平成19年度第3回春日井市地域自立支援協議会議事録

ページID 1008018 更新日 平成30年8月16日

印刷大きな文字で印刷

1 開催日時

平成19年1月22日(火曜日)午後2時から午後4時

2 開催場所

春日井市役所 第3委員会室

3 出席者 

会長

藤原 博惠 (春日井地域精神障害者家族会むつみ会)

職務代理者

佐藤 真澄 (日本福祉大学地域ケア研究推進センター)

委員

内藤 博之 (愛知県心身障害者コロニー運用部療育支援課)

日比野 勤 (春日井市居宅介護支援事業所連絡会)

野崎 和子 (春日井保健所)

椎葉 林蔵 (春日台養護学校)

田中 清仁 (春日井公共職業安定所)

田中 隆司 (春日井市身体障害者福祉協会)

松山 ミヨ子(春日井手をつなぐ育成会)加藤 鉱明(春日井市社会福祉協議会)

オブサーバー

渡辺 健司  (春日苑障がい者生活支援センター)

住岡 亜美  (春日苑障がい者生活支援センター)    

林   幸児  (障害者生活支援センターかすがい)

河野 弓子  (障害者生活支援センターあっとわん)

下村 真由美 (障害者生活支援センターあっとわん)

宮原 香苗  (障害者生活支援センターJHNまある)

渥美 浩子  (障害者生活支援センターJHNまある)

事務局

健康福祉部  部長  入谷直賢

福祉課   課長  早川利久 

主査  佐藤和子

主査  神戸洋史

傍聴者

4名

4 議題 

  1. 障がい者生活支援センターの実績報告
  2. 就労支援について
  3. 処遇困難事例への対応方法について(非公開)

5 会議資料

6 議事内容

【藤原会長】 今回この自立支援協議会も3回目になります。私はこの協議会のなかで、なにをすればいいのか、なにができるのかというふうに考えてきました。生活支援センターから今まで、実績報告や処遇困難事例について例を挙げていただきましたが、具体的な対応方法も見つからないような大変な状態ではないかなと思っています。しかし、障がい者の方々の大変さや、問題点を伝えていただくことで、障がい者の方々の理解が少しできたと思っています。生活支援センターがこんなに大変な困難事例の対応をここまで真摯に一生懸命に対応されているのかなと毎回驚いていました。本業の相談支援だけでもとても大変なのに、施設の中の支援と活動等、また関係機関との連携、それから研修会や会議でそっちへ出席したり、書類の作成や整理など、少ない人数で担っておられるかと思うと、熱意があっても本当に長続きするのかなあというふうな心配をしていました。で、事務局の業務のほうも細かなところまで本当に一生懸命気を配ってしていただいていると感じていました。また、この協議会のなかで上がってきた意見に関しても、少しづつですが柔軟に前向きに対応していただいていると感じています。その関係事業が円滑に行われるために、これからもこの地域の本当に困っている障がい者の生活支援のために、皆様の活発な意見を頂戴いたしたいと思っています。それで今までにご発言いただけなかった委員さんやセンターの方も、多分いろいろお考えがあると思いますので、この会議の終わりのところで感想や意見をぜひ一言でも今日はぜひ言っていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

【早川課長】 議題に入る前に2点、今日の議題2の趣旨とそれから第2回の協議会で各センターの方を委員にした方がいいのではないかという意見をいただいていまして、その検討結果について説明します。

まず、今日の議題に就労支援をあげていますが、通常のケース検討と違って、その前段となる就労支援についての基礎的な知識、そういったことについて議題とさせていただきました。いろんな議論をしていくうえで、生活支援の部分は皆さんいろんなことご存知なのですが、この就労支援についてはその仕組み自体なかなか難しくて、理解できていないというということがありますので、今日の議題とさせていただきました。

もう一つ、先回センターの方をオブザーバーではなく委員にした方がいいのではないかという意見をいただいています。このことについて、会長と支援センターの方と2回にわたり検討してきました。

