令和3年度第1回春日井市部活動検討会議事録

ページID 1026383 更新日 令和3年9月15日

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1 開催日時

令和3年6月16日(水曜日)午後3時~午後5時

2 開催場所

春日井市庁舎南館4階 第3委員会室

3 出席者

委員

  • 春日井市小中学校PTA連絡協議会 会長 河合 香吏
  • 春日井市小中学校PTA連絡協議会 副会長 鈴木 克幸
  • 春日井市立勝川小学校 校長 山田 勝史
  • 春日井市立坂下中学校 校長 田中 雅也
  • 春日井市立知多中学校 校長 若山 由美子
  • 愛知教育大学 創造科学系 保健体育講座 准教授 縄田 亮太
  • 春日井市スポーツ協会 理事長 山田 敏勝
  • 春日井市スポーツ協会 理事 辻井 賢一
  • 公益財団法人春日井市スポーツ・ふれあい財団 スポーツ振興センター 所長 佐藤 裕史
  • 公益財団法人春日井市スポーツ・ふれあい財団 スポーツ振興センター 主査 河野 純寛
  • 部活動指導員 伊藤 仁
  • 部活動指導員 近藤 恵美

事務局

  • 春日井市教育委員会 教育長 水田 博和
  • 教育部長 西野 正康
  • 学校教育課 課長 大城 達也
  • 主幹 南 英雄
  • 指導主事 坂田 安男
  • 課長補佐 山口 千夏
  • 主査   仲野 高弘

4 議題

(1) 部活動指導員について
(2) 教員の部活動へのかかわり方について

5 会議資料

6 議事内容

議事に先立ち、教育長の挨拶を行った。
また、次の項目について諮問及び報告を行った。

  1. 会議の公開について
    事務局から、会議は個人情報を取り扱わないため公開とすることについて諮り、承認された。
  2. 議事録について
    事務局から、議事録は要点筆記で委員全員の確認、議事録署名人は、事務局が指名する委員の2人とすることについて諮り、承認された。
  3. 傍聴者について
    事務局から、傍聴者はいないとの報告を行った。
  4. 議事進行について
    事務局から、議事進行は事務局が行うことを報告した。
  5. 議事録の署名について
    議事録署名人として、山田勝史委員と田中委員を指名した。

