平成21年度第2回春日井市地域公共交通会議議事録

ページID 1007109 更新日 平成30年4月1日

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1開催日時

平成21年12月10日(木曜日)午前10時~午後0時15分

2開催場所

春日井市役所 3階 304・305会議室

3出席者

会長
 磯部 友彦(中部大学工学部都市建設工学科教授)

委員
 伊藤 太(春日井市長)【代理 森川 利博】
 藤田 信彰(名鉄バス株式会社運輸部運輸第2課長)
 梅津 道彦(近鉄東美タクシー株式会社代表取締役社長)【代理 葛山 直幸】
 長崎 三千男(社団法人愛知県バス協会専務理事)
 奥村 正士(愛知県タクシー協会副会長)
 松本 由太朗(春日井市区長町内会長連合会副会長)
 今村 勝芳(春日井市民生委員児童委員協議会連絡会副連絡会長)
 谷口 欣男(春日井市老人クラブ連合会会計)
 大辻 誠(春日井商工会議所副会頭)
 小林 裕之(国土交通省中部運輸局愛知運輸支局首席運輸企画専門官(輸送担当))【代理 古橋 靖弘】
 小林 宏(愛知県交通運輸産業労働組合協議会議長)【代理 城坂 俊緒】
 森 令治(愛知県尾張建設事務所維持管理課長)
 平野 省一(愛知県春日井警察署交通課長)
 宮崎 秀嗣(愛知県地域振興部交通対策課長)【代理 井上 誠】
 齋藤 正澄(春日井市建設部道路課長)

提案者
 胡桃澤 勝久(春日井市商店街連合会会長)
 水野 隆(春日井市商店街連合会副会長)

事務局
 東瀬野 克之(春日井市総務部交通対策課長)
 小林 敏夫(課長補佐)
 河出 康隆(主査)
 上河原 直人(主事)

4欠席者

委員
 松浦 宏行(ジェイアール東海バス株式会社企画部長)
 水野 千惠子(社会福祉法人春日井市社会福祉協議会副会長)

