十五の森跡
昔このあたり一帯は、庄内川の水域で湿田が多く雨期になると毎年のように堤防が決壊し、多くの被害を出していました。
今からおよそ500年前の明応3年のこと。出水期を迎えた村人達が氏神の境内で相談していた時、一人の占い師が通りかかったので助けを乞うと、占い師は「水神に15歳の少女を生けにえとして捧げれば水神の怒りはおさまる」と説きました。そこで村人がくじを引いたところ、時の庄屋に当たり、親子は泣く泣くこれを承諾し、梅雨時に土手に埋められることになりました。少女は白木の箱に入れられ、埋められましたが、地上では娘の鳴らす鐘の音が7日7晩つづいたといいます。
それから水害もなくなり、平和な村となったということです。この跡を十五の森と呼び、村人達は小祠を建て薬師如来を安置しました。これを江戸時代の中頃に観音寺に移し、毎年命日には供養がなされ、供養の歌・踊りも奉納されて昔をしのんでいます。また、親子地蔵が昭和44年5月に建立され、そのかたわらには、「十五の森の由来記」が石に刻まれています。
交通手段
- 電車
- JR中央線勝川駅から車で10分
- 住所
- 春日井市松河戸町4123番地