ダニ媒介感染症について

ページID 1003276 更新日 令和6年7月26日

印刷大きな文字で印刷

ダニ媒介感染症とは

 ダニ媒介感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体を保有するダニに刺咬されることで起こる感染症です。
人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息地に立ち入ると、ダニに刺咬されることがあります。

〈マダニ〉
 外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4ミリメートル)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でもみられます。日本でも全国的に分布しています。

フタトゲチマダニ

フタトゲチマダニ

主なダニ媒介感染症

ダニ媒介脳炎

 ダニ媒介脳炎は、ダニ媒介脳炎ウイルスを保菌するマダ二に刺咬されることによって発症します。ダニ媒介脳炎ウイルスはヨーロッパ亜型、シベリア亜型及び極東亜型に分類されます。
 ヨーロッパ亜型の主な症状は、発熱、頭痛、眼窩痛、全身の関節痛や筋肉痛が1週間続き、解熱後に中枢神経症状を呈します。致死率は1~2%、回復しても10~20%に後遺症がみられるといわれています。
 極東亜型による感染では徐々に発症し、頭痛、発熱、悪心、嘔吐が見られ、さらに悪化すると精神錯乱、昏睡(こんすい)、痙攣および麻痺などの脳炎症状が出現することもあります。致死率は20%以上、生残者の30~40%に後遺症がみられるといわれています。
 シベリア亜型の経過は極東亜型と比較して軽度であり、脳炎を発症しても麻痺を呈することはまれです。その致死率は6~8%を超えることはないと報告されています。
 日本では、極東亜型のウイルスが分布しています。令和6年6月に北海道札幌市において6例目となる患者の発生が確認されています。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状(吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、下血等)で、重症化し、死亡することもあります。 日本国内での発生は2013年1月に山口県で症例が報告されたのが初めてで、その後全国で毎年60~110例が報告されています。

ダニ媒介感染症を予防するためには

1 マダニに咬まれないようにすることが重要です。

 特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要です。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、なるべく肌を露出しないようにしましょう。
 また、屋外で活動した後にはマダニに刺されていないか確認し、吸血中のマダニに気がついた際には、無理に引き抜かず、できるだけ医療機関で処置してもらいましょう。マダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、医療機関を受診してください。

2 ネコなどの動物からSFTSウイルスに感染しないようにしましょう。

 SFTSウイルスに感染したネコやイヌの血液やだ液などに人が直接触れた場合に、それが原因で感染する可能性があります。動物からの感染を予防するために、動物を飼育している場合、口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなどはなるべく控えてください。健康なネコやイヌ、屋内のみで飼育されているネコやイヌから人がSFTSウイルスに感染した事例はこれまで報告がありませんが、ネコやイヌに咬まれたり、体液に直接触れたりすることで、SFTSウイルスに感染する可能性は否定できません。

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部 健康増進課

電話:0568-85-6168
健康福祉部 健康増進課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。