オブザーバーは発言権はあるけれど議決権がないと一般的に言われています。この協議会で発言することについては支障はないではないか、そういう意見をいただきました。

議決ということになりますと、この協議会の趣旨として形式的にはあるわけなのですが、実態としては議決で決めるということはあまりないのではないかというふうに思われます。もう一つ、委員として一人を固定してしまうとその方だけが出席できるということになりますが、それよりもむしろオブザーバーとして今回のように2名とか、そういう形での出席の方がより活発な議論ができるのではないかという検討をし、当面は委員としてではなくて、今の形のオブザーバーという形でこの協議会に参加していただくことにしましたのでよろしくお願いします。

これで続けて、どうしても議論の展開に支障があると、そういうようなことがあれば再度このことについては再検討させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

それからもう1点、傍聴の方には3番の処遇困難事例については退席いただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

議題1 障がい者生活支援センターの実績報告について

【春日苑 渡辺】件数は資料のとおり

11月が多いのは12月は年末年始がありますので、その関係でヘルパーの調整等の件数が多かった、また書類等の申請援助や作成援助も多かったものですから、それで件数として多く挙がっています。実際今回、援助、支援について、地域包括支援センターや高齢者のセンターとの連携が多かったと思います。そのなかで介護保険を利用しているけれども、生活保護になったため、障がい者の制度に移行されたケースや、介護保険の制度と障がい者の制度の併用ができるかとの照会があったり。あとは親が介護保険を使ってその子どもが障がい者という方の世帯で、地域包括支援センターからかかわってもらえないかといったことで相談がありました。

【かすがい 林】件数は資料のとおり

人数は、10月、28人、11月、23人、12月、32人、平均で30名程度の方が相談を受けています。協議とか連絡調整とか調査等を合わせると毎月150件前後、多いときで12月が188件でした。相談者の相談の種別についてはやはり知的障がいの保護者や当事者からが多くて、8割程度を占めています。実際の相談の内容の件数としては、福祉サービスの利用の支援、就労の支援、あとは生活面での支援に関することが非常に多く、各条件に応じて連携すべき機関と連携しながら支援しています。

一つ一つの事案について長期に時間がかかるということもあります。特に最近では親なきあとの支援をどうしようかというような相談が多くあり、権利擁護事業、成年後見制度に関する相談もありました。他にも20代の方ですが、ずっと在宅で生活していて、何もサービスは利用しなかったのですが、保護者の状態等今後のことも考えて現在日中活動の支援をしています。あとは病院に入院していた方ですが、退院に向けて在宅サービスの支援を整えながら、まずは短期入所に1か月間、準備期間として支援を考えています。

これは業務のことですが、春日井は8月までは月曜日から金曜日の平日に対応していたのですが、日中働いている保護者の方や、日中働いている本人のことも考えて9月から火曜日から土曜日に変更しました。件数については10月以降、月によってばらつきはあるのですが、土曜日にしか来られない方たちにとってプラスになったのではないかと思っています。夜間の相談に関してですが、真夜中ということはまずないのですが、夜8時9時といったときでも電話が入るときがあり、常時携帯へ転送されており、できるかぎり対応しています。就労の問題に関しては、最近では養護学校卒業後に離職してしまったケースの相談を受け付けています。単に就労につなげていくのではなく、生活面や親子関係など様様な糸が絡まる難しいケースがあり、関係機関と調整しながら取り組んでいます。

【まある 宮原】まあるの相談内容で一番多いのは資料にあるように電話相談です。

その中でも一番多いのが不安とか気持ちの整理という項目で分けられるようなものです。これはこの内容だけでかかってくるということだけではなく、今の生活だったりとか今後の生活のことをいろいろ話す中だったりとか、あと職場での人間関係とかいろんな友人との関係、あと家族関係の話とかの相談を聞いているなかでいろいろ出てくるのですが、内容が違っても結構繰り返しの話が多くて、1日に数回とか、次にかかってきても同じような内容だったりということが多いのです。それでもこちらが話を聞くことにより相談者の方が気持ちを吐き出せたり、こちらが違う視点で、それはこういうふうじゃないのかな、こういう考え方もあるよねと言うと、ああ、初めて気づきましたというような方も多くて、それで本人の気持ちや頭の中が整理されて、また1日頑張れるようになれば、それはいいかなという感じで聞いています。

