施設案内 環境分析センター
環境分析センターは、市内の大気や水の汚れを測定する施設として設置され、平成8年に現在の場所に新築移転しました。この施設は有害大気汚染物質、悪臭等の測定や、河川水、地下水、事業所の排水等の水質の測定を行っています。加えて、春日井市内で、自動測定法による大気汚染調査や環境騒音調査も実施しています。
また、環境分析センターでは、工場・事業場排水などの排水、廃棄物や土壌、悪臭の分析依頼を受け付けています。
施設開放
環境啓発の一環として、6月の環境月間や夏休みにあわせて施設開放を行っています。身近な水を用いた環境分析体験や親子を対象とした科学実験等を行います。
大気汚染物質の分析
有害大気汚染物質
大気中に存在する揮発性有機化合物(ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン)のことを言います。捕集ポンプで大気を約24時間吸引し、活性炭等の詰まった捕集管に通気して目的成分を吸着させます。その後、捕集管を高温にして目的成分を追い出し、ガスクロマトグラフ質量分析計に導入して測定します。
臭気分析
特定悪臭物質
工場等から発生するメチルメルカプタンや硫化水素等の悪臭物質は、現地で採取し、分析室でガスクロマトグラフ等の分析機器を用いて測定します。
臭気指数
臭いの元となる物質は特定悪臭物質以外にも多数あるため、実際に人間の嗅覚で分析し、臭いの強さを表す方法です。試料を無臭空気で薄めていき、臭いがしなくなるまで薄めたときの希釈倍数から計算します。これを「三点比較式臭袋法」といいます。
水質分析
BOD(生物化学的酸素要求量)
有機物による水の汚さを示す指数です。微生物等が汚れを分解する際、水中の酸素を消費するので酸素の減り具合で汚れの程度を表します。試料をふらん瓶に入れ5日間20℃で培養し、培養前と培養後の酸素濃度の差からBOD値を算出します。
COD(化学的酸素要求量)
BODと同様に有機物による水の汚さを示す指数ですが、薬品により分解される汚れの量を酸素の量に換算して表したものです。薬品を用いているので、BODとは異なった値を示します。使用する薬品によりさまざまな方法がありますが、環境分析センターでは100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量を主な方法として用いています。
SS(浮遊物質量)
ろ紙の上に残った物質の量を重さで表します。あらかじめ重さを計ったろ紙に試料を通水し、105℃~110℃で乾燥して重さを計ります。
全窒素・全りん
富栄養化の原因となる窒素・りんは、さまざまな化合物の状態で存在しているので、高温高圧で分解してから薬品を加え発色して測定します。
揮発性有機化合物
水中に存在する揮発性有機化合物(トリクロロエチレン、ジクロロメタン等)は、ヘッドスペース法により対象成分を気体中に取り出してから、ガスクロマトグラフ質量分析計に導入して測定します。
農薬
農薬は微量でも人体に影響があると考えられるため、非常に低い濃度まで測定する必要があります。試料を特殊な充てん剤が入った固相カラムに通水して農薬成分を捕集し、その後有機溶媒で溶出することで濃縮します。濃縮した試料は、ガスクロマトグラフ質量分析計に導入して目的成分を測定します。
分析機器
環境分析センターで使用している主な分析機器を紹介します。
ガスクロマトグラフ
試料中の目的成分を分離し、その結果得られるクロマトグラムを用いて定性、定量します。主に悪臭の測定に使用します。
ガスクロマトグラフ質量分析計
ガスクロマトグラフによって分離し、質量分析装置を検出器に用いています。化学物質が未知である場合や多成分を同時に測定する場合には極めて有効な装置です。pg(ピコグラム=10億分の1グラム)まで検出が可能で、揮発性有機化合物や農薬の測定等に使用します。
ICP発光分光分析装置
高温(約8,000℃)のアルゴンプラズマ中に試料を噴霧して、得られる原子スペクトル線の発光強度から元素の定量を行う装置で、多成分を同時に測定することができます。原子吸光分析装置に比べ分析時間を大幅に短縮でき、より微量な濃度まで検出が可能です。金属の測定に使用します。
イオンクロマトグラフ
水の中に溶け込んでいる各種イオンをイオン交換樹脂で分離し、電気伝導度検出器を用いて検出します。排水や河川水等のイオン成分の測定に使用します。
問い合わせ
- 住所
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春日井市高蔵寺町2丁目151番地
- 電話番号
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0568-51-6110