平成20年度第2回春日井市地域公共交通会議議事録

ページID 1007105 更新日 平成30年4月1日

印刷大きな文字で印刷

1開催日時

平成20年8月6日(水曜日)午後2時~午後4時50分

2開催場所

春日井市役所南館(議会棟) 4階 第3委員会室

3出席者

会長       
 磯部 友彦(中部大学工学部都市建設工学科教授)

委員
 伊藤 太(春日井市長)【代理 新開 正人】
 長瀬 敏裕(名鉄バス株式会社運輸部運輸第2課長)【代理 犬飼 友樹】
 松浦 宏行(ジェイアール東海バス株式会社企画部長)
 梅津 道彦(近鉄東美タクシー株式会社代表取締役社長)【代理 葛山 直之】
 長崎 三千男(社団法人愛知県バス協会 専務理事)【代理 伊藤 秀雄】
 奥村 正士(愛知県タクシー協会副会長)
 松本 由太朗(春日井市区長町内会長連合会副会長)
 今村 勝芳(春日井市民生委員児童委員協議会連絡会副連絡会長)
 谷口 欣男(春日井市老人クラブ連合会会計)
 大辻 誠(春日井商工会議所副会頭)
 水野 千惠子(社会福祉法人春日井市社会福祉協議会副会長)
 多田 直紀(国土交通省中部運輸局愛知運輸支局首席運輸企画専門官(輸送担当課長職))
 伊神 健(愛知県尾張建設事務所維持管理課長)
 井ノ口 尚彦(愛知県春日井警察署交通課長)
 宮崎 秀嗣(愛知県地域振興部交通対策課長)【代理 渡邊 重之】
 三浦 栄作(春日井市建設部道路課長)

提案者
 胡桃澤 勝久(春日井市商店街連合会会長)
 水野 隆(春日井市商店街連合会副会長)
 松浦 秀則(あおい交通株式会社代表取締役)

事務局
 東瀬野 克之(春日井市企画調整部交通対策課長)
 小林 敏夫(課長補佐)
 河出 康隆(主査)

4欠席者

委員
   小林 宏(愛知県交通運輸産業労働組合協議会議長)

5議題

春日井西部地区コミュニティバス<勝川・味美地区ちょい乗りバス>について

  1. 路線について
  2. バス停について
  3. ダイヤについて
  4. 運賃について
  5. バス車両について

6会議資料

7議事内容

※ 【提案者(商)】とは、春日井西部地区コミュニティバス(以下「西部コミバス」という。)の事業を実施する春日井市商店街連合会を、【提案者(交)】とは、春日井市商店街連合会から、西部コミバスの運行を依頼された、あおい交通株式会社をいう。

(1) 地域公共交通会議について 
 【多田委員】
 事前に配付された「地域公共交通をよりよいものとするためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に基づき、地域公共交通会議の位置付け等について説明。
 【磯部会長】
 各委員にガイドラインに関する意見を求める。
 【奥村委員】
 今回配付されたガイドラインは3月の時点で提示されたものであり、事務局も把握していた情報と思うが、なぜ委員に早めに公開しないのか。早めの公開を強くお願いする。
 【磯部会長】
 地域公共交通に関しては、現在色々な新しい情報が、日本全国にある。これらの情報をすばやくキャッチして、公開していくことが必要であるため、今後、気を付けるよう事務局にお願いしたい。

