都市景観活動賞 「公園の噴水をデザインしよう」の授業実践

ページID 1008662 更新日 平成29年12月8日

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授業実践風景

春日井市立南城中学校 林 幸秀
1.はじめに
  本校は平成5・6年度に環境教育の研究指定を受け、様々な角度からの実践を行ってきました。その中で美術科として、身近な地域に設置する噴水のデザインを考えました。特に平成6年度は異常渇水で、人間と水との関わりが大きくクローズアップされた年でもあり、その中で噴水(水を使った環境芸術)のデザインをさせることが重要であると考えました。その後、3年間にわたって、第3学年でコンピューターを使った授業を実践してきました。

2.授業実践内容
  第3学年   公園の噴水をデザインしよう(CGソフトを使って)

  人間は自然と向き合いながら生活してきました。現在では住居をはじめ人間がつくるものが自然破壊へと広がり大きな社会問題となっています。大切なことは自然と人工物との調和です。私たちを取り巻く生活環境をよりよいものに近づけるために、環境に関心をもち、夢を抱き、具体的なイメージを描くことが環境を改善していく力となっていくと思います。春日井市内の公園や学校・駅などの空間に斬新なアイデアで噴水をデザインすることで身の回りの環境に関心をもたせ、水(川)や自然がいかに大切で、人の心に安らぎや豊かさをもたらすものかということを感じとらせたいと考えました。

  指導計画(11時間完了)

  • 第1次
    (1時間)教科書や参考資料をもとに、理想的環境づくりについて話し合う。
    *様々な噴水の写真のスライドとともに、落合公園の水の塔、高蔵寺駅前の噴水、都市緑化植物園など身近な地域のスライドも鑑賞させた。
    *校区を流れる地蔵川や内津川などの水害などの話とともに水と人との関わりについて考えさせた。
  •  第2次
    (1時間)透視図や投影図について学習する。
  •  第3次
    (2時間)噴水を設置する場所を決め、アイデアスケッチをする。
    *身近な地域として、13か所を選んだ。それを写真に撮り、イメージスキャナーで画像をコンピューター処理しておいた。
    設置予定場所:落合公園内3か所 地蔵川2か所 内津川 神領駅 出川公園 四ツ池 南城中学校内4か所
  •  第4次
    (6時間)CGソフトウエアを活用して、噴水の構想を描く。
  •  第5次
    (1時間)背景と自分の噴水を合成させ、全体的にまとめたデザインを完成する。
  •  第6次
    (1時間)作品の相互鑑賞を行う。

噴水デザイン

 この活動賞以外の都市景観賞は、その場所へ行けば意匠形態、色彩、デザイン、緑化の努力、建物等を見ることができ一目りょう然とわかります。それに対して、この活動賞は、景観形成につながる文化活動や研究活動に贈られるものです。ここに紹介された絵は、南城中学校が平成5・6年度に環境教育の研究指定を受け、その後も継続して3年生がコンピューターを使った授業により生まれたものです。
 公園、学校等の空間に斬新なアイデアで噴水をデザインすることで、身の回りの環境に関心を持ち、水(川)や自然がいかに大切で、人の心に安らぎや豊かさをもたらすかということを感じ取ることに視点をおいたものです。噴水を設置したい場所を写真に撮り、イメージスキャナーで画像をコンピューター処理し、CGソフトウエアを活用して噴水の絵を描きそれを背景と合成させ、全体的にまとめたものです。発想、色、バランス等に、中学生の頭の柔らかさが十分表現されており、我々には考えもつかなかった作品もあり、実際にできたらとても楽しそうなものもあります。
 この授業を通じて、まちづくりや景観づくりに少しでも興味を持っていただき、近い将来、彼らの知識やアイデアが、春日井のまちに生かされることを祈ります。また、このような活動ができるようご指導くださった先生方に感謝し、一層の活動をお願いします。
(村島 忠彦)

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