令和6年度春日井市多文化共生審議会議事録
1 開催日時
令和7年2月19日(水曜日)午後3時~午後4時20分
2 開催場所
レディヤンかすがい2階 研修室
3 出席者
- 会長
- 名城大学法学部教授 近藤 敦
- 副会長
- 中部大学国際関係学部国際学科講師 伊藤 正晃
- 委員
- 公募委員 韓 栄慧
- 春日井市ボランティア連絡協議会会長 後藤 一明
- 春日井国際交流会・KIF会長 柴田 多恵子
- 春日井市民生委員児童委員協議会地区民生委員児童委員協議会長 鈴木 俊光
-
公募委員 西堀 明美
- 外国人サポート春日井会長 二村 みどり
- 事務局
- 市民生活部長 足立 憲昭
- 多様性社会推進課 課長 長縄 友美
- 多様性社会推進課 課長補佐 小嶋 直樹
- 多様性社会推進課 多文化共生担当主査 富田 佳子
- 多様性社会推進課 多文化共生担当主任 大竹 一輝
- 傍聴者
- なし
4 議題
1 第3次春日井市多文化共生プラン実施状況報告について
5 会議資料
6 議事内容
議事に先立ち、会議公開及び議事録作成の確認を行った。
1 第3次春日井市多文化共生プラン実施状況報告について
<事務局より資料1及び資料2に基づき説明>
【伊藤副会長】
概ね、実績値は目標値に近づいているので、色々な取組の周知が出来ている感じだが、「文書翻訳支援事業」を見ると、翻訳件数が0件となっている。町内会に外国人がいないとか、町内のコミュニティからもれている外国人がいるのではないか。
先日、私が講師を務める大学で多文化共生の授業をした際、学生の意見として、町内の回覧板を外国人にも回すというものがあった。多文化共生の取組は、日本人を巻き込まないと外国人も入ってきてくれないと思う。
また、その授業の中で、初めて市のホームページを見たという学生の声があった。小中高であれば学校で周知をすることが出来るが、今後の課題として、それ以外の若い世代を取り込んでいくことも考える必要がある。
【事務局】
会社に所属している技能実習生や町内会に入っている外国人など、どこかの組織に所属している外国人に対しては、こちらから周知をする手段があるが、どこにも所属していない外国人に対し、どのように情報を届ければよいのかは課題だと感じている。
【近藤会長】
それぞれの言語のコミュニティに所属している外国人に対し情報を発信し、そこから言語毎のキーパーソンを通じ、各言語のコミュニティへ情報を発信してもらうことが出来ないか。また言語毎のキーパーソンのリストを作成してはどうか。
【事務局】
言語によっては可能だと思う。
【近藤会長】
出来るところからやっていけばよいと思う。
【鈴木(俊)委員】
現在、市の広報誌「広報春日井」は町内会の担当者が配っているが、今後は民間事業者が入ると聞いている。いつから、どの範囲まで配られるのか。
【事務局】
令和8年2月号より日本人・外国人も含めた全戸に対し、配布する予定としている。
【二村委員】
「広報春日井」は、日本語で掲載されている。重要情報を掲載した外国人向けの広報誌「information KASUGAI」も作成されているが、その情報量で外国人がどれだけ市の情報を入手出来るのだろうか。
【近藤会長】
国際交流ルームに行けば、色々な情報が得られるのか。
【二村委員】
外国人向けのゴミの出し方などの情報がある。イベントの案内等については、ホームページの多言語化により情報を得ることは出来るが、広報そのものの多言語化は難しいのではないか。
【韓委員】
春日井くらしのガイドの作成に、「外国人が転入の手続きをした際に、QRコードのついている周知ちらしを配付」と記載があるが、これはどの様なものか。
【事務局】
多言語で市の生活情報などを確認出来る春日井くらしのガイドへリンクしているQRコードである。春日井市に転入した外国人に配付されている。それに市のホームページを別言語に変換する方法を掲載する予定としている。(令和7年3月現在掲載済)
【韓委員】
多文化共生・国際交流の活動拠点である国際交流ルームから発信しているSNSのQRコードが掲載されているチラシも併せて配付したらどうか。
【西堀委員】
県営住宅に住んでいる知人から、外国人のゴミ出しや空いている駐車場に私物を置いてしまうなどの問題行動で困っていると聞いた。日本人が外国人の出したゴミを仕分けし、仕分当番を全戸に振り分け対応しているが、外国人はその状況を知らない。ゴミ出し方法も分かっていないとのことであった。
私は、国際交流ルームに置いてある多言語対応のゴミ出しチラシを、外国人へ渡したらどうかと話をしたが、外国人が少し怖いという思いや、説明の仕方が分からないので、直接でなく間接的に伝えられるような方法がないかと言っていた。
【事務局】
ゴミ集積場に、その外国人に対応する言語のチラシを掲示しておくとよいかもしれない。
【二村委員】
日本語があまり理解出来ない外国人のために開催しているかすがいふれあい教室(日本語教室)のなかで、ごみ減量推進課の職員が、直接外国人にゴミ出しについて説明をする機会がある。
