平成29年度第2回春日井市いじめ問題対策委員会議事録
1 開催日時
平成29年11月16日(木曜日)午後3時30分~午後4時30分
2 開催場所
春日井市役所9階 教育委員会室
3 出席者
委員
- 中部大学 花井 忠征
- 愛知県弁護士会 植村 元雄
- 春日井市医師会 牧野 景子
- 愛知県臨床心理士会 堀 英太郎
- 愛知県社会福祉士会 吉田 朋美
事務局
- 春日井市教育委員会 教育長 木股 哲夫
- 教育部長 松原 眞一
- 学校教育課長 田中 芳樹
- 同 主幹 山田 勝史
- 同 指導主事 原山 格
- 同 課長補佐 大城 達也
- 同 主査 仲野 高弘
4 議題
(1)教員の指導に係る事例について
5 会議資料
なし
6 会議内容
- 会議の公開について
事務局から、会議は個人情報を取り扱わないため公開とすることについて諮り、承認された。 - 議事録について
事務局から、議事録は要点筆記として公開とすることについて諮り、承認された。また、議事録署名人は、委員長と委員長が指名する委員の2人になることを説明した。 - 議事録の署名について
議事録署名人として、花井議長が吉田委員を指名した。
7 議事概要
【課長】
本日の傍聴者はなし。
議題?教員の指導に係る事例について
【事務局】
事務局より、第1回の委員会でご指摘いただいた、教員と児童生徒の間のいじめについて、現在そのような事例は春日井市では生じていないことを説明した。その上で、行き過ぎた指導になり得る教員の指導と言う観点から、春日井市の現状として、9件の具体例を用いて説明した。
【委員】
事例のなかで、小学校と中学校の内訳を教えて欲しい。
【事務局】
3件が中学生、4件が小学生、2件は数十年前の過去の事例につき不明である。
【委員】
前回の議論を踏まえた今回の事例検討によって、前回の委員会がより意義のあるものとなったと感じている。今回報告された事例の中に、家庭と学校の関係が悪化してしまったものもあるが、悪化する前にスクールソーシャルワーカー等の活用を進めるべきだと思う。
【委員】
今回の事例は、どのようなシステムで挙がってくるものなのか。
【事務局】
学校には言えないこと、学校の対応に不満があることなどは、市教委に直接保護者等から訴えがある。その手段としては、窓口への来課、電話、メールであり、今回報告された事例は、メールで頂いたものである。なお、学校が対応した事例は、必要に応じて市教委に報告がある。
【委員】
電話での訴えは、匿名が多いのか。
【事務局】
およそ半分が匿名である。
【委員】
それらの記録は残っているのか。
【事務局】
内容を文書にして、記録を共有・保存している。
【委員】
電話での訴えについては、録音しているのか。録音は、事前に了承したものでないと、共有することが問題になる場合がある。
【事務局】
録音はしていない。聞き取ったものを、文書にしている。
【委員】
学校からの報告については、どのように市教委に上がってくるのか。
【事務局】
必要に応じて、管理職から報告が上がってくる。
【委員】
児童生徒から、直接市教委に訴えがあった事案はあるのか。
【事務局】
本年度はない。
【委員】
児童生徒は、学校に言えないようなケースもあると思うが、そのような場合の相談体制はどうなっているのか。
【事務局】
教員ではない、気軽に相談できる大人として、全小学校に心の教室相談員を配置している。その他、いじめ・不登校相談室等、電話での相談窓口も設けている。
【委員】
そういった窓口から、市教委への報告はあるのか。
【事務局】
ある。内容も把握している。
【委員】
小学校も高学年となると、いろんなことが分かってきて、心が折れて相談したい時でも、心の教室相談員は学校の一部とみなして相談しなくなる可能性があると思う。そのよう時に、他の相談窓口の情報提供はしているのか。
【事務局】
各学校で、ポスターを掲示したり、案内チラシを配布したりしている。
【委員】
大学では、誰でも目に付くように、例えばセクハラのポスター等がいたるところに貼ってある。その場で目に付くようにポスター的なものが掲示されているといいと思う。
【事務局】
中学校については、生活ノートという全員に提供しているものがあり、そこに情報を載せている。
【委員】
特別な支援が必要な子の就学時に、保護者と学校の意見が異なり、保護者が学校に不信感を覚えた事例があるが、このような場合では、保護者への丁寧な説明が欠かせない。現在は、どのような対応をしていているのか。
【事務局】
普通学級でできる支援や懸念される事項、特別支援学級でできる支援や懸念される事項を説明したうえで、必ず保護者の同意を得て入級学級を決めている。春日井市の特徴として、専門人員を配置して、幼保の年中から年間を通して就学相談できる体制を設けている。この体制により、困難な事例では、最大2年かけてじっくり取り組んでいる。
【委員】
重度の障害を抱えている子どもも、普通学級で受け入れているのか。
【事務局】
保育園のときのような、マンツーマンの対応を求めてくる場合もあるが、普通学級ではマンツーマンの対応は困難であり、支援できる範囲が限られてしまう。特別支援教育支援員を導入しているが、必要としている児童は市内に100人以上いるのに対し、現在の配置は19人である。就学相談時に、このような普通学級でできる範囲の支援を示し、ご理解を得られれば受け入れている。しかしながら、結果として、年度途中での普通学級から特別支援学級への転籍も発生している。
【委員】
学校で生じる問題等は、学校が見つけるのか、スクールソーシャルワーカー等の外部専門家が見つけているのか。
【事務局】
基本的には、学校が見つけることが多い。
【委員】
今回の事例では、保護者対応の結果がでているだけで、子どもたちがどうなったのかが見えてこない。
【事務局】
頭髪指導の事例においては、学校が保護者と生徒の話しに耳を傾けて様子をみつつ指導を繰り返した結果、約1年後、生徒は自らの誤りを認め、学校の指導を受け入れることになった。
【委員】
問題が発生したことで、転校するようなケースはあるのか。また、年度途中でクラス替えをするようなケースはあるのか。
【事務局】
本年度は、転校のケースはない。クラス替えは、年度替りで配慮することがある。
【委員】
行き過ぎた指導という観点から、教師への研修等はどのように取り組んでいるのか。
【事務局】
市教委が実施している2年目経験者研修において、本年度から、アンガーマネジメント研修を実施しており、これからも継続して実施していく予定である。また、管理職を対象とした研修においても、既に同様の研修を取り入れているので、研修成果を、校内での研修に役立てていく。
【委員】
指導の結果、子どもがどうなったのかということも含めて、解決したといえるところまで対応するとともに、市教委は、そのような事例を学校と共有しながら、学校を支援して欲しい。
【課長】
多面にわたりご意見を頂きありがとうございます。本日得たご意見を参考に、今後のいじめ対策を進めていきます。
上記のとおり第2回春日井市いじめ問題対策委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、委員長及び吉田委員が署名及び押印する。
平成30年1月5日
委員長 花井 忠征
署名人 吉田 朋美