事務局から了解の意を委員に伝え、次の議事へ進行。

(2) 西部コミバスについて
 【提案者(商)】
 事前に配付された説明資料に基づき、西部コミバスの運行背景、目的及び路線、時刻表等の提供サービスについて説明。
 【磯部会長】
 各委員に西部コミバスについての賛否や意見について求めたい。
 【梅津委員】
 ガイドラインによれば、委員全員が同じ目的を共有し、詳細な検討を行うための会議運営方式として、下部組織の設置運営が求められるとある。
 今回の内容では、既に運行主体が決定されており、詳細な検討を行う別の協議の場が無かったように思う。事前にこのような運行提案があるのであれば、情報公開の原則に従って、我々、事業主にも情報を公開して欲しい。
また、提案では勝川駅から深夜にバスを運行されるとのことだが、勝川駅では名鉄西部交通株式会社、尾張交通株式会社がタクシー事業者として営業している。
 この提案は、タクシー事業者としてサービス範囲が重複する計画であり、勝川駅を中心に事業をしているタクシー事業者との協議が必要と考える。   
この会議において、下部組織を設置して協議をするべきである。
 【磯部会長】
 会議の運営に関する質問については、事務局の意見を伺いたい。
 【事務局】
 下部組織の設置に関しては、幹事会、専門部会などを位置付けて検討する事例があることは把握している。
 今回の提案に関しては、10月1日からの運行開始を目標としているため、時間的な面で全体会議での議題として諮ることとなった。
 今後については、下部組織を設置したうえで検討することは可能である。各関係機関の調整や今後も協議を続ける必要がある場合など、今回の会議の中で下部組織設置の必要性を含めて協議いただければと考えている。
 【奥村委員】
 今回の提案は、具体的な内容や運行主体が既に決まっている。
地域公共交通会議で何を協議するべきかを第3者機関などを設けて、吟味して進めることが必要であり、そこが市役所や運輸支局にお願いしたいところである。
 ガイドラインなどの情報については、地域公共交通を実際に支える事業者には、直前まで情報が入ってこない現状である。
 今回については、警察、市役所、運輸支局、会長も既に情報を承知しており、一部の委員だけが情報を知らないという状況にある。
 このような状況にならないためにも、第3者機関などを設けて、会議の運営をより良くするための方策を検討して欲しい。
 【井ノ口委員】
 提案者の説明の中で、警察の了解を得ているとの説明があったが、この資料では交通管理の面で判断できない。交通の安全性を考えても資料として充分とは言えない。
 準備として、事前に担当レベルで協議が行われていないと、会議に出席する意味がないこととなってしまう。
 今回の提案については、警察として了承しているわけではないということを認識していただきたい。
 【磯部会長】
 今回の会議で提案された案件は、結果が決まっているものではない。
 会議で協議をした上で、情報が不十分ということであれば、審議を続けることが必要である。場合によっては、駄目という結論を出すことを含めて判断をすることとなる。
 【奥村委員】
 提案者からの説明では、ほぼ確定した事業として説明されている。
白紙に戻して審議できるということであれば、そのような方向で協議をお願いしたい。
 資料では、タクシー料金が高いことが問題のように書かれているが、商店街にお客が集まらない要因として、そもそも商店街で取り扱う商品自体が高いのではないか。タクシー料金が高いとの記述はタクシー事業者に対して失礼ではないか。
 【磯部会長】
 タクシーの料金については、正式な許認可を受けた料金であり、一方的に運賃が高いというのは、不適切な表現と感じる。表現については、良く考えて訂正をお願いする。
 今回の提案については、運行する目的が分かりづらい、ということが問題である。「何のために、誰のために」運行するのか、ということが先の説明だけでは明確でないため、補足説明をお願いする。
