平成30年度第2回春日井市いじめ問題対策委員会議事録

ページID 1018317 更新日 令和1年9月24日

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1 開催日時

平成30年11月26日(月曜日)午後3時~午後4時

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 出席者

委員

  • 中部大学 花井 忠征
  • 愛知県弁護士会 植村 元雄
  • 春日井市医師会 牧野 景子
  • 愛知県社会福祉士会 吉田 朋美

事務局

  • 春日井市教育委員会 教育長 水田 博和
  • 教育部長 松原 眞一
  • 学校教育課長 田中 芳樹
  • 同 主幹 冨澤 達成
  • 同 指導主事 篠原 秀麿
  • 同 課長補佐 大城 達也

欠席者

委員

  • 愛知県臨床心理士会 堀 英太郎

4 議題

  1.  H29年度 金品をたかられた事案について
  2.  H30年度1学期 主要事案について

5 会議資料

【資料1】平成30年度 第2回春日井市いじめ問題対策委員会資料

議題に入るまえに、次の3点について諮った。

  1. 会議の公開について
    事務局から、会議は個人情報を取り扱わないため公開とすることについて諮り、承認された。
  2. 議事録について
    事務局から、議事録は要点筆記として公開とすることについて諮り、承認された。また、議事録署名人は、委員長と委員長が指名する委員の2人になることを説明した。
  3. 議事録の署名について
    議事録署名人として、花井委員長が吉田委員を指名した。

6 議事内容

(1)H29年度 金品をたかられた事案について

【委員】
事案2について、要求を拒むと加害者が暴れたり物を壊したりする可能性を恐れてとあるが、そのような事実があったのか。
【事務局】
一般論として、様々な友人関係や学級の中で、そのような事が生じる場合はあり得ますが、今回の加害者がそうであったという報告は受けていません。
【委員】
事案1について、他市から転入の際、注意を要する子どもだったということだが、家庭的に要支援というかたちで学校間だけではなく市の関係部署間で連携するような家庭環境だったのか。
【事務局】
家庭環境というよりは、本人特有の問題であるようなので、家庭的に要支援というわけではなく、他機関も係わっていません。あくまでも学校間の申し送りで、注意深く見守ってくださいということでした。
【委員】
第1回の委員会において、いじめの問題で警察や児童相談所と連携を図ったとの報告があったが、この中ではそのような事例はあるのか。
【事務局】
今回ご報告させていただいた金品にかかわる8件の中で該当するものはありません。
【委員】
事案8について、被害者が虚偽だと告白したとのことだが、先生はどのように考えているのか。
【事務局】
空想癖というか作り話が好きな子で、よくいえば発想が豊かといえますが、トラブルメーカー的なところも見受けられるので、なかなか事実確認が難しいと感じています。
【委員】
そういうことが、以前から繰り返しあるようなお子さんなのか。
【事務局】
ここまで具体的な話はなかったようですが、学校としてもこの子の言うことをどのように受け止めるべきか戸惑いつつも、やはり事実だったときを思うときちんと対応しないといけないということで、今回も流してしまわずにきちんと事実確認をして教育委員会へ報告をしたということです。
【委員】
いくつかの事案がありますが、その中に「同じクラス」という表現がたびたび出てきている。進級時のクラス編成などにも配慮したり、その後の要観察等の対応をしているのか。
【事務局】
クラス編成への配慮や引継ぎの徹底に努めています。なお、事案を認知してから最低3か月は経過を観察するようにしており、その間に不審なことがあったら延長して観察をしていますが、単発の件については終結と扱っています。
【委員】
小学校と中学校の連携はどうなっているか。
【事務局】
学級編成等に生かすためにも、情報の共有と引継ぎの徹底に努めています。

