平成29年度第1回春日井市いじめ問題対策委員会議事録

ページID 1018318 更新日 令和1年9月20日

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1 開催日時

平成29年8月28日(月曜日)午前10時~午前11時30分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 出席者

委員

  • 中部大学 花井 忠征
  • 愛知県弁護士会 植村 元雄
  • 春日井市医師会 牧野 景子
  • 愛知県臨床心理士会 堀 英太郎
  • 愛知県社会福祉士会 吉田 朋美

事務局

  • 春日井市教育委員会 教育長 木股 哲夫
  • 教育部長 松原 眞一
  • 学校教育課長 田中 芳樹
  • 同 指導主事 冨澤 達成
  • 同 指導主事 佐藤 幸子
  • 同 指導主事 原山 格
  • 同 課長補佐 大城 達也

4 議題

(1)春日井市のいじめの現状並びに対策状況について

5 会議資料

6 会議内容

  1. 委嘱状交付
    会議に先立ち木股教育長から新規委員に委嘱状を交付した。
  2. 委員長選任
    委員の互選により花井委員を委員長に選任し、委員長が植村委員を副委員長に指名し承認された。
  3. 会議の公開について
    事務局から、会議は個人情報を取り扱わないため公開とすることについて諮り、承認された。
  4. 議事録について
    事務局から、議事録は要点筆記として公開とすることについて諮り、承認された。また、議事録署名人は、委員長と委員長が指名する委員の2人になることを説明した。
  5. 議事録の署名について
    議事録署名人として、花井議長が堀委員を指名した。

7 議事概要

【課長】
本日の傍聴者は2名。(1名は途中入室予定。)

