令和元年度第2回春日井市いじめ問題対策委員会議事録

ページID 1019394 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

令和元年11月25日(月曜日)午後2時30分~午後3時40分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 出席者

委員

  • 中部大学 花井 忠征
  • 愛知県弁護士会 植村 元雄
  • 春日井市医師会 牧野 景子
  • 愛知県臨床心理士会 堀 英太郎
  • 愛知県社会福祉士会 吉田 朋美

事務局

  • 春日井市教育委員会 教育長 水田 博和
  • 教育部長 松原 眞一
  • 学校教育課 課長 大城 達也
  • 主幹 冨澤 達成
  • 指導主事 兒島 靖
  • 指導主事 坂田 安男
  • 課長補佐 長谷川 英輝

4 議題

議題(1) 春日井市のいじめ認知事例について

5 会議資料

   資料2 令和元年度 第2回春日井市いじめ問題対策委員会資料

6 議事内容

議事に先立ち、教育長の挨拶を行った。
また、次の項目について諮問及び報告を行った。

  1. 会議の公開について
    事務局から、会議は個人情報を取り扱わないため公開とすることについて諮り、承認された。
  2. 議事録について
    事務局から、議事録は要点筆記で委員全員の確認、議事録署名人は、委員長と委員長が指名する委員の2人とすることについて諮り、承認された。
  3. 傍聴者について
    事務局から、傍聴者1名との報告を行った。
  4. 議事進行について
    事務局から、規則に基づき議事進行は委員長が議長として行うことを報告した。
  5. 議事録の署名について
    議事録署名人として、花井委員長が堀委員を指名した。

