平成20年度国民健康保険運営協議会議事録(6月11日開催)

ページID 1007310 更新日 平成29年12月8日

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1 開催日時

平成20年6月11日(水曜日)午後3時30分から午後4時30分

2 開催場所

春日井市役所 第3委員会室

3 出席者

委員
伊藤友彦 青山倫子 三輪勝征 榊原一基 羽田昌永 川口剛 間瀬定政 岩田鎮人 川口修 佐治昌子 野村浩司 林美和子 松本能子 梶田晃男 山際喜義 長縄典夫 伊藤建治 佐金栄一 服部哲夫
事務局
伊藤市長 本間副市長 清田市民経済部長 河合国保年金課長 桑原主幹 富永課長補佐 石黒主査 川島主査 加藤主査

4 議事

議事進行 伊藤会長

  1. 議長から欠席は隈井委員1名と報告。
  2. 議長が議事録署名者に榊原委員と佐治委員を指名。
  1. 議題1「国民健康保険事業の概要」について、資料に基づき河合課長が説明。

    説明要旨
    (1)被保険者等の状況
     平成19年度末において、被保険者は54,266世帯、100,245人、世帯数は増加しているものの、被保険者数は減少している。景気回復等による就労の活性化により、被用者保険への加入が徐々に促進しつつあることが要因と思われる。
     平成20年度は、従来の老健対象者18,686人が国保から長寿医療制度へ移行したことから、4月1日現在の被保険者は45,559世帯、82,144人となっている。

    (2)医療費の状況
     総医療費、年間一人当たり医療費とも、平成16年度から19年度までの4年間、伸び率はプラスとなっている。
     総医療費は、19年度で伸び率2.5%、約8.7億円の増加。
    年間一人当たり医療費において、ここ4年間、一般被保険者の伸びが全体の伸び率を上回っており、今後の医療費の伸びが懸念される。

    (3)保険税の収納状況
     国民健康保険推進員や短期証などの活用、徹底した財産調査、差押え、さらにインターネット公売などにより、収納率の向上に努めた結果、現年度分、過年度分とも前年度に比べ改善が図れた。
     最終的な19年度現年度分の収納率は、93%に近づく見込み。

    (4)平成19年度決算見込
     19年度の単年度収支は、10億円程度の赤字となる見込み。
     この中には、18年度中に一般被保険者から退職者に職務権限で切り替えたことによる国庫支出金約3.5億円や療養給付費交付金2.5億円の精算が含まれており、実質的には約4億円程度の赤字である。

    (5)平成20年度保険税率等の状況
     保険税率については、平成20年1月17日に、この運営協議会に諮問し、同月24日に答申をいただいた。
     本年3月に条例改正しており、医療保険分、後期高齢者支援分、介護保険2号分それぞれの所得割、資産割、均等割、平等割及び限度額は、記載のとおり。

    (6)平成20年度課税状況
     平成20年度は、75歳以上の方々が長寿医療制度へ移行したことから、19年度に比べ約17.4%、16億9,000万円の減少となっている。
     イの応能・応益割合は、応益割合が低所得者の方々の均等割と平等割(応益割)に対する7割、5割、2割の軽減と基盤安定制度に基づく国・県からの保険者支援の手当てが受けることができるよう45%以上55%未満の範囲内の数値となっている。
     また、従来2割軽減には申請が必要であったが、本年度より自動適用している。
     オの単独減免世帯は、今回の税率改定に伴う激変緩和策として実施する減免で、ウの法定軽減世帯を除く総所得300万円以下の世帯に対し、年額3,600円の減免をするもので、15,779世帯に対し、総額55,877千円の減免となっている。
     なお、納税通知書は、去る6月2日に発送した。