これが他の障がいの方たちの相談と違う点でもあるかなと思うのですが、やはり個人の考え方の癖だったり、精神障がいの特性である自己評価の低さとか、主体性が持ちにくいとかというところが影響するのか、自分らしくとか言われて、何が自分らしいのかが分からないとか、自分で物事を判断して、決定して行動するとかいう、あたり前と思われることも経験とか自信がないから不安が先に立ってしまって行動できないとか、何をやればよいかも分からないというふうで。精神の方たちは不安の先取りがとても得意なので、実際に起きてもいないことを先読みして、ずっと悩み続けていたりとかいろいろされるのですが、そういったあたりを毎回、この話は終わりがあるのかなとか思いながらも、試行錯誤しながら相談を受けている状況です。

日常的には、他の三つの相談支援事業所の皆さんとはケースの相談とか連絡とかで勉強させていただいているのですが、12月に、連携したケースがありました。一つは精神の作業所に登録されているメンバーが、手帳も療育手帳しか持っていないのですが、その方がいろいろな経過があって、本人とか家族からの相談で、今後知的障がいのサービスにつなげていけるといいかなということで、かすがいの相談員に一緒に相談の場を持ちながら、認定調査等の手続きを進めながら施設や職場体験の見学に行くということもやっています。二つ目、あっとわんとかすがいと一緒にかかわったケースは、家族3人誰も障がい者の認定は持っていないのですが、様様なことで生活が困難になっている家族で、最初あっとわんに相談が入って、まあるを紹介されてということなのですが、個別に関わるにはちょっと難しい年代層というか、あと課題とかもあったので3人一度に総合福祉センターに来ていただいて、かすがいの相談室と障がい者生活支援センターの分室として用意していただいている部屋を抑えて、同時に場を分けて話を聞くという形で相談会をしたケースがありました。

直接まあるが関わらなくても、ケースを共有することで支援をしてくださっている方たちの安心材料が増えて、障がい者の方たちや家族の生活が少しでも安心して送れればいいなと思っています。地域での相談支援というのは決まった形があるわけではなくて、今後も多種多様なニーズを持ったケースが考えられるので、今回のこういう共同で関わるケースも出てきていますので、できればそういう他の障がいのことも理解しながら、多様な視点から意見が出し合えていくということは、支援者にとっても有益ですし、総合的な支援ができるということは、もちろん相談者にとっても望まれることだと思います。

来年度すぐというわけにはいかないかもしれませんが、今後の春日井市の相談支援体制作りとして、相談の拠点作りとか、事業所が集まって相談にあたっていく場とか、そういう機会を設けていただけるとありがたいと感じています。

あと付けたしですが、うちの母体のNPO法人のネットワーク駒来の家が、県の心のバリアフリー推進事業の委託を受け、当事者や家族の方の手記とか、座談会の中身を収めたリーフレットを作成しましたので、今日少し持ってきていますので、よろしければ持ち帰りください。もしもどこかで啓発として使っていただけるようでしたら、連絡いただければ届けます。

【あっとわん河野】件数は資料のとおり。

夏休みとか冬休みになりますと相談件数が多少減ってしまうという傾向がありますが、私どもはふらっと来てちょっと相談をしたいという方が非常に多くありまして、面接の数が多くなっているという傾向があります。

そのなかで、例年この秋ぐらいには、就園とか就学についてどうすればいいものかという相談が多いのですが、本年度は比較的就学に関しては少なかったのではないかと思っています。これはどのように考えればいいのかなと思っていますが、障がい児の場合、どうしても母親だったり家族だったりがべったり付いているということもあり、あとは幼稚園とか保育園に行かれている、学校にも通われているということもありまして、そちらのほうでもある程度満足がいく話し合いができている環境なのかなというように考えられることもあると思います。

多少増えてきているというか、ちょっと気になる相談内容というのが軽度発達障がいに関することが非常に増えている、どこに相談していいか分からない。どこに聞いてもなんの答えも得られないというところであっとわんに連絡が来る場合が増えているのではないかと思っています。

今日の協議会の3のところでまた詳しく話をさせていただこうかなと思っていますが、先日厚生労働省のホームページを見ましたら、軽度発達障がいに関する気付きのマニュアルみたいなものが厚生労働省の科研のほうのお金で、ずっと研究が進んできておりまして、軽度障がい児の発見と対応システム及びそのマニュアル開発に関する研究というなにか難しい名前なのですが、このようなものがでていました。ここでは要はスクリーニングみたいなものを軽度発達障がいの子たちにもやっていきましょうというようなやり方がいいのかなというような研究内容なのですが、これがどんどん拡がっていきますと、余計にまた障がい児ではないかという不安を芽生えさせてしまう状況に陥るため、スクリーニングと同時に地域の受け皿、又は理解を広めていくことも非常に大切なことではないかなと思っています。

