令和4年度 第2回 春日井市環境審議会議事録
1 開催日時
令和4年9月1日(木曜日) 午後2時~午後3時30分
2 開催場所
文化フォーラム春日井 2階 会議室
3 出席者
- 委員
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山羽 基
幅上 茂樹
趙 偉
橋本 啓史
菱川 一馬
森 一也
村上 寿美恵
二宮 久夫
田中 穣
櫻井 千明
- 事務局
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環境部長 大橋 弘明
環境政策課長 堀尾 悦嗣
同課長補佐 谷本 俊二
同環境推進担当主査 冨田 祐司
同主任 島戸 紫野
同主事 益永 翔平
エヌエス環境株式会社※ 土肥 久人
エヌエス環境株式会社※ 間宮 貫
エヌエス環境株式会社※ 萩原 泰洋
エヌエス環境株式会社※ 橋本 浩一
※春日井市再生可能エネルギー導入目標策定支援業務受託業者
4 議題
- 地球温暖化対策実行計画の改定について
- その他
5 会議資料
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資料1 再生可能エネルギー導入ポテンシャル (PDF 649.0KB)
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資料2 温室効果ガス排出量の現状 (PDF 533.4KB)
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資料3 春日井市における温室効果ガス排出量の将来推計 (PDF 590.2KB)
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資料4 温室効果ガス排出量の削減目標案、再生可能エネルギー導入目標案 (PDF 60.4KB)
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資料5 春日井市将来ビジョン及び脱炭素シナリオ (PDF 448.7KB)
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資料6 春日井市地球温暖化対策実行計画(2019~2030)の改定(案)の構成について (PDF 286.2KB)
6 議事内容
(1) 地球温暖化対策実行計画の改定について
【益永主事】
資料1、2に基づき、再生可能エネルギー導入ポテンシャル、温室効果ガス排出量の現状について説明。
【幅上委員】
再生可能エネルギー導入ポテンシャルは100%達成できるものなのか。現実的に可能なレベルなのか。
【谷本課長補佐】
ポテンシャル調査につきましては、理論的に引き出せる値になりますので、最大限100%利用となると、なかなか難しいと考えています。また、再生可能エネルギーを最大限導入した場合、計算上カーボンニュートラルになり得ないことが今回の調査でわかりました。
【幅上委員】
ポテンシャルを超えて何かを達成しないと、目標は達成されないということか。
【谷本課長補佐】
お見込みのとおりです。再生可能エネルギーだけでは達成が難しいため、その他の施策を考えていきたいと思います。
【山羽委員】
資料1表2の地中熱とは、地表面の温度に対して地下の温度が高かったり低かったりするのを利用できたらという意味の数字か。
【エヌエス環境株式会社】
お見込みのとおりです。地上と地中の温度差を利用し、一般的には空調に利用するという意味での導入ポテンシャルとなります。
【田中委員】
太陽熱と地中熱の算出方法はどのように行うのか。
【エヌエス環境株式会社】
太陽熱に関しては、建物や土地の面積から太陽熱利用できるものを算出しています。地中熱に関しては、春日井市の地面において、どれだけ利用可能な熱があるか、どちらも環境省のREPOSのデータを参考にして掲載しています。
【田中委員】
太陽光と太陽熱は重複しないか。また、地中熱とはどうか。
【エヌエス環境株式会社】
重複します。太陽光と太陽熱を両方使用するという想定ではありません。地中熱に関しては理論上重複しません。
【田中委員】
排出量の再計算をしているが、国の決めた計算方法は毎年変わるものなのか。
【谷本課長補佐】
計算の方法は毎年変わるものではありません。毎年度、値が更新されないデータ等がありましたので、それをより実態に即した形で合わせるように、計算方法を見直しております。
【堀尾課長】
新しい計算方法で算定した以降も、国のエネルギー統計等の見直しがありますと、計算方法が変更されたり、用いる係数が変更されたりする場合があると考えております。
【田中委員】
算定で用いる係数等は定期的に変わるものなのか。
【谷本課長補佐】
定期的に変わるものではありません。
【堀尾課長】
これまで現行計画の中で、国の数字が変わったことがありました。その場合は、基準年度まで遡って計算し直すことなく、年度毎数字を反映させるという形をとっています。
