サンアイ自動車株式会社 自動車販売修理業(ワークライフバランス)
サンアイ自動車株式会社
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)という言葉をご存じですか。
この言葉は仕事と生活に使う時間の調和を図ることを意味しています。それによって、私生活を充実させるとともに、仕事の業績もあげるという好循環を生み出させ、社会全体を継続的に発展していこうということです。そしてワーク・ライフ・バランスは性別、世代に関わりなく、全ての人に関係します。
今回紹介する企業は「サンアイ自動車株式会社」です。
(写真左から青木さん、伊藤さん、小島さん)
1、働く社員が誇りを感じる会社
-会社の雰囲気や人間関係が良好で、楽しく仕事ができているとお聞きしましたが、その秘訣や貴社ならではということはありますか。
小島さん
「私たちの会社では『心の勉強会』というものを開催しています。これは全社員で、何か一つのテーマをもとに社員それぞれが自分の体験や価値観を話し合い、物事の正しい考え方などを学ぶ会です。様々な部署の人と関わり、仕事以外のことも含めいろいろなことを話すことができるので、社内の雰囲気がよくなるのではないかと思います。
その時々には食事会もありますしね。」
-その『心の勉強会』とは具体的にどういったものなのでしょうか。
伊藤さん
「心の在り方や、物事のとらえ方、考え方を学んだり、成功体験を発表したりと、どう行動したらいいかを皆で話し合う会です。当社では基本理念である、『人は人のために』という考えのもと一人一人がお客様のため、同僚のために行動します。例えば販売の人たちは鈑金の人たちがこんなにいい仕事をしてくれたのだから、がんばって売ろうと思ったり、逆に鈑金の人たちは販売の人たちがあんなに一生懸命売ってくれているのだから、さらにきれいに直そうと思います。そういった考え方を会社全体で共有することで相乗効果が生まれ、どんどんいい雰囲気になります。」
青木さん
「考え方を学ぶことで様々なことに気付けるようになり、マイナス思考だったのがプラス思考になりました。そしてこの人のために何かしてあげたいなと自然に思えるようになり、それは自分の成長ややりがいにつながっていると思います。」
-なるほど。心の勉強会が日々の業務やお客様への対応、さらに会社の人間関係にもいい影響を与えているのですね。
青木さん
「はい。本当に会社全体の仲が良く、男女や世代に関係なく社員同士の壁がないように感じます。それが楽しく働けている理由の一つだと思います。そして人として尊敬できる人がたくさんいるんですよ。仕事で失敗したときにただ怒るのではなく、次につながるように叱ってくれます。」
伊藤さん
「この会社では成績や技術が高いだけではリーダーにはなれません。優しいだけじゃなく、周りの人のことを考えられて、部下の成長を考えられる人がこの会社でのリーダーになります。そしてみんながあの人みたいになりたいと思うようになるんですね。」
-仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか。
小島さん「私は仕入部に在籍しているのですが、やっぱり車を仕入れているときですね。
その際に、この車はどんなお客さんが買うかなと想像したりします。そして購入していただいたお客様の人生に少しでも関われたかなと感じた時にやりがいを感じます。また上司から、仕事において“できない、で終わるのではなくできる方法を考えよう”と言われていて前向きに仕事に取り組めています。」
青木さん
「私は周りの人たちに喜んでもらえた時ですね。あとこの会社ではいろいろな役割を与えていただき、様々なことを経験させていただけるのでやりがいを感じます。」
-社員の皆様が本当に生き生きと働いてみえるのが伝わっています。この会社において女性の存在とはどういったものですか。
小島さん
「この会社の女性の方々はいつも決断が早く、パワフルですね。(笑)」
伊藤さん
「以前は販売等は男性、事務は女性が多かったのですが、今は女性の方も販売等様々な役割で活躍しています。今年度の販売台数の成績トップは入社2年目の女性だったんですよ。」
青木さん
「男性だからこの仕事、女性だからこの仕事というのではなく、男女関係なくいろいろな仕事ができます。そして女性同士の仲もとても良いです。」
-仕事で業績や生産性が向上すると、私生活においてもメンタルヘルスの安定や充実した生活につながります。するとまたいい仕事ができるようになり、いい循環が生じます。つまりワーク・ライフ・バランスの実現は、仕事と生活の質の向上につながっていくのです。そのようなワーク・ライフ・バランスの相乗効果や私生活の充実などを感じることはありますか。
小島さん