私どもはなかなか相談をしにくい人たちが駆け込み寺のように相談にやってくるというケースが非常に多い。あとは子どもの発達のことで相談にのってきたけれども、よく考えてみるとお母さんの心の病だったり、精神的なものだったりということで、まあるさんにつないだり、一緒に対応していったりということで、連携をさせていただくこともいくつかケースがあります。ですから相談業務としてどのように私たちが支援をしていくのかというものを考えていかなければいけないなというふうには考えていますので、それも協議会や相談支援連絡会で追々考えて早急に対応できるようにしていただきたいと考えています。

 

《質問・意見》

【内藤委員】先ほど会長から少ない人数ということをおっしゃっていましたが、まあるなどは電話が多いですね。多分こういう電話は非常に時間が長いと思うのですが、電話を受ける方は何人みえますか。

【まある 宮原】電話は1本しか引いていないので、1本が話中だったらもうつながりません。無いときは半日無いとかということもあるのですが、尾を引くときは10分も空けずに続くということもありますので、そういったときはずっと話中でしたねと言われることもあります。

【内藤委員】だいたいどれぐらいの時間。

【まある 宮原】短い方で10分前後、長い方だと1時間から1時間半くらいです。でもその人もだんだん、いつも電話ですみませんとか、長くてすみませんとか、だんだん1時間くらい経つと、もう1時間経ってしまいましたねと気にされるようにはなってみえているので、へたにその方短く切られると日に数回という形になってしまうので。

【佐藤委員】そのことにも関連してですが、この記録ですが、相談支援の「層」が見えないと思うのです。どういうふうに相談支援の報告をすれば、より相談支援の人たちがやったことが伝わるのかを考えないといけないと思います。

たとえば電話だったら、件数なのか、人数なのか、あるいは電話に要した時間なのか、何でカウントするのか、いろんな方法があると思うのです。きっと精神の人の1本の電話と身体の人の1本の電話では長さもぜんぜん違うと思います。それを件数だけでカウントすると、きっとそのあたりの差がみえないので、もう少し記録の書き方を共通化して、残していけるといいのではないかと思いました.

 

議題2 就労支援について

事務局より資料に基づき説明

《質問・意見》

【田中委員】先ほどの説明の中で、働きたいとは思わないというのはちょっと私たちにしてみれば、なにか怠けているみたいな感じがするのですが。働きたいけれども働けないというのじゃないですかね。

それと賃金のことですが、これが何からの資料かちょっとよく分からないのですが、身体障がい者が週30時間以上働いて月収26万7千円という、こんなにもらっている障がい者を僕はまだ見たことがありません。そうですね、月12~13万もらえれば皆喜んでると思います。これは一体なにからの資料なのでしょうか。

【事務局】下にもありますが、国のほうが実施しています平成15年度の障害者雇用実態調査、から出された数字ですので、多分本人にアンケートを行って、そこから出た数字ということだと思います。

【田中委員】本当にこんな人知らないですよね。健常者と代わらないと思いますし。たとえば身体障がいでも第1種1級から第2種6級まであるのですが、そういった2種の5~6級という人は健常者とほとんど変わらないですから、そういう人たちの平均をとってくればこういう数字になるかもしれないですけど、いわゆる身体障がい者という重度の障がい者でこんなにいただける人は絶対いないと思います。これで身体障がい者がこんなに月給をもらっていると思われると、ちょっと。ここに書いてある数字はすごくいいですね、みんな。こういう職場があったら紹介していただきたいです。

就労の問題ですが、本当に障がい者は皆働きたいと思っているのですけど、受け入れ側のほうがちょっと。経営者は理解してくれるかもしれないですけど、同じ職場で働いている従業員の方の理解を得るということがすごく難しいと思います。

いじめじゃないですけど、仕事場で同じように追われます。なにやってんだとか、これぐらいやれるだろとかというふうに追われて、結局はせっかく見つけていただいた職場でも長続きしないという結果になってしまうと思うのですけど。