(2)H30年度1学期 主要事案について

【委員】
事案2について、被害者から訴えがあったのか。また、初めてのケースなのか、今までに繰り替えしあったことなのか。
【事務局】
この件については初めてのケースで、被害者から先生に訴えがあったものです。
【委員】
他に被害者はいませんか。
【事務局】
同じ学校ではいませんでした。
【委員】
事案1と事案5について、もともとの関係性で心配な部分がこの友人関係にあったのか。また、被害者と加害者は男の子か、女の子か。
【事務局】
いずれも遊びの一環でやってしまったとのことでした。特に事案5は、罰ゲームがエスカレートしたとのことです。なお、いずれも男の子の事案でした。
【委員】
もともと不登校であった子は別として、事案があってから不登校に陥るケースもあると思う。事案5については、SNSでの拡散という性質上、かなり重大な件だと思うが、被害者は不登校になっていないか。また、このような事案について、市内小中学校である程度情報共有すべきと思うがどうか。
【事務局】
嫌な思いをしたと訴えることができて、早い段階で対処した結果、不登校に陥るという状況にはなっていません。
ご指摘のあったとおり、SNS上で拡散をするという行動は非常に重大であると捉えています。したがって、校長会や生徒指導担当者会等をとおして、市内全小中学校で情報共有するように努めています。
【事務局】
幸い今のところ不登校まで陥っていませんが、被害者のケアという点では、気軽に相談できる養護教諭や心の教室相談員など、また、より専門的なスクールカウンセラーさんが、被害者本人やその保護者のメンタルケアをしています。この人だったら心が開ける人と話ができる環境を整備して、傷を心に残しておかないよう配慮しています。
【委員】
事案5のSNS拡散について、春日井市では各学校で情報リテラシー教育ということは行っているのか。
【事務局】
行っています。
【委員】
年1回か。
【事務局】
計画的に、年1回というわけではなく道徳の時間や特別活動の時間を利用して、あるいは、教科指導の中でも情報モラルを扱う時間がありますので、そういった中で繰り返し指導は続けていますが、子どもたちになかなか浸透していかないという実感があります。
【委員】
それは、担任や教科担任が行っているのか。
【事務局】
小学校は担任が行っています。中学校では、担任や教科担任、警察やNTTドコモ等の外部講師、県の指導員養成講座受講者等が、学校の事情に合わせて行っています。
【委員】
教育効果をどのように考えているのか。
【事務局】
まずは子どもたちに知識を与えるという段階であり、実践力という意味では、結果このような事案が生じていますので、まだまだ充分でないと反省せざるを得ないと思います。
【委員】
先生方の努力は良く分かるが、結果報告を聞くと子どもたちの中に入っていない、表面的な部分でとどまってしまっている、子どもたち自身が自分のことに置き換えられていないのが現実だと感じる。学校だけでなく家庭での教育も重要だと感じるが、家庭向けのガイドラインのようなものを発信しているのか。
【事務局】
本市においては行っていません。
【委員】
いろいろな市で実践しているところがある。例えば、携帯を買い与える時に基本的な約束をすること、21時以降は電源を切る、携帯に入ってきた知らない人とは絶対に会わないなどである。そういった情報が意外と家庭ではルーズな面もあるので、重大な事態が生じる前に、更なる工夫をお願いしたい。
【事務局】
PTAの会報等でそのような情報を発信いただいている部分はあります。セキュリティ面で変なサイトに入らないようにしてくださいとかブロックをかけてくださいと、そういう約束は作ってくださいねと呼びかけはしているものの、まだまだ浸透していないと考えています。
【委員】
よく利用される「LINE」のようなSNSは、グループ内の人だけは見えるが第三者には見えにくく発覚しにくい。今は小学生でも、ツイッターやインスタグラムなど、どんどん知識として入ってきているのに情報モラルがそれについていかず、不用意な不特定多数への拡散という状況がある以上、より一層の情報モラル教育をお願いしたい。
【委員】
事案6の不登校傾向の児童へのからかいについて、どのくらい不登校傾向なのか。また、本人からの発信で相談員との面談が行われたのか。
【事務局】
30日以上休んだら不登校と計上していますが、そちらには計上されていません。1日2日、あるいは2~3日休むこともありましたが、通算して30日にはなっておらず、なんとか学校には来れている状況です。そういう状況のお子さんなので、担任も気にかける中で、心の教室相談員への相談に繋がった事案です。
【委員】
早期対応がうまく進んだということか。
【事務局】
そのように考えています。ただ、現在も事実確認はできていませんので、そこは課題と考えています。
【委員】
事案10について、ニヤニヤ笑うのは数名だけなのか、学級全体に波及しているのか。また、担任はどのような対応をしたのか。
【事務局】
前年度同じクラスの数人がニヤニヤと笑い、それをみた担任が、学級全体に波及しないよう、学級全体への指導をおこないました。
【委員】
事案8について、勝手に物を盗るというのはこのときだけなのか、ある程度習慣性があるのか。担任は、どの程度把握していたのか。
【事務局】