    (7)医療制度改正の状況
    1.後期高齢者医療制度の創設
     後期高齢者医療支援金は、現役世代が後期高齢者医療の財政運営のため、その40%分を負担する新たな保険税であり、既に第1期分を納付している。
     また、制度の創設に係る保険税の軽減措置については、国民健康保険条例の一部を改正する条例を地方税法の改正公布にあわせ、4月30日付で専決処分し、5月の臨時議会で承認をいただいた。
    2.前期高齢者(65歳~74歳)の保険者間の財政調整制度の創設
     この財政調整制度においては、本市の国保事業の場合、全国の平均高齢者加入率12.4%に比べて、28.9%と高いことから交付金を受けることとなる。
    3.一部負担金(患者負担)の見直し
     乳幼児の自己負担軽減措置として、従来3歳未満まで2割であったものが、4月診療分からは義務教育就学前まで拡大されている。
     また、70歳から74歳までの患者負担については、平成20年4月1日から2割負担とされたが、これを平成21年3月末まで1割負担に凍結する措置がとられている。
     なお、一般的な医療費である療養給付費については、審査支払機関である国保連合会で国より1割分を受け、市町村国保へは8割を請求されることとなる。
     また、療養費については、窓口では一旦10割分を支払っていただき9割分を国保へ請求、国保はそのうち1割分を指定公費分として、国保連合会に請求することとなる。

  2. 医療費の適正化

     医療費の適正化に係る「特定健診等実施計画」(案)を本年1月に本運営協議会で報告させていただいたが、去る2月に本市の実施計画として策定した。
     本年度は、この実施計画に基づき、春日井市医師会及び市の健康管理事業団による特定健康診査や特定保健指導を実施していく。
     詳細は、「別紙1-特定健康診査・特定保健指導の実施」のとおり。

  3. 特別徴収の実施
     平成18年に、「健康保険法等の一部を改正する法律」のなかで、地方税法の一部が改正され、老齢等年金給付を受けている年齢65歳以上の国保の被保険者である世帯主については、特別徴収することとされた。
     特別徴収の開始時期は、本来、平成20年4月または10月からとされているが、本市は、新たに仮徴収システムの構築が必要なことから、平成21年4月からの実施と届け出たところ、認められた。
     この天引きの開始については、5月15日号広報で周知するとともに、6月議会へ国民健康保険税条例の改正を予定している。
     詳細は、「別紙2-特別徴収」のとおり。
  4. 高額医療・高額介護合算制度の創設
     この制度は、医療保険、介護保険の両給付を受けることにより、自己負担額が著しく高額になる場合に、医療保険と介護保険の自己負担合計額に上限を設け、負担を軽減するもの。
     本来は、前年所得に応じて自己負担割合を決定することから、8月から翌年7月分までの1年間分が計算期間とされたが、今年度は初年度であることから、平成20年4月1日から平成21年7月31日までの16か月間とし、「別紙3-高額医療・高額介護合算制度」の「初年度の経過措置」に記載されている額が、それぞれの所得階層、世帯状況別の合算限度額とされている。
     詳細は、「別紙3-高額医療・高額介護合算制度」のとおり。

 