職場で働く人にまず理解をしてもらうことが大事かなと思います。

【藤原会長】私の場合ですが、精神障がい者の家族会ということで、家族の立場で把握していることということで、先日の1月20日に定例の役員会がありました。そのときに8人参加したのですが、たまたまこういうところでテーマになっているのでということで、短い時間だったのですがちょっと聞いてきました。精神障がいの病気になって就労した経験のある人というのが8人中6人で、まったくないというのが2人でした。まったくないというのは、親も子も考えたことがない、そういう状況ではないというふうなことを言われました。もう一人は親としては若くして本人が発病したことで経験がないために自信が持てないでいるというふうに感じているということです。チャンスがあれば、環境が整えばまたそういう気持ちになるのではないかなというふうに理解をしているということです。

今までに病気になってどんな業種についたかという質問をしたのですが、郵便局の年賀状の配達、それから仕分けの作業、派遣ということでイベント会場とかに行ったと。それは3~4日くらいで変わるから、対人関係でトラブることもすくないかなという理由でした。それと大学の事務。コンビニのレジとか品出し。それから大型トラックの運転。

障がい者施設の食器の片付け、ゴルフ場の球ひろい。それとお客さんの対応もしています。理由は家の近くだったからということです。工場での廃材の後片付け。福祉工場。食べ物屋さんの販売。スーパーのレジ。おもちゃ屋さんの店員。あとはボランティア活動をしている人。万博で中国語でボランティアをしたとか、車いすの方を押してあげたとかいうボランティア活動。これは就業とちょっと違いますけど、イベント会場で着ぐるみを着てやったというような話もでました。

企業の事業所の開拓ですが、どういうふうに開拓をしたかというと、まったく支援は受けてなく、働いた経験のある6人のうちの5人が、自分でチラシを見て面接に行ったと言われました。そういう支援を受けたという人は1人いるのですが、その方は現在障がい者職業支援センタージョブコーチとか、ハローワーク、それからそういうところで、それから作業所ですね、ピアステーション勝川で支援を受けながらやっているということで、この方だけが今もまだ就労に結びついて就労をされている。受けてないという方は今現在はまったく就労はされていないということでした。ほとんどの方が短期間で辞めてしまわれるのです。続けられなかった理由はどんなことがありますかと聞いたら、上司の一言で傷ついてしまった、先ほど田中さんがおっしゃったように、企業側の理解がなかった、同じ職員の理解がなかったということと、それから採用が決まった後でパートの条件として精神障がい者は基本的には採用できないというふうに、資料に書いてあったということです。それで自分で気付いて、自分からやめたと。それから受診のために休むことで結局就労を継続することが難しくなって、居づらくなって辞めたと。それから支援のないまま就労したことで、結局人間関係とかその他ストレス、体力的にも自分が疲れてしまって結局入院してしまったということです。退院してまた同じところに行ったらしいのですが、それも断られてしまった。就労に結びつくときに親の目からみても、確かに調子が悪いと思っていても、そのときに限ってなぜか本人は勝手に面接を受けてくる。で決めてしまう。なぜか決まってしまう、というような感じで。決まって働くのですがやはり人間関係の摩擦が起こって入院することになるというようなことがありました。

それから病気をオープンにしたことで逆に精神の事件やニュースで、あんたもそんなふうになるのかね、暴れるのかねとか、偏見とか差別、そういうものを受けて続けられなかったということです。本人が直接企業へ面接に行ったとき、精神障がいのことも話したけれども、企業の方が、あなたは精神でも軽いほうだねと、だから来てもらってもいいけど、うちは知的とか身体はいいんだけれども精神障がいの方は罰金を払ってでも採用したくないというようなことも、本人が直接企業の方から言われてその時点で断って帰ってきたとかいうようなことがありましたということを言われました。

それで私としても、やはり支援を受けるきっかけみたいなものが皆さん持てずにいるのかなというふうに、どういうふうにしたらその支援を受けられるのか、結局本人は働きたいと思っているけれども、就労支援を受けずに継続することはとても困難になっていると。家族に本人から働きたいというふうに相談されても、家族自身もアドバイスの方法、先ほども生活支援センターの方もおっしゃっていましたが、家族のほうの知識がないために、どういうふうにアドバイスをしたらいいのかということがわからないのです。それで困惑して、家族も困っているというようなこともある。それから働いて調子を崩すくらいなら、無理して働いてほしくないというふうに思っている家族も多い。

