平成17年度第1回春日井市文化財保護審議会議事要旨

ページID 1007954 更新日 平成29年12月7日

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1 開催日時

平成17年6月6日(月曜日)午後1時30分から午後2時30分

2 開催場所

春日井市役所9階 教育委員会室

【委員】
波多野茂
富山博
松原隆治
服部滋
櫻井芳昭
村中治彦
近藤薫
【事務局】
教育長松本重雄
教育部長岡田滋
文化財課長近藤博也
同補佐長谷川頴一
同主査原敏文
同主事高尾久美
【傍聴者】
なし

4 議題

  1.  平成16年度事業報告について 
  2.  平成17年度事業計画について

5 会議資料

  1. 平成16年度事業報告
  2. 平成17年度事業計画案

6 会議内容

  1. 委嘱状の交付
  2. 教育長あいさつ
  3. 会長選出
    委員の互選により、波多野茂委員が会長に選出された。
  4. 会長あいさつ
  5. 会長職務代理者指名
    会長により、服部滋委員が会長職務代理者に指名された。
  6. 議事

7 議事内容

  1. 平成16年度事業報告についての意見及び結論
    平成16年度事業報告について、次のような質疑応答・意見があり結論は次のとおりとなった。
    ア質疑・意見
    【A意見】
    東海学(春日井シンポジウム)について、講師が固定化してきているのでもう少し変わった人の話が聴いてみたいという市民の声を耳にする。例えば、春日井市出身の愛知県陶磁資料館のNさん、環状2号の発掘調査に携わった静岡大学のSさん、元愛知県職員のAさんなどを講師として招くなど地元の人材を活用し、育てることも大事ではないかと思う。
    イ結論
    平成16年度事業報告を全会一致で承認する。
  2. 平成17年度事業計画についての意見及び結論
    平成17年度事業計画について、次のような質疑応答・意見があり結論は次のとおりとなった。
    ア質疑・意見
    【A意見】
    歴史民俗資料館の建設は大きな仕事であるが、だいたいの場所、規模、構想はどうなっているか。
    【事務局】
    建設検討委員会委員の依頼をしているところであり、建設予定地、規模については現在のところ白紙である。ただ、建設地については、現在市が所有している数ヵ所の土地を色々な角度から検討しているところである。。
    【B意見】
    県内には、安城市の埋蔵文化財センターを併設した歴史博物館や豊田市の郷土資料館など身近にすばらしい施設があるので参考にしてほしい。
    【C意見】
    歴史民俗資料館の予定地や規模は未定ということだが、道風記念館は道風ゆかりの土地に建てられている。内々神社、二子山古墳、密蔵院、道風記念館など春日井市の文化財関連施設に隣接して施設を造ってもらえればと考えている。
    【D意見】
    県が発掘調査した朝日遺跡の出土遺物の展示施設として清洲貝殻山貝塚資料館を作ったが、その後財政状況の変化で中途半端な状態となっている。こうしたこともあるので、春日井市は長期的展望にたって市民が足を運びやすい場所に親しみやすい博物館を造ってほしい。規模はそれほど大きくなくても市民が気軽に利用できる施設づくりを目指して知恵をしぼってほしい。
    【E意見】
    2点お願いしたいことがある。まず1点目は現在「四つ建て民家」を中央公民館に移築して保存しているが、今後は、資料館建築が予定されている場所に移築して保存できれば一番よいと思う。2点目は、密蔵院には名古屋東照宮のお寺関係のもの、熱田神宮の神宮寺ものが来て混然一体となっており非常にわかりにくい。誰が見てもわかるように上手に陳列してほしい。熱田神宮から早く返してほしいといった動きもあるので、名古屋から密蔵院に移って来た明治維新という混乱期の歴史事情や密蔵院がいかに重要であるかがわかるような陳列を考えてほしい。
    【F意見】
    財政的な面について尋ねるが、歴史民俗資料館建設に対する国・県の補助制度はどうなっているか。
    【事務局】
    歴史民俗資料館建設に対する国の補助制度が以前はあったが、現在は既存施設の展示室等の整備に対する補助制度があるだけで建設に対する補助制度はない。県の補助制度もない。
    【G意見】
    愛知県の陶磁資料館は、当初世界に向けての資料館造りを目指して相当の意気込みだったがオイルショックによる影響で思うように進まなかった事例もある。春日井市も一気に立派なものを造ろうとするのではなく、段階的に一次、二次、三次と分けて長期的展望にたって造ることを考えてはどうか。また、最近春日井で発掘採集された貴重な旧石器時代の遺物がかなりの数名古屋市博物館に寄託されている事実を知った。収集された人の意思なので止むを得ない面もあるが、名古屋市博物館の寄託制度が浸透し春日井で採集したものを名古屋市博物館へ寄託する動きが続いているので、ぜひ流出を防ぐため春日井市でも「寄託制度」を設けることが緊急の課題である。