 【提案者(商)】
 西部コミバス事業については、当初は21条バスとして運行しようと考えていたが、5年、6年後も継続して運行できるよう4条バスに変更した経緯があり、会議への通知が遅くなってしまった。
また、料金については、シティバス1乗車200円でも、利用が少ない状況にある。
 商店街としては、バス運行によりお客様を増やしたいということから、シティバスの料金と利用状況を踏まえて、昼間、夜間の料金を設定した。
決してタクシー料金が高いということを前提として、料金を設定したものではない。資料の記述については訂正させていただく。
 運行については、商店街のお客様の移動手段としてだけでなく、飲酒運転の防止や塾帰りの子どもの移動手段など、色々な利用を想定して提案をさせていただいている。
 【奥村委員】
 あおい交通に伺うが、この提案内容の書類が届く前にお会いした中で、「この事業は儲けが少ないため、春日井市内の事業者で受けてもらっても良い」との旨のお話があったかと記憶している。
この発言の真意をお伺いしたい。
 【提案者(交)】
 この事業については商店街連合会から依頼を受けて、一緒になって今回の提案資料を作成してきた。あおい交通は小牧市の事業者であるため、もし、春日井市内の事業者で運行を用意される段取りがあるならば、地元事業者で運行されることも良いのでは、という主旨である。ただし、今回の事業は、乗合バスによる運行であるため、現実的な視点として、あおい交通で準備をせざるを得なかったものと考えている。
 今後、春日井市内の事業者が運行をしたいということであれば、手を引くことも考えている。
 【奥村委員】
 事前に話した中では“現実的には儲からない事業のため春日井市の事業者でやってもらっても良い”という主旨と理解している。この考え方は、事業主体である商店街連合会に対しても失礼ではないか。
 今回の提案全てに反対というわけではないが、現状では本当に地域のためなのか、疑問である。
 【提案者(交)】
 今回の事業については、採算性の議論ではなく、地域ニーズに対して新しい旅客輸送システムを作っていかねばならないとの観点から提案したものである。バス、タクシーの垣根に位置付けられる取組みであり、直接的に、儲かる、儲からないということは分からない。ただ、新しい取組みに対しての情熱、挑戦に対しての弊社の姿勢を示したものと考えている。
 【磯部会長】
 事業の採算性は、どのような事業を進めるにしても重要なことである。
例えば、シティバスでは、運賃収入だけではとても運営が出来ず、税金を投じてでもサービスの必要性があることから、この地域公共交通会議において認め、運行をしている。この観点から見ると、今回提案の西部コミバスが春日井市で本当に必要かどうかを考えることが重要である。特に「誰にとって」必要かという視点では、シティバスは市全体からみて必要であると判断し、行政が税金を出してでもやらざるを得ないということから運行を続けてきた。
そこで、今回提案の西部コミバスについて、誰のために、どういうメリットがあるかということを明確にしないと審議しづらい。
 【奥村委員】
 商工会議所にお伺いするが、今回の事業ではあおい交通を意思決定機関の一部に位置付けている。
 おそらくこの事業には、商工会議所も補助金を出すことになると思うが、春日井市の地域公共交通を市外の交通事業者に委託することは、地元会員から集めた資金を他地域事業者に対して応援することになる。地元会員にも交通事業者がいる状況の中で、地元事業者や会議等で何も話がなく、一方的に決められるのか。
 今回の提案事業については、事業者としても愛知県タクシー協会としても聞いていない。一方では、商工会議所として補助を出すことが決まっている状況の中で、市や県からの補助金が出され、ほぼ全ての事柄が決まっている。商工会議所として、市域外の事業者に対して応援をされるのか、考えをお聞きしたい。