「家に帰って家族に仕事で疲れたと話すよりも、今日は会社でこんな楽しいことがあったよと話すようにしています。すると家庭の中もおのずと明るくなりますし、次の朝仕事に行くとき元気に家族に見送られて、また一日頑張ろうと思えますね。」
青木さん
「働いていて楽しいという思いがありますし、段取りをつけて仕事をするようになったことで、プライベートでもメリハリをつけて過ごすことができるようになりました。」
伊藤さん
「私生活という点では、会社としても社員だけではなく社員の家族全員が幸せになってほしいという思いがあります。先日も日々の家族の協力に感謝しようということで、160名ほどをプラザホテル勝川にご招待して家族会というイベントを開催しました。」
青木さん
「私の両親はたまに会社を見に来たりして、楽しく仕事ができているのが伝わるのか、この会社に入って良かったねと言ってくれます。それこそ家族だけではなくお客様も車を買ったり修理の際以外に、今日はちょっと話に来たんだと遊びに来ていただいたりもします。それだけ会社の雰囲気を居心地良く感じていただいているのかなと思います。」
-ありがとうございました。続いて市橋社長にお話をお伺いします。
2、社長へのインタビュー
-会社の雰囲気が良く社員の方々が楽しく働いているとお聞きしました。お話を聞くうえでその秘訣は『心の勉強会』にあると思うのですが、その会を開くことになったきっかけなどはありますか。
「心の勉強会は25年ほど前から開催しています。当時は会社の雰囲気が良くなく、社員同士がギスギスしていました。また社長と社員の関係も良くなく、私もうまくいかないことを社員の責任にしてしまうことがありました。そんなある時、知人を通じてNPO法人日本燦クラブの青木盛栄先生をご紹介いただき、勉強会に参加しました。そこで社員がいるから私がいる、社員とうまくいかなかったのは自分に足りない部分があったからではないかと考えるようになりました。また会社とは社長や社員がお互いのことを思うことで成長し、お客様へ本物のサービスができるようになると教わりました。そしてこういう考え方を全社で共有したい、と心の勉強会を開いたのです。」
-会社で心の勉強会を開くことでどうなりましたか。
「毎月開催している勉強会では、部署や年齢を越え様々なテーマについて話し合います。また“人は人の為にあり”という会社の基本理念をもとに、相手のことを思いなさい、人の為になりなさいという心の在り方についても学びます。そしてそれを実際に行動にうつし、実践することで社員同士の人間関係が良好になり、会社が大変明るくなりました。お客様に対しても、お客様のためにと思い実践することで、その後いただいたアンケートですばらしいお言葉をたくさんいただき、それが社員の喜びややりがいにつながります。そのような成功体験を勉強会にて皆で共有します。すると会社全体がますます成長できるのです。」
-心の勉強会を開くことで人間関係の改善につながり、社員の皆様が会社を好きになり、楽しく仕事ができるのですね。そのような職場環境はワーク・ライフ・バランスにおいて非常に重要になります。良好な職場環境であれば業績や生産性の向上につながりやすく、それは家庭での充実した生活やメンタルヘルスの向上につながり、それがまた仕事にいい影響を与えるのです。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。≪ワーク・ライフ・バランスへの取り組み≫
★働きがいのある職場づくりへの取り組み
- 経営理念の浸透
- ミッションの共有
- 人間的成長を促す各種研修の実施
- 社内勉強会・各種プロジェクトを通し、部署・年代の枠を超えたコミュニケーションの場の提供
会社が、そこで働く人々にとって単に“仕事をする場・生活の糧を得る場”として捉えるのではなく、“人間的成長できる場・人生のやりがい、生きがいを提供できる場”となることを目標としております。
いろいろな考え方を学ぶこと・またそれを実践することにより、各人が幸せと充実感あふれた人生を送ることができること。そして、その輪がどんどん広がり、ご家族の皆様はもちろんのこと、接するお客様方、地域の方々等、縁ある全ての方々に幸せ(明るさ:社是)が連鎖していくことが私どもの社会的存在価値であると考えております。
★会社概要
会社名: サンアイ自動車株式会社
創立: 1963年
資本金: 1,000万円
代表者: 代表取締役 市橋 正孝(いちはし まさたか)
付記:2014年4月より 代表交代 新代表取締役 伊藤 幸三
所在地: 春日井市味美町2丁目119番地
電話: (0568) 31-8831
社員数: 93名( 正社員76名 ・パート 17名 )
付記: 2014年4月より 107名(正社員 90名・パート 17名)