 4 議題(1)について質疑応答

【要旨】
伊藤建治委員:短期証、資格証の発行状況は、どうなっているか。
河合課長:平成18年9月の保険証切替時においては、資格者証が171件、短期資格者証が4,894件となっている。平成19年9月現在では、資格者証が125件、短期資格者証が3,469件、また、平成20年6月現在では、資格者証が95件、短期資格者証が 2,572件となっている。短期資格者証の発行は、納税相談、折衝機会など、滞納者の方々と接触する機会を増やすために活用しているが、発行件数が減少し、正規の保険証への切替が増加していることは、当初の目的を達成してきていると考えている。
伊藤建治委員:別紙2の「特別徴収」は、「義務規定」か「できる規定」か教えてほしい。
河合課長:資料のP9にあるように、平成18年6月に公布された「健康保険法等の一部を改正する法律」の中で地方税法の一部が改正され、地方税法第706条第2項に、「当該年度の初日において、国民健康保険税の納税義務者が老齢等年金給付の支払いを受けている場合は、特別徴収の方法によって徴収するものとする」と規定されており、「義務規定」となっている。
長縄典夫委員:平成19年度の決算見込が▲28億8千万円となっているが、今後、この赤字を減らしていくような方策はあるか。
河合課長:収入の確保と歳出の抑制により、財政運営の健全化を図っていくことになる。
本年1月に、国保税の税率改定について御答申をいただいたおりにも、今後の更なる収納率の向上や国・県の支出金とともに繰入金の増額等財源の確保に努めるよう、申し添えをいただいたが、こうした収入施策を進めるとともに、給付費の抑制策として、市独自のレセプト点検の強化や疾病予防を中心とする保健事業の推進などに努めることにより、国保財政のより一層の健全化を図っていきたいと考えている。
長縄典夫委員:今言われた「レセプト点検」について、レセプトの電子化、公営化は考えているか。
河合課長:レセプトのオンライン請求義務化については、平成20年度においては、400床以上の病院を皮切りに実施され、その他の病院・診療所においても、平成23年度から開始するよう準備が進められている。こうしたレセプトの電子化は、薬等の重複投与などが防げるとともに、特定健診・特定保健指導の実施との整合性を見極める中で、きめ細かな国保の保健事業の推進に繋がると考えている。
山際喜義委員:P2の「医療費の状況」において、「今後の医療費の増加が懸念される。」との記載があるが、その要因についてどう分析し、また、どのような対策をとられるのか。
河合課長:資料P2にあるように、平成19年度の対前年度伸び率を見ると、年間一人当たりの医療費のうち、特に近年一般被保険者の伸び率が伸びている。各年5月診療のレセプトデータにより、疾病別の一人当たりの費用額をみてみると、本市の場合は、悪性新生物(がん)・腎不全・糖尿病に係る費用が顕著に増加しており、こうしたことが、一般被保険者の伸びが高くなっている要因と分析している。
こうしたことから、今年度から実施する特定健康診査・保健指導において、従来の受診率が低い40歳~64歳までの若い世代の方への受診勧奨を積極的に実施し、将来の医療費の抑制や疾病予防に努めていくよう考えている。
服部哲夫委員:P4の歳出のうち、「共同事業拠出金」とは、どういうものか。また、歳出額が伸びている理由は何か。
河合課長:まず、歳入に共同事業交付金があるが、これは、高額な医療費の発生に伴う小規模保険者等の財政運営の不安定化を解消するため、保険者間の財源調整を図るため、交付されるものとなっている。
この共同事業交付金の対象額が、18年度当初は、1件80万円以上の医療費のものとなっていたが、18年10月から1件30万円~80万円の医療費のものも対象とするように適用範囲が広がったため、19年度は18年度に比べて大幅に伸びている。
この共同事業交付金は、各保険者が支出する共同事業拠出金が財源となっているため、同様な理由で共同事業拠出金が大幅に伸びているものである。
三輪勝征委員:各委員から非常に厳しい意見が出されているが、考えの根底が違っている。
日本の社会保障費が伸び続けるのは当たり前で、アメリカに比べれば半分以下、OECDの先進国の中では最低の状況となっている。また、春日井市と他市との比較で言えば、子どもの医療費の助成においては、春日井市は県内で最低の状況である。例えば、名古屋市は今年の10月から、中学卒業時まで入院も外来も全て無料になる。春日井市がこういった状況にあることを恥ずかしく思うが、医療費を削減することを是とするばかりが、この協議会の根本ではないことを強調したいと思う。
川口修委員:今、国会で高齢者医療が盛んに議論されているが、愛知県の後期高齢者医療広域連合の事務所は、どこにあるのか。また、春日井市からも、職員が派遣されているのか。
桑原主幹:後期高齢者医療広域連合の事務所は、名古屋市東区の「愛知県国民健康保険団体連合会」と同じ建物内にある。また、春日井市からは主査職の職員が1名派遣されている。さらに、広域連合にも議会があり、春日井市議会からも1名、広域連合議会議員として参加している。
川口修委員:後期高齢者医療広域連合へは、春日井市からも出資していると思うが、予算、決算がどうなっているかなど、協議会に報告されることはないのか。
河合課長:後期高齢者医療制度は、愛知県の広域連合において運営されている。