 【多田委員】
 補助金の関係については、今回参加されている委員の方のほとんどが、内容が分からないと思うので、まずは本事案に対する補助金の関係を説明いただくことが必要と思う。
 商工会議所内の協議の内容については、この場で取り扱うべきことなのか、判断はできない。会議の中で判断をして欲しい。
 【奥村委員】
 今回の大きな問題は、この事業について運輸支局も早くから情報を把握していたと思うが、地元の交通事業者などに何も情報が伝えられていないところにある。
 前回の会議の段階で、シティバスの路線について協議していたが、今回の提案路線についてはシティバスの路線と重複するところがあるはずで、その情報を提示せずシティバス路線を議論することはおかしいと思う。
 【磯部会長】
 この議論の主旨は、商工会議所のバックアップ体制のことと思う。それに対する回答を中心に、商工会議所から回答をお願いしたい。
 【大辻委員】
 商工会議所としては、あおい交通への補助ではなく商店街連合会の活性化を図る意味で補助金を出すということである。
 あおい交通に対しての補助ではないので誤解の無いようにお願いしたい。
 【奥村委員】
 あおい交通への補助ではないということであれば、事業計画書中「あおい交通と商工会議所を加え意思決定機関とする」との文面を省いていただきたい。決定機関ということであれば、補助金の使い道を含めて意思決定に交通事業者が含まれることになる。
 補助金は、西部コミバスの運行に使われるため、交通事業者への補助となる。なぜ地元の事業者に運行の相談もなく、地域外の事業者に依頼し、地域外に補助金が流れる構造にしたのか。
 【大辻委員】
 ご意見にあったように、春日井市の名鉄バスを含め、地元交通事業者によって運行されることが、最も良いことだとは思う。
 ただ、乗合バス事業ということもあり、商店街連合会としては、その依頼先があおい交通であった、ということと認識している。
 【磯部会長】
 この議論は、事業主体が運行主体をどのように選択したか、というところであるが、説明があればお願いしたい。
 【提案者(商)】
 今回は乗合バス事業として4条運行を計画している。
春日井市内に事業所のある乗合バス事業の免許を有する事業者は、名鉄バスだけである。
 名鉄バスについては、本年4月から勝川駅から県営名古屋空港までの路線を廃止した経緯があり、周辺の市町でほか事業者を探したところ4社が候補に上がった。4社の中で、ミゴンなどの先進的な取組みを行っているあおい交通を選出した。
 【奥村委員】
 4条免許については、取得することは可能なものである。
事前に路線等の資料を作成し、現状で4条免許を有していることを理由に事業者を選出したので協力して欲しいといわれても了承はできない。
 【提案者(交)】
 この会議では、事業主体がどの運行事業者を選んだか、ということを議論する場ではないと考える。
 また、事前に警察と打ち合わせることを含め資料を作成した。
 今回の会議については、この提案資料を踏まえた上で、大局的な観点から地域にとってこの交通システムが必要かどうか、判断をいただく場であると考えている。
 【井ノ口委員】
 今回の計画で重要な勝川駅のロータリーの利用については、名鉄バス等との協議が整わない限り、出来ないものと考えている。
 【提案者(交)】
 勝川駅ロータリーの協議など、事業者間調整に関しては、今回の会議の結果を受けて残り2か月間での調整事項と考えていた。
 会議に諮る前に、事業者間で事前調整することも問題と考え、今回の会議において方向性が定まれば、実際の個別調整に入りたいと考えている。
 【磯部会長】
 事業の進め方について、運輸支局にお聞きしたいのだが、路線の申請、許可・認可を受けて、という手順について説明を頂きたい。 
 【多田委員】
