新消防署が開署しました
現在、消防庁舎の多くが建築後40年以上経過しています。施設の老朽化に対し、市では市民の安全・安心を守る消防・防災の拠点として、大規模災害時に効果的な防災機能を果たすとともに、消防・救急活動や災害に強い消防体制の構築に向けて、消防署や各出張所の再整備を計画的に進めています。
今回の特集では、北城町に移転し、4月から供用を開始した新たな消防署の主な特徴や機能などを紹介します。
移転の背景
旧消防署(梅ヶ坪町)は、建築から49年が経過しており、庁舎の老朽化が著しく進んでいたほか、非常に交通量が多い国道19号(片側3車線)に面し、渋滞などにより緊急車両が出動しにくいなどの課題がありました。
移転した新消防署に面している県道内津勝川線(片側1車線)には、中央分離帯がなく、渋滞時も車両が左側に寄ることで、緊急車両の走行経路が確保されやすくなり、より安全で迅速な出動につながります。
生まれ変わった消防署
消防職員の最大の使命は、1秒でも速く災害現場に駆けつけ、市民の皆さんの大切な命と生活を守ることです。また、大規模災害時は市内全域に大きな被害が及ぶ恐れがあり、72時間が生死の境目とされる中、より迅速かつ確実な救命と、その活動の維持が必要となります。
新消防署では、主に次の4つに重点を置き、市民の皆さんの安全・安心を守るために必要な環境や設備を備えた庁舎へと生まれ変わりました。
❶ より安全かつ迅速な出動
❷ 災害対応力の強化
❸ 開かれた消防署
❹ 大規模災害時の備えを強化
フロアマップ
消防署の概要
住所:北城町3丁目2番地2
敷地面積:8108.48平方メートル
※ 駐輪・駐車場有り
建物 |
構造 |
建築面積(延床) |
---|---|---|
消防庁舎 |
鉄筋コンクリート造3階建て |
1643.07平方メートル (3943.32平方メートル) |
訓練棟 |
〃 5階建て |
94.75平方メートル (379.77平方メートル) |
倉庫棟(訓練棟) |
〃 3階建て |
36.57平方メートル (103.92平方メートル) |
消防団詰所 |
鉄骨造2階建て |
64.97平方メートル (128.00平方メートル) |
※ 消防庁舎は、建築基準法上は4階建て
新消防署の主な特徴や機能 -市民の安全・安心を守ります!-
❶ より安全かつ迅速な出動
■ 出動準備室の設置、隊員の出動動線の確保
119番通報を受けて出動する時は、防火衣の着用や役割分担の確認など、事前の準備が必要です。一刻を争う状況の中、速やかな出動が命を救うことにつながります。
新消防署では、出動する隊員の着替えや隊員同士の情報共有を迅速に行えるよう「出動準備室」を設置しました。また、庁舎内のどこにいても速やかに出動できるよう、出動準備室へつながる階段をフロアの中央に配置しました。
また、来庁者と職員用の階段を分けることで、安全に出動できるようになりました。
■ 緊急車両の出庫・収容を円滑に行える車庫を整備
旧消防署の車庫は、横列で5台、縦列で2台と計10台の車両が収容可能でしたが、車庫内の空間は狭く、出動が重なるときは、出庫や収容に手間取ってしまうこともありました。
新消防署では、車庫内の空間を広く確保したことにより、車両を横一列に11台収容することができるほか、車両の乗り降りや出庫・収容が円滑に行えることで、より安全・迅速に出動できるようになりました。
❷ 災害対応力の強化
■あらゆる災害を想定した実践的な訓練が可能に
旧消防署は、敷地面積が狭かったため、訓練の内容によっては敷地外にある訓練場に行く必要がありましたが、新消防署では、敷地内に整備した2棟の訓練棟で多くの訓練ができるようになりました。
訓練棟が敷地内にあることで、訓練中に119番通報があっても迅速に出動できます。また、戸建てやマンションでの災害を想定した訓練棟を整備し、より実践的な訓練ができるようになりました。
❸ 開かれた消防署
■見て、体験して学べる「防災学習コーナー」を設置
普段の生活では立ち寄る機会の少ない消防署ですが、新消防署では、地震や火災、風水害などの疑似体験や映像、クイズなどを通して、楽しみながら防災について学ぶことができる防災学習コーナーを設置しました。また、子ども用の防火衣などを着て、写真撮影ができるコーナーもあります。
【時間】午前8時30分 ~ 午後5時00分
【受付】執務室(庁舎2階)
※ 閉庁日なし(出動などで職員が不在の場合は、利用できません。)
※ 予約不要
■訓練を見学できるスペースを屋外に整備
庁舎西側の屋外に訓練している様子を見学できるスペースを整備しました。見学スペースは訓練棟の目の前にあり、タイミングが合えば隊員たちの迫力ある訓練が安全な場所から間近で見ることができます。
※ 出動状況などにより、訓練を実施していない場合もあります。
❹ 大規模災害時の備えを強化
今後発生が懸念されている南海トラフ地震などの大規模災害時においても、消防・救急活動を維持できるよう必要な機能を整備しました。
・ 市内公共施設では初となる、敷地内に緊急車両用の給油設備を設置
・ 長時間の停電にも対応できるよう、72時間給油なしで庁舎を稼働できる自家用発電機を設置
・ 市役所が被災し、庁舎内で119番通報が受信できなくなった場合でも、代わりに受信できる機器を設置
・ 広い敷地面積を活用し、他市などからの応援隊の受け入れが可能