5議題

(1) 春日井西部地区コミュニティバスについて

6会議資料

7議事内容

(1) 春日井西部地区コミュニティバスについて

※ 提案者とは、春日井西部地区コミュニティバス(以下「西部コミバス」という。)の事業を実施する春日井市商店街連合会をいう。
 【提案者】
 資料に基づき、西部コミバスの運行休止について説明。
 【磯部会長】
 利用状況報告書について説明を求めた。
 【提案者】
 8月までの利用状況は、前回の会議で報告したが、月平均600~700人の利用者である。一番利用 が多かった月が、運行開始した翌月でそれ以降減っており直近の8月で600人程度であった。
 9月に実施した見直しにより、運行本数や運休日を設けたため、利用者が減少したが、それでも10月には435人と若干持ち直した。
 10月の時点で地域懇談会を開催し皆さんから話を聞いた。
 今後は、寒くなる時期のため利用者の増減はわからないが、利用状況の推移を報告書として提出した。
 【小林(裕)委員】
  資料によると協議が整い次第、運行休止ということだが、いつ運行休止するのか。道路運送法の規定では、基本的には6か月前に休廃止の届出をしてもらう規定がある。例外として、旅客の利便を阻害しないということで、地域公共交通会議で協議が整った場合は、30日前の届出でよいことになっている。
 このため、休止の時期は早くても来年の1月10日になる。
 【提案者】
 この会議で協議が整い次第、手続きを進めたいと考えている。
ただし、我々も個人で事業運営しているわけではないので、西部コミバス検討委員会で意見を集約し、できるだけ早い時期に休止したい。
 【小林(裕)委員】
 運行しなさいとは言わないが、現在の利用者がいるため、西部コミバスが休止になる広報をどうするかが重要である。広報はどう考えているか。
 【提案者】
 バス停に休止の案内を掲出したいと考えている。
 また、勝川区や味美区という町内会組織があるので、こちらで広報をお願いしたいと考えている。
 【磯部会長】
 利用者保護という立場から経営がうまくいかない利用者数でも、少ないながら利用者がいるため、その利用者のことをどう考えていくかが重要である。
 10月に開催したという地域懇談会では、どういう方々が参加したのか。
 【提案者】
 地域懇談会は、一般の住民も対象にしたが、実際に参加したのは町内会長、区長や市議会議員であった。
 また、個別には、利用者からヒアリングを行い、その際、高齢者から励ましの意見をもらった。
 半年間の休止期間を設けるのは、利用者の代替手段を確保しなければならないと思うからで、その方たちのニーズに合った新しい形で再開できればと考えている。
 【長崎委員】
 検討の結果、事業の維持が困難であると認められたときは廃止するということだが、これは具体的にどういうことを考えているのか。
 【提案者】
 検討内容は具体的に考えていない。皆さんからの要望が運行時間、運行日時や運行路線などいろいろあったため、どうしたら住民ニーズに合ったものにできるかを検討したいと考えている。
 【長崎委員】
 休止に至った理由のなかに、財政基盤の話があったがどう考えているか。
 【提案者】
 当初から、運賃収入だけでは、この事業が維持できないことはわかっていた。
 このため、地域の商店、工場や会社から資金不足分を支援いただきたいということでスタートした。
 しかし、昨年の秋から経済情勢が一変したため我々が当初予定していた協賛金が約1/3しか集まらなかった。
 【長崎委員】
 今後の検討には、財政面もテーマにするのか。
 【提案者】
 そうである。
 【宮崎委員】
 休止中に協賛金の確保ができなければ廃止の可能性が高いということか。
 【提案者】
 必ずしもそういうことではない。いろいろな事業形態があるため、我々としても地域のニーズがある以上、前向きに検討していきたいと考えている。
 しかし、それを支える財政的な理由の裏づけが取れなければ、なかなか難しいとは考えている。
 このため、初めから廃止ありきではなく、なんとかもう一度運行したいと考えている。
 【宮崎委員】
 通常では、ルートや利用状況から、もっと人が集まり利用しやすい形態に見直すが、今回の場合は、財政基盤を確保する方法を中心に検討するというように聞こえたが、そこまでいかないとルートの見直しの検討はしないのか。
 【提案者】
 具体的な検討材料があるわけではないが、来年1月に検討委員会を開催する予定のため、そういったことも含めて検討したいと考えている。
 【大辻委員】
 私どもも広告その他で協力しているが、広告収入がいくらであれば、または、運賃収入がいくらであれば事業継続できるのか。
 【提案者】
 支出項目としては委託費で具体的な数字は把握していないが、月に約70万の収入があれば事業継続できると思う。
 【磯部会長】
 今回の資料で利用者数はわかるが、財政面の話であれば、財政面の確認ができる書類を提示してもらえるとよかったと思う。
 西部コミバスを維持するために、利用者からお金を取るのか、それ以外のところからお金を出しているのか、その比率が知りたい。
 民間バスでは、広告収入などはあるが、基本的に利用者からお金を取ることで経営が成り立っている。そうではなくて、特別なバスでは、利用者からのお金とそれ以外のところからのお金で経営が成り立っている。例えば自治体が運行するようなコミュニティバスは、利用者が高い料金を払うのが苦しいだろうから市が補填している。今回は、商店街がお金を出して経営が成り立っている。