後期高齢者医療制度への春日井市の関わり合いとしては、後期高齢者医療保険料の徴収や窓口での申請の受付などが、市の役割となっており、保険料の賦課は、広域連合の役割となっている。また、広域連合にも議会があり、春日井市議会からも1名、広域連合議会議員として参加している。
国民健康保険事業としての関わり合いとしては、後期高齢者医療制度の財源が、受診者の本人負担分を除いた残りについて、後期高齢者医療保険料が1割、国からの支援金が5割、各保険者からの支援金が4割となっていることから、この4割分について、国保加入者の皆様へ国保税として賦課させていただき、後期高齢者医療支援分として負担しているものである。
間瀬定政委員:「高額医療・高額介護合算制度」が新しく創設されるとのことだが、従来の「高額療養費の支給制度」は、そのまま残るのか。
河合課長:従来の制度を少し御説明すると、国民健康保険の「高額療養費の支給制度」は、同じ人が、同じ月内に、同じ医療機関に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に、申請により超えた分を高額療養費として払い戻す制度となっており、世帯の所得区分に応じて限度額が設定されている。
例えば、「現役並み所得者」では、「80,100円にかかった医療費から267,000円を除いた額の1%を加算した額」、「一般」の所得者では、「44,400円」が自己負担限度額となっている。また、介護の「高額介護サービス費」の制度においても、同様に世帯の所得区分に応じて、37,200円から15,000円までのそれぞれの限度額が設定されている。今回の新しい「高額医療・高額介護合算制度」は、医療・介護それぞれの支払額を合算した額が、新制度の限度額を超えた場合に超えた分を払い戻すというもので、従来の制度と合わせて二重に自己負担を軽くするということである。なお、この支給額については、医療保険、介護保険双方で、それぞれの自己負担額の比率に応じて費用負担するものと聞いているが、新制度は平成21年8月からの加入者の申請に基づき実施されることとなっており、詳細についてはこれから国より示されることとなっている。
青山倫子委員:後期高齢者医療制度に伴う予算・決算についてお尋ねするが、20年度からは歳入においては、国民健康保険税の中に後期高齢者支援分が加わり、歳出において後期高齢者医療拠出金のような費目が発生するということでいいか。
河合課長:歳入については、国民健康保険税において、従来、医療分、介護分の2本立てであったものが、20年度からは、医療保険分、後期高齢者支援分、介護保険2号分の3本立てになっている。
また、歳出においては、新たに後期高齢者支援金が加わり、後期高齢者医療制度へ支援しているものである。
服部哲夫委員:資料P8の特定健康診査・特定保健指導についてお尋ねするが、特定健康診査の受診日は指定されているのか。また、特定健康診査の受診結果に基づき、実施される特定保健指導の指定日は定まっているのか。
桑原主幹:特定健康診査の受診券は、6月の始めに4月~6月の誕生月の方へ郵送した。また、7月以降の誕生月の方へは、特定健康診査を実施する医療機関へ一度に申し込みがきて混雑することなく分散して受診していただけるように、誕生月の前月末に郵送するよう考えている。なお、年度末近くの方へは、3月末までに受診していただけるよう12月あたりには郵送したいと考えている。次に、特定保健指導の利用券については、特定健康診査の結果が市に届き、判定のうえ該当の方へ発送することとなるので、特定健康診査受診後2か月遅れの発送となる。受診日については、特定健康診査は3か月以内に受けていただくよう案内しているが、年度内は受診できることとなっている。また、特定保健指導は、特定健康診査受診後2か月遅れの通知となるため、初回の面接だけは年度内に実施していただきたいと考えている。
特定健康診査・特定保健指導とも、実施できる医療機関の一覧表を該当の方へお届けしてあるので、希望される日に、希望されるところで受診していただければいい。
伊藤会長:議題(1)「国民健康保険事業の概要について」、他に意見等がないようであるので、了解することとする。

5.議題(2)「その他」について、清田市民経済部長が説明。

【説明要旨】
(1)今後のスケジュールについて
資料として、「出産育児一時金」の新聞記事をお出ししているが、平成21年1月から一時金が35万円から38万円に引き上げられる旨の情報が入っている。
こうした給付費に関することについては、当協議会へ市長が諮問させていただき、御答申をいただくこととなっている。
年末11月頃にお願いすることになると思うので、その節はよろしくお願いしたい。
また、後期高齢者医療制度について、連日、いろいろな報道がなされており、改正、廃止の議論も盛んに行われているが、少なからず国民健康保険の運営にも連動してくる場合も考えられるので、そういった事案が発生した折には御足労をおかけすることになるので、よろしくお願いします。

6.閉会

議長:各委員にその他の意見等のないことを確認し、閉会とした。
以上

上記のとおり、春日井市国民健康保険運営協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためこの議事録を作成し、榊原一基委員及び佐治昌子委員が署名する。
平成20年6月11日

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