議題 (1) 部活動指導員について

【事務局(学校教育課長)】
本会議の趣旨、春日井市の部活動の経緯・課題、について、資料1から資料2に基づき説明。
【山田勝史委員】
小学校では部活動を実施しているところが減少している。また、昨年度には、新しい学習指導要領の完全実施や働き方改革の推進への対応が始まったことから、本校でも部活動運営の見直しに取り掛かった。これに伴って保護者へのアンケートも行ったところ、その多くが、教員の負担について理解をしており、部活動指導員を活用する形で、部活の存続を希望するものだった。
このほか、一部では、子どもの居場所づくりの視点から、部活にこだわらず、放課後における子どもの居場所を、公的な責任の下で確保してほしいとの声があった。
【鈴木委員】
自分の周辺に、「将来部活が無くなったらどうする?」と意見を聞こうとすると、大半が、「どうして廃止するのか」とか、「学校はやる気がないのか」、「春日井市はやる気がないのか」といった反射的な反応になってしまう。「どうやったら存続できるのか」について、学校にできること、保護者ができることを、もう一度ゼロスタートで一緒に考えるのも一つの方法だと思うが、この話題は極論になりがちなので、意見を集める場合に聴き取り方が難しいと感じている。
【田中委員】
教員の本来の教科指導と部活動の2極と決めることには違和感がある。部活動の教育的意義は認めつつも、あくまで教育課程外の活動であるという整理が、前提として必要だと考えている。
部活動のあり方を検討するということだが、まず春日井市としての理念を打ち出すことが必要だと思う。その中で、学校の部活動だったり、地域での活動だったりを春日井市がどうしていくかという理念を打ち出せるとよいのではないか。
現状の中学校の部活動では、大会に向けて大きなエネルギーが動くことが多いが、トップアスリートを目指す子どももいれば、安心してスポーツに親しむ、好きな文化的活動に没頭する子どもたちも沢山いるので、こうした多様なニーズに春日井市としてどう対応するかという考え方が必要なのではないか。
保護者から学校への期待は大きいが、これまでの部活動と、これからの部活動の在り方をきちんと整理して発信していかないと、様々な課題がクリアになっていかないのではないか。
【事務局(学校教育課長)】
ここまでのご意見から、部活動については、公がある程度責任をもって関わった方がよいという方向性は共通だと感じた。では、その中で具体的にどこが主体となって関わるかについてはどうか。
【山田敏勝委員】
話が戻るようだが、学校の先生はもう部活動ができない、が前提で話が進んでいる。以前の熱血指導の時代と今とで、先生が部活に関われないくらい大変な状況になっているというところを説明して欲しい。
【事務局(学校教育課長)】
資料3「教員の部活動への関わり方に対する、法律・指針・通知等から見た考えの整理」について説明。
【若山委員】
中学校では教科担任制のため、一日の授業時間のうち、授業1時間分か、多くて2時間分は空き時間があると思うが、その間は事務作業や子どもたちの点検作業に充てられる。授業時間後は、清掃指導、部活動、下校指導に従事し、職員室に戻ってからも、下校中の事故などの連絡が入ることがあるので一定時間の待機をしている。そこからようやく自分の授業や学級のことに取り掛かるといった状況で、時間に追われているのが実情。
【事務局(学校教育課長)】
昔との差異に焦点を当てると、関わり方に違いがある。例えばスポーツ系の部活動でいうと、昔はアップや基礎練習の時間には先生がいなくて、ゲーム形式などに入るところで先生が顔を出していた。これが今はできない。たとえ基礎練習中であっても、その間の事故は学校の管理責任が問われることが判例で明らかになっている。また、下校指導における見守りや生徒指導の場面などにおいても、様々な方面から学校に向けられる目や期待に応えるべく、一つ一つのことに丁寧に時間をかける場面が増えている。
【田中委員】
もちろん今の教員も顧問として熱心に部活動に取り組んでいる。しかし、そうした少しずつの積み重ねで教職員が疲弊し、体調を崩したり、笑顔で授業ができなかったりという状況が発生している。これをなんとか脱却するため、働き方改革として求められるものに沿って取組んでいるが、ジレンマを感じている部分もある。
【事務局(学校教育課長)】
働き方改革では、時間外勤務の時間制限も明確に数字化されている。このため、市では部活動ガイドラインを定めており、平日が5日あれば1日は休みで、土日はどちらか1日は休み。時間も平日なら2時間、週休日は4時間という目安を示している。教員が顧問としてガイドラインに沿った活動をすると、時間外勤務が週約8時間、月でおおよそ35時間になると考えられ、原則の45時間まであと10時間しかなく、この時間で残った校務の対応は正直厳しい。とはいえ、ここに議論の余地がないわけでなく、時間外勤務80時間、100時間は論外として、月60時間ならどうかとか、市として真剣に方策を考えようという場がこの場だと考えている。
【山田敏勝委員】
事情は概ね理解できてきた。スポーツ協会としても、外部指導員の部分での協力や、部活を何とか盛り上げていけるような意見が出せればと思う。
【事務局(学校教育課長)】
市では外部指導者を部活動指導員という制度を導入して積極的に活用しようとしている。現時点でも大変助かっているが、まだまだ時間外勤務の削減という点も含め、力を借りなければいけない。
【伊藤委員】
自分は平日の他業務と兼務しており、休日のみ部活動指導員として従事している。配付資料4のアンケート結果をみると、平日も休日もやれるという人もいれば、自分のように制限のある人もいる。いろんな立場の方が支え合って成り立っているシステムだということを再認識した。部活動の時間について考えてみると、平日だけを見れば、夏と冬での活動時間差や、長期休業期間中であれば通常の勤務時間にあたることもあり、1年を通してみれば、部活動指導員も活用しながらであれば、教員の負担は随分緩和できるのではないかと思う。しかし、土日の部活動をカウントすると、間違いなくガイドラインの数字は超えてしまうので、できれば土日の部活動については、部活動指導員の活用や、地域で支えるなどの受け皿が進化していくことを期待したい思いがある。
【近藤委員】
自分も活動に制限がある立場なので、仮に部活動指導員だけでやっていくとすると、課題は沢山でてくると思う。少しでも部活動の力になりたいという思いは指導員全員が同じだと思うので、時間はかかるかもしれないが、先生方にも、部活動をやっていてよかった、任せてよかったと思ってもらえるように頑張っていきたいと思っている。
【事務局(学校教育課長)】
部活動指導員の現状の課題に、指導員と部活のアンマッチがあると認識している。この解消のため、人材の確保にはまだまだ取り組む必要がある。