【橋本委員】
太陽光の導入ポテンシャルに関して、導入コストは加味されているか。
【谷本課長補佐】
加味されていません。単純に屋根にどれだけのせられるかを計算しているので、どれだけ可能性があるかということを表しています。
【谷本課長補佐】
資料3、4に基づき、春日井市における温室効果ガス排出量の将来推計、温室効果ガス排出量の削減目標案、再生可能エネルギー導入目標案について説明。
【幅上委員】
国の削減目標というものは、市町村ごとにその目標を達成しなければならないのか。地域により有利、不利あるため、春日井市で目標達成しなくても、別の地域等と一体になって目標達成した方が、効率がいい可能性もある。
【谷本課長補佐】
日本全体で46%削減する中で、春日井として何ができるかというところで、再生可能エネルギーを導入することに加え、他の地域との連携等も考え、日本全体として46%削減できるような施策を行いたいと考えております。
【幅上委員】
最初から少し広域なところでの目標を設定した方が、効率よく達成できるのではないかと思う。そのような視点が盛り込まれる可能性はないのか。
【谷本課長補佐】
春日井市で再生可能エネルギーを最大限導入することに加え、他の地域との連携等も含めて、施策として提示したいと考えております。
【菱川委員】
説明の中に電力の排出係数の話が出たので参考に補足させていただく。国の方で、最新の数字がアップデートされて、2030年度は0.25kg-CO2/kWhとなっている。この数字は、いわゆる電気の供給者だけが排出削減に取り組むということではなく、政府や事業者、国民の協力により実現することが前提という性質の数字である。参考としてお伝えした。
また、国の指針で、促進区域を設定する話があったと思うが、春日井市が促進区域を検討しているかなどの過程と結論を盛り込んではどうか。
【谷本課長補佐】
排出係数の補足について、ご説明ありがとうございます。
脱炭素先行地域につきましては、2050年カーボンニュートラルに向け、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現し、そのほかの温室効果ガス排出削減についても、国の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域となります。春日井市では、先行地域となり得るところは今のところないという認識をしていますが、今後検討していきたいと考えています。
【森委員】
資料4の2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標案は中位ケース、高位ケースがあるが、2050年度の目標は掲げないという理解でいいか。
【谷本課長補佐】
地球温暖化対策実行計画の計画期間は2030年度までということで、2030年度までの目標を示しています。
2050年度に関しましては、再生可能エネルギーの最大限導入を目指していくことに加え、市域だけでは、カーボンフリーを達成できないため、他の地域との連携など、再生可能エネルギーの導入以外の施策を講じ、2050年度にはカーボンフリーを達成するという目標としたいと考えています。
【山羽委員】
2050年度に実質ゼロを目指す認識でいいか。
【谷本課長補佐】
はい。2050年度を見据えた上での、2030年度の目標となります。
【山羽委員】
資料3の11ページの高位ケースの2050年度の縦軸の5,104.8という値が、再生可能エネルギーを最大限導入したときのエネルギーという認識でいいか。
【谷本課長補佐】
はい。
【山羽委員】
愛知県は何か動きがあるのか。
【谷本課長補佐】
愛知県も春日井市と同じように県の地球温暖化防止戦略を改定中であり、2030年度に温室効果ガス排出量を46%削減するという計画になろうかと思います。
【田中委員】
資料4表2について、2030年度の目標値をバックキャスティング方式で逆算して出していて、現状はこれでいかざるを得ないと思うが、示された18.7%、39.5%という数字の実現性について、ある程度見通しが立ってるのか。
【谷本課長補佐】
春日井市として、一つは国の目標と同じ46%削減、もう一つは、2050年度に最大限再生可能エネルギーを順調に導入していった場合に、2030年度の削減量が49.3%になるという二つの目標を示しています。
再生可能エネルギーの導入につきましては、資料4表2の下段のとおり、それぞれ18.7%相当、39.5%相当の再生可能エネルギーの導入が必要であるという結果となりました。
春日井市として、18.7%もしくは39.5%の再生可能エネルギーを導入するというのは、どちらもかなり高いハードルだと考えております。その中で、再生可能エネルギー導入以外でも、複合的に施策を講じ、目標を達成していきたいと考えます。
【山羽委員】
再生可能エネルギーだけが唯一の解決方法ではないということで、18.7%、39.5%が一つの目安となるという認識でいいか。
【谷本課長補佐】
はい。再生可能エネルギーの導入だけではなく、その他の施策も検討して実行してきたいと考えております。