  運輸支局では当初、実証で運行する21条路線としての計画と聞いていたが、継続的な運行を視野にいれ、最終的には4条路線での運行を選択されたと理解している。
 今回のようなケースは、地域公共交通会議で議論して、運行の対応等について考えていくことが必要である。
 また、運賃についても、今回の改正で法的には、通常の原価計算をすることなく、協議路線、協議運賃と言う形で、簡単な運賃設定が可能となった。その点で、地域公共交通会議で協議したうえで、4条路線を検討していくことが必要である。
 地域公共交通会議での合意があれば、道路管理者との協議、公安委員会(警察)との協議の一部を簡素化していくことも可能となった。
 また、会議での合意があれば、1か月程度の行政手続の期間を経て、運行が可能となるものと考える。
 【磯部会長】
 合意というのは会議の場で、委員個々人の判断基準に照らして判断していただき、会議としての判断をする、ということで良いか。
 【多田委員】
 その理解で良い。
 【松本委員】
 7月の会議では、事務局からシティバスの路線案が提示されて、その路線案に賛同した。今回提案の地域については、西環状線で概ね網羅されていると思われる。
 西環状線は、病院や公共施設を巡回するバスとして位置付けられているので、商業的要素の強い今回提案の路線とは位置付けが違うかもしれないが、出来るなら重複する区間も多いことから、一本化するなどのことも考えられるのではないか。
 【事務局】
 7月の会議で提案した見直し案については、現行の勝川線、西部線の両路線を相互に接続して西環状線として運行する提案をしている。提案者の考えとして、主に買い物客を対象としており、サービス対象の中心が異なっていることや、実際に重複する区間が、八光線や空港へ向かう道で重なる。
 また、運行時間帯について、シティバスの運行する昼間は重複するが、夜間、深夜についてはシティバスが運行しておらず、時間的な重複について直接の影響は少ないと考えている。
今回の提案での事業目的は、駅やその周辺商店街に客を運びたいというものであり、この観点であれば提案の事業は良いのではないかと考える。
 また、シティバスに関しては、市民病院や市役所などの公共施設に移動する手段として路線を設定しており、今回提案の路線に比べて運行距離が長く所要時間が長めのバスとなっている。運行目的やサービスの面で、シティバスとは客層が異なると考えられ、現時点では統合することは困難と考えている。
 【長瀬委員】
 事前に頂いた資料の中で、バス停の位置等を確認したが、一部のバス停が重複している状況にあること、また料金では、シティバス200円に対して西部コミバスが100円であることなどから、利用者を取り合ってしまう可能性があると見ていた。
 春日井市の交通政策の中で、この西部コミバスの位置付けに対する考え方について、お伺いしたいと考えていた。先ほどの見解として、客層としてはバッティングしないということであった。
 春日井市のバス事業者として、先の見解を踏まえた上で、改めて検討をしたいと考えている。
 【奥村委員】
 基本的に愛知県タクシー協会としては反対である。
最大の理由は、勝川地区のタクシー事業者にとって、このようなバス事業が運行されることは死活問題に直結することである。
 地域公共交通の情報に関しては、地元の事業者にも早い段階で提供いただき、地元の事業者の養成、育成に繋がるような仕組みをとっていくことが必要である。
 【大辻委員】
 前回提案のあったシティバスの見直し案の資料では、バスの空白地域として、今回の西部コミバスの提供地域でもある西部地域が挙げられていた。
 今回の提案については、この西部地域の空白を埋めるものとしても意義があるものと考えている。
 【奥村委員】
 名鉄バスの撤退による空白地域の解消が目的ならば、あおい交通がバス事業者として補助金なしで運行すれば良いのではないか。