【辻井委員】
今後、部活動のチーム数が減少し、2048年には数が半分になるというデータもあり、社会体育のクラブチームを入れないと、試合が組めない時代がくる。そうなると、今の中小学校体育連盟の大会もスポーツ団体へ開いていく方向になっていくのではないかと考えている。そこを基本に考えると、まず、外部が入ることで、指導が学校から離れてしまうことが懸念される。やはり、学校主導という部分は残しながら考えて欲しい。
それから、部活に対する教員側の考え方もわかれている。教科指導を頑張りたい先生もいれば、とにかく部活をやりたくて教員になったという先生もいる。こういった人材は、今の勤務時間で全ておさめるというのではなく、外部人材としてカウントできるようにできたらよいのではと思う。部活とのアンマッチで言えば、名古屋市のやり方はハッキリしている。名古屋市は、顧問がいない部活は閉じてしまう。たとえ全国大会に出場していたような部活でも、顧問がいなくなるとなれば募集を止めて、廃部にしている。野球、サッカーなどのメジャーな競技は社会体育に任せるという考え方もあるが、負担面などを考えると、学校でないと参加できない子どもがでてしまう。最後に、吹奏楽の問題がある。これは学校行事にも影響があるものだが、学校が手を引くと、吹奏楽の文化はそれこそ富裕層にしか残らないのではないかと思う。
【佐藤委員】
部活動指導員の担い手の発掘を進めなければならない。教員がひっ迫した状況にあることが再確認できたので、各地域、学校のニーズを見極めながら、各競技団体とも連携して貢献していきたい。
【河野委員】
子どもたちの居場所の一つとして、スポーツができる場を何とか確保していけるよう、ここでみなさんと知恵を出し合っていけたらと思う。
【事務局(学校教育課長)】
辻井委員の話にあった、部活をやりたい教員が、教員の身分以外で行うことについては、無償のボランティアとして行うのであれば個人の自由だが、謝礼の支払いなど報酬が発生するとなると、実態として勤務とみなされる可能性が高く、勤務時間の問題が解決しない。法律を理由に奉仕を強いるようなやり方は考えていないので、良い方法が無いか探していきたい。
主体の話に戻すが、現実的には学校が担ってきたものであって、吹奏楽の例のように、学校でないと担えないと考えられる部分もある。これを今後は市だったり、学校、教育委員会だったりが主体にやっていくと統一的に示すのか、種目や地域によって柔軟に対応していくとするのか、議論が分かれるところだと思う。
【山田勝史委員】
部活に限らない子どもの居場所をどうするかと、学校教育としての部活動をどうするかは分けて議論をすべき。また、その部活動においても中学校の部活動と小学校の部活動では、環境が大きく違う。これらを整理しつつ議論をしていけるとよい。
【事務局(学校教育課長)】
部活動そのものが、学校教育に必要なものかどうかという点について、現職の校長先生はどうお考えか。
【田中委員】
子どもたちそれぞれが、自分がしたいことを、同じ志向を持った学年が違う人たちと一緒に継続的に活動する中で、人間関係を学んだり、物事をあきらめない気持ちや、一つのことに粘り強く取り組んだりという経験ができるのは、現在の学校教育の中では部活動しかない。ただし、部活動の経営を担ってきた教員の負担が過多になっている状況を踏まえると、部活動に代わってこれらのことや、大人になっても生涯にわたってスポーツや文化に親しんでいける人材を育てる役割が担えるものがあるのであれば、部活動という形でなくてもよいとは思う。
【若山委員】
部活動で得られるものは大変大きいと思っている。田中委員の意見にもあったが、異学年で活動していくなかで、子どもたちは多くのことを学んできた。子どもたちの成長のため、部活動の形でなくなったとしても、異学年での活動の場は確保しなくしてはならないと思っている。しかし、例えば活動の場が外部になった場合、貧富の差によってその機会が失われることが懸念される。また、スポーツ系の活動は、各競技団体など、外部の協力が比較的得られやすいようだが、吹奏楽を始めとする文化系の活動の場を保障していくには、人材発掘、人材の確保が課題だと認識している。
【河合委員】
保護者の立場でいうと、部活動は家庭ではできない経験をさせていただける場でもあり、是非存続して欲しいと願っている。しかし、多くの保護者がこういった現状を知らないのではないかと感じた。学校現場の状況も変化していて、短い時間で濃い内容を習得させなければいけない大変さがある中で、保護者は保育園、幼稚園の延長線上に小学校を見て、同じようなサービスを求めてしまっている。学校はそうではないという、保護者側の意識を変えるための周知も必要だが、保護者は自分の子ども以外には関心が薄いように思うので、もっと情報を共有するようなやり方をすべきだと思う。
一方で、部活動の活動時間が短くなった際には、少し休みができて、学習に向かう時間ができるなとも思った。部活動と学習のバランスは今の方が良くなったと感じている。
【鈴木委員】
先生方は、ガイドラインなどの制約をうけながらも、昔と変わらないようなスタンスでできる限りの取組をしていただいていることは理解した。しかし、ルールが変わったからもう部活はできません、という理屈は子どもたちにとっては理不尽な話だと思う。とはいえ、現実と向き合っていく必要はあるので、これまで先生が担ってきた部活や見守りなどの業務は、保護者の自助努力や地域の力を借りていく必要があるのではと思っている。
また、自分が聞いた意見の中には、部活を積極的にという考えもあれば、帰宅して勉強するなど、部活以外で有意義に時間を過ごすという考えもあった。
もう一つ、学校によって、規模もそうだが、考え方や地域性も全く異なっていて、関わる人の温度差もある。これも、この問題の困難さの一因だと思う。
【縄田委員】
学校にはいろんな立場の方が関わっているが、お互いの状況を知る機会がないことも原因だと思う。それを知ることで、建設的な意見に繋がるのではないか。また、会議の中では、もっと根本的に戻って、を何度も繰り返すことで本当の意味での課題解決につながるのではないかと感じた。

その他(事務局からの報告)

【事務局】
ホームページでの情報発信や意見の募集を行っていくこと及び、議事の整理や、委員間での情報共有、会議外での意見交換の方法等について事務局から提案と説明を行った。
 

上記のとおり第1回春日井市部活動検討会議の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、山田勝史委員及び田中雅也委員が署名する。

令和3年7月14日

署名人 山田 勝史
署名人 田中 雅也

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