議題(1)春日井市のいじめの現状並びに対策状況について

【委員】
スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの担当地域は、どのように分けているのか。また、その重なりはどのようになっているのか。
【事務局】
本年度、スクールソーシャルワーカーは5人配置しており、その得意分野、学校規模、特徴等を見極めながら、一人3中学校区を担当するように配置しています。担当の中学校区が近隣になることよりも、スクールソーシャルワーカーの得意分野と学校の特徴が合うことを優先しています。また、スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーの連携の重要性、小学校から中学校まで同じ相談者に相談できる体制と言う観点から、中学校区で同じスクールカウンセラーが配置できるように進めています。
【委員】
市が任用しているスクールカウンセラーと県が任用しているスクールカウンセラーの連携はどうなっているのか。
【事務局】
昨年より、合同研修会を開催し連携を深めています。
【委員】
合同研修会に参加する、県任用のスクールカウンセラーへの謝礼はどうしているのか。
【事務局】
市の基準により、市の予算で支払っています。
【委員】
合同研修会には、何人の県任用スクールカウンセラーが参加したのか。
【事務局】
本年度6月に開催した合同研修会には、約6割の県任用スクールカウンセラーの方が参加しています。なお、本年度は、昨年より1回増やして、年2回の合同研修会を実施する予定です。
【委員】
県任用スクールカウンセラーは、非常勤待遇のため、1年単位で予定が決まる。早めに合同研修会の日程を連絡すれば、参加者が増えると思う。
【事務局】
参考にさせて頂きます。
【委員】
春日井市では、いじめの解消の定義があるのか。
【事務局】
市で統一的な基準はなく、各学校で個別に判断しています。概ね、加害者が謝罪し被害者が謝罪を受け入れること、受け入れた後の経過観察を通して、被害者が大丈夫、安心できると言うことで解消とすることが多いです。
【委員】
経過観察の期間は、全て学校が対応しているのか。
【事務局】
いじめ発見時に、他の相談関係者が関わることはありますが、経過観察時に、他の相談関係者が関わることは少ないです。但し、発達障がいを抱えている子ども等、繰り返しいじめを受けることが多い傾向にある子どもに対しては、養護教諭やスクールカウンセラー等と連携することもあります。
【委員】
いじめ解消後に、ぶり返されることはあるのか。
【事務局】
あります。
【委員】
発達障がい等を抱えて繰り返し受けるいじめは、長期化・潜在化することが多いと感じる。解消後も安心せず、見守る必要がある。
【委員】
アンケートの活用法について。過去の経験から、いじめ自殺を選択する子どもほど、アンケートに正直に記載しないことが多いと感じている。そういった子どもに対するアプローチが重要である。アンケートの裏にあるものを掘り起こすためにも、その活用が大変重要であるが、どのように活用しているのか。
【事務局】
学校ではアンケートに記載しづらいこともありますので、自宅記載で提出等、可能な限り配慮しつつ、アンケート実施後に、教育相談という個別の10分ほどの面談で活用しています。また、思い出すために記載できないという事もあるので、記載されていないから大丈夫ではないことを現場に指導していきます。
【委員】
アンケート内容、実施方法で基準があるのか。
【事務局】
アンケートの実施については各学校に要請しているものの、その内容や実施方法等は、各学校で個別に判断し実施しています。
【委員】
アンケート後の会話等から、いじめの兆候が分かる場合もあるので、アンケートを実施した後が重要であると、現場の教師に伝えてほしい。
【委員】
普段接する子どもたちを見ていると、春日井市は比較的、教師に言いやすい環境にあるのだと感じている。一方で、子ども同士ではなく、教師と子どもの間の問題については、把握しているか。
【事務局】
保護者等から、教師の指導が厳しいと言う声を頂くことはありますが、その都度、学校長と情報共有して対応しています。万が一、教師による子どもへのいじめを把握したときは、校長、市教委による指導は当然行いますが、現在、教師が子どもをいじめるという事案は把握していません。今後もそうのような事案が発生しないように、昨年よりアンガーマネジメントの研修を導入するなど、未然防止を図っています。
【委員】
指導といじめ・体罰の線引きは難しい。文部科学省より様々な通知も出ているが、具体的な事例に基づいた研修等をしているのか。
【事務局】
毎月、各学校の幹部教師が集まる会合がありますので、そこで実際に生じた事案を示し共有することで、線引きを揃えるよう努めています。
【委員】
いじめ発見のきっかけが、全国と比較すると、本人や保護者からの訴えが多く、これは、教師に言いやすい環境があるということか。
【事務局】
中身を具体的に分析しているわけではありませんが、教師、子ども、保護者との間に良好な関係があるのではないかと考えています。
【委員】
特別な支援が必要な子どもに、支援方法を模索する中で、指導が厳しくなり、耐えかねた子どもが転校した事案を知っているが、そのような場合、春日井市でも転校を認めているのか。
【事務局】
現在、春日井市ではそのような事案は発生していませんが、子ども同士のいじめにより、転校が必要と判断した時は認めています。
【委員】
資料2に記載されている各種いじめに関する数字は、子ども同士のいじめに関わるものだけか。
【事務局】
その通りです。
【委員】