支援センターまあるや社会資源を紹介しても、いろいろな支援を受けるきっかけから、相談する方法の段階で、本人と家族がきちんと向き合えずに、親のエネルギーも結局ないのです。発展的な展望がないまま、ぎくしゃくした問題をかかえて家の中でいろいろとトラブっているというような現状、働くというとそういうふうに分からないというような現状。それで考えたのですが、精神の場合通院するわけですから、病院の先生やワーカーの仲介も必要かなというふうに考えたのと、ちらしを持ってハローワークのほうに相談に行くとか、作業所とか生活支援センター、それから福祉課の窓口とかに本人と家族の方と一緒に行く必要もある。それから家族自身、親自身も勉強する必要があるのかなというふうに20日の役員会の話を聞いて私自身も感じました。

それで法廷雇用率を達成していない企業にたいして、罰則というのはあるのかなと思ったのですけどそのことについて教えていただけますか。

【田中委員(ハローワーク)】罰則についてはあります。法廷雇用率を達していないとこに対しては罰則という言い方は変なのですが、障がい者を何人雇わないといけないという人数に対していくらというものを納付しています。

逆に多く雇っているところについては罰則金から報奨金を払っています。罰則金の中から各種助成金、たとえば身体障がい者の方を雇うために施設を改善したときに助成金を払うとか、そういったものもそこから払っています。ただ悪いところというか、罰則金を取るところは大手だけなのです。中小企業すべてを取っていません。常用労働者、常に働く従業員何人に対してというふうに決まっていますので、300人以上の事業所に対してしか罰則をしていませんので、そこらへんのところがまだ中小企業主への義務はあるのだけれど罰則がないために満たされていない。

それから先ほど質問がありました、なぜ短時間労働者がこれだけ賃金もらわずに雇われている人も少ないかといいますと、これも法廷雇用率の問題で、短時間被保険者というのは重度障がい者とか精神障がい者しか該当にならない。ですから知的とか身体の短時間労働者というのは法廷雇用率に入っていない、そのためにあまり雇用が進んでいないというのも一つあると思うのです。この賃金に対しては多いか少ないかといわれますと、私は妥当な数字かなというふうにはみております。これはなにかといいますと、途中入社に対してはたしかに賃金低いです。学卒に対してはある程度上がっていくというのです。ですから学卒から入って辞めずにおる人間からいけばこれくらいの数字。途中入社からいけば若干安くなる。最低賃金で週30時間以上働けば12万ぐらいになりますので、これぐらいですかね。通常最低賃金をもらって週40時間働けば12万ぐらいにはなるんです。大学卒業生の初任給は20万くらいはありますので、大学卒業してそのままずっと働いているとこれ以上になってくるのです。

途中入社の人はこんなにないです。途中入社の人は正社員になるというのがないものですから、通常はパート、契約社員ということになってしまうからもっと低いです。ですから途中入社は減ってきます。

【椎葉委員】高等部の生徒を担当していますが、15年度障がい者雇用実態調査の知的の部分をみて、田中さんがおっしゃったことももっともですが、実際にこのような賃金形態になります。知的の場合はこんな感じですね、高等部の場合。ただ企業のほうで障がい者を雇用するカウント枠に入れるために、最低の時間ベースで雇用してやっていこうかという思いがあるような気がしています。私はフルタイムで8時間働きたいとか、週5日間きちんと40時間くらい働くといいなと思っていても雇用主側のほうでは、いや実は4時間働ければとかですね、そんな話がいったりきたりします。

知的障がいの場合に、以前は正社員ということが雇用の状態として非常にうれしくて、私どもも正社員でお願いするケースが多かったのですが、今は高等部で50人くらいが毎年授業をしているのですが、その半数くらいが一般就労しています。しかし、正社員は実は昨年は2人だけでした。あとは全部日給月給とか時給とかですね。

