平成22年度第1回春日井市文化財保護審議会議事要旨

ページID 1007960 更新日 令和6年1月10日

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1 開催日時

平成22年6月7日(月曜日)午後3時から午後4時30分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

3 出席者

【会長】
波多野 茂
【委員】
富山博
池田洋子
伊藤孝幸
服部滋
村中治彦
櫻井芳昭
【事務局】

教育長 浅岡正美
教育部長 梶田博
文化財課長 山田信
同補佐 福井芳子
同主事 高橋奈緒子

【傍聴者】
なし
【欠席者 委員】
松原隆治

4 議題

  1. 平成21年度事業報告について
  2. 平成22年度事業計画(案)について
  3. 民俗考古展示室及び森浩一文庫について
  4. その他

5 会議資料

6 議事内容

1.平成21年度事業報告についての意見及び結論

平成21年度事業報告について、次のような質疑応答・意見があり、結論は以下のとおりとなった。

 ア 質疑・意見

【服部委員】 城嶺橋の件だが、県の回答はどういうことなのか。

【事務局】 県からは、維持管理上制限のかかる登録有形文化財への申請は行わないとの回答であった。

【櫻井委員】 図書館4階に東海学コーナーがあるが、森浩一文庫ができた後は、統合・再整備をする案が出ているのか。

【事務局】 森文庫は、貸出しは行わず、閲覧のみとなるため、統合とかの考えはない。

【櫻井委員】 図書館の東海学コーナーは変わらないのか。

【事務局】 今後とも変わらない。

【櫻井委員】 森文庫との学術的な統合をして、図書館のコーナーをなくすという話はないか。

【事務局】 森文庫にも、春日井シンポジウムや東海学に関連したコーナーを設けていきたいと考えている。

【伊藤委員】 ボランティア養成講座について、新規募集か・継続かを教えてほしい。文化財ボランティアの会の発足に際して、市主導であったか。自発的であったか。また、活動上の効果と課題は何か。

【事務局】 21年度は新たに25人が養成講座を受講した。ボランティアの会の発足は、受講生が「受講したものをなんとか活かしていきたい」と自発的に集まったと聞いている。課題は、高齢の方が中心のため、病気や家族の不調でやめられる方もでてきていることだ。自分たちが楽しんで無理せず出来る範囲の中で、新たに古文書の解読のグループも出来るなど、活動の幅も広がってきている。

【村中委員】 文化財ボランティアの活動として、郷土館の毎週土曜の開館の活動は順調か。実績・経過などを教えてほしい。

【事務局】 毎週土曜日の午前9時から午後4時まで、午前・午後に分かれて、ボランティアでグループを作って、郷土館の来館者への説明を行っている。第3土曜日には、蓄音機をかけ、通行人や来館者に聞いてもらえるようにしている。

【伊藤委員】 郷土館では、ボランティアの方に活躍していただき、蓄音機の味わいのある音楽が楽しめることをどう知らせているか。広報やホームページで参加を呼びかけるなど、PR活動はこの1年どのようにしてきたのか。

【事務局】 郷土館で企画展を実施している。今は「夏のくらし」と題して蚊帳や蚊取り線香などの昔の道具を展示するなど、定期的に展示を行い、少しでも多くの皆さんに来ていただけるように取り組んでいる。広報やホームページにも載せ、新聞にも掲載されている。

【伊藤委員】 催し物をしていただけるのはもちろんだが、ボランティアの取り組みなど、解説が聞ける、一緒に体験できるなどの一文がつけられるとボランティアもやりがいがあると思う。

【事務局】 取材依頼などでボランティアの解説についてもPRしている。

 イ 結論

   平成21年度事業報告を全会一致で承認する。

2.平成22年度事業計画についての意見及び結論

平成22年度事業計画について、次のような質疑応答・意見があり、結論は以下のとおりとなった。 

  ア 質疑・意見

【櫻井委員】 春日井シンポジウムのテーマについて、一部の「地域からの発信」とあるが、どういう地域なのか。春日井も入っているのか。

【事務局】 地域とは、狭い範囲の春日井という地域ではなく、広い範囲の東海という意味で捉えている。

【櫻井委員】 春日井は万葉集と縁も深いし、落合公園には万葉の道を作っている。シンポジウムに春日井からも誰かが入ってくださると発信につながると思う。

【村中委員】 文化財ボランティアの中で、古文書解読に堪能な方がみえて、古文書の勉強会をしているという話だが、これまで市で集めた春日井市内の近世古文書のデータベース化はしているか。