 (一旦、休憩)

 【磯部会長】
 会議を再開する。
 ここまでの協議の流れをまとめると今回の会議だけでは委員の合意が得られる状況にない。
 このため、下部組織を設置し協議を必要とする方々に集まっていただき、再度調整をして、今一度、本会議に諮る段取りにしたいと考えるが、委員の意見を伺いたい。
 【奥村委員】
 下部組織を設置して協議を継続するという案に賛成する。
(他委員から“賛成”の意見があり、下部組織による協議継続の方向で検討)
 【多田委員】
 下部組織を設置して協議を進めることについては、良いと思う。
その後について、下部組織の協議結果を本会議で合意を得るのか、下部組織に協議を一任するのか、明確にしておく必要がある。
 【提案者(商)】
 下部組織では、何の議論をするものか、説明をお願いしたい。
 【磯部会長】
 ガイドラインでは、地域公共交通の維持発展を実現するための計画検討の方法として、下部組織の設置による詳細な検討が提示されている。
 今回の案件で具体的に言えば、警察の関係者、他の交通事業者、道路管理者などが該当し、このような方々にお集まりいただき、協議をする。
今日の場合では、まだしっかりと検討が出来ていない、今の段階では反対、などの発言もある中で協議を続けても結論は同じである。
 そのため、直接的な関係者を中心とした下部組織を立ち上げて場所を変え、提案者を含めて改めて協議をしていきたい。当然であるが、今の提案内容のままでは合意が得られないと考えられ、提案内容の修正も含めた協議となる。
 提案者については、修正もあり得るという前提の中で協議をいただければ、合意に向けた解決策も見つかるものと考えている。
 【奥村委員】
 下部組織については、提案者が参加する必要はないのではないか。
 【磯部会長】
 地域公共交通会議は、審査ではなく協議の場にしたい、というのが私の考え方である。
地域公共交通をより良くしていくために、提案者に対して逆提案をすることや、修正案を求めるなど、直していくことが必要であると考えている。例えば事業全体としては良くても、細かな点に問題があれば、やはり合意は得られないこともある。
 【提案者(商)】
 詳細な検討を進めることを前提とした下部組織であれば、提案者が参加しなければ、誰がその詳細について説明するのか。
 【提案者(交)】
 地域公共交通として路線を設置したいとする事業主体が参加して議論しなければ、下部組織の協議は意味を成さないのではないか。
 また、今回の事業はリスクが伴うものであり、運行主体としてリスクを被ってでも事業主体とともに運行したいと考えている。
 リスクが無い方々のみが集まって協議をしたとしても、事業主体の考えが伝わらず、協議にならないのではないか。
 【奥村委員】
 提案者の参加が必要ない、といったのは、あくまで下部組織であり、本会議については、必要に応じて参加いただく形でよいと考えている。
 【磯部会長】
 奥村委員の提案は、下部組織については委員の中から関係者が集まって議論し、そこでの協議結果を提案者に伝えて修正し、改めて本会議において協議するという主旨でよいか。
 【井ノ口委員】
 交通管理の面では、下部組織を設置するのであれば、運行主体を加えない限り、改善をしていくことは不可能である。
 交通管理者としては、運行主体を加えない会議であれば、参加する意味がないと考える。
 【磯部会長】
 協議の場という解釈でいくと、運行主体として提案者を含めて下部組織を設置したいと考えている。
運行主体を含めて協議をしない限り、今回の案件は進展しないものと思う。どのような結論が出るかは協議の進捗次第であるが、運行主体を含めた下部組織を設置していく。
 残る課題として、どのようなメンバー構成とするかであるが、事務局からの提案をお願いする。
 【事務局】
 下部組織について、実際の運行による影響を含めて協議する場、ということで行くと運行事業者、運行する場合には法規に準拠している必要があることから公安及び道路管理者になる。
 また、事業主体が商工会議所に関係しているが、この参加に関しては、本会議の中で協議をお願いしたい。
 【今村委員】
 下部組織での議論ということになっているが、運行計画書の中では10月1日での運行と予定されている。実際問題として、10月1日から運行するにあたって、時間的に間に合うのか。
 【提案者(交)】
 地域公共交通会議の合意が取れた場合については、約1か月前までに資料が整えば、かろうじて間に合うものと考えている。
 【奥村委員】
 協議に諮るような今回の提案に関しては、事業主体が求める10月1日からの運行に間に合うかどうか、という観点から議論すべきではない。
本来は充分な議論を経た上で路線を検討し、運行に繋げていくべきではないか。
 【磯部会長】
 事業主体の期待として、運行開始日を設定しているものと思うが、協議の進行によっては、スケジュール的にどのようになるか分からない、と回答するしかない。
 【提案者(商)】
 西部コミバスの運行開始予定は、今年10月中旬にオープン予定の大型店舗「エアポートウォーク名古屋」に先んじて事業を行いたい、という意図がある。
 下部組織や本会議のスケジュールに関しては、出来る限り10月1日の運行に合わせて実施していただきたいと考えている。
 【磯部会長】
 下部組織の構成員について、委員メンバー表から再確認する。
 事務局から下部組織の構成員として、以下の委員の参加を提案。また、会長から提案者として春日井市商店街連合会、あおい交通株式会社の参加を提案。

