平成19年度第2回春日井市地域公共交通会議議事録

ページID 1007103 更新日 平成30年4月1日

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1開催日時

平成20年2月15日(金曜日)午前10時~午前11時30分

2開催場所

春日井市役所南館(議会棟) 4階 第3委員会室

3出席者

会長       
 磯部 友彦(中部大学工学部都市建設工学科教授)

委員
 伊藤 太(春日井市長)(代理)
 加藤 直樹(名鉄バス株式会社運輸部運輸第2課長)
 松浦 宏行(ジェイアール東海バス株式会社企画部担当部長)
 梅津 道彦(近鉄東美タクシー株式会社代表取締役社長)(代理)
 鈴木 肇(社団法人愛知県バス協会 専務理事)(代理)
 奥村 正士(愛知県タクシー協会副会長)
 松本 由太朗(春日井市区長町内会長連合会副会長)
 今村 勝芳(春日井市民生委員児童委員協議会連絡会副連絡会長)
 谷口 欣男(春日井市老人クラブ連合会会計)
 大辻 誠(春日井商工会議所副会頭)
 水野 千惠子(社会福祉法人春日井市社会福祉協議会副会長)
 佐々木 和久(国土交通省中部運輸局愛知運輸支局首席運輸企画専門官(輸送担当))(代理)
 藤岡 可三(愛知県尾張建設事務所維持管理課長)
 柘植 康己(愛知県春日井警察署交通課長)
 青木 透(愛知県地域振興部交通対策課長)(代理)
 三浦 栄作(春日井市建設部道路課長)(代理)

その他関係者
 長瀬 敏裕(名鉄バス株式会社運輸部第2課課長補佐)
 山腰 和雄(名鉄バス株式会社春日井営業所運行指導主任)

事務局
 東瀬野 克之(春日井市企画調整部交通対策課長)
 小林 敏夫(課長補佐)
 河出 康隆(主任)
 志津 明典(主事)

4欠席者

委員
 小林 宏(愛知県交通運輸産業労働組合協議会議長)

5議題

  1. かすがいシティバスの現状について
  2. かすがいシティバスの見直しに向けて

6会議資料

7議事内容

【磯部会長】

傍聴者1名と会議の成立を確認した
議事録署名者に今村委員を指名した

(1) かすがいシティバスの現状と見直しに向けて

【事務局】
資料に基づき、かすがいシティバスの現状及びかすがいシティバスの見直し方針について概要を説明した。

【磯部会長】
委員に事務局が説明した内容についての質問及び見直し方針についての意見を求めた。

【大辻委員】
シティバスの運行に1億2千万円かかっており、その内、市の負担金が8千万円あるということだが、予算上はどのように計上しているのか。

【事務局】
市の予算では、一般会計の中の負担金という形で計上している。シティバスの事業主体は市であり、運行経費から収入を引いた金額が市の負担金である。

【佐々木委員】
見直し方針の中では、大まかな言い回しだが、今回はシティバスのネットワーク全体を見直すことを目的としているのか。運行当初は、路線毎にそれぞれの目的や役割を持たせていたように思うが、そういったことを抜本的に見直すということか。

【事務局】
方針2で述べたが、見直しは、現行路線をベースに行っていきたいと考えている。そのためには、やはり全体のバランスを考える必要がある。また、現状の効率性を維持、向上していくことも考える必要がある。

【磯部会長】
資料では、各路線の特徴が記載されているが、当初の目的通りの利用がされていない路線や、路線の問題点に関する記述もあり、各路線の見直しを考える際のポイントになる。
また、さらに見直しを深めていくためには、全体の見直しが必要となるが、かすがいシティバスが現状の病院循環線、施設連絡線、地域連絡線の3体系になった経緯には、シティバス創設以前のバス路線など、過去からの事情が絡んでおり、現在の実状にあっていない路線もあるかもしれない。そういったことも見直しの対象になるのではないか。

【奥村委員】
1便あたりの利用者数が非常に少ない路線もあるが、そういった路線に現状の大きな車両を使うべきか検討すべきではないか。

【事務局】
現在は、病院循環線については、名鉄バスの車両を使用しており、定員は50名~60名になる。施設連絡線、地域連絡線については、定員30名~40名の専用の小型バス車両を使っている。