常習性があるようですが、面と向かって盗るというよりは、落ちているものを拾って勝手に自分のものにしてしまうようです。そういうことは良くないと担任は繰り返し指導するとともに、落ちているものがなくなればそういうこともなくなるのではということで、学級全体に物の管理の徹底を指導しています。
【委員】
この子は、その後別の問題を起こしているのか。
【事務局】
現在のところ、新たな問題発生の報告はありません。
【委員】
事案11について、すぐに手や足がでてしまうということだが、そのようなお子さんへ医療をすすめる時は、誰がどのような形で行われるのか。
担任から行ってこじれる事はよくないので、可能な限り第三者的かつ少し保護者よりのスタンスが取れるスクールカウンセラーなどの外部の方に相談するよう勧めています。
【委員】
このお子さんは、既に医療機関で診断を受けているのか。
【事務局】
まだ未受診です。通常学級に在籍している別のお子さんで、自分で納得する前に色んなことが進んでしまい、常にイライラして友達を蹴ったりしてしまうのを止められないと親に泣いて訴えた子がいました。それがもとで就学相談が進み、今年度の途中から特別支援学級への移籍へ進んだという事例もあるので、その子にあった就学の場を考えていくことも重要だと考えています。
【委員】
事案12について、スクール・ソーシャルワーカーが係わっているとのことだが、他のケースでスクールカウンセラーやスクール・ソーシャルワーカーが係わって、保護者や子どもに対応しているケースはあるのか。担任の先生や学年団で対応する場合が多いと思うが、もう少し広げて対応しているケースはあるのか。
【事務局】
事案12のように、家庭の問題が係わるものは学校だけでは解決できないことが多いので、スクール・ソーシャルワーカーが係わる案件になることが多いです。また、担任の先生等の教員が話を聞く中で、心のケアが必要だと判断した場合は、小学校では心の教室相談員が、中学校ではスクールカウンセラーが係ることが多いです。
【委員】
発端はいじめでも、見ていく中で別の要因が出てきて、全体を把握していく必要もあるし、加害者側の背景には、他の要因も重なっていることがあると思うので、早期の段階でスクール・ソーシャルワーカーと一緒にアセスメントが出来ればいいと思う。
【委員】
事案12で、DVを受けているのは誰か。
【事務局】
加害者側の家庭です。
【委員】
これまでの中で、保護者がうちの子はしていないと言ってこじれたケースはあるか。
【事務局】
今回報告した案件の中にも、事実確認ができていないものもあります。事実確認をする中で保護者にも話を聴きますが、本人がやっていない・覚えていないと言っている場合もありますし、保護者がうちの子がそう言っているのだからという場合もあります。そのような時は、他の人に聞くなどはしていますが、なかなか難しい現状はあります。
【委員】
そういった難しいケースは、今後の課題だと思う。
【委員】
事案14について、叩いたというのは暴力というレベルか。怪我をさせたということか。
【事務局】
悪口を言われた子が、悪口を言った子を追いかけていた時に、止めに入った子を邪魔だといって叩いたということで、怪我をするようなことはありませんでした。
【委員】
叩いた状況によっては、いじめなどに繋がることもあると思うが、今回はよく生じる喧嘩の範疇で、既に和解しているということか。
【事務局】
そのように考えている。
【委員】
事案15と16について、このような問題は、中学校では頻繁にあると思うが、そのような事が原因で長期欠席になる場合もあるのではないか。
【事務局】
長期欠席者と話をすると、本人も何が原因かはっきり言えない事が多いと感じます。可能性や背景の一つとして、長期欠席中の子どもの心の奥底にあるかもしれませんが、直接的な単純原因だけではなく、複合的な要因が重なりあっていると考えています。
【委員】
全体的に、特別支援学級生への嫌がらせなどはあるのか。
【事務局】
保護者の方からもよく相談を受けますが、実際のところ、特別支援学級に入級したからいじめられるということはありません。子どもたちは、特別支援学級の子をいじめるのはよくないと理解していますが、通常学級に在籍する特別な支援が必要な子に対しては、お前もきちんとやれという態度が出てしまうことはあります。
【委員】
特別支援学級から通常学級に転籍した場合はどうか。
【事務局】
同じクラスになったら一緒にちゃんとやろうという感じです。ハンディがあるときは助けてあげよう、かばってあげようという気持ちが子どもの中にありますが、一緒のクラスになったら同じ土俵だよねという気持ちがあるようです。
【委員】
全体的に、保護者の方や地域の方からの発信が多く、子どもたち本人からの発信が意外と少ないと感じた。このあたりが課題だと思うので、子どもたちが発信しやすい携帯電話からの相談受付などを充実させていかなければならないと思う。

上記のとおり第1回春日井市いじめ問題対策委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、委員長及び吉田委員が署名及び押印する。

平成30年12月24日

委員長 花井 忠征
署名人 吉田 朋美

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