令和6年度第4回市民環境アカデミー
講座内容・日時
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日時
- 令和6年12月17日(火曜日) 午後2時00分~午後3時30分
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場所
- 文化フォーラム春日井
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参加者
- 受講者36名
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タイトル
- 地球温暖化と私たちの未来~古気候学の視点から~
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講師
- 名古屋大学大学院環境学研究科 教授 中塚 武
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概要
- 近年、日本でも洪水や干ばつが頻発していますが、その背景には人為的な温暖化と十年単位の自然の変動が重なっており、近未来の水環境を正確に予測するには、自然の気候変動の実態を詳しく理解する必要があります。講演では、樹木年輪などによる古気候復元データを史実と照らし合わせて、過去にどのような理由で気候が変動し、社会はそれにどう対応したのか、そして近未来の私たちの暮らしに気候変動がどう影響するのかについて考えます。
当日の様子
中部日本の樹木年輪の酸素同位体比から、過去2600年間に及ぶ年単位での夏の湿度の変動を復元することに講師自身が成功し、温暖で湿潤な時期に、洪水や干ばつなどの気象災害が同時に多発したことがわかりました。
「数十年スケールの気候変動」に対して人間社会は適応しきれず、文明の発展も間に合わず脆弱であるとのデータも提示され、過去の気候変動への脆弱性の原因を過去の人々の営みから学ぶことで、現在の気候への適応にも生かせるだろうとの話を、受講者も熱心に聞いていました。