【奥村委員】
現在の車両の定員数に対して、乗客数が非常に少ない路線もあり、無駄をなくすためにも、小型車両の導入などを検討したほうがよいのではないか。

【事務局】
方針として、まずPRの促進など、利用客を増やす努力をしていきたい。小型車両導入のためには、バリアフリーの設備、またピーク時の乗客数など、様々な側面を考慮しつつ検討する必要がある。

【奥村委員】
車両の管理は誰がやっているのか。

【事務局】
運行事業者である名鉄バスが管理している。

【磯部会長】
車両に関しては常に検討していかなければならない問題である。先程事務局が言ったように、ある瞬間に最大何人乗せる必要があるのかということやバリアフリーの問題があるので、難しい問題ではあるが。

【青木委員】
見直しにあたっては、路線の名前についても考えてほしい。私は春日井市に住んでいるが、かすがいシティバスやはあとふるライナーという名前があって、さらにそれぞれの路線に病院循環線、地域連絡線などの名前があり複雑である。利用者として分かりにくい面があるので考慮していただきたい。

【磯部会長】
過去のバス路線名から継続している路線もあり、シティバス運行開始の際に、全体をまとめる名前が欲しかったという事情もあった。しかし、利用者が混乱するということは良い名前ではないように思う。利用促進という観点からも、改善の一つのポイントとして検討する必要がある。

【加藤委員】
シティバス利用者の多くは高齢者ということだが、高齢者は、ある程度時間がかかっても乗換えなしで行きたいという要望がある。それに対して、一般にバス路線というのは、あまり時間がかかることについては良しとしない。今回の見直し方針として、主に高齢者の利用を最重要として検討していくのであれば、かなり長い路線を作ることも選択肢としてあると思うが、それは運行効率の向上という方針とは相反する側面がある。このあたりをどう考えているか。利用者のターゲットをどこにおいているのか、運行効率向上の方針と矛盾しても、アンケート結果の「時間がかかっても乗換えなしで移動できる」という要望を尊重するのか。

【事務局】
シティバスの主要な対象は高齢者であるということは、明確にしたいと考えている。愛知県は特に自動車利用率の高い地域ではあるが、高齢化に伴い、自動車利用を止める、また、社会情勢の中で公共交通の利用が高まるなど、利用のポテンシャルはあると判断している。運行効率については、現行の7路線の連携などの点で検討していきたいと考えている。

【磯部会長】
一般的にバス路線が長くなると、遅延ということが問題になる。一箇所の遅れが、その後の運行にずっと響いてしまう。バス停は無人なので、何分遅れているのかなどの状況が全く分からず、バス停で待つ利用者は非常に不安になる。最近は、バスロケーションシステムなどが導入され始めているが、やはり、なるべく時間どおりに運行できない要素は持ち込まないようにするのは一つの鉄則である。
また、あまり長い路線であると、高齢者の方が長時間車内にいることになるので不安がある。例えば、長く揺られて具合が悪くなるとか、トイレが近いなどの懸念があり、むやみに長くすることは望ましくない。
当然、乗り継ぎなしで目的地に行けるという路線が望まれるが、バスの路線の組み方や道路交通の色々な事情からダイヤが守れない状況という懸念があるなど、課題は多くある。

【水野委員】
シティバスというのは、例えば通勤・通学に利用される民間のバスとは違い、春日井の人たちが気軽に乗ってどこかへ出かけられるというバスであってほしいと思う。利用者の中の病院や買い物などといった切実な目的がどうしても優先になるが、シティバスを利用することによって、高齢者が家に引きこもらず、少しでも外に出かけられる機会を得ていく、そういうことで愛されるシティバスになってほしい。春日井の色々な所に張り巡らされた交通機関を使って、家に引きこもらずに出かける一つのきっかけ作りになるようなシティバスだといいなということを感想として持った。

【今村委員】
民生委員の活動の中で受けた苦情だが、高齢者の方はバス券を貰っても、バス停が近くにないと、バス停まで行くのが大変だということになる。高齢者の利用向上を図るのであれば、当然、バス停が近くにないといけない。
先程、水野委員から話があったが、高齢者の方がもう少し使いやすいようなバス路線を作っていただきたい。事務局の方にこの苦情を伝えた際には、個人的なことを言ってもらっては困ると言われたが、実際お年寄りにとっては、近くにバス停がないとものすごく大変である。大きいバスでなくてもよいので、数を増やして、路線の拡大を図っていただければと思う。

【事務局】
高齢者の方を主要な対象とする中で、バス停が近場に欲しいという希望は多く聞いている。事務局としても、そういった声は応援の声とも受け止めている。ただ一方で、市としては負担金を当然減らしたい。また、効率性や路線のバランスの問題など、同時に検討すべき点は多く悩ましい問題ではある。