 このため、自治体が運行するコミュニティバスや名古屋市の市バスでは、あと何人乗ると維持できるといったキャンペーンや情報公開を実施している。そうすると利用者も理解して利用してみようという気持ちになったり、それでも達成できない場合は、運賃の値上げをしてもやむを得ないなと理解してもらったりできる。いろんなやり方があると思うが何か検討されたか。
 【提案者】
 運賃の値上げは検討していない。この事業は、広告協賛収入で維持されている。こういう状況になったことは我々も認識していたので、各所に広告協賛をお願いしてきたが、不景気のため必要な金額が集められなかった。
 具体的にいくらあればよいというのは検討していない。
 【磯部会長】
 この件については、地域公共交通会議でどう取り扱うべきかを事務局と悩んだ。
 小林(裕)委員からも話しがあったが、休止や廃止のやり方としてJR東海バスが路線バスをやめた話を例に出すと、愛知県バス対策協議会に1年前に廃止を申し出て、いろいろと手続きをして1年後に廃止になった。この手続きが通常の手続きである。しかし、この会議に諮れば、特例で1か月前の届出で休止できることになっている。
 事業内容の整理も必要だが、その後の処理をどうしたらいいのかというのがまた一つの議題になってくる。
 【伊藤委員】
 運行に必要な経費と収入の関係がわかる書類があれば判断できると思う。しかし、資料がないため休止期間中にコースを見直すだけで対応できるものなのか、全く見直しの余地がなく即中止なのか判断できない。
 【大辻委員】
 話は変わるが、愛知県から配付されたコミバスラリーのチラシ裏面の各地域のコミュニティバスの料金表が掲載してあるが、100円の地域もあれば無料の地域もあるが、この無料というのは、行政主体でやられているものなのか。
 【宮崎委員】
 これは、行政が主体でやっているバスを掲載しており、刈谷市や碧南市のように無料で運行している市町村は、行政側が無料でも利用してもらうことが重要で、税金を投入してもいいという考え方で運行している。
 他の市町村で200円や100円で運行している地域があるが、それでも1割近くしか収入が確保できないため、残りの9割を行政で負担している。いずれにしても税金を投入してでも利用してもらうのは、高齢者等の移動手段を確保していく必要があると判断しているところです。
 【磯部会長】
 行政の役割として、資金源は当然税金だが、それを有効活用し継続することが重要である。
 コース、運賃や車の大きさを変えるなどの見直しはよくあることだが、休止して廃止するということは初めてのため、どう結論を出すかというところが難しい。
 【長崎委員】
 休止か廃止の選択肢しかないということですね。半年間の検討が何をするか見えてこない。
 先程も財政負担について発言したが、それだけの話であれば、財政負担についての可能性があるのか、ないのか検討しなければならない。しかし、資料がないため判断できない。
 今後の方向性があって、それを検討した結果、半年後に見直すということであればわかるが、資金不足ということであれば続けることすら困難なため、休止する意味もない気がする。
 また、利用者の手当てについても、そのなかでは考えなければならないが、その方向性も今後の検討で見えない状況のため、休止か廃止かという議論もなかなかしにくいと思う。
 【磯部会長】
 休止の場合は、さらに検討していくことになるが、具体的にどう検討するかである。
課題が二つあり、一つ目は資金面で、資金難をどうクリアするか。
 もう一つは、利用者への対応で、現在の利用者が他の交通機関で対応できるかである。西部コミバスしか利用できない人たちがいるとしたら、そのときはどう手当てしていくかということである。
 これから検討内容を説明してもらうとよいと思う。
 【提案者】
 検討内容は、本来であれば、指摘のとおり運行しながら検討していくべきだが、資金不足のため運行しながら検討するだけの余裕がない。
 ただし、先程説明したように、いろいろな課題や要望等を整理して検討する期間として半年間必要と考えている。
 事前に、愛知運輸支局に相談したが、半年後には一定の方向性を出す必要があると指導された。従って、運行しながら検討することは、財政的な理由で困難なため、今回こういった内容で提案をさせていただいた。検討内容については、要望内容もいろいろあり、西部コミバス検討委員会で話をしなければならないため、この会議の場で方向性は示せない。
 【磯部会長】
 西部コミバスについては、道路運送法で認可されている事業で、本来であれば1年かけて愛知県バス対策協議会で協議し、今後どうするかということを検討していくことになる。
 そのなかで、継続が無理なため、ほかの事業者に引き継ぐなどして廃止となるが、あくまで運行しながらである。なぜかというと、少ないながらも利用者がいるため、その利用者への周知という意味合いである。
 しかし、いろいろな理由があって、この会議で承認されればという条件で、廃止までの期間を早めることができる。だが、今回は、各委員が納得できるような意見交換になっていないため進行を悩んでいる。
 【宮崎委員】
 通常の手続きだと、民間バスの場合、現在の利用者の対応を検討することが大切である。他方では、利用者が少ないため特にそこまで対応しなくてもいいという判断や、シティバスと重なる部分もあると思うので、シティバスでとりあえず対応できるという判断もできれば、すぐにでも休止ということもやむを得ないと思う。