※下部組織(第1案)

  • 第1号委員  名鉄バス株式会社/近鉄東美タクシー株式会社/愛知県タクシー協会
  • 第5号委員  愛知県尾張建設事務所
  • 第7号委員  愛知県春日井警察署
  • 第6号委員  春日井市建設部道路課

 【磯部会長】
 以上の参加者での下部組織の設立を提案する。
 なお、他の委員についてもオブザーバーの位置付けで参加いただくことに関しては問題ないものとする。
 【多田委員】
 今の提案では、運行事業者中心の組織となるが、利用者の意見を取り入れる必要はないか。自らの移動手段をどうしていくのか、という面からの意見も、下部組織での協議に取り入れることも必要と考える。
 【松本委員】
 利用者を含めると下部組織は全体会議と同じようになってしまうが、参加させないと利用者の意向は全く無視されることになる。下部組織を、経営者側と利用者側の2つに分けて実施するなども考えられる。
また、日にちが無いことを考えると、下部組織ではなく、本会議でもう一度議論してもよいのではないか。
 【磯部会長】
 下部組織で協議、本会議で再協議のどちらの場合でも、事前に準備をしない限り協議は進展しない。
このため、関係者には協力を求める。
 【松本委員】
 時間が無い中ということもあるが、今日の議論を聞いている限り、1回の議論ではまとまらないものと思う。
 【提案者(交)】
 今回提案するにあたり、事業の内容については、既に10回以上検討会を行っており、これまでに充分な練り上げをしている。
 地域公共交通会議自体、事業内容について協議、検討するための組織にはなっていない。出てきた案件に対して認めるか、差し戻すか、ということを判断する会議と考えている。
 【磯部会長】
 質問を返す形になるが、今の段階で議決を取ればおそらく否決される形になるが、よろしいか。
 【提案者(交)】
 委員それぞれで賛否があると思われるが、ある段階で決断をしていかない限り、ここの協議は調わないものと考える。
 地域公共交通会議を事業内容について検討する会議として位置付けてしまうと、会議として非常に無理のある形になってしまうと思う。
 【磯部会長】
 現段階ではこの事業の必要性について、委員の理解を得られていない。
 今日の議論では、路線やバス停、ダイヤなどの細かい議論は出来ていない。
勝手ながら今日の会議をまとめれば、委員の方々の中に、「事業自体が不思議な事業だな」という、入口の部分で疑問があるものと思う。この入口の疑問を解消しない限り、細かな事業内容まで検討していくことはできない。提案者はこのことを理解していただきたい。
 今日の会議に関しては、その必要性を重視して協議を進めてきたものと思っている。
 【提案者(商)】
 事業主体として、これまで検討し今回提案した内容であるが、協議を踏まえ修正をすることについては当然のことと認識している。
 この事業を始める発端は、味美商店街が中心となった味美ネットワークが行ったアンケート調査がある。この調査結果では、住民の70%以上が交通の足に困っていて、市民病院へ行くことはできても、地元の診療所や店に行けないという結果であった。これにエアポートウォーク名古屋の開店が重なったこともあり、商店街連合会として今回の事業を提案するに至った。
 商店街連合会として、タクシー事業者の邪魔をしようと思ってこの事業を行うわけではなく、例えば、飲酒運転対策としてタクシー初乗り運賃をチケット提供で行うなどの議論をし、共同していく方策を考えている。
 私どもは、地域にとって何が良いか、ということを常に考えて事業を行っており、この点についてご理解いただきたい。
 【磯部会長】
 今のような情報や議論、検討してきた事項を、なぜ早く出さなかったのか。今までの言い方であれば、単に自分達の商売が苦しいから助けてくれ、と言っているだけに過ぎない。その意図がある以上、合意は得られない。提案者として、その検討内容を早い段階で何故出してこなかったのか。
 提案者は、関係者間の協議を旨とする本会議のあり方を、勘違いしているところがあるのではないか。
 【奥村委員】
 会長の意見に賛同する。
 早い段階で地域の問題を提案し、ともに議論を進めていく必要があったのではないか。
 【水野委員】
 専門的なことは分からないが、高齢化が進む中で、住民が家にいるのではなく、出かけていくことも重要であり、車が使えない場合には、バスなどの手段に頼ることになる。その時に、やはり市のバス事業だけでは限度があり、その限度を超えた部分について、どこが担っていくのか、ということが重要となる。
 今回、提案者が市だけでは提供できない部分に気づき、自分たちでやっていこう、という気持ちを持っていることは、大変良いことと思う。
 ただ、今回の提案に関しては、運行実施に向けたプロセスに問題があったのではないか。
 【奥村委員】
 私も全面的に反対しているわけではない。
ただ、今回の案件に関しては、事業主体のエゴの中で進められたと見えてしまい、反対意見を出させてもらった。
 【磯部会長】
 今回の案件については、手続きの進め方の面でボタンの掛け違いがあった。もう一度仕切りなおしをすることが必要と思う。
 【奥村委員】
 下部組織を作って充分に議論していくことで良いのではないか。
 10月1日にこだわらず、地域にとって必要となる事業を議論していくべきだと思う。
タクシー事業者としては、この案件をこの場で決めるということは困難であるため、市内5社の事業者と協議し、下準備を整えることが必要である。
 【磯部会長】
 本案件については、継続協議が必要である。
全体会議として再協議をするか、下部組織で詳細を詰めてから協議するのか。
また、時間の制約を意識するか、また、時間がかかっても全体会議でじっくり協議を行うのか、交通会議として判断をしていただきたい。
 【奥村委員】  タクシー協会としては、とにかく充分な時間を頂きたい。役員会などの各種会議を開催するなど、対応すべき事項は非常に多い
 【宮崎委員】
  下部組織を作ることに関しては、先ほどの議論の中でおおよそのコンセンサスは得られているものと思う。あとは住民の方を下部組織に入れるかどうかの問題であったかと思うが、全員を入れればほとんど本会議と変わらないという点で、議論が残っている。住民の参加者を数名いれるかどうか、という点で進められてはどうか。
 事務局から下部組織の構成員として、先に提案した第1案に、第2号委員2名の参加を提案。