【磯部委員】
今回の資料には、市民全体へのアンケート結果と利用者の意見が入っている。さらに、シティバスを利用したいができない人の意見も必要になるかと思う。確かに、調査方法としては、利用したいができない人のデータをとるのは非常に難しいことは分かっている。どの町でもやり切れていない調査ではある。
しかし、利用意向を把握することは非常に重要で、今回の見直し案で言えば、交通空白地域の中で高齢者の多い地域にバスを運行しようということだが、例えば、神領の北側など若年齢層が多い地域でバス路線が新しくできた時に、その地域の方々が実際に乗るか乗らないか、という検討はする必要がある。単に地域条件がこうだからこうですという予測では、地域住民とのギャップができてしまう可能性がある。実際にやってみないと分からないという面はあるが、そういった事前調査は必要である。
また、委員の方の発言を聞いていると、コミュニティバスに乗るイベントを何か企画してもいいのかなと思う。高齢者を対象にして、季節のいい時期に公園や美術館などにシティバスで出かけるイベントなどを企画していくと、それがきっかけになって利用促進につながるのではないか。他地域では、小学校の社会勉強としてコミュニティバス乗車体験を行っているという例もある。子供が利用すると、家族にも波及していき、乗るきっかけづくりとしては有効である。このように乗るきっかけを仕掛けていくと、利用促進につながるので、利用促進の一つの方策として、考えていただければと思う。

【柘植委員】
現在の利用者数の大半を占める65歳以上の女性は、ほとんど免許証を持っていない。しかし、50歳代の団塊世代の多くの方は、女性であっても免許を持っており、これらの年代が65歳以上になる時に、現在のシティバスの利用率が保てるかについては疑問がある。もう少し将来を見据えたことも考えていかなければならないのではないか。実際には、ご夫婦のところはおそらく車利用で、シティバスを利用される方は独居の女性が非常に多いと推測するが、こういった独居の女性の方がこれから増えてくる傾向は今のところない。シティバスを見直し、充実させたものの、利用者が少なくなるという状況もおこりかねないので、検討が必要である。
また、神領駅の北側に現在自由通路が建設されている。完成すると、今以上に北側からの利便性は非常に良くなる。現在、北側は、公共機関の空白地帯だが、あの地域へのバスの運行も検討すべきではないか。
加えて、利用向上策についてだが、商業施設と提携して、シティバスで来れば割引券がもらえるなど、何か付加価値を設けた運行のあり方を考えないと、利用増進にはつながらない。税金が8千万円も使われている中で、いかにして補填するか、利用者数を増やす方策は非常に重要である。付加価値を設けた運行の工夫や、周辺施設との連携などを行えば、利用促進につながるのではないかと思う。

【磯部会長】
中部大学のスクールバスは、現在神領駅の南口から大学に出ているが、この春の自由通路完成後は、北口が発着所となる。このように、公共交通の運行形態も状況に併せて変化していくだろう。
また、付加価値についてだが、ある研究者によればポイント制が効果的だそうだ。日本人はポイント好きらしく、回数券などよりはるかに少ない割引率でも皆喜んで集めるというデータがある。負担率も低く効果的な策であるので紹介しておく。

【事務局】
神領駅については、JR駅を中心とした区画整理の話が進んでいる。自由通路はまもなく開通するが、指摘された件については、まちづくりや地元の判断を勘案して検討している。ただ、要望活動として、すでに神領駅北口に民間バス路線を作ってほしいということは、市から名鉄バスに要望している。

【鈴木委員】
民間バスと競合しない路線設定ということでご配慮いただいている。今後の方向性としては、公共交通空白地域を埋めていくということであるが、主要な目的地としては、従来どおり、病院や公共施設という方針なのか。

【事務局】
市内や鉄道駅を中心に民間バス路線が確保されている一方で、町と町とを結ぶ路線が少なく、通院などに不都合があるという現状があり、シティバスの役割としては、民間バスが撤退した路線の補填、公共交通の足のない場所での運行という方針が基本である。その観点からも、シティバスの走行時間は、9時から5時までとなっており、朝夕の通勤・通学時間帯には走らせていない。

(2) その他

【事務局】
次回の開催は、4月頃を予定している。
次回の会議までに、シティバス運行見直し案を作成する。次回の会議では、その見直し案についての検討・協議を行っていただきたい。

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