 しかし、民間バス事業者については、総合的な判断をするために1年間の猶予が必要で、苦しいが廃止を待って1年間運行してもらっている。
 【磯部会長】
 現在の利用者も足の確保がうまくいきそうだということであればすぐにでも休止という判断できるということか。
 【宮崎委員】
 そうである。ただし、それができないということであれば愛知運輸支局の判断もあるが6か月とか1年間待って休止ということになる。
 【長崎委員】
 地域懇談会なり利用者からのデータも提出されていないため判断できない。そういったものを情報提供いただいて各委員に判断してもらう必要があると思う。
 データがあるということなので、それを提出してもらい、休止もやむを得ないという判断になるのかである。データをもとに、いろいろなことを検討するため、休止期間を設定することに各委員が納得しているということであれば、一つの判断ができると思う。
 一方で、運行していく側の負担力が伴わないため、なんともならないという話の整理がつかない。基本的には、採算が合わないから撤退するということだが、従来の撤退は運行しながら撤退するということなので、休止したいということであれば、今までの地域懇談会やアンケートの結果を各委員に情報提供し、これならもうしばらく検討の時間があってもいいとか、あるいはもう影響がないのでやめてしまうという判断ができるかもしれない。
 【磯部会長】
 事務局からシティバスで代替できる部分について説明を求める。
 【事務局】
 シティバスを見直す際に、シティバスと西部コミバスの利用者の住み分けについて協議してもらった。その際にシティバスと西部コミバスとの重なり具合を見ていくと、重なる部分があり、その部分について利用者が競合する。
 しかし、シティバスは市役所と病院を中心とする路線のため利用者は高齢者が多い。一方、西部コミバスは商店街と駅を結ぶ路線であり、昼間の買い物に利用されることから、住み分けができている。このため、重なっている部分については、路線変更しないと地域公共交通会議で説明した。
 また、西部コミバスの休止・廃止について、シティバスのバス停勢圏で考えると、西部コミバスが無くなることによる公共交通機関の空白地域は約1/3程度である。具体的に言うと、勝川駅から西に走る味美線の沿線が空白になる。それ以外の2/3はシティバスのバス停勢圏に重なっているため、代替は可能ということになる。
 【磯部会長】
 2/3の重なっている地域の方ばかりが利用者であれば問題ないと思うが、重なっていない1/3の地域の方が非常にたくさん利用していると問題になると思う。商店街連合会でそのデータはあるのか。
 【提案者】
 特段、データは取っていない。勝川駅で乗降される方が多いという報告は受けている。
 【宮崎委員】
 勝川駅で乗降する人たちは、どこに行く人が多いかによって、シティバスで代替できるかが変わると思うので、説明をお願いしたい。
 【提案者】
 今は手元にデータが無いが、運行事業者がデータを持っていれば提供したいと思う。
 【磯部会長】
 情報が少ないため判断に困るところである。この会議で休止や廃止を決定すれば良いが、あくまで特例事項を審議するにあたり、情報が無いまま決定して良いかを決めかねる。各委員が納得できれば決定できるが、現在の状態で結論を出そうとしてもなかなか答えが出てこない。今の段階で、結論を出すことは難しいというのが私の率直な意見である。
 本日の会議において、この提案をひとまず認めるというのが一つ、認めないというのが一つ、詳しい情報がないため判断できないというのも一つの結論だと思う。
 【提案者】
 商店街連合会としては財政的に今後バスを運行しながら検討するということは難しい。そのことを会議に諮りたいということである。
 【磯部会長】
 それは理解できるが、その根拠がないため判断ができない。
 【提案者】
 必要な資料を今回提出できなかったことについては当方に非がある。改めて資料提出が必要であれば後日、提出するが、先ほど説明したとおり、運行については厳しい状況にあることは認めてもらいたい。
 休止中の検討の結果、半年後に廃止するのか、新たな形で運行を続けるのかを、この会議に提案したいと思っている。その際は、仮に廃止するならこういう理由で、運行するなら今後はこういう形でというような資料を提出したいと思う。
 よって、本日は、一時休止について了解してもらいたい。
 【磯部会長】
 会議の運営について、事務局と打合せをしたいので一時休憩にする。
 (一時休憩)
 【磯部会長】
 会議を再開する。資料が乏しいが、口頭で良いので西部コミバスの資金状況等について説明をお願いしたい。
 【提案者】
 資料提出については、来年早々にも休止することを想定しており、休止期間中にいろいろなことを検討し、提出しよう考えていたため、本日は資料がない。
 商店街連合会は、会員の皆さんからいただく会費で運営しており、総会を開いてこの事業を実施している。先ほど、運行には1か月70万円の費用がかかると説明をしたが、当初運行し始めた時は、1か月115万円か110万円で、あおい交通と契約を締結した。本年9月には、このままでは財政的に無理があるということで、運行本数を減らし運行するなど効率化を図った。
 我々は運行しながら、いろいろなことを模索していく余裕がないため、なんとかここで了承してもらいたいと思っている。
 【磯部会長】
 1か月115万円から110万円の経費ということだが、それに対して今、用意できる資金が足りないということか。