※下部組織(第2案)

  • 第1号委員  名鉄バス株式会社、近鉄東美タクシー株式会社、愛知県タクシー協会
  • 第2号委員  春日井市区長町内会長連合会、春日井市老人クラブ連合会
  • 第5号委員  愛知県尾張建設事務所
  • 第7号委員  愛知県春日井警察署
  • 第6号委員  春日井市建設部道路課

 【磯部会長】
 本案件については、先にあげた委員により構成する下部組織をつくり、運営することでよろしいか。また、下部組織の名称を幹事会とすることでよろしいか。
 委員から下部組織を構成し、運営することについて了解を得た。
 【多田委員】
 勝川駅、味美地区、名古屋駅、県営名古屋空港を結ぶ路線バスの申請が出されていることを情報提供する。
 【磯部会長】
 西部コミバスが定義している空白地域がこのバスの運行により崩れてしまう可能性があるため、検討が必要である。
 【多田委員】
 こうした会議は重要である。地域全体の公共交通をどうしていくかという観点から、シティバスバスだけでなく、今回の西部コミバスも情報提供をし、関係者全員が連携をしていくような取組が必要である。
 先ほどから、「エアポートウォーク名古屋」が10月に開店するという話があるが、現在、勝川駅、味美地区、名古屋駅、県営名古屋空港を結ぶ路線バスの申請も出ている。地域公共交通会議で議論する内容ではないが、各委員に情報提供し周知する必要がある。
 【磯部会長】
 多田委員に確認するが、勝川駅と名古屋空港を結ぶ路線ができるということか?
 【多田委員】
 名鉄バス路線の廃止を受けて申請が出ている。今回の西部コミバスにも少なからず影響があるはずなので、乗合事業者としてきちんと情報提供をする必要がある。
 【奥村委員】
 どの運行事業者が申請をしているのか
 【提案者(交)】
 当社が運行します。

 次回開催日程については、後日調整するものとする。

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

まちづくり推進部 都市政策課

電話:0568-85-6051
まちづくり推進部 都市政策課へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。