【事務局】 現在、取り組んでいる。膨大な量であるため、時間がかかる。

【服部委員】 密蔵院の宝蔵は、指定文化財になったが、何とか手を加えて、ある程度現状維持できるくらいにしなければいけない。寺も財政負担の問題で大変だということだが、文化財の保護も恒常的な保護だけでなく、重点的に取り組んでほしい。

【事務局】 指定文化財の修繕の補助は、補助金要綱に従い、補助対象経費の2分の1補助で、限度額が400万円となっている。

【池田委員】 春日井市には指定された文化財があるが、文化財を公開することはないのか。定期的に行っているのか。

【事務局】 密蔵院は毎年10月の第1日曜日に寺宝展を開催し、公開している。広報などに掲載し多くの市民が参加している。

【池田委員】 市が企画して、非公開文化財の特別公開期間を設けてお金をもらって見せるということは不可能なのか。その費用を修理にあてるというようなことはできないのか。

【事務局】 内々神社では、市と共催で内津文化財祭を開催し、文化財の公開を行っている。市全体のものを公開することは行っていない。

【池田委員】 場所ごとに行って、そのときにボランティアが説明をして、見学料を修理代にあてることはできないのか。

【事務局】 文化財所蔵の寺社とも相談しなければならない。

【池田委員】 今年は何ヶ所かで公開し、その集めたお金を補修費用にするのはどうか。お金がもらえるかが問題だが。

【事務局】 他の市町村の実態を研究して検討する。

【村中委員】 2分の1補助で上限400万円ということだが、たとえば500万円かかるとすると250万円はお寺の負担となる。250万円はとても用意できないから見送りとなっている。特別寄付を頼んで、直していこうかという話は出ているが、先送りになっている。

【池田委員】 特別に期間を設けて公開をしないと春日井にどんな文化財があるか分からない。

【服部委員】 市の文化財を一同に集めて、市が主体的にやれるとよい。ボランティア育成は新しい事業ではあるが、新しい事業を作るのは大変だとは思うが、方向性をもって進めてほしい。

 イ 結論

  平成22年度事業の計画を全会一致で承認する。

3.民俗考古展示室及び森浩一文庫について

民俗考古展示室及び森浩一文庫について、次のような質疑応答・意見があり、結論は以下のとおりとなった。

  ア 質疑・意見

【櫻井委員】 文庫の書籍はオール開架なのか、貴重品や手紙は別の目録があるのか。図書検索は図書館と同じシステムなのか。

【事務局】 司馬遼太郎や松本清張の手紙など貴重な資料はショーケースでの展示を行う。他の書籍については開架にする。また、破損する恐れのあるものについては、別途違う方法を考えていく。検索は、春日井図書館と同じシステムで検索できる。総目録はデータベース化されており、製本した目録も作りたいと考えている。

【服部委員】 展示室と文庫の整備は、何年度の予算なのか。

【事務局】 今年度予算化されている。今年10月に中央公民館がリニューアルオープンするのにあわせて森文庫と民俗考古展示室もオープンする。現在、工事が進んでいる。

【服部委員】 文化財課の工事でなく、他の担当課の仕事に入っているのか。

【事務局】 中央公民館の耐震工事の中で、森文庫と民俗考古展示室をリニューアルすることになった。

【池田委員】 貴重な手紙がケースに入っているとのことだが、監視システムはあるのか。ケースがあっても割って持っていくことは可能だ。

【事務局】 人的配置をする。来館者がみえたとき、職員がつく形にする。

【伊藤委員】 民俗考古展示室、森文庫はそれぞれどのように人の配置をする計画なのか。また、どんなサービスを提供しようと考えているのか。読むだけでなく、コピーをとりたい。複写物の依頼がある。地元の方だけでなく、全国から文献複写依頼がくる。それらに対応できなければ、形だけだと思われてしまう。また、書簡類をケースに常時展示することには劣化するので反対だ。貴重なものであるからこそ限られた時間の中で、企画展とかそういう形で公開するほうが、資料の保存のためにも、市民の方の注目を集めるためにもよい。