だから雇用の形態については必ずしも親が望む、本人が望むような雇用形態ではないというのが実際であります。

それから授産施設を出て企業で働きたいかというと、知的障がいの場合60%くらいが働きたくないという数字が出ています。知的障がいのある方が施設で生活をされたその生活のバリエーションみたいなものが変わらないのです、サイクルができていますから。働きたいという声はなかなかありません。それが在学中であれば、子どもたちには卒業したらみんな福祉授産施設で働くんだよ、一般企業で働くんだよ、がんばろうねとそういうプログラム分野からやっていけますので、かなり中学校や高校の卒業時点では、働きたいという意欲が沸くのですが、一回その生活に慣れた方は、長い間に働きたいというベースが出てこないのです、気持ちが。

だからこのデータが、年齢が何歳の方のデータをとっているのか全然分からないところがありますので、これが若い方であったり、もう、全然関係なしに作ったデータであれば間違いなくこういう数字がでます。家族の方の一般就労に移行についての考え方もそうですけど、ずっと在宅で生活している場合ですと、毎日同じようなリズムで生活している方で、それ以上のものを望まないと思います。ただ親はみんな自分が老いたあと自分の子どもはどうなるんだろうかというのもいつも不安に思いながら生活しているのは事実です。

私どもは、社会に出ていくために一人一人の子について、どのような卒業後の社会生活の支援が必要なのかとか、資源をどのように、この子についてはどんなバリエーションがあるのか、きちんと親に理解してもらうことが一番大事なことと考えています。そのための移行支援プログラムも作ってはいるのですが、まだまだ年数が経っていないものですから、本当に望ましいものが社会にでていく子どもたちのためにしっかりしたものができるかというと、まだまだ検討の余地はたくさんあります。

1回就労しますとある程度のお子さんについてはしっかりやっていける子が多いのですが、時々会社側から、数年後私も知らない会社から、養護学校の高等部ですか、すみませんお宅からお預かりしているお子さんについてそろそろ賃金を上げてあげたいのですが、私どもちょっと迷っております。初めて就労をそちらから受けたときに、ずっと働いているのですけど、賃金をいつ上げようかと思っています。それはありがたいことです。それだけ本人のスキルが向上したということであれば是非上げてあげてくださいと。本人の労働意欲にもつながりますのでというのですが。だからあまり賃金のベースは上がらないものなのです。初任給の求人票を職安から単価を写しでいただきます。あなたの初任給は11万あるいは12万もらえるんだよ、頑張りなよと送り出していきますが、何年経っても変わらないというのがほとんどです。本当に子供たちの就労環境というのはそこまではいいのですが、その後のレベルが非常に困難なところがあります。特に働き出したお子さん方が成人してずっといくのですが、親が片親になったり、生活のレベルが、スキルが十分でない親がいたりする場合が養護学校にはみえるのですが、その方たちのお子さんが、会社から離職しますと、次の会社に行くということがなかなか困難です。そういうところは非常に私どもが苦慮していますので、学校ではとりあえず長い目で3年間は卒業後も指導をやっていきましょうとやっています。それ以上になりますと、なかなか手が届かない人もいます。事業所などいろんな方をお願いしながら次の再就職の就労支援をお願いするということがたくさん増えてくるわけです。

【藤原会長】田中さんに質問なのですが、当事者は、普通はチラシを見て企業に直接行くのですが、企業に行くのが難しかったということで、ハローワークに本人が一人で相談に行ったそうです。そしたら、チラシを持って直接企業に行くよりは、ハローワークにチラシを持って相談に来てくださいと。そうすると仲介しますからというふうに言われたというのです。家族の方からそのように聞いたのですが、どういうふうなのですか。仲介をされているのかお尋ねしたいのですが。

【田中委員(ハローワーク)】本来であれば就職というのは求人票を出していただいて、出してあるものを紹介するというのが一つの基本なのです。だけどチラシを持っておいでというのは、一つには本人が安定所で求人を見つけられなかっただけかもしれないということもあります。そうするとこちらから出ている求人を探してやるというのも一つ。それからもう一つは、その求人を見て電話をかけて、支援制度が、こういったものがあるから求人を出すことはしませんかということもできるのではないかと思うのです。たとえば助成金もそうですし、ジョブコーチもそうです。