【山羽委員】
資料1の6ページに、市有施設におけるポテンシャルとあるが、これが全体の約3%になるということで、先ほどの18.7%や39.5%の中の3%と理解していいか。
【谷本課長補佐】
全体のポテンシャル調査に関しては、環境省のREPOSと市独自の計算で算出しており、市有施設のポテンシャルにつきましては、延べ床面積に係数を掛けて算出していますので、計算方法は異なります。一つの目安として、市域全体の約3%程度を市有施設での再生可能エネルギー導入によって、担える可能性があるということを示しています。
【橋本委員】
春日井市の温室効果ガスの森林の吸収分を計算して、どのぐらいカーボンニュートラルに近づくかを評価してはどうか。
【谷本課長補佐】
森林の吸収源に関しましては、愛知県全体で見てもかなり少ないと試算されているため現状計算に入れていませんが、春日井市にも計上されてない部分があるのかについて検討したいと思います。
【山羽委員】
森林の開発とかになると、春日井市だけの問題でなく、広域的な可能性が考えられるかもしれない。
【谷本課長補佐】
カーボンオフセットということで、他の地域の間伐に対して、吸収源として見るなどの考え方もありますので、市域外も含めての吸収源の対策も重要になると考えております。
【山羽委員】
資料3表2の変化率は、コロナの影響は考慮されているのか。
【エヌエス環境株式会社】
過去から2019年度までの温室効果ガス排出量に、関連する人口や従業員数の活動量を計算の元として使っており、2019年度のデータが最新になりますので、コロナ影響はそれほど大きくはないと考えられます。
【田中委員】
話が戻るが、資料4の18.7%がどのくらいの数字なのかわからない。世帯数の場合、どのぐらいの比率で太陽光を導入する必要があるかとか、他の行政の掲げている数字と比べてどうかなどがないと、この数字だけでは判断が難しい。
【谷本課長補佐】
資料4表2で、18.7%を示しているところであり、資料1の3ページで、各区分の再生可能エネルギーの導入ポテンシャルを示しております。その中で、戸建住宅等の導入ポテンシャルは、478,079.3MWhになっております。例えば18.7%をすべての区分で導入した場合、戸建住宅等に家庭の太陽光パネルの平均として5.5kWをのせると何件分に相当するかをシミュレーションしました。
2030年度までにおよそ15,000件導入しなければならないという結果となり、年間1,500から2,000件導入する必要があります。春日井市の太陽光発電の導入件数は年間で約500から600件となりますので、今の導入ペースの2倍から3倍以上の導入が必要となります。
高位ケースの場合だと、今の4倍から6倍以上の導入が必要となります。ただし、これはあくまでもおおまかな計算結果となります。
【冨田主査】
資料5、6に基づき、春日井市将来ビジョン及び脱炭素シナリオ、春日井市地球温暖化対策実行計画(2019~2030)の改定(案)の構成についてについて説明。
【山羽委員】
資料5の2ページ、建物における低炭素化の促進とはどういうことか。
【谷本課長補佐】
太陽光パネル以外にも断熱をしたり、省エネ機器を導入したりする、いわゆるZEHという考え方を取り入れ、建物自体のエネルギー収支がゼロになることを目指していくというところになります。
【橋本委員】
名城大学の付属農場が春日井市内にあり、耕作地における営農型太陽光発電設備に関しての研究や、稲わらからのメタン回収などを研究しているので、そういったものも検討してもらえればと思う。
【谷本課長補佐】
資料5に記載しているもの以外にも、温室効果ガス削減に資する新技術等ありましたら積極的に採用していきたいと思います。
【田中委員】
資料5の2ページ、2050に向けた施策は先送りしているのか。今から始めるのか。
【谷本課長補佐】
資料5の3ページで施策を長期、短期に分けておりますけれども、長期の部分について、2030年度以降しか手をつけないということではないことをご理解いただければと思います。
【田中委員】
この地球温暖化対策実行計画では、個別に活動のKPIが設定されるという認識でいいか。
【谷本課長補佐】
指標として設定できない場合もあると思いますけれども、進捗の管理ということで、指標を設定していきたいと考えております。
また、指標につきましては、今回検討事項としているため、次回の環境審議会の中間案で提示したいと思っています。
(2) その他
【堀尾課長】
次回、第3回環境審議会は10月12日水曜日に開催させていただきたいと思います。
上記のとおり、令和4年度第2回春日井市環境審議会の議事及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席者1人が署名する。
令和4年9月27日
春日井市環境審議会
会長 山羽 基
春日井市環境審議会
委員 二宮 久夫
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