特別展 生誕110年記念「比田井南谷~線の芸術~」

ページID 1027389 更新日 令和4年10月22日

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イベントカテゴリ: 祭り・催し 講座・教室(学ぶ・聞く) 観賞・コンサート(見る・聴く)

開催エリア(中学校区):南部地区(中部・知多・味美)

特別展 生誕110年記念「比田井南谷~線の芸術~」

「書」とはなにか。「文字」という書の最大の特徴をも削ぎ落とした、線表現の実験の軌跡。

令和4年9月9日(金曜日)から10月16日(日曜日)まで

 比田井南谷(1912~1999)は、明治45年、神奈川県鎌倉に生まれました。父は「現代書道の父」とよばれる書家比田井天来。母は仮名書家比田井小琴。
 書学院(父、天来が創設した書の研究機関)が所蔵する碑法帖に囲まれて育ち、徹底して古典から書法を学んだ南谷ですが、模索するうちに到達したのは、文字性を放棄した心線の表現でした。
 南谷の心線作品は当時の書壇に大きな衝撃を与え、賛同者を得て前衛書運動へと発展していきました。アメリカ、ヨーロッパでも称賛され、世界的に認められるに至りましたが、書壇においては、文字を書かない作品を書と認めない批判の声もありました。否、今なお決着のつかない物議のさなかにあるのかもしれません。「書とはなにか」。南谷の書は今もこう問いかけます。
 この展覧会では、書の古典的表現を打ち破り、雷鳴のごとき鮮烈さをもって生まれ出でた初の前衛書作品、「電のヴァリエーション」を始めとして、その後の書作の変遷をたどることのできる作品群を展示します。また、特に古典臨書作品、文字を扱った作品、作品の草稿など書作についての考え方が知られる資料を展示し、南谷の書芸術の源泉を探ります。

展覧会のみどころ1 ふたつの「電のヴァリエーション」

 最初の前衛書作品「電のヴァリエーション」(1945年制作)。比田井南谷はこの記念碑的作品を展開させ、何作かの電のバリエーションを書きました。
 この展覧会では、その中でも優れたもう一点の作品、「電第2」(1951年制作)も展示。2点が会合する初めての展覧会です。

比田井南谷 作品1「電のヴァリエーション」作品写真
比田井南谷 作品1「電のヴァリエーション」 千葉市美術館蔵
比田井南谷 作品9「電第2」作品写真
比田井南谷 作品9「電第2」京都国立近代美術館蔵

展覧会のみどころ2 作品の制作過程がわかるスケッチ

 南谷は作品を制作する過程で生まれたイメージやスケッチを多く残しています。浮かんだイメージを書きつけたノートは、今回初公開の資料です。イメージをさらに具体化したスケッチは、1点1点、小作品とよべるほどの完成度です。イメージやスケッチを同時展示することで、南谷の作品の源泉を探ります。

「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ
「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ1/3
「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ
「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ2/3
「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ
「電のヴァリエーション」の後、電の展開のためのスケッチ3/3

展覧会のみどころ3 多彩な前衛書作品

 南谷はさまざまなマチエール(用材)を使い、線による書芸術を生み出しました。古墨を用い、淡い墨の色が豊かな作品、繊細な線によるユーモラスな表情の作品、動いた筆の跡がよく見え、南谷の呼吸が伝わってくる作品など、多彩な前衛書作品を展示します。展覧会の会期を二期に分け、約半数を入れ替えて多数の作品をご紹介します。

作品60-1
作品60-1 個人蔵
作品67-3
作品67-3 個人蔵
作品70-1
作品70-1 佐久市立天来記念館蔵

展覧会のみどころ4 文字を扱った作品も充実

 南谷は、父、比田井天来が所蔵する中国書の碑拓本に囲まれて育ち、幼少の頃から臨書に親しみました。文字ではない作品を生み出しつつも、生涯にわたって古典臨書をつづけました。本展覧会では、南谷の非文字作品だけではなく、文字を扱った作品や臨書作品、手本などの展示も充実させ、南谷の芸術の源泉を探ります。

臨郷里人帖
臨郷里人帖(王羲之) 個人蔵
臨真言七祖像賛
臨真言七祖像賛(空海) 個人蔵

 

◆会期
【前期】令和4年9月9日(金曜日)から9月25日(日曜日)まで
【後期】令和4年9月27日(火曜日)から10月16日(日曜日)まで
     ※半数以上の作品を、前期・後期で入れ替えます。

◆時間  午前9時から午後4時30分まで

◆会場  春日井市道風記念館

◆主催  春日井市道風記念館

◆観覧料 一般500円、高校・大学生300円、中学生以下無料
     60歳以上の春日井市在住者、障がい者と付添1名は無料(証明書提示が必要)
     ※前期展をご観覧の方は、半券のご提示で後期展を半額でご観覧いただけます。

特別展「比田井南谷~線の芸術~」 講演会

◆演題・講師 「線の芸術」比田井和子氏
       「比田井南谷の臨書」 高橋蒼石氏

◆日時 令和4年9月10日(土曜日)午後1時30分~午後3時15分

※終了しました。

開催期間

令和4年9月9日(金曜日)から令和4年10月16日(日曜日)まで

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このページに関するお問い合わせ

いきがい創生部 道風記念館

電話:0568-82-6110
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