 【提案者】
 バス停設置などの運行準備には、国の商店街活性化補助金や商工会議所等々からも支援をもらい、その分については手当てができた。
 実際の運行に関しては、1か月70万円の経費がかかっており、年間840万円の経費がかかる。その手当てについては、我々、商店街連合会で年間50万円の事業費を組んでいる。
 運賃収入については、1か月平均5万円で年間60万円である。
 運賃収入と我々の事業資金として110万円の手当てがあるため、その差額の730万円を広告料で賄いたいということである。実際は、今年の4月に1年契約で広告料としてもらったものが約400万円である。したがって730万円から400万円を差し引くと年間で330万円が資金不足となる。
 【磯部会長】
 運行に際しては、月70万円必要で年間840万円の経費がかかる。商店街から年間50万円、運賃収入として60万円を見込んでおり、合計110万円である。730万円不足するので広告料金で補いたい。しかし、現在、広告収入が400万円くらいしかないため、330万円不足するとのことである。
 もう一つは、西部コミバスを休止した場合における利用者の足の確保は、シティバスとの重なりについて話をされたが、他の交通機関はないか。
 【提案者】
 西部コミバス事業開始前後、あおい交通が県営名古屋空港と味美・勝川を結ぶ路線を運行開始した。事務局から説明のあった1/3の空白エリアを、あおい交通のバスで100%補完できるかは検証していないが、そのバスで代替できると考えている。
 【磯部会長】
 他の交通機関と重なっている部分が多いということか。
 【提案者】
 はい。
 【長崎委員】
 資金的に困難ということになると、検討をこれから行い、資金をどのように作るかということにある。あおい交通のバスとシティバスで代替が可能であれば、休止ではなくて廃止で良いのでは。
 【提案者】
 西部コミバスは、昼間の運行のため、昼間帯についてはカバーできると思うが、早朝や深夜の時間帯の運行について要望等も出ており、検討していきたい。
 【長崎会長】
 そのような需要を受けて、スポンサーがつく可能性があるということか。
 【提案者】
 可能性はあると思う。例えば朝晩の工場に通う人の社員バスなどとの抱合わせも可能性としてはあると思う。このため、こういったことも含めて検討したいと思っている。
 【磯部会長】
 今は休止という提案だが、休止期間中に何も改善できなければ、廃止でもいいのではないかという意見があるが、ほかの委員の皆さんから意見はないか。
 【森委員】
 商店街活性化の補助金の話があったが、バスを廃止しても問題はないのか。
 【提案者】
 当然、問題はあると思う。
 【森委員】
 この会議で廃止の決定をするとその問題はどのように解決するのか。
 【提案者】
 地域公共交通会議で一定の結論がでた段階で、経済産業省に相談するつもりである。
 【森委員】
 地域公共交通会議で仮に休止という結論が出た場合、経済産業省には、地域公共交通会議で休止の判断をしてもらったという相談になるのか。
 【提案者】
 そのとおりである。
 【長崎委員】
 もし、地域公共交通会議で廃止の決定をした場合、経済産業省では廃止でも認められる可能性があるのか。休止でなければ認められないということはないのか。
 【提案者】
 そういうことはない。
 【長崎委員】
 休止でも廃止でも同じということか。
 【提案者】
 事業を行なわないということでは同じであるため、補助金については、休止でも廃止でも一旦は返還しないといけないと思う。
 【磯部会長】
 廃止は、現在の仕組みを全く無しにして、新たなものを考えるきっかけになる。休止は、今までのものを引き継ぎながら次のことを考えるということになる。
 休止と廃止の手続きの違いについて愛知運輸支局に説明をお願いする。
 【小林(裕)委員】
 同じルートを運行するのであれば、休止で再開する場合は容易である。ルートを変えて再開する場合は、そのルートについて新たな認可が必要なため、廃止しても手続きは同じである。
 事前に愛知運輸支局に相談に来られたときに、経済産業省の補助金の関係で、休止のほうが説明しやすいと聞いているが、休止でも廃止でも構わないということなら、手続き上は廃止のほうがわかりやすいと思う。
 【磯部会長】
 大きく変わるのであれば廃止して新しい枠組みを考えたほうが良いとの説明である。
休止にこだわる理由が、経済産業省への説明に使われると思っていたが、そうでないならば廃止して、次の枠組みを考えても良いと思う。
 【今村委員】
 当初からこのバスを走らせるにあたって、これだけの経費がかかるということは最初からわかっていたと思う。
 提案者の説明では、広告収入が全く足りないということだが、今後、利用者が現在の10倍になっても必要経費の半分にしかならない。これは最初から広告料がある程度入ってくるという見通しだったのか。
 【提案者】
 甘い見込みだったと思う。運賃収入をあてにしていなかったため、スポンサーを探して維持すること考えていた。しかし、昨年からの不景気でスポンサーが1/3以下になってしまった。
 【今村委員】
 今後、時間をかけてもスポンサーがつく可能性が無ければ、いつまでも休止という状態はおかしいと思う。
 先ほど言ったように、バスの利用者が10倍になったところで、スポンサーがつく可能性がなければ、休止でなく廃止で良いと思う。
 【磯部会長】
 休止か廃止かという意見についてはどうか。
 【提案者】