【事務局】 人の手配については、展示室に常に人がいて対応できるのが望ましいが、今は人を増やすのが難しい時期であり、現時点では検討中である。学校の社会見学のときは、ボランティアの方に説明をしていただいているので、今後も協力していただく。また、森文庫は、隣に文庫整理室があり、人の出入りは分かるので、すぐに対応できると考えている。展示については、期間をきめて企画展のようにしていきたい。また、夏休みには子ども向けの展示を行ったり、体験教室を開いたり、森文庫の蔵書を使った子ども向けの考古学に関する講座も考えている。

【伊藤委員】 森文庫の開館当初は、どんなものが出来たのかと見に来る方もみえ、かなりの人が出入りすると思う。一人で大変ならば複数に増やすのもよいと思う。民俗考古部門では、体験しながら、子どもたちが楽しめるようなコーナーを設ければ、小学校就学前の子どもたちが親御さんたちと一緒に来て、遊んでもらえる。それを通じて歴史や民俗に対して興味を持ってもらえるということだ。市にとって、今回のリニューアルオープンは文化財行政の春日井市民の地盤をつくれるか否か、非常に重要なことだ。

【服部委員】 結局、所管部署はどこかという話だ。中央公民館との運営規則などがあり、そのあたりからの見直しは必要ないのか。

【事務局】 中央公民館は文化スポーツ部というほかの部だが、森文庫と展示室は、文化財課の運営するものだ。公民館は土日祝日も開館するので、公民館と同じように開館し、月曜日休業とする。

【服部委員】 市の中での連携をうまくとることが大切だ。

【事務局】 森文庫では、複写サービスを考えている。劣化などの問題から、すべて複写できるわけではないが、複写する場合には複写申請書を出していただく。郵送での取扱いについては、検討していく。

【櫻井委員】 見たり、触れたり、作ったり、体験するといういい言葉が出たが、従来、ここには小中学生が社会見学で来ていた。今回は、個人対応か、集団へのPRが中心なのか、1・2年経っても、新しくおもしろい体験を行っていくには、かなりの戦略とPRがなければ難しい。子どもたちや高齢者へのPR、来やすいように特別な補助や市のバスを学校へまわすなども出来るのかどうか。

【事務局】 民俗考古展示室は、今までは社会見学や学校の集団の見学が中心だったが、今後は土日祝日も開館し、一般の家族連れにも気軽に立ち寄っていただきたいと考えている。従来どおり社会見学等にも対応するが、バスなどについては考えていない。こまめなPR活動を行い、定期的に企画展などを行い、少しでも目新しいものを見ていただき、体験教室も開いていきたいと考えている。

【村中委員】 体験の展示室は、具体的にどんなものをどの程度利用して体験学習をやっていくのか、先進的な市町村の事例を聞いて、生かしていただきたい。また、将来的なことだが、森浩一先生の読書会を行い、テーマをきめて何か行うという方法も考えるといい。資料は常時展示するものは、現物ではなく複製でよい。特別展示の時だけ本物を展示することでいいのではないか。

【池田委員】 10月にリニューアルオープンするときの企画展は考えているか。

【事務局】 森浩一文庫と民俗考古展示室が同時にオープンするので、企画展としては、森浩一先生の足跡をたどるということで、森先生の業績を紹介した展示を予定している。

【池田委員】 それと体験とはどう結びつくのか。体験は常に同じなのか。

【事務局】 体験は、体験教室として別に日程を組んで設ける場合と、常設コーナーで体験できるものを考えている。

【池田委員】 企画展の中に体験コーナーがあるわけではなく、体験コーナーは全く別の切り離したところにあるということか。

【事務局】 企画展によっては体験コーナーを含んだものもある。

【池田委員】 今回はないということか。

【事務局】 今回は図書を中心とした展示のため、体験コーナーの予定はしていない。

 イ 結論

      民俗考古展示室及び森浩一文庫についてを全会一致で承認する。

4.その他 「子とり池跡」石碑の寄贈について、次のとおり報告する。

【事務局】 春日井市下原町に伝わる民話に「子とり池」というものがある。その民話を末永く後世の人に伝えたいという思いから、下原町在住の方より「子とり池跡」という石碑の寄贈があった。現在の松原中学校敷地内とのことなので、そこに石碑をたてる。文化財課としては、石碑の寄贈を受け、子とり池跡の説明看板を中学校の付近にある善光寺橋公園に設置し、PRしていこうと考えている。

 上記のとおり、春日井市文化財保護審議会の議事の経過及びその結果を明確にするために、議事録を作成し会長が署名及び押印する。

 平成22年6月10日

   会長  波多野 茂

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