教師から子どもへのいじめについては、何か調査されているのか。
【事務局】
していません。
【委員】
教師から子どもへのいじめは、ないと考えてよいのか。
【事務局】
厳しい指導への受け止め方はいろいろあると思いますが、故意に悪意を持って、子どもと接する教師はいないと信じています。
【委員】
一宮や大阪では、教師によるこどもへのいじめが疑われる事案も発生している。これを他山の石として、現場の先生は襟を正してほしい。
【教育長】
困難な保護者対応として、他市に先駆けて導入したスクールソーシャルワーカーですが、役割を固定せず、子どものためにできることをしてほしいと伝えており、チーム学校の一員として、学校に新たな風を運んでくれています。このような取組みを通して、学校も、改善すべき点は改善していこうと考えています。
【委員】
資料2の10ページに記載されている通り、いじめの発見は、学校より学校外からの情報が多く、これは全国的にも同じ傾向である。そういった情報を逃さないために、今後の対策はあるのか。
【事務局】
学校外の相談窓口として、市教委ではいじめ・不登校相談室、市でも子ども・若者総合相談等、各種窓口を設置しており、まずは、このような窓口との連携を進めていきます。
【委員】
学校には言いにくい子どもたちの声を受け止めること、夜間にSOSを出す子どもたちの声を受け止めることへの対応も必要になってくると思う。
【事務局】
具体的に検討しているわけではありませんが、そのような役割を担える、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等、各種外部相談者は、毎日学校に行っているわけではありません。一方、スクールセーフティサポーターは、学校配置のため、毎日学校に行っています。毎日学校に行くことで、当該校の子どもたちと、教師とは異なる人間関係を構築することができ、教師には言いにくいことも言われるようになっています。一つの方策として、各種外部相談者の学校への常勤配置というものが考えられると思います。
【委員】
外部情報や些細な情報をいかに吸い上げ、学校全体で共有するかが重要であり、そのためにも校内の風通しが良くないといけない。例えば、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等の外部相談者が、どの程度校内に浸透しているかと言う意味で、校内会議への参加等はあるのか。
【事務局】
本年度5人に増員されたスクールソーシャルワーカーについては、各種研修会や定期幹部会への出席を通して、認知向上に努めています。現在は、校内いじめ・不登校対策委員会等にも参加するようになってきています。
【委員】
校内風通しの良さというのは、教師のメンタルヘルスにも関わってくると思うが、春日井市内の教師の休職状況、学級運営が困難になっている状況はどうか。
【事務局】
本年度については、学級崩壊してしまっているという状況はありませんが、その心配があるということで、2学期より、3校に県の非常勤講師が加配されます。なお、市としても、少人数指導等のために83人の非常勤講師を配置していますが、指導困難学級がある場合には、多めに配置するなど、未然防止に努めています。また、学校での問題が原因で休職している教師が、本年度は1人います。
【委員】
発達障がい等を抱えて、特別な支援が必要な子どもへの支援状況はどうか。
【事務局】
未就学児への就学相談を実施しており、小学校への入学をスムーズにすべく、学校と事前に支援の方法等について話し合う場を設けています。また、通級指導教室も、昨年より1クラス増の9クラスで実施しているほか、巡回指導で実施しているため、就学校で指導を受けれるようにしています。特別支援教育支援員は、昨年より3名増の19人を19校に配置しています。
【委員】
いじめの定義を、各自治体が工夫して解釈していると思う。基本、いじめは子ども同士というのがあるかもしれないが、春日井市独自の解釈として、いじめというか厳しい指導というか線引きは難しいが、そのような事案も汲取る方法を検討するといいかもしれない。また、スクールカウンセラー等は、個人の力量に追う部分が大きい。雇用主は県や市であるものの、学校長の管理課の下で活動しており、学校長が評価する仕組みがあるので、率直に意見を出してほしい。
【委員】
教師からのいじめという件で、2事案紹介したい。いじめという言葉が適切かどうか分からないが、宿題をほぼやってこない子どもが、ノートに死にたいと記載した時に、先生からその言葉に赤線で?と返事され、苦しんだ子どもがいる。また、部活動を辞めるのが非常に大変で、不登校になってしまった子どもがいる。このような事案が身近で発生していることを知ってもらいたい。
【事務局】
若い教師が多く、苦しんでいる子ども達に寄り添った対応と、寄り添いすぎて甘えにならないよう頑張らせたいとの兼ね合いが難しいですが、本日頂いた意見を参考に、子ども達が気持ちよく学校生活を送れるよう支援していきます。
【部長】
多面にわたりご意見を頂きありがとうございます。ともすれば、市教委は学校側からしか物事が見えていないこともありますが、皆様方から、子ども側からみた意見を頂いたので、本日得た今までとは異なる視点を参考に、今後のいじめ対策を進めていきます。

上記のとおり第1回春日井市いじめ問題対策委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、委員長及び堀委員が署名及び押印する。

平成29年9月11日

委員長 花井 忠征
署名人 堀 英太郎

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