(1) 春日井市のいじめ認知事例について

【事務局】
資料2に基づき説明。
【植村委員】
事例10について、当該生徒は最終的にバレー部か吹奏楽部のどちらに入部したのか。
【事務局】
最終的な把握はしていません。
【牧野委員】
同種の事例が発生することなく、3か月が経過したことにより解消と判断した事例については、当該児童生徒への積極的な確認により判断しているのか。継続している等の報告を受けていないことを理由に判断しているのか。どちらの方法で判断しているのか。
【事務局】
学校が行う一般的な判断方法は、教員が当該児童生徒の教室や放課などの過ごし方を確認するとともに、定期的な声掛けにより確認を行う等が挙げられますが、今回紹介した事例に関して、各学校が解消と判断するために行った確認方法の詳細は、把握していません。
【花井委員長】
事例発生がない状態で3か月経過した場合に、いじめが解消と判断しているが、何を基準としているのか。
【事務局】
文部科学省が定義しているいじめの解消は、いじめ行為が止んでから3か月が経過し、被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないと確認できた場合としていることから、これに準じた判断をしています。
【花井委員長】
5月や6月に発生した事例では、3か月の経過途中に夏休みがある。この場合、教員は夏休み中も対応を継続しており、その期間を含めて3か月経過と判断しているのか。又は、夏休み期間中を除いて3か月経過と判断しているのか。どちらの考え方で判断しているのか。
【事務局】
夏休み期間中を除いて3か月経過と判断しています。
【花井委員長】
夏休み期間中に児童生徒が登校する機会は少ないものの、夏休み期間は、児童生徒にとって不安定な期間であると考えられる。そのような期間を除いて3か月と判断することには懸念が残る。
【事務局】
教育委員会としては、夏休み前の校長・教頭会議において、不安定な児童生徒は、夏休み期間中であっても状況確認を行うよう指示しています。今回の事例については、詳細の確認は行っていないものの、状況に合わせて指示に基づいた対応を行っていると考えています。
【花井委員長】
不安定な児童生徒については、3か月の経過途中における夏休みについても、必要であると判断されれば何らかの対応を行っており、今回の事例についても、状況に合わせた判断を行っていると理解した。
【吉田委員】
事例9では、5年生時にも同様に事例があったとある。小学校在校中の期間であれば、進級時の引き継ぎも問題なく行うことができると考えるが、中学校へ進学する場合に、解消事例を含むいじめの事例について、小中学校の情報共有はどの程度まで行われているのか。
【事務局】
小中学校の情報共有は緊密に行われていますが、解消した事例については、引き継がれていない場合もあります。しかし、引き継ぎの対象は、学校生活に不安が残る児童の場合が多く、中学校入学時の学級編成を配慮するうえでも、必要な情報であれば、解消した事例についても共有を行っています。
【吉田委員】
中学校で発生したいじめが、小学校在校中に解消したいじめの事例と関係しているといった状況も考えられるため、より緊密な情報共有を行うことが望ましい。
【堀委員】
事例7と11について、保護者へ連絡を行っていないと説明を受けたが、いじめられた側といじめた側双方の保護者へ連絡を行っていないのか。そうであれば、その理由は何か。
また、本日説明を受けた14の事例以外に、対処が後手に回り、いじめられた児童生徒が不登校になったり、転校を余儀なくされたり、保護者と学校の関係が悪化し、教育委員会へ直接訴えに来たりするような事例はあるか。
事例10について、教員が、生徒の部活変更を見逃すことなく理由を確認した行動は、いじめを発見するきっかけとして非常に重要であることから、各学校に周知し参考とすべきと考える。また、いじめ対処の進捗状況について、教育委員会が定期的に確認することで、いじめられた児童生徒が、学校に加え、教育委員会も自身のことを考えてくれているという安心感も与えられると考える。
【事務局】
事例7及び11について、いじめた児童生徒の保護者への連絡は行っていません。詳細は確認していませんが、事例7については、クラス全体がいじめについて考え、その中でクラス全体として謝罪し、反省した機会と捉え、保護者への連絡をしていないと考えられます。事例11については、いじめられた生徒が謝罪を求めていなかったことから、保護者への連絡をしていないと考えられます。ただし、いじめられた児童生徒の保護者への連絡については、本日説明した全ての事例で行っています。
次に、いじめられた児童生徒が数日欠席する場合はあると考えますが、不登校になってしまう事例は重大事態となり、本委員会の調査対象となることから、現状では発生していません。
また、保護者が教育委員会へ直接訴えに来る事例はあります。その内容は、いじめた児童生徒の保護者からは、なぜ自身の子ばかり指導を受けるのかという訴えが多く、いじめられた児童生徒の保護者からは、いじめが継続して困っているという訴えが多くあります。
統計を取ってはいませんが、多くの事例の背景には、発達障がいなど、児童生徒自身が抱える困難さがあるのではないかと考えています。いじめている意識はなくても、発達上の問題で手が出てしまい、それを周囲がいじめと認知して指導を受けてしまう。それでも自身を抑制できずに手が出たり、暴言を言ったりすることから、なかなか解消に至らない場合があります。そのような場合は、学級に特別支援教育支援員を配置して支援体制を構築したり、各学校の判断により、授業のない教員が、支援や見守りを行ったりして対応しています。
いじめ対処の進捗状況を、教育委員会が定期的に確認することについては、いじめが表面上止んでいても、気づかないところで進行している場合もあることから、委員の意見を参考に、必要と判断された事例については確認を行います。
【堀委員】
いじめられた保護者への説明は、非常に難しく、いじめられた児童生徒が連絡してほしくないと訴える事例は多い。その場合に学校は、本人を説得して保護者へ連絡するか、本人には伝えずに保護者へ連絡するか、保護者へ連絡しないか、児童生徒が学校へ訴えてよかったと思える対応を行うことは非常に重要である。
また、学校がどれだけ丁寧な対応を行っても、双方の児童生徒と保護者が納得のいく結果とならない事例もある。順調に解消した事例だけでなく、解消までが困難であった事例を通して対応を省み、より適切な対応について検討を重ねていくことも必要である。