ですからそれを持ってきて、はっぱかけて相手がいいよと言えば安定所は手をだします。ただいくら説明しても無理なところもあるのです。安定所に出せば法律に違反していると求人は受けられません。だから広告で出しているから安定所から電話してもらっても困ると切られる場合も結構あるのです。ですからこれはあくまでも一つの情報源としていただいて、最終目標が就職であればどんな方法でもいいんじゃないかということでやっているのです。ですから安定所の一つの仕事としてチラシから求人開拓するというのも一つの手だと考えています。

【佐藤委員】私はいま週1回の割合で、就労移行事業の事業所にかかわっていて、その立ち上げのときには、全国の様々な実践、例えば就労移行事業者だとか、特例子会社だとかを見せていただいた経験があります。そこでよく言われるのは、神奈川などの先進地に行くと、就労移行からの就職先が一杯あり、特例子会社も多いので、就職させる人を探すほうが大変だといわれます。それらの地域では、就業移行の事業所の利用者のほうが減ってしまうという状況もあるという話も聞きます。資料にある障がい者雇用実態調査は、全国レベルの平均が書いてありますが、全国でどれくらいという平均をここで議論しても、きっとそれは皆さんが感じている現実とはずれてしまっているのかなというふうに思いました。

もちろんこれは一つのデータであると思うのですが、やはり春日井はどうなのかというようなところがないと、なかなか現実としては分からないのかなと思っています。他の地域に行ったときに、愛知県はトヨタ自動車があるから景気がいいから障がい者雇用も一杯あるんじゃないかと言われます。そうした企業が特例子会社法も作っていくという流れもあるとは聞くのですが、では実際に求人情報が出たときに、今までの授産の利用者あるいは就労移行事業所にいる人たちが就職できるかといったら、ほとんど無理なのです。

その募集要項を見ると、年齢がすごく若く設定してあり、養護学校を卒業してすぐぐらいの人たちを想定したような条件しか出ていなくて。「この条件だったら、別に障がい者雇用でなくても普通に就職できるような」という人しか募集していないところが多くて。
例えば、本来一般就労ができそうな人が特例子会社に入ってしまうと、今度特例子会社に入るべき人たちは結局授産だとか就労移行事業だとかに留まっているというような現状も実際にはあるのではないかなと思っています。そのあたり全体像を含めてもう少し春日井の雇用の現状が分かるといいかなと思いました。

【まある 宮原】先ほど椎葉先生がおっしゃった養護学校の卒業生のその後ですが、相談支援事業者のなかで扱って話をするなかで、高等学校を出て一般の企業に入って、でもそこで、所長は理解があっても現場の方たちがなかなか理解が得られなくて、特にC判定とかで、それまで学校ではC判定の方だったらできる人で頑張っていますが、それが実際職場に行くとできないというふうで、いろんな場面にでくわして、早い人だと1年、長い人でも3年5年とかで辞めてしまって、生活も崩れて調子も崩して知的だけでなく精神科のほうにかかっているという相談をよく聞きます。

先生がさきほど生活支援センターができたので、手をつなげるところができたとおっしゃったのですが、やはり辞めた後崩れてからではなくて、辞める前にうまく関係者がつながってやっていける、そういう体制作りができるといいと相談事業者の中ではしています。

【椎葉委員】お子さんが会社で働いていて辞めるきっかけというのは会社にあったり家庭にあったりするのですが、この家庭を支えるというのが一番大きいと思います。障がいのある方の親をどのようにサポートしていくか。そのためにその親を在学中からどういう意識を、自分の子どもにどういう未来像を持つのか描いていただいて、少しづつ社会に慣れさせていくという。親も親なりのスキルを上げていくということでやっていかないと。いっしょですね。うちの子供は就職したからOK、満足。しばらく安泰だわじゃない。そこから危険度が増していくと思わないと、いわゆる認識が変わらない。そのための支援として学校職員は少なくとも卒業後3年はできるのですけど、気づく前にフォローできるような支援体制が重要だと思います。

 

議題3 処遇困難事例への対応方法について(非公開)

主な内容

知的障がいや軽度発達障がいのある者の進学や就労について

男性ヘルパーの不足問題について

上記のとおり第3回地域自立支援協議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び職務代理者が署名する。

 平成20年2月29日

          会長         藤原 博惠

          職務代理者      佐藤 真澄 

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部 障がい福祉課

電話:0568-85-6186 ファクス:0568-84-5764
健康福祉部 障がい福祉課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。