    【H意見】
    採集家がもともと春日井の人であること、発掘調査の関係者との関係がよさそうなので春日井市がきちんとした展示施設・収蔵施設を造れば名古屋市博物館からの返還は不可能ではないと思う。
    【I意見】
    これは、守山区の収集家が春日井市の高蔵寺の古窯から出土した遺物を名古屋市博物館に寄託した事例だが、契約内容にもよるが一度寄託したものの返還は難しい。目前に歴史民俗資料館の整備が出てきたこともあり、こうしたことをしっかり認識してほしい。
    【J意見】
    以前、県の埋蔵文化財センターに勤務し当時松河戸遺跡の発掘調査にも関わったが、その時は基本的に、出土した遺物は地元に博物館相当施設ができれば全部返却するという考え方であった。個人が集めたものについてはなかなか難しいが、きちんとした施設ができれば返還は可能であると思う。
    【K意見】
    歴史民俗資料館の建設すなわち文化財の公開ということになれば専門的な学芸員を配置しなければならないがそのあたりはどうなっているか。人の問題もからめると平成18・19・20年の短い期間でできるか心配である。もう少し長期的構想で取り組み展示物をどうするか、展示の方法をどうするか、財源の問題もあり心配している。
    【L意見】
    資料活用を多様にして広く利用する関点から、ある館で実施して評価を得ているのは民俗資料や発掘資料をセットにして貸し出す制度である。例えば電化セットを老人クラブや子ども会や学校に貸し出しそれをもとに話が弾み表情が生き生きとする。建物を造って展示するだけでなく、出前メニューや貸し出しセットを多様に作り利用させることによって利用者がおもしろそうだと博物館に興味を持って出かけてみようということになる。展示以外の多様な方法を考えていくことがこれからの施設では大切である。春日井市にも資料は十分に揃っており対応可能なので学芸員もこうしたことを念頭に置きながら仕事を進めてもらうことを希望する。
    【事務局】
    先ほどから指摘のあった財源や建設スケジュール、運営などの具体的内容については、委員の皆さんから本日いただいた意見も踏まえて今後検討を進めていきたいと考えている。
    イ結論
    平成17年度事業の計画案を全会一致で承認する。
    (4)その他、上条城跡ほか史跡保存について次のような質疑応答・意見があった。
    【A意見】
    春日井市にはこれといった城跡はないが、上条町に戦国時代の貴重な史跡である上条城跡がある。史跡の指定は受けていないがあれだけの面積といいすばらしい価値のあるものであるため何とか市で活用してほしいと考えている。特に見晴台だけでもぜひ残してほしい。予算があれば歴史民俗資料館の建設候補地として検討してほしい。また、大留城跡近くに天道塚があるが、現在区画整理が進んでおり取り壊されるのではないかと心配しているが今後どうなるのか。
    【事務局】
    そのあたり一帯は公園用地となっており、塚(天王山古墳)も公園の中に取り込む計画になっている。現在古墳がどのような性格を持つものか確認調査を行っているところである。公園を造る段階になった時には、古墳をどのようなかたちで保存するか検討しなければならないと考えている。
    【B意見】
    前回の保護審議会で文化財の指定名称などの見直しについて審議したがその後どうなったか。
    【事務局】
    今回は間に合わなかったが、事務を進めて近いうちに教育委員会から文化財保護審議会に諮問したいと考えている。
    【C意見】
    先日の朝日新聞に文化財として指定されている戦争関連遺跡が掲載されていたが文化庁から県を経由して調査依頼がきているか。
    【事務局】
    平成14年度に県から依頼のあった近代化遺産総合調査のなかで、戦争遺構だけではなく明治以降の産業・交通・土木に関する構築物の調査依頼があり、市内を調査した結果戦争関連遺構としてきちんとしたかたちで残っている陸軍造兵幣鷹来製造所本館、現在の名城大学農学部付属農場本館を報告し、このほど発刊された「愛知県の近代化遺産」のなかに収録されており登録文化財の候補となっている。
    【D意見】
    上条城跡とも関連するが、地租改正に大きな貢献をした林金兵衛の石碑が敷地内に建っているが何とか保存できないか。林金兵衛の研究者は全国に数多くおり、石碑を取り壊し金兵衛の成果を印すものが無くなってしまうのは惜しい。是非、一考してほしい。
    上記のとおり、春日井市文化財保護審議会の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事要旨を作成し会長が署名及び押印する。
    平成17年6月17日
    会長波多野茂

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