 経済産業省の補助金については、愛知運輸支局に相談した上、電話で確認した。
 回答としては先程説明した内容であったため、改めて日程が決まった時点でお邪魔することになっている。
 我々としては、法律上で規制されていることなので、むやみにバスを運行、廃止することは、良くないのではないかという思いがあった。
 このため、現在の事業の延長線上でなんとか検討したいという思いがあった。
休止のお願いをしたが、バスの運行、廃止が、認可上問題無いということであれば、一旦廃止し、再度検証した後、改めて違う事業形態で提案をするということもやぶさかではない。
 【磯部会長】
 この件は、不正があって取り消されるわけではないため、一旦廃止して新たな枠組みで運行することは可能か。
 【小林(裕)委員】
 はい。
 【磯部会長】
 商店街連合会から改めて廃止の提案をするか。
 【提案者】
 この会議で廃止の方が良いということであれば構わない。
 【磯部会長】
 廃止するという提案があったが、利用者の周知などの期間を経た後、廃止という提案でよろしいか。
 【提案者】
 よろしい。
 【磯部会長】
 委員の皆さんはいかがか。
 (発言なし)
 【磯部会長】
 それでは議決する。
 【小林(宏)委員】
 事業の背景はわかるが、この1枚の資料で地域公共交通会議として廃止を認めるのか。
 【磯部会長】
 それを悩んでいる。
 【小林(宏)委員】
 廃止や休止は、委員全員の意見、総意、責任で決定することになる。現在の状況で判断できないと思う。
 【磯部会長】
 意見をいただいたが他の委員の皆さんはいかがか。
 【森委員】
 資金面の問題及び代替交通の確保について口頭で説明がなされ、それについては会議録として残る。会議では休止について協議し、休止は難しいため事業者から廃止について再度提案がなされたと思うが、そう理解していいか。
 【磯部会長】
 はい。
 【森委員】
 この会議では、口頭ではあるものの330万円の資金不足で運行は困難という資金面の話しと、代替交通については、あおい交通の路線でカバーできること。
 シティバスは、事業目的が異なるため、西部コミバスが廃止になっても春日井市全体では影響がない。
 また、西部コミバスの運行により便利になったところもあるが、その1/3のほとんどの部分は、あおい交通が運行している勝川駅と県営名古屋空港を結ぶ路線でカバーできる。
 以上のことを踏まえて委員は、廃止について判断し、その協議内容は会議録として記録されるということでよろしいか。
 【磯部会長】
 そうである。
 【森委員】
 商店街活性化補助金は、商店街連合会の責任で解決することが前提か。
 【磯部会長】
 地域公共交通会議としてはそうである。運行に伴う財源の確保は、商店街連合会の責任で行なうということで、運行を認めてきた。
 このため、補助金の話も商店街連合会で責任をもってやってもらうことになる。
 【森委員】
 廃止の可否については、この会議において認めることになるが、事業を短期間でやめると恐らく、経済産業省で問題になると思う。商店街連合会でこの問題を解決するということでよいか。
 【磯部会長】
 はい。
 【宮崎委員】
 資金面が厳しいことはわかった。西部コミバスが無くなることにより、利用者がシティバスや他のバスを利用できるのであれば各委員も判断できると思う。
 しかし、現段階では、勝川駅から乗っていた人が、他の交通機関で代替が可能かわからない。
 代替可能ということで、会議で廃止を決定したが、実際には利用していた人の足がなくなってしまった、ということでは困ったことになる。
 このため、生活の足の確保が本当に大丈夫かどうか、ということが心配である。
 【磯部会長】
 今日の段階での結論は早いということか。
 【宮崎委員】
 現段階において、わかる範囲で良いので、その辺りを教えてもらえば判断できると思う。
 【磯部会長】
 利用者の動きについては、データを持っていないとの説明があり、運行しているあおい交通ならわかるとのことだったが、利用者がどこで乗り、どこで降りたかを調査したことはあるか。
 【提案者】
 商店街連合でそのような調査を依頼したことはある。
 しかし、ワンマンバスのため、利用されたときに現金又は回数券をもらい、1日乗車券等を渡した上で、利用状況も記録することになる。
 このため、運転手の負担が重くなることから、そういった調査が可能かどうかについては議論をした。
 【磯部会長】
 結局、調査を実施したのか。
 【提案者】
 あおい交通に確認していないためわからないが、必要であれば、残り1か月の運行期間中に、廃止による影響の有無について調べることは可能である。
 【宮崎委員】
 少なくとも、どこのバス停で何人乗っているかというのは、毎日でなくても、部分的にデータがあれば一つの判断材料になると思う。
 【提案者】
 あおい交通に確認していないため、言い切れない部分があるが、あおい交通でそういうデータがあれば一度確認する。
 【磯部会長】
 宮崎委員は、愛知県バス対策協議会の手法を念頭に置いて、そのような情報が、廃止する時の一つの判断材料になると話している。それは、あくまでも利用者の立場を考えてのことで、慎重な判断が必要であるということである。
 【森委員】
 西部コミバスの事業目的が商店街活性化ということなので、西部コミバスによって商店街の利用が月に600人くらいは増えたということであれば、廃止により、商店街の利用が元に戻ることになれば残念である。そういった事業目的の側面からの考え方もあると思う。