テレビで、毎朝、町内会長がゴミ集積場に立ち、直接ゴミ出しについて教えている映像を見たことがある。チラシの掲示だけでは難しいかもしれない。町内会で集まり、教えることが出来ればよいが。
【近藤会長】
県営住宅であれば、県が住人の国籍を把握しているだろう。自治会・町内会が困っているとのことであれば、把握している情報を教えてもらうことは出来るのではないか。とりあえずは、どの言語のチラシを掲示すればいいか確認出来るのではないか。
インターネットで簡単なゴミ出し動画を視聴してもらう方法で、対応出来るといいが。
【二村委員】
時々、国際交流ルームへ外国人を雇用している会社の方が、ゴミ出し方法が記載してある多言語チラシを取りに来ることがある。
【近藤会長】
会社に所属している外国人に対しては、会社の方が説明することが出来るが、そうではない外国人は、ある程度日本語が出来るかすがいふれあい教室の生徒を介して教えてあげることが出来ないか。
【柴田委員】
それもよい試みだと思う。
災害のことを考えると、外国人を日本人と同様に巻き込む必要があり、防災情報が伝わるようにしなければいけない。
先日、開催した日本語教室で災害に関する授業を実施した際に、先の能登半島地震を他人事ではないと感じ、非常用持出袋を準備し家具を固定したというベトナム人家族がいた。この様な防災意識の高い外国人もいるが、日本語教室に来ておらず防災意識も低い外国人に、防災情報を提供することが大切だと思われる。
【近藤会長】
同じ言語コミュニティだと同じSNSを見ている可能性があるので、誰かが情報を発信すれば、直接は教えられなくても、情報が伝わるのではないか。やはりキーパーソンに定期的に情報発信してもらう仕組みを作っていくことがよいのではないか。
【柴田委員】
「国際交流ルームで発信しているSNS」と「春日井くらしのガイド」は、どの様な違いがあるか。同じ生活に役立つ情報のように思えるが。
【事務局】
現在、「国際交流ルームで発信しているSNS」では、イベント情報や留学生に対する就職フェアなどの案内を行っている。
【二村委員】
「くらしのガイド」では、市役所のどこの課に行ったらどの様な手続きが出来るかなどが掲載されている。
【柴田委員】
なるほど。実施状況報告書を読んでいると、多くの取組を実施しておりすばらしいと思う。これらの取組が周知されていけばと考えるとすごく楽しみである。この多文化共生プラン自体は、どのくらい続いているものなのか。
【事務局】
第1次多文化共生プランが、平成20年に策定され、そのプランは10年計画であった。次に、第2次多文化共生プランが、計画期間5年で、平成30年に策定された。そして、現在の第3次多文化共生プランについては、今年度からであり、全体としては16年目となる。
【柴田委員】
それで手応えとしてはどうなのか。当初と比べると随分よくなっているような気はするが。
【事務局】
多文化共生の意識が一部の課だけではなく、市役所全体に広がってきていると感じる。取組についても、実施状況報告書を見ると分かるが、色々な課で実施されている。
【柴田委員】
次は、一般市民の意識の変化が期待される。
【二村委員】
私がこういったことに関わり始めたときのことを思うと、多言語で色々な情報が発信され、市の外国人に対する取組は充実してきているとすごく感じる。しかしながら、それが当の外国人になかなか届かないというジレンマも感じ、地域の中に入り込めていない外国人がいるという現状がある。
多文化共生という形でもっと日本人と外国人が交流するといいと思っているが、逆にだんだんと壁が出来ているような気さえする。
私の所属する春日井国際交流ネットワークで行っている多文化共生のためのイベントわくわく!ふれあいワールドの参加も、一部の人。学校でも外国人のお母さんはイベントに出ていないと聞いているので、どうしたらいいかと思っている。
【柴田委員】
私たち春日井国際交流会・KIFの行っている日本語教室でも、市の外国人が9,400人以上いるなかで、参加は一部の外国人となっている。残りの所属するコミュニティなどがない外国人は、日本の社会、春日井市に入り込めていないのではないかという気がしてならない。
【近藤会長】
資料1に外国人の在留資格が掲載されている表がある。たとえば永住者、技術・人文知識・国際業務、技能実習においては、きちんとした日本語が出来なくても、簡単な挨拶などは出来る状態であると思われる。だから、なるべく外国人に会ったら、日本人から理解してもらいやすい日本語で話しかけ、お互いに少しずつでもコミュニケーションが図れるようになるといいと思う。始めは、怖いと思うかもしれないが、「こんにちは」と挨拶しコミュニケーションが図れたら「どこから来たのですか?」などの会話になり広がっていく。そのようなことから、多文化共生が進んでいくのではないかと思う。
上記のとおり、令和6年度 春日井市多文化共生審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席者1人が署名する。
令和7年2月21日
会長 近藤 敦
署名人 西堀 明美
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