令和4年度春日井市多文化共生審議会議事録
1 開催日時
令和5年2月24日(金曜日)午前10時~午前11時30分
2 開催場所
市役所南館4階 第3委員会室
3 出席者
- 会長
- 名城大学法学部教授 近藤 敦
- 副会長
- 中部大学国際関係学部国際学科講師 伊藤 正晃
- 委員
- 公募委員 韓 栄慧
- 春日井市ボランティア連絡協議会会長 後藤 一明
- 春日井国際交流会・KIF副会長 柴田 多恵子
- 中部大学留学生 ズオン ティ ヴィナ
- 春日井市民生委員児童委員協議会地区民生委員児童委員協議会長 鈴木 俊光
-
春日井商工会議所事務局長 鈴木 夕雪
- 公募委員 諏訪 暁子
- 公募委員 西堀 明美
- 外国人サポート春日井会長 二村 みどり
- 事務局
- 市民生活部長 足立 憲昭
- 市民活動支援センター所長 江ノ本 達弥
- 市民活動支援センター所長補佐 山本 竜太
- 市民活動支援センター多文化共生担当主査 富田 佳子
- 市民活動支援センター多文化共生担当主事 松本 美優
- 傍聴者
- 1名
4 議題
(1) 第2次春日井市多文化共生プラン施策の実施状況について
5 会議資料
6 議事内容
1. 第2次春日井市多文化共生プラン施策の実施状況について
<事務局より資料1、資料2に基づき説明>
【後藤委員】
資料1-3「外国人住民人口」について、令和4年4月1日から12月1日までに652名増加しているが、329名で一番増えているベトナムの他に、どこの国の増加率が高いか教えてほしい。
【山本補佐】
ベトナム以外では、フィリピンも50名以上増加している。
【近藤会長】
資料1-4「国籍別の外国人住民」を見ると、ネパールやインドネシアが多いことがわかる。全国的にもこれらの国の人が増えている。
インドネシアはイスラム教徒が多いので、ハラルなどの対応も今後必要になってくると思われる。母子手帳にネパール語を追加したとのことだが、通訳などのニーズも増えてくると思う。
【鈴木(夕)委員】
資料2の13ページ整理番号35「労働者憲章の周知」や39「商工会議所やハローワークとの連携」について、商工会議所として引き続き取り組んでいきたい。
整理番号37「市内企業に対する支援」について、商工会議所では1月から日本語教室を開催している。ただし、新型コロナウイルスの影響もあり、定員10名に対し4名の参加という状況である。ちなみに、春日井市の補助金の申請件数0件となっているが、担当部署に確認したところ、1件申請があったとのことである。
【二村委員】
商工会議所で実施している日本語教室について、もう少し詳しい内容を教えてほしい。
【鈴木(夕)委員】
受講料は、テキスト代を含め税込1万2千円で、特に国籍に関係なく受講可能である。日本語トレーナーに講師を依頼し、日本語能力試験N4相当の文法や日本との生活習慣の違い、知っておくべき日本の伝統文化など、基礎的なところから学んでもらう。
【二村委員】
ふれあい教室の受講者の中には、より高いレベルを望む人もいるため尋ねた。
【柴田委員】
N4だと高いレベルを望む人にとっては、かなり低いレベルだと感じた。
【近藤会長】
文化庁が新たに日本語教育の参照枠として、A1からC2までの指標を作成した。今後は、日本語教室のレベルを、そのような目安を用いて示していくようになると思われる。
また、日本語教師の国家資格の創設及び第2言語としての日本語を教える教員の養成についての法案が国会に出ている。そのようなレベルの教室と従来のボランティアベースの日本語クラスが両方あり、それぞれ別の役割を求められるようになるのではないか。
おそらく、次第に、日本語をきちんと学ぼうとする人には、資格者が教え、従来の日本語教室は、生活や進路の相談をできるメンターのような人がいる場になっていくと思われる。
たくさんの教室を開くことができない場合は、様々なレベルが1つになるという状況もあり得るが、教室ごとにレベルがつくられていき、住み分けがされていくと、受ける人にとってもよいと思う。
【ズオン委員】
整理番号5「多言語での外国人相談の実施」について、人口の多いベトナム語や中国語の相談ではなく、人口の少ないスペイン語やポルトガル語での相談を実施しているのはなぜか。
【山本補佐】
人数が多い国の人が、必ずしも相談が必要な人たちではないと考えている。
例えば、ベトナム人の中には、事前に日本語を学んでから就労のために来日するという人もいる。日本語がわからないという人が多い言語の相談を実施しているのが現状である。
【近藤会長】
今後、ベトナム語やネパール語の相談が必要になってくるかもしれない。
【諏訪委員】
スペイン語の外国人相談を担当しているが、相談に来る人は定住者がほとんどである。ベトナムの人は、就労のために春日井市に来ている人が多いと思うが、市役所での相談となると、生活者がメインとなるため、言語もそのような人たち向けに設定されている印象を受ける。
【近藤会長】
おそらく、ベトナムの人たちには、会社や派遣会社に通訳がおり、相談に乗っているのではないかと思う。
ただし、今後長期的に住む人が増えていくので、相談も増えていく可能性がある。次のプラン策定時に、ニーズを踏まえて検討できるとよい。
【鈴木(俊)委員】
民生委員として自分が担当している区域の外国人の情報が全く入ってこない。
一人暮らし高齢者調査を行っているが、外国人はいない。町内会には加入していないと思うが、外国人同士で集まって情報交換等をしているのか。