 【磯部会長】
 バスに乗った、乗っていないという話ではなく、商店街の活性化に役立ったかどうかが、一つの指標としてあるのではないか。
 【提案者】
 経済産業省の補助金の件もあるので、成果指標として乗降客数を資料として報告するつもりである。
 しかし、300人、400人という数値が、100%商店街の利用者かというと必ずしもそうではない部分がある。
 個別にヒアリングしたときには、白山小学校から乗る人が勝川商店街を利用するというのは聞いている。個別のヒアリングからそういうものを集約はできると考えているが商店街にどれだけの効果があったかまでの判断は難しいと思う。
 【磯部会長】
 商店街連合会から運行に必要な数字を口頭で説明してもらい、中止ではなく廃止でお願いしたいとの提案があった。
 各委員から意見をもらったところ、まだ情報不足ではないかという意見もあり、本日の会議で議決するのか、情報収集後に再度会議を開催し議決するのかということになる。
 各委員が本日の会議では決定できないので再度、会議を開催し、そこで議決するということであればその意見に従う。
 一方で、資料は不十分であるが口頭説明により、おおむね状況は理解できたため、それを判断材料にするということであれば議決する。各委員はどう思われるか。
 【長崎委員】
 現実論だが、資金が無ければ運行はできない。これをどう判断するかである。利用者の話もあるし、データ不足もあるが、その前に資金がなければ運行しろというわけにはいかない。それをどう判断するか。なんとしても、その手当てをしなさいということが言えるかどうか。また、もう少しの間運行し、再度会議を開催するという選択肢しかないと思う。
 【磯部会長】
 再度会議を開催することになれば、データ不足を解消できる。
 そのためには、利用者がどこからどこまで乗っているかわかっていないのであれば、それを簡単な調査でいいから調べてもらうことになる。
 あるいは、お金の話をもう少し詳しく調べるため、各委員から出た意見を反映した書類を出してもらうことになる。
 こういう意味でもう再度会議を開催することのメリットはあると思うが時間がかかる。
 【磯部会長】
 他の委員はいかがか。
 【森委員】
 資金面については、口頭で年間330万円の資金不足という説明があった。それから私が商店街活性化のことを言ったのは、西部コミバスは春日井市の全体のバスサービスのなかで事業目的が違う上乗せ部分のため、地元商店街の利用がしにくくなるが、100%の代替が必要なものかどうかということである。
 【磯部会長】
 他に本日の会議のやり方について、意見はあるか。
 会長の責任でということであれば責任とってやることになると思うがいかがか。
 【伊藤委員】
 商店街連合会として、少しでも早く整理したいという思いがあるので、この場で一応結論を出してもいいのではないかと思う。
 西部コミバスについては、商店街の活性化という上乗せ部分のため、たしかに利用者の利便性ということもマイナス要因であるが、代替交通が全くないということではない。資料不足については先程の説明で理解することとし、休止・廃止の結論を出しても良いと思う。
 【磯部会長】
 西部コミバスの目的から見たときに、商店街の活性化については、この10月から新たに運行を開始したかすがいシティバスは、病院への移動手段を確保するということで運行しているため、少し意味合いが違う。
 市全体のバス交通を鑑みると、西部コミバスの廃止は、利用者からすると公共交通機関が減り、不便な地域が増えるが、他の公共交通機関でうまくカバーできるため、大丈夫であるという考え方もある。そういう考え方で進めたいと考えているが宮崎委員はいかがか。
 【宮崎委員】
 そういう利用者が多いのであれば、それでも構わないと思う。
 今までの説明だと商店街の利用者がほとんどであり、いわゆる交通弱者といわれる利用者はいないのかがわからない。
 【磯部会長】
 その点について提案者は何かあるか。
 【提案者】
 ヒアリング結果として、勝川駅での利用が多いということはわかった。
 しかし、実際に勝川駅で降りた利用者が商店街を利用したか、降りて名古屋に行ったかは判断できない。当然、西部コミバスを利用された方を商店側で全て把握するのは難しい。利用者に個別に話を聞きながら積み上げていくしかない。
 【宮崎委員】
 年齢はどうか。
 【提案者】
 高齢者が多いが、勝川のスーパーに来る方は、若い方や子供連れの方も多い。
 今後、利用者には他の公共交通機関を利用するよう案内を行う。
 【磯部会長】
 まとめに入りたい。議決を行ないたいと思うがいかがか。
 【大辻委員】
 運行目的が商店街の活性化のため、西部コミバスが無くなっても商店街を活性化できると提案者が言っているため、ここで議決してもよいと思う。
 【磯部会長】
 議決するにあたって、協議が整い、運行廃止する場合、お願いしたいことが二つある。
 一つ目は、現在の利用者に対しての周知を徹底すること。西部コミバスが無くなるということと代替交通機関があるという案内である。
 二つ目は、新たな枠組みで考えるのであれば、今までの経験を十分に踏まえて、新たなものや商店街の活性化を検討すること。
 そういうことで協議が整い次第、運行廃止したいという申出について採決を取る。このことについて賛成の方挙手をお願いしたい。
(12人挙手)
 【磯部会長】
 3名の委員が挙手されていないが、多数決により廃止で合意とする。
 今後は、廃止に向けて手続きを進めること。