【事務局】
今後の参考にさせていただきます。
【牧野委員】
発達上の問題については、理解のある保護者であるかどうか、児童生徒が医療を受けているかどうかで、状況や考えは様々であるとともに、教員側の理解や受け止め方も多様であることから、対応が非常に難しくなる場合があると考える。
自身が困っていることを伝えることが苦手な児童生徒もいる。後がない覚悟を持って、伝えることができた児童生徒は、確実に認知し、対応して欲しい。
【事務局】
認知したいじめは、一生懸命対応していかなければならないと考えています。また、自身が伝えることができず、表面化しないいじめを気づくことも重要であるため、教育相談やアンケートなど、児童生徒が訴える機会を作っていますが、SNS内で発生するいじめのように、気づくことが困難な事例への対応が大きな課題と考えています。
【花井委員長】
学校がいじめを認知した場合、どのような状況や時期で教育委員会へ報告されるのか。また、報告を受けた場合に、教育委員会は学校へ状況確認を行っているのか。
本日説明を受けた事例の中には、軽微と感じる内容までいじめとして認知しているものが見受けられ、学校がいじめに対して神経質になっているのではないかと考える。生活指導や道徳教科の中で児童生徒自身が考え、解決できる事例もいじめとして認知し、学校主導で解決しているように見受けられる。このような状況は、反対に人間関係のこじれや事例の拡大につながるのではないかと懸念するが、全体の均衡を考えて学校は対応しているのか。
自分達の問題を自分達で解決する力の獲得は、非常に大切である。昨今、その力が弱まっており、大人が介入せざるを得ないことが多くなっており、それが大学生になっても発生しているため、義務教育の中でも対応を考えてもらいたい。
また、SNSのいじめ問題に関して、非公開の情報内はともかく、フェイスブックなどの公開された情報に、名前やアドレス等の個人情報を記載し、それが原因でいじめに発展することも多い。情報リテラシー教育は行っていると思うが、児童生徒がどのような人間関係や環境の中でSNSを利用しているのか、学校としても注意深く見守っていく必要があると考える。
【事務局】
重大事態を除く、本日の説明と同様の事例については、毎月の定期報告で学校から文書で報告されます。状況によっては学校へ確認を行いますが、学校内での指導が適切な事例や、保護者の理解が得られる事例については、学校の責任で対応しており、事例の困難さに応じて教育委員会と学校で情報共有をしています。しかし、報告される内容は概要であることから、教育委員会としてもより具体的な内容を把握する必要があると考えており、学校から報告するべき情報の再検討を始めています。検討後は、教育委員会が把握する情報が具体的となり、学校に対して同じ目線で指導や相談ができると考えています。
また、学校生活の中では、児童生徒同士で解決しなければならない問題は多々あります。また、解決することで児童生徒自身の成長を促すことを学校は十分理解しています。しかし最近では、保護者に対して、様子を見るよう説得することが困難な時勢になっており、実際に保護者からの訴えがあると、学校としては介入せざるを得ないのも実情です。
インターネット上のいじめについて、SNSのように非公開の中では、発見が困難な状況であることから、教育委員会としては、インターネット上のいじめで困っている児童生徒自身が、困っていると訴える仕組みをインターネット上で構築することが必要であると考えて、現在検討を進めています。
【植村委員】
いじめに至る背景や原因の把握は、対応方法の検討に重要な要素となるが、学校から教育委員会への報告事項に含まれているのか。
【事務局】
人が人を傷つける理由は、対象者が嫌いという場合もあれば、自身のストレスを発散するためという場合もあります。多くの場合は、家庭生活や学校生活などにおいて、いじめる児童生徒が何らかのストレスを抱えており、それを他者に向けて発散することが背景にあると想像できますが、その他様々な要因もあることから、背景や理由の把握は困難であると考えています。このため、学校が児童生徒の変化を素早く発見し、声掛けなどを行うことが重要であると考えています。
また、教職員が児童生徒へ話しかける言葉や内容が、いじめを誘発する場合もあるため、教職員研修の中で、児童生徒の性格を把握し、それに合わせた適切な言葉や内容を選択するよう指導しています。
【吉田委員】
中学校は、学年指導や部活動など、複数の人が生徒や保護者に関わる環境にあるが、小学校は学級指導が主となるため、どのようにして複数人での対応を行っているか。
【事務局】
小学校は、担任が児童に接している時間が長いことから、学校としては、担任が児童を最も理解しているという前提で対応します。児童の情報については、各学校に設置されるいじめ・不登校対策委員会により、校長を始めとした各教員に共有されます。しかし、担任以外の教員が、当該児童と関わる機会は多くないことから、担任と同等の情報量の共有はできていないのが現状です。このため来年度は、いじめ対策が主目的ではありませんが、小学校でも中学校と同様に複数人の教員が児童に関わる制度を試行的に実施することを検討しており、副次的な効果として、複数の教員でいじめに対処することが期待できます。また、その結果の検証と評価内容により、その後の全校への展開についても検討していく予定でいます。


その他(事務局からの報告)

【事務局】
本市では、重大事態発生時に、教育委員会が策定した「いじめ防止基本方針」と、各学校で策定した「学校いじめ防止基本方針」に基づき対処しますが、実際に重大事態が発生した場合に、適切に対処できるかの検証ができていません。このため、令和2年度中に、検証を行い、より実効性の高い内容とするための整備を検討しています。委員の皆様は、実際に重大事態の調査を行った方など、各分野で見識の深い方々ばかりですので、整備における支援をいただきたいと考えています。また、その内容や進捗について、令和2年度のいじめ問題対策委員会の中で諮問したいと考えています。詳細は、決定次第報告します。

上記のとおり第2回春日井市いじめ問題対策委員会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、委員長及び堀委員が署名及び押印する。

令和元年12月20日

委員長 花井 忠征
署名人 堀 英太郎

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