、合併をしてクラスを増やすのがいいと思います。
【中野会長】 校区を変更できる要素があり、それを行ったとしても小規模校を解消できない場合もあります。通学できる範囲内で距離を少し延ばしてでも小規模が解消できるのであれば、子どもたちにとってもいいと思います。一方、大規模校については、2つの学校に分けられるのであれば、校区なども十分考えて適正化していくことになると思います。
【太田委員】 大規模な学校といっても、ほとんど適正規模の範囲に入っています。中学校は、あまり差がないと思いますし、小学校は、少し校区を広げていただければ、適正規模の範囲になるのではないかと思います。
【野田委員】 地域性、コミュニティについても考えなければいけないと思います。今までは、どんどん分離をしてきたわけですが、それをまた元へ戻す作業も必要だと思います。
【中野会長】 学校と地域の連携があるので、そういう点では、当然今までつながりの多かったところのほうが、うまくつながりやすいという面があります。進めていく上では、当然考慮しなければならない問題だと思います。
【稲垣委員】 客観的に見て、1学年1クラスで、クラス替えがないのは、人間関係が寂しいと思います。小規模校に関しては、クラス替えができる規模を基本として進めていくのがいいと思います。
【山田委員】 基本は、30人から40人までが1クラスで、2クラス以上というのが適正規模であると思います。
【中島委員】 学校は、学力の問題、体力の問題、心の問題が絡んできますので、最低でも、2、3クラスは必要だと思います。これは早く取り組んでいかないといけないと思います。
【飯塚委員】 資料の基本方針の中に、距離もありますね。これは、子どものことを考えると、いろいろな考え方があって、昔なら、2キロぐらいは平気で歩いて、体力もあった。体力等もなくなってきたということも言われている昨今、子どもとしてはどうあるべきというところから、距離も考えられるべきかと思います。
【中野会長】 そういう、考え方もありますね。最近、卒業生が恩師をあやめるという事件がありましたが、子ども自身は、寂しさの矛先をどこに向けるか、親か、あるいはいちばん近くの頭に浮かんだ人に怒りの矛先が向きます。それはやはり、人間関係がうまくできていないことが大きいと思います。だから、1学年1クラスで6年間過ごすのでは、一度人間関係が壊れても、6年間一緒のクラスでなければならない。そんな問題があると思います。全体の基本的な考え方を、先ほどまでにいただいたご意見で、私と事務局のほうで文章化させていただきたいと思います。基本的な考え方は、「小中学校ともに、学校の適正規模は12クラスから24クラスを標準とする」としますがよろしいですか。
【野田委員】 大規模校と、過大規模校という言葉がありますが、この過大規模校になった場合は検討を要するとかとしてはどうでしょうか。
【中野会長】 通学区域の変更により、適正規模の確保に努めること。また、過大規模校については、検討を加えるという表現でいいでしょうか。
【佐藤委員】 小規模校は早急に改善しなければいけないですね。
【中野会長】 先ほどお示ししたように、適正な規模の範囲を12から24クラスとしましたが、それを下回る小規模校は早急に改善が求められること、適正な範囲を上回る大規模校については、さらに大きな過大規模校となった場合に検討すること、ということでよろしいですか。ありがとうございました。
【事務局】 基本的な考え方を、ご議論いただきありがとうございました。今後、最終的な委員会のご提言ということで、文章化したいと思います。今、一定の方向性をいただきましたけれども、適正規模の範囲が12から24クラスということは、それを下回ったものが小規模、それを上回ったものが大規模ということ。大規模でも、より大きく上回っているのは「過大」、あるいは小規模でも、小学校でいいますと、学校全体で6学級、1学年1学級しかないところ、いわゆる「過小」について、これはどうしても早く考えていかなければならない、というご意見であったと思いますので、今後、まとめたものを見ていただきたいと思っています。それでは、「その他」でございますが、次回は8月27日の水曜日になります。前回は市内の学校の状況を見ていただきましたが、次回は、名古屋市と岐阜市の視察となりますので、よろしくお願いいたします。
【中野会長】 ほかに、何かありますか。
【野田委員】 今の基準の中に、通学区域、通学距離の問題を、入れておいたほうがいいと思いますが。
【事務局】 今日は適正規模の話ということでご理解いただいたと思います。次回以降、適正配置についても議題とさせていただきます。今、資料を用意しておりますので、よろしくお願いします。
【中野会長】 今日はクラス数の適正という形で、一応、基本的な合意をいただいたということです。いろいろとご意見をいただき、ありがとうございました。
【伊藤部長】 ありがとうございました。本日は、適正化対象の基準ということでご意見をいただきましたが、今後適正配置の問題が出てくると思います。今日、議論いただいた、過大規模校をどうするかなどを基本的な考え方の中でお示しし、最終的に皆様方のご意見をいただくという形になると思います。いずれにしましても、簡単にはいかない話です。今後、実際の統廃合など、現実を見ながらご意見をいただければと思っております。本日はどうもありがとうございました。
上記のとおり第3回春日井市立小中学校適正規模等検討委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、議長及び出席者1人が署名(及び押印)する。
平成20年8月27日
会長 中野 靖彦
副会長 稲垣 康江
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