(2) その他事項について

 【事務局】
 この会議は平成19年に設立し、12月16日で委員の任期が満了になる。先に次の委員の推薦をお願いした結果、現在の委員で引続きご承諾いただけると回答をもらっている。次回の委員の任期は、12月17日から2年間です。よろしくお願いしたい。
 【磯部会長】
 何か質問等はあるか。
 【宮崎委員】
 次回の会議時に、JR東海バスの廃止後の状況やそれに関する要望等があれば状況を教えてほしい。
 春日井市内には、国と県の補助金で運行している名鉄バス桃山線がある。春日井駅から小牧市の桃花台ニュータウンの少し外れたところまで行くバスだが、非常に利用者が少ない。
 また、将来的に、廃止が危ぶまれるような名鉄バスの路線があれば報告してほしい。名鉄バスだけではどうにもならないところもあるため、皆さんが利用しないと廃止になる。
 次の会議において、報告事項として取り上げるよう事務局で検討してほしい。
 【磯部会長】
 10月から民間バスやシティバスの状況が変わったため、その状況把握が必要だと思う。
 名鉄バスに、お願いしたいのは、名鉄バス路線の全体の話である。変わったところだけではなくて、高蔵寺ニュータウンのバスの話など、この会議で報告してもらえば、今後の参考になると思う。
 【宮崎委員】
 愛知県では、市町村が運行しているコミュニティバスに少しでも乗ってもらえるよう12月から2月初めまでの2か月間、コミバスラリーを開催している。応募された方には懸賞品がある。
 イベントを通じ、県内のコミュニティバスについて、皆さんに知ってもらい、乗ってもらいたいと考えている。
 上記のとおり平成21年度第2回春日井市地域公共交通会議の議事の経過及びその結果を明確にするためにこの議事録を作成し、会長及び出席者1人が署名(及び押印)する。
      平成22年2月12日

 

会長    磯部 友彦
署名人  松本 由太朗

 

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