外国人が多い地域はあるのか。
民生委員としては、どのようなことができそうか。
【二村委員】
リーマンショック以前に来日した日系ブラジル人の高齢化が進んでおり、自分の周りでもそれを感じる。
言葉の問題から、どのように対応したらよいかわからないという相談を受けたことがある。
日本に住んでいれば、少しずつでも日本語を覚えていき、全くわからないということはないので、まずは、やさしい日本語で話しかけてみてほしい。市の相談窓口や通訳ボランティアも活用してほしい。
通訳ボランティアについて、これから外国人も高齢者が増えていくため、介護認定などでも活用できるよう、現在の公共施設という利用範囲を拡大してもらえるとよい。
【山本補佐】
春日井市の外国人分布について、集住地域や外国人の方が多く住んでいる団地などがなく、どこに住んでいるのかを把握するのが困難である。中学校区別の外国人市民の人口割合を見ても、ある程度多寡はあるものの、全市的にほぼ均一である。
区・町内会・自治会と外国人市民のコミュニケーションを支援するものとして、17ページ整理番号57の「文書翻訳支援事業」を実施している。町内会のイベントやお知らせ等、外国人市民に周知する必要があるものについて、多言語で翻訳するというものである。
新型コロナウイルスの影響を受けて、イベントを控えている自治体が多くあったため、今年度は0件の申請だったものの、町内会の活動が元に戻ってくると、申請も増える可能性がある。
地域でそのような話があった場合には、御連絡いただきたい。
【江ノ本所長】
通訳ボランティアについて、公共施設以外のニーズがあるとのことなので、検討させていただく。
【近藤会長】
資料1-5を見ると、70歳以上の人は600名程度いる。おそらく在日コリアンの方が多くを占めていると思うので、日本語を話せない人がどの程度いるかわからないが、ブラジル等の国の人も含まれていると思う。
可児市では、社会福祉協議会と自治体が協力して、独居の高齢者に植木を配り、植木の様子を確認するという形で訪問し、高齢者の様子を見るという取り組みを実施している。おそらく民生委員の協力もある。
そのような言葉を多く使わずとも、訪問できる何かがあるとよい。
日本人、外国人関係なく、様々な団体が高齢者対応をしていけるとよい。
【伊藤副会長】
基本目標2の「互いの文化を認め合う社会を構築する」や基本目標3「多文化共生の地域づくりをする」については、市民レベルで考えなければいけないと思う。
偏見は大人から植え付けられているように感じる。新型コロナウイルスの影響で頓挫してしまったが、多文化共生フェスタを開催した際に、子どもから大人に多文化共生について知らせるような方法を掲げていた。
子どもの教育環境について、外国人児童の環境だけでなく、日本人の子どもが外国人の子どもとの接し方などを学べる機会も含めていけるとよい。
まだ、多文化共生の活動が市民レベルにまで浸透していないと感じる。
教育関係の機関とも協力し、子どもたちから多文化共生という言葉を知らない市民をゼロにできるとよい。
【近藤会長】
次のプランを検討する際に、教育関係の担当者の参加があるとよい。
異文化理解の教育について、春日井市に住んでいる人口の多い国の文化から理解が必要になってくると思う。
外国人の父母の方からプレゼンテーションしてもらうという方法が有効になるかもしれない。
【江ノ本所長】
第2次プランの策定時には、関係部署と施策事業を検討した。次のプランの事業も今の意見を踏まえ、検討したい。
【後藤委員】
伊藤副会長の意見について、社会福祉協議会が小学5年生を対象に、障がいを持つ人の体験をするという方法で福祉教育を実施している。子どもの頃から話をすることで、子どもはきちんと理解してくれると思う。
【韓委員】
公募委員になるまでは、このようなイベントや事業があることを知らなかった。
取り組みの周知方法としては、どのようなことをしているのか。
SNSの活用ということで、ツイッターやフェイスブックが挙げられているが知らなかった。
【山本補佐】
イベントなどの周知は、SNSの他に、市ホームページに掲載している。集住地域がないため、効果的な方法があれば教えてほしい。
【近藤会長】
ツイッターやフェイスブックにつながるQRコードを作成し、イベントの際に配布することや、転入時のガイドブックに掲載するという方法が一つある。
また、言語ごとのコミュニティのキーパーソンを発掘し、そのコミュニティのSNSでお知らせを発信してもらうというように、キーパーソンやコミュニティといった緩やかなネットワークを構築できるとよい。
ベトナムのコミュニティはあるか。
【ズオン委員】
春日井市に住んでいる人のグループや愛知県に住んでいる人のグループがあり、そこで情報を入手している。
【近藤会長】
そのようなベトナムのコミュニティがあることを初めて知った。スペインはどうか。
【諏訪委員】
外国人相談に来る人は高齢者が多く、SNSを使う印象はない。
【近藤会長】
それぞれの言語コミュニティごとに適当な人材を発掘し、繋がっていけるとよい。
上記のとおり、令和4年度春日井市多文化共生審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席者1人が署名する。
令和5年3月22日
会長 近藤